6.私の提案
「やぶにらみ」と称してこれだけ理屈をこねても、「提言の本命」は見つかりません!(残念無力)。日本農業が抱える問題の本質はほとんどの人が知りませんし語りません。国家(農林行政)は農協を見ていて、農家の実態をほとんど知りません。家庭内の問題を表に出さないのが農民です。心や家庭の問題を見つめずして、いったい農業をどの方向に向わせ何をどうしようとしているのでしょうか。日本という国がこれからも存続していくためには戦後の「農地解放」のような大改革が避けて通れない課題だと思っています。
40年農村を回っての提案
1.農地法の改正
(1)小作地の復活=農地の賃貸借を公に認可し賃貸借でも借地権の登記を認める。(第三者に対抗出来なければ、全ての約束は無に等しい)
(2)農業者認定の緩和。農耕の意志ある者は規模の大小を問わず農地を買えるようにする。(年金生活者など、余力を持って楽しく農業を始めようとする人のため)
(3)ただし、3年間耕作を放棄したら無償で国有地とする。
2.建築基準法の改正
(1)農地にも休憩所や倉庫の建設を弾力的に認可する。現行法ではトイレ付き休憩所さえも10㎡以下という制限(女性を大切にしないで農村をどのように近代化するのでしょう)
(2)消防法の適用も弾力化を一定規模以上の農作業場や農機具倉庫にも防火消化設備が義務付けられている。野中の一軒家で類焼の心配などなくても「法は法」というのが現行行政。(設備しないと建築確認がとれない。いきおい過剰投資)
3.相続法の改正
(1)不耕作農地は国に返還させ就農者に無償で貸与する。農地法の精神です。セイタカアワダチ草でも「生えてさえいれば」農地ですか? 田畑は3年不耕起で放置すると荒地に変化します。
(2)非農業者の農地相続を禁止。少なくとも嫁入り仕度をしてもらって非農家に嫁いだ人は相続放棄をして下さい。私は農業関連の法をいくらイジクッテモ、相続という根本問題を改善しないかぎり、近代化も規模拡大も不可能と思います。
4.食の安全の徹底
(1)食品は全て産地と生産者の表示を義務化(現状は誰が作ったのか解らない農産物が売られている)
(2)もちろん中間卸の食品や加工食品にも適用する。
(3)農薬及び食品添加物の数量(濃度)表示の義務化(農薬のポジテイブリスト制度は18年5月から実施されたが、表示の義務はない)
この提案をまとめたのが平成17年でした。北海道のミートホープ事件でJAS法も抜け穴だらけであることがやっと知られるようになりました。無農薬野菜も野放しです。 私の提言は全て憲法とかWTOに違反しますねえ。だったら極端な話「憲法改正」を提案したいくらいです。
(伊吹春夫)
2007/09/17