ペソ大暴落の反省からの、一人FXお勉強会の第三弾。

 

 

 

 

 

 結論から言うと、この本に出てくるテクニカル分析の使い方は、非常にためになった。本当のプロのチャートの見方を勉強する上では、最高かもしれない。

 ただ、やはり「15分足トレード」「鉄壁」と同じく、取引手法の参考になったかというと、残念ながら、私には全く向いていなかった。

 というか、「鉄壁」を読み終わった時も思ったのだが、私の取引手法は、邪道もいいところなのか、ほぼ全否定されていて、かなりショックを受けた。

 まぁ、邪道だろうが何だろうか、実際に儲かっているので、誰が何と言っても、王道に阿るつもりはないけど、それにしてもね。

 なんというか、ゴルフで言えば、マキロイのようなスイングが王道だとすれば、時々、片手シングルなのに一体どうやってクラブをボールにスクエアに当てているか見当もつかない摩訶不思議なスイングをするアマチュアを時々見かけるので、私はその摩訶不思議系邪道スイングだったということだな。

 なんかがっかり。

 

 とはいえ、まずは、良かったこと。

 

1 プロが使う5つの代表的なテクニカル指標の見方、使い方が丁寧に説明されている。

 これは「最強のFX15分足トレード」よりも「鉄壁FX」よりも、非常に説得力をもって、分かりやすく解説されていました。

 それもそのはず、著者の経歴を見ると、いわゆる個人のFXトレーダーではなく、どいみても機関投資家の中の人、説得力が違います。

 説明されているのは、ローソク足、移動平均線、MACD、ストキャスティクス、ボリジャーバンドの5つ。自分でも見ていることもあって、特に、MACDの説明は、あらためて自分の頭の中が整理されて気がして、すっきりしました。

 おもしろかったのは、「15分足トレード」や「鉄壁FX」、あるいは他の普通のFX関連本では必ず重視されている、ツートップとか、ヘッドショルダーとかの有名なチャートパターンは、プロは無視とか書かれていてこと。

 こっちが本当かなと思いつつも、私はやっぱり考慮に入れるなと思いました。

 

2 トレンドができる理由は、ロスカット(損切り)注文が市場に出るから。

 著者の持論のようです。

 納得できるかどうかもそうですが、これが分かったからと言って、それほど取引に影響が出るとも思えませんが、こういう仮説を聞くのはおもしろいです。

 

3 個人投資家が勝ちやすいのはデイトレードではなく、オーバーナイト取引だ。

 全面的に賛成。

 いわゆるプロが一日の終わりにポジションを決済しなければならないという制約があるのに対し、ポジションを持ち越せる個人投資家は、戦略に柔軟性が出るので、そこが強みになります。

 さらに、私の運用結果を見ても分かる通り、今の市場の状況だと、高金利通貨の買いから入るようにすれば(というかそれしかしない)、スワップで儲けを補完することが可能なので、非常に有利だと思います。

 例えば、ペソスワ、リラスワに代表されるように、価格が多少下がっただけなら、持ってるだけでスワップで儲けが出るという条件は非常においしいです。

 

 次に、私に全く参考にならなかった点。

 

4 ポジションは、成行注文で作り、絶対に指値注文で作らない!

 これ、マジですか。

 いや、プロはそうかもしれないけど、アマチュアの私にはできません。

 というか、私の場合、成行だと、その場の感情に流されやすいし、市場の動きに対する反応速度の問題もあって、むしろ逆に、絶対に成行では注文しない。

 むしろ、あらかじめチャートを見て決めた価格で淡々と指値を入れ、感情を交えずに、事前の計画通り、建玉するのが私の方針です。

 

5 ナンピンは、絶対ダメ。むしろ、買い乗せ、売り下がりを狙え。

 著者は、「15分足トレード」「鉄壁」と同じく、ナンピン反対派のようです。

 もうこうなると、私は、どう考えたらいいのかわかりません。

 というか、私の取引の基本は、大きなトレンドに乗った押し目買い(小さな逆張り)からの、必要があればとことんナンピンです。

 それも、3段、4段ナンピンを常に視野に入れていて、もし、最初のポジションで思惑通り反転して決済されると小さな利益を素早く稼げるだけですが、ちょっと深く下げて3段ナンピンから数日して戻ってくると、スワップも合わせて、それなりに大きな利益が稼げてしまう。というのを基本にしています。

 これは、レンジブレークからの順張りで、損切りは素早く、ナンピンはなし、を基本とするこの3冊とは、真逆の方針です。

 そのうえ、買い乗せとか売り下がりとか、タイミングが難しすぎて、私にはできそ うもありません。

 もう、お手上げ。

 

6 売りポジションは安くなったところで売って作り、買いポジションは高くなったところで買って作る!

 ここまで来ると、私的には、著者の正気を疑います。

 しかし、繰り返しますが、この著者の経歴はピカピカの本当のプロに見えますし、現在もそういう勉強会を開催しているようですので、実際に勝っているのではないかとも思います。

 でもね。

 なんでもそうだけど、儲けようと思ったら、安く買った高く売るもんじゃないの?

 そう思えば、FXなんて、ある通貨を安く買って高く売るだけの簡単なお仕事です!くらいの感じでしないと、儲けなんて出ないのでは?

 これを読んで思ったのは、確かにプロならこういう感じで儲けを出せるのかもしれませんが、素人さんにはどうなのかということ。

 本の中で、散々、トレンドに逆らうな。順張りで行け。とか、言っておきながら、一番肝心のエントリーのところで、高く買って、安く売れみたいなルールになるのは、ちょっと私的にはどうなのよ。という、感じです。

 

 というように、この本について、ざっくりまとめると、チャート分析やテクニカル指標の解説は非常に参考になったものの、著者がほんの最後にまとめてくれているFXで勝つためのチェックリスト11項目(そのいくつかは上で検討済みです。)については、プロ向け過ぎて、アマチュアには難しすぎないかというのが、私の結論です。

 

 それにして、繰り返しになるが、私の取引手法が、ここまで全否定されると、さすがにちょっとへこみます。

 かくなる上は、結果で勝負だ!

 ということで、実際に運用して利益を出すしかありません。

(そして、今のところ、しっかり出せています。だから、いいんです!)

 

以上