プレー方向と踏込む足
今週のAGKは岡山県GKプロジェクトより
岡山県トレセンGKコーチ 小林先生 有吉先生
をゲストコーチとしてご指導いただきました。
お忙しいところ、遠方よりご指導に来ていただき
本当にありがとうございました。m(..)m
小林先生にはU15GKを、有吉先生にはU12GK・U10GKのご指導
をお願いしました。
U15では、キャッチング・ステッピング・ポジショニングについて、細部
に渡ってコーチングが行われました。
特に「足を運ぶ」という点においてステッピングにポイントをおいた
コーチングでした。
小林先生のコーチングを観ていて、ステッピングの僕のコーチングが
不足していることに気がつかされました。
U12以下では、キャッチング・ローリングダウン&ダイビングにコーチン
グが行われました。
基本的なキーファクターに意識をもたせたコーチングでした。
ダイビングを全く知らなかった8歳のGKが見事なダイビングをするまでに
なりました。(^0^)
それぞれのキーファクターができているか否かを見極めながらにコーチング
することで、アッという間に伸びますね。(^0^)
有吉先生の辛抱と我慢のコーチングに感謝です。
さて、今回もダイビング・ローリングダウンのプレー方向について、
「シュートコース」「GKからシュートコースへの最短距離」
を紐を使ってグランドに描き、GK達にプレー方向を確認してもらう作業を
行いました。
ダイビング・ローリングダウンの踏切足については「斜め前」と強く言われ
ますが、実際に「GKからシュートコースへの最短距離」が「どのくらい斜
め前なのか」ということは、理解できていないと思います。
地面上に表現すると、GKが感覚的に憶えた「斜め前」より「随分手前」で
あることが判ったと思います。
今回は
ローリングダウン・ダイビングのプレー方向=斜め前を理論的に
考えてみました。
GKのプレー方向は、
シュート距離=ボールからゴールまでの距離に依存
します。
下図から、シュート距離=Aが決まると、シュートがゴールインする角度=h
が決まります。
GKからシュートコースへの最短距離はGKからシュートコースへの垂線
=90度ですから、hの角度が決まると、プレー方向の角度=tが決まります。
プレー方向の角度はGKがボールに近づいても変化はありません。
シュート距離とプレー方向の角度は以下の表のようになります。
ボールからゴールまでの距離=シュート距離が
5m 11m 18mの場合を計算しました。
それぞれの距離は、
ゴールエリアでのシュート、ペナルティーキック、ミドルシュート
という設定です。
※直角三角形の辺の長さと角度から計算しています
以前のブログでも書きましたが、ダイビングにパワーとスピードを持たせる
ためには「踏切足のつま先方向」&「母指球での踏切」がキーファクターに
なります。
図を観ると「こんなもんか」と感じるかもしれませんが、
実際にGK経験者に正確につま先の角度を開いてもらうと
「意外に開くなぁ」と感じるようです。
この踏切をやってみるとわかりますが、かなりのスピードでボールにアプロ
ーチできます。
「弾く」を選択した場合でも、「強く」「遠く」に弾くことができると思い
ます。
しかし、母指球に体重が乗らない場合や上半身の使い方がうまくいかないと
ダイビングが「仰向け(ヘソが空を向く状態)」になってしまいます。
僕も何度も「死にかけゴキブリ状態」になってしまいました。(^^;
踏切からダイビングまでを反復し身につけていく必要がありますね。
11vs11の中でのビルドアップ
U14では、現在、GKを含めてDFからビルドアップしていくことをテーマに
してもらっています。
サイズやパワーがないため、奪ってからは10人のスクエアの中でボールを
回し、アタッキングサードへパス→シュートがテーマ。
GKからのゴールキックは、一度高い位置までDFラインを上げて、GKと
DFラインの間にスペースを作り、DFもしくはMFの動き出しを見てから
キック。
相手がついこなければ、スペースに受けに戻ったDFは前を向いてビルドア
ップできます。
相手がついてくれば、DFからリターンをもらうことができるし、最初から中盤
のスペースへ配球もできる。
GKには配球にいろんな判断を求めています。
とにかくパスワークにGKが積極的に関わっていく。
攻撃にこのようなテーマを持つと、DFとの連携の中で、GKがパスの出し
手・受け手としての役割を強く意識するようになってきます。
FP側もGKも状況をしっかり判断しないと、簡単にボールを失って即シュ
ートを撃たれることになります。
撃たれたら、学んで、修正してもらいますが、それでもGKからビルドアッ
プを継続してもらっています。
ゴールキックでボールをプレースする以前から味方とのアイコンタクトが始
まり、FPの動き出しに合わせてパス。
当たり前ですが、相手がついてくれば「man on」 ついてこなければ「turn」
というGKからのコーチングも用いられます。
「man on」の時はGKへボールがリターンされる可能性が高いですから
次の展開を考えて「ダイレクトキック」なのか「ボールコントロール」な
のか、コントロールするなら「どこへボールを移動させるか」なども考え
る必要があります。
ゲームの中でのGKとFPとの微妙な関係は、GKだけのトレーニングでは
行えません。
自チームでFPとの連携を修正していくなかで学んでいくモノだと思いま
す。
AGKで観ていても、受けに動き出しているFPに対して、FPが前を向け
るようなパスをGKが出せないケースがよくあります。
ゲームやトレーニングにおいて、人が動く中でのパス交換にGKが関わる
経験が少ないことが原因だろうと思います。(ーー;
GKが11vs11のゲームの中で、ビルドアップに参加して培われる「感覚」
は、4vs4のゲームの中で培われる「感覚」とは全く異なります。
