【夕顔294-2】古文常識「板屋」「堂」 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【夕顔294-2】古文常識「板屋」「堂」

センター試験まであと99日☆

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源氏物語イラスト解釈ラブラブ

 

【これまでのあらすじ】

天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を名のり、左大臣の娘(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。

ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、五条にひっそり住まう夕顔の君に恋をし、彼女を廃院に誘いますが、夕顔は急死してしまいます。部下の惟光(これみつ)に後始末を命じ、光源氏は憔悴しきって内裏にも出仕できず、惟光と夕顔の葬儀へと出向きます。

 

【今回の源氏物語】

辺りさへすごきに、板屋のかたはらに堂建てて行へる尼の住まひ、いとあはれなり。

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 ☆ 古文オリジナル問題~古文常識「板屋」 ☆

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辺りさへすごきに、板屋のかたはらに堂建てて行へる尼の住まひ、いとあはれなり

 

問)傍線部の解釈として最も適当なものを、次の中から一つ選べ。

 

1.板葺きの家のそばに立派なお堂を建て、そこで勤行している尼の暮らしは、とても不自然である。

 

2.板でできた屋敷の横に立派なお堂を建てて仏道修行している尼の家は、たいそう美しい様子である。

 

3.板間の本家の隣に尼が勤行するためのお堂を建て、そこで暮らしているのは、理にかなっていてすばらしい。

 

4.板葺き屋根の家の隣にお堂を建てて生活している尼の住まいは、なんともいえず情趣深いものである。

 

5.板葺きの粗末な家のそばにお堂を建てて仏道修行する尼の住まいは、なんともしみじみともの寂しいものである。

 

照れ  チュー  びっくり

 

古文、特に、『源氏物語』でよく出て来る

あはれなり」という重要古語☆

 

 

文脈に応じて、プラスにも、マイナスにも

意味ががらりと変わるから、大変厄介な古語でーす;;

滝汗滝汗滝汗

 

 

しかしながら、

前後の文脈にある言葉から、

イメージをもって古文を読めれば、

 

 

 

 

「あはれなり」という言葉が、

作者のここで描きたい主張の終点となるので、

 

イメージぶれずに読めるはず。

チューチューチュー

 

 

 

 

 

 

【板屋(いたや)

【名詞】

①板葺(ぶ)きの屋根

②板葺きの(粗末な)家

 

 ※Weblio古語辞典より

  矢印

まずは、この「板屋」という家のイメージを

古文常識として押さえましょう。

キョロキョロ

 

②の意味をみるとわかります。

あまり、立派な屋敷とはいえない家をさします。

 

山寺の尼は、そんな粗末な板葺きの家のかたわらに

お堂を建てて、そこで「行う(=仏道修行)」していたようです。

 

 

【堂(だう)

【名詞】

①表御殿。正殿

②神仏を祭る建物

 

 ※Weblio古語辞典より

  

お堂は、仏様をまつる本堂のことですね。

 

「板屋」の横に建てるくらいですから、

立派な本堂のわけがありませんよね;;

 

 

1.板葺きの家のそばに立派なお堂を建て(△)、そこで勤行している尼の暮らしは、とても不自然である。

 

2.板でできた屋敷の横に立派なお堂を建てて(△)仏道修行している尼の家は、たいそう美しい様子である。

 

3.板間の本家の隣に尼が勤行するためのお堂を建て、そこで暮らしているのは、理にかなっていてすばらしい。

 

4.板葺き屋根の家の隣にお堂を建てて生活している尼の住まいは、なんともいえず情趣深いものである。

 

5.板葺きの粗末な家のそばにお堂を建てて仏道修行する尼の住まいは、なんともしみじみともの寂しいものである。

 

 

 

で、ゼッタイ間違ってほしくないのが、

「行ふ」という重要古語☆

 

【行ふ(おこなふ)

【自動詞:ハ行四段活用】

①(仏道の)修行をする。勤行(ごんぎょう)をする

【他動詞:ハ行四段活用】

①執り行う。実行する

②処理する。治める。支配する

 

 ※Weblio古語辞典より

 

この文脈では「尼」が出て来るし、

明らかに目的語のない自動詞なので、

仏道修行する・勤行する」の意味となりますね。

真顔

 

3.板間の本家の隣に尼が勤行するためのお堂を建て、そこで暮らしているのは、理にかなっていてすばらしい。

 

4.板葺き屋根の家の隣にお堂を建てて生活している(△)尼の住まいは、なんともいえず情趣深いものである。

 

5.板葺きの粗末な家のそばにお堂を建てて仏道修行する尼の住まいは、なんともしみじみともの寂しいものである。

 

 

さあ。

この文脈から、「あはれなり」の判断をしていきます。

選択肢3と5の、どちらが「最も適当」な意味でしょうか?

 

 

3.板間の本家の隣に尼が勤行するためのお堂を建て、そこで暮らしているのは、理にかなっていてすばらしい

 

5.板葺きの粗末な家のそばにお堂を建てて仏道修行する尼の住まいは、なんともしみじみともの寂しいものである

 

 

こういうあたりの思考力・判断力が、

大学入試共通テストになった上でも

必ず問われることになるんですのよ!

笑い泣き笑い泣き笑い泣き

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】…

 

 

 

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