源氏イラスト訳【夕顔224】つと抱きて
つと抱きて、
「あが君、生き出でたまへ。いといみじき目な見せたまひそ」
とのたまへど、冷え入りにたれば、けはひものうとくなりゆく。
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【源氏物語イラスト訳】
つと抱きて、
訳)ずっと抱いて、
「あが君、生き出でたまへ。
訳)「あなた! 生き返ってください。
いといみじき目な見せたまひそ」とのたまへど、
訳)とてもひどい目に遭わせなさるな」とおっしゃるけれど、
冷え入りにたれば、けはひものうとくなりゆく。
訳)冷たくなってしまっているので、夕顔の様子はなんとなく薄気味悪くなってゆく。
【古文】
つと抱きて、
「あが君、生き出でたまへ。いといみじき目な見せたまひそ」
とのたまへど、冷え入りにたれば、けはひものうとくなりゆく。
【訳】
ずっと抱いて、
「あなた! 生き返ってください。とてもひどい目に遭わせなさるな」
とおっしゃるけれど、冷たくなってしまっているので、夕顔の様子はなんとなく薄気味悪くなってゆく。
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■【つと】
■【抱き】
■【て】
■【あが君】
■【生き出づ】
■【たまへ】
※【たまふ】
■【いと】
■【いみじき】
※【いみじ】
■【目】
■【な~そ】
■【見せ】
■【たまふ】
■【と】
■【のたまへ】
※【のたまふ】
■【ど】
■【冷え入り】
■【に】
■【たれ】
■【ば】
■【けはひ】
■【ものうとく】
※【ものうとし】
■【なりゆく】
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☆本日の『源氏物語』☆
光源氏がいくら揺さぶろうとも…
夕顔の体は、どんどん冷たくなっていき――
「ものうとく」…人としての感触がせず、
違和感のある薄気味悪い「もの」に
なっていくのでした。。。