U15GKでは、11vs11のゲームでビルドアップに参加したGKとそうでない
GKとは1ゲームでも大きな差ができています。
GKをどんどんビルドアップに参加させていくチームでないと、GKに求め
られている足元の技術が高めていけない、育てていけないと感じます。
ビルドアップに参加し、失敗する中で、自分の足元の技術に欲が出てくる
と思います。
「判断をともなったGKからのビルドアップ」はロングボールが蹴れない
U8、U10だからこそ、取り組むべきなんでないかなと近頃考えます。
勝負にこだわるあまり、自ゴールからボールを遠ざけることを考えすぎ
GKはいつもハイパント、ロングキックでは、世界へつながる日本人GK
は生まれないと感じてます。
ダイビングのプレー方向とつま先
U15GKトレでも、
シュートコース・GKからシュートコースへの最短距離
を紐を使って地面に描き、ローリングダウン・ダイビングを行う際の
プレー方向の意識付けをしています。
この方法でトレーニングを行っていて、気がついた点がひとつあります。
それは、踏切足のつま先の方向。
●踏切足つま先方向が最短距離と平行の図
踏切足のつま先の方向が「GKからシュートコースへの最短距離」に
平行になるように「斜め前」へ踏み出すと、つかめず弾いた場合でも、
パリーゾーンへ弾くことが容易になります。
つまり二次攻撃を防ぎ、味方へつながるディフレクティングになりやすい。
また、踏切足の母指球で踏み切れるので、ボールに対してのスピードが増し
つかめない場合の弾く距離も伸びます。
●踏切足つま先方向が最短距離に対して角度をつくる図
踏切足のつま先方向が、「GKからシュートコースへの最短距離」に角度を
つくる状態で踏み出した場合、「最短距離」に手が届きますが、上半身が斜め
後方へ流れるため、つかめず弾いた場合にコーナキックになる可能性、最悪の
場合、弾いているのにゴールインしてしまう可能性が高くなると思います。
また、踏切足の小指球で踏み切ることになり、母指球よりも踏切のスピード
パワーは弱まります。
よって、母指球で踏み切るより、ダイビングのスピード、弾く距離も短くな
る。
もうひとつ。
ダイビング・ローリングダウンで最も修正されるケースです。
踏切足つま先が横を向いてしまうケース。
これは確実に修正が必要な足の出し方になります。
この場合は、最短距離へカラダを運べず後方へカラダが倒れてしまいます。
弾いたとしても、ほとんどがコーナーキックになってしまうと思います。
●踏切足つま先方向が、基本姿勢から横になる図
今回のトレーニングでは、ダイビング・ローリングダウンのいずれも
「つかむためのプレー方向」をキーファクターにしていました。
その中で、両手が出せず、片手で弾くGKが出てきました。
しかも、弾いたボールがゴールイン、またはコーナーキックになるケースが
多かった。
この踏切足のつま先方向を意識するだけで、弾く方向が改善されただけでな
く、つかむ成功率も上がりました。
僕自身も同じトレーニングに入りましたが、踏切足のつま先の方向で改善さ
れる点は多いと感じました。
弾いたボールがコーナーキックになってしまう
キャッチングできる守備範囲が狭い
などのウィークポイントがあるGKの修正のひとつに「踏切足のつま先」
が深く関わっているんじゃないか・・・
僕の考察なので是非はわかりませんが・・・(^^;
ひとつ改善点があります。
地面に杭を打って紐を張り、シュートコース・GKからシュートコースへの
最短距離を表現していますが、「紐」ではなく、「ゴム」がいいです。
しかも「パンツのゴム」(*^^*ゞ
紐を地面に強く張っていると、GKがグローブを引っ掛けて事故につながる
危険性がありますが、パンツのゴムなら切れるか伸びるかですから。(^0^)
AGK ローリングダウン~プレー方向にこだわる
今回のAGK、テーマは
ローリングダウン~プレー方向にこだわる
ここでも「弾く」より「一度でつかむキャッチング」を意識してもらいました。
★ローリングダウンのポイント
・カラダの側面で着地する
・カラダの下側から順に着地する
(下腿側面→太腿側面→腰部側面→上腕&肩)
・踏み込む足(斜め前に)
・プレーの方向(斜め前)
※「シュートコースに面をつくるためには」を考える
・安全確実なキャッチング
今回は特に
「プレー方向=シュートコースへの最短距離」
の大切さを理解してもらうように工夫しました。
下図のように、シュートコースへの最短距離はGKのポジションからシュー
トコースへの垂線になります。
この垂線は、GKの基本姿勢の位置から斜め前になります。
そこで、地面に紐を張って
「シュートコース」
「GKからのシュートコースへの垂線(最短距離)」
を描きました。
投げられたボールをシュートコースへの最短距離でキャッチングして垂線上
にローリングダウン。
「斜め前へ」を意識しないと、すぐに後方にカラダが倒れてしまいます。
●プレー方向に修正が必要なローリングダウンの場合
基本姿勢、踏み出すつま先の向き、手の出し方を工夫しないと、最短距離で
ボールをキャッチできません。
●プレー方向がシュートコースへの最短距離の場合
トレーニング当初は、ボールを投げる前に投げる方向を示してからつかんで
ローリングダウンしてもらいました。
最短距離へのカラダの運び方がわかってきたら、どちらに投げるか判らない
ように投げます。
こうなると、なかなか最短距離にカラダを運べない。
スピードがゆっくりなボールで「最短距離」にカラダが運べないなら、
スピードが速いボールなら、「はじく」しかなくなる
ローリングダウンを使ってつかむために、最短距離とプレー方向を意識する
ことは、ダイビングにも良い影響をもたらすと思います。
「つかむ」ためにシュートコースへの最短距離を意識してローリングダウン
ダイビングを日常からトレーニングしていけば、他のGKがはