源氏イラスト訳【夕顔226】心強く
心強く、
「さりとも、いたづらになり果てたまはじ。夜の声はおどろおどろし。あなかま」
と諌めたまひて、いとあわたたしきに、あきれたる心地したまふ。
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【源氏物語イラスト訳】
心強く、
訳)気丈に、
「さりとも、いたづらになり果てたまはじ。
訳)「いくらなんでも、死んでしまいなさることはないだろう。
夜の声はおどろおどろし。あなかま」と諌めたまひて、
訳)夜の声は仰々しい。静かに」といさめなさって、
いとあわたたしきに、あきれたる心地したまふ。
訳)まったく突然の事なので、呆然とした気持ちがしなさる。
【古文】
心強く、
「さりとも、いたづらになり果てたまはじ。夜の声はおどろおどろし。あなかま」
と諌めたまひて、いとあわたたしきに、あきれたる心地したまふ。
【訳】
気丈に、
「いくらなんでも、死んでしまいなさることはないだろう。夜の声は仰々しい。静かに」
といさめなさって、まったく突然の事なので、呆然とした気持ちがしなさる。
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■【心強く】
※【心強し】
■【さりとも】
■【いたづらになる】
■【―果(は)つ】
■【たまふ】
■【じ】
■【夜の声】
■【は】
■【おどろおどろし】
■【あなかま】
■【と】
■【諫め】
※【諫(いさ)む】
■【たまふ】
■【て】
■【いと】
■【あわたたしき】
※【あわたたし】
■【に】
■【あきれ】
※【あきる(呆る)】
■【たる】
■【心地(ここち)】
■【し】
■【たまふ】
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☆本日の『源氏物語』☆
主人の死に、わぁわぁと泣きじゃくって、
うるさくしている右近を、光源氏はいさめます。
「さりとも(いくらなんでも)」死ぬわけないだろう…
現状を受け入れられないでいるのでしょうね。