【帚木133-2】確述用法☆「ぬべし」の訳出 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【帚木133-2】確述用法☆「ぬべし」の訳出

おはようございますラブラブあいです。

 

このブログは震災の影響で辞書や教科書などが手元にない受験生でも、詳しく学習できるように書いています。

古文学習の1つとしてご活用ください♪


↓今日の源氏物語はコレ↓

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「…さやうならむたぢろきに、絶えぬべきわざなり。…」
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【源氏物語~これまでのあらすじ】

桐壺帝の御子である光源氏は、臣下に降格してからも継母である藤壺宮を忘れられないでいました。ある五月雨の降る夏の夜、宮中の宿直所で、光源氏は頭中将(源氏の義兄)と、女性論の話になり、そこに友人の左馬頭、藤式部丞が加わって、さらに話は盛り上がります。「品定め」とは、身分を定めるという意味。女の身分が3つに分けられ、左馬頭が具体的に論じていきます。ここでは夫を残して出家してしまうような女の行く末です。

今日は、「ぬべき」の解釈

では行ってみよぉ~♪


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また、なのめに移ろふ方あらむ人を恨みて、気色ばみ背かむ、はたをこがましかりなむ。心は移ろふ方ありとも、見そめし心ざしいとほしく思はば、さる方のよすがに思ひてもありぬべきに、さやうならむたぢろきに、絶えぬべきわざなり

 

傍線部①②③を現代語訳せよ。


①②③に共通するイディオムとして、

確述用法が挙げられます。


 

【確述用法とは…】


完了の助動詞「つ」「ぬ」が、推量の助動詞の直前に来た場合、本来の完了の意味ではなく、強意の意味として用いられる用法。

 

つまり、

 

源氏物語【イラスト訳】で古文・国語の偏差値20UPし大学受験に合格する勉強法

 

 

ただし、

「べし」など、終止形接続の助動詞につく時は、

「つべし」「ぬべし」という形で覚えればいいのですが、

 

「む」などの未然形接続の助動詞につく場合は、

「てむ」「なむ」など、「つ」「ぬ」の形が変わって

見分けにくいです><


 

なので…


源氏物語【イラスト訳】で古文・国語の偏差値20UPし大学受験に合格する勉強法


こうしたイディオムとして、押さえておくといいですね♪

(o^-')b


 

さて、今回の①②③の訳出ですが…

 

確述用法の場合、「つ」「ぬ」が強意だということは決まっているのですが、後につく「べし」「む」の訳出は、文脈判断で見分ける必要があるんです;;

 

↓詳しくはこちら↓

「べし」の判別

「む」の判別
 

では行ってみましょう♪

(o^-')b

 

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気色ばみ背かむ、はたをこがましかりなむ


 

「態度を露わにして反旗を翻すとしたら…」という仮定からのつながりの文脈です。

呼応表現を考えると、「~だろう」という推量の意味が適当ですね♪

 

なお、「はた(=いやはや)」という強調語もあるので、

訳出も工夫する必要がありますね☆


 

はた をこがましかり

訳)いやはや、何ともばかげたことだろう

 

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見そめし心ざしいとほしく思はば、さる方のよすがに思ひてもありぬべきに


 

「思うならば(未然形+ば)…」という、これも仮定からのつながりの文脈です。

呼応表現を考えると、「~だろう」という推量の意味が適当ですね♪

 

 

さる方のよすがに思ひてもありべきに、

直訳)相応な方面の縁ある妻として、きっと思ってもいるだろうが、


 

う~ん; なんか、ごちゃごちゃしてますねー^^;

 

「きっと」というのは、強意の訳出としてよく用いられますが、

文中に入れにくい場合は、「~に違いない」という形で、

推量の強調表現にするといいですよ♪


 

さる方のよすがに思ひてもありべきに、

意訳)相応な方面の縁ある妻として思ってもいるに違いないが、

 

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さやうならむたぢろきに、絶えぬべきわざなり

 

「そのようなゴタゴタの中で」~「(夫婦関係も)絶えてしまう」という文脈です。

 

今回の確述用法は、「わざ(=こと」という体言に接続しています。

 

体言に接続する場合、「~だろう(こと)」などと、推量の意とするのは、日本語としては不自然になります。

(※英語の直訳ではよくあるんですが;)


 

したがって、「べし」の判別 により、

当然・義務の意味に解釈するほうがいいですね。


 

絶えべきわざなり。
訳1)きっと途絶えるはずのことである。


 

また、②と同様の表現を用いて、

 

訳2)途絶えるに違いないことである。

 

こんなふうにアレンジしてもいいですね♪

 

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③の場合、「べし」の文法的意味が問われることは、まずないと思いますが、

 

訳出と文法的意味との一致を心がけておくと、

まず間違えることはないはずです!

 

(o^-')b
 

今回のイラスト訳はこちら→
 

● おくのほそ道(松尾芭蕉)☆

 

月日は百代(はくたい)の過客(かかく)にして行きかふ年もまた旅人なり

 

こんな冒頭で始まる『奥の細道』。

元禄時代の俳聖松尾芭蕉による紀行文です。

 

この中には多くの名勝が詠まれていますが、

今回の震災で、奥の細道にかかわるたくさんの地が、被害を受けられました。

 

岩手県平泉の中尊寺、義経堂…

宮城県白石の湯殿山…

宮城県岩沼市、石巻市、塩釜市の松島…

福島県福島市、二本松市、相馬市、三春…

山形県の立石寺…

 

夏草や兵どもが夢の跡(平泉)

静かさや岩に染み入る蝉の声(立石)

 

一日も早い復興を、心からお祈りしています。  

 

 

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 あいでした☆