【夕顔212-2】古文常識「女君」について☆
古文常識は、参考書ではなく、
出てきたものからイメージしていくとよいですよ!
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光源氏は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下した。帝の後妻である藤壺宮(ふじつぼのみや)が亡き母に似ていると聞き、思い焦がれるようになる。一方、中流階級の空蝉(うつせみ)と一夜限りの恋を経験し、光源氏は、現恋人の六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)にも、正妻の葵上(あおいのうえ)のもとにも心が向かないでいるのだった。
ただ今、「4.夕顔」の巻です。光源氏は、惟光(これみつ)の実家の隣家にひっそり住まう夕顔の君に心惹かれ、こっそり通うようになる。ある夜、光源氏は夕顔を廃院に連れ出し、2人で時を過ごす。宵も過ぎた頃、何か異様な気配がし出します…。
【今回の源氏物語】
帰り入りて、探りたまへば、女君はさながら臥して、右近はかたはらにうつぶし臥したり。
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☆ 古文オリジナル問題~古文常識~ ☆
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帰り入りて、探りたまへば、女君はさながら臥して、右近はかたはらにうつぶし臥したり。
問)傍線部「女君」の説明として、最も適当なものを一つ選べ。
1.貴人の姫君であり、右近とは姉妹の関係である。
2.身分の低い女房である右近の子どもである。
3.光源氏の愛人として敬意を払った表現がされている。
4.身分の高い家柄の女性で、右近の母親である。
5.右近の子どもであり、光源氏の妻の1人である。
「女君」とは、ここでは夕顔の君をさします。
夕顔は、光源氏の愛した女性の1人ですが、
この後、はかなく亡くなってしまいます。
『源氏物語』では、たくさんの女性たちが
名前を伏せた形で登場するので、
「女君」とだけ聞いても、話の内容を把握してないと
誰のことだか分かりませんよね;;
ヽ(*'0'*)ツ
【女君(をんなぎみ・めぎみ)】
【名詞】
①姫君。「めぎみ」とも。▽貴族の娘の尊敬語
②貴人の妻の尊敬語
※Weblio古語辞典より
もちろん、「君」とついているから、
基本的には、身分の高い女性をさしますが、
今回のように、それほど身分が高くなくても
光源氏などの貴人に愛された女性には、
②のように、「女君」が使われます。
今回は、夕顔の身分は、まだ想像の範囲を出ませんが、
頭中将の話のとおりだとすると、
親という後ろ盾のない女――
さほど身分も高くなかったといえましょう。
空蝉のときもそうでしたが、
中流階級の女でも、光源氏に愛されると
尊敬語が用いられたりするんです。
古文を読むときは、「女君」とは誰のことか、
その場その場で呼称も変わったりするので
注意しましょうね!
(。´・∀・)ノ゙
正解…3