【夕顔214-2】指示語の解釈&文法
古文のマニュアルは、判断材料のヒントに用います。
判断のすべてがそれだと思っちゃダメよ!
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光源氏は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下した。帝の後妻である藤壺宮(ふじつぼのみや)が亡き母に似ていると聞き、思い焦がれるようになる。一方、中流階級の空蝉(うつせみ)と一夜限りの恋を経験し、光源氏は、現恋人の六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)にも、正妻の葵上(あおいのうえ)のもとにも心が向かないでいるのだった。
ただ今、「4.夕顔」の巻です。光源氏は、惟光(これみつ)の実家の隣家にひっそり住まう夕顔の君に心惹かれ、こっそり通うようになる。ある夜、光源氏は夕顔を廃院に連れ出し、2人で時を過ごす。宵も過ぎた頃、何か異様な気配がし出します…。
【今回の源氏物語】
「…まろあれば、さやうのものには脅されじ」
とて、引き起こしたまふ。
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☆ 古文オリジナル問題~古典文法~ ☆
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「…まろあれば、さやうのものには脅されじ」
とて、引き起こしたまふ。
問)傍線部の説明として、間違っているものを一つ選べ。
1.「さ」は人称代名詞である。
2.「さやう」は形容動詞の語幹である。
3.「の」は連体修飾格の格助詞である。
4.「もの」は「物」のことで、ここでは狐をさす。
5.「さやうのもの」で「そのようなもの」と訳す。
古文の学習がある程度進んできた受験生で、
センター対応の演習問題をこなしていくときに、
まず、まっさきにつまずくのが、
こんな選択肢の問題です。
(。>0<。)
塾や予備校で、講義を聴いたり、
学校の授業の復習などしたりして、
長文理解が、けっこうできるようになったと思いきや…!
まさかの不正解続出……;;
(((( ;°Д°))))
理由は、いくつか考えられますが、
そのなかで、多くの受験生が気づいてないことがあります。
それはね…
マーク問題は、
正しい選択肢を選ぶんじゃない
ってこと。
「さやう」っていう古語は、辞書に載っていません。
ナリ活用形容動詞「さやうなり」しか、
古語辞典に載ってはいないのです!
【さやうなり(左様なり・然様なり)】
【形容動詞:ナリ活用】
…そのようだ。そのとおりだ
※Weblio古語辞典より
…これを知らなかった受験生は、
「さやう」が語幹なんて、そんなワケないやい
と思って、まっさきに選択肢2をえらんだりしてしまいます。
いいえ!
選択肢のえらび方は、実はこうです。
明らかに間違っているものを消し、
消去できる根拠のないものは残す。
1.「さ」は人称(×)代名詞である。
2.「さやう」は形容動詞の語幹である。
3.「の」は連体修飾格の格助詞である。
4.「もの」は「物」のことで、ここでは狐をさす。
5.「さやうのもの」で「そのようなもの」と訳す。
「さ」は、指示副詞か、指示代名詞か、
文法的に不明確かもしれません…
ですが、「さ」は、選択肢4にもあるように、
ここでは直前のキツネのことをさすので、
明らかに、人称代名詞ではありませんよね!
(;・`ω・´)
正解…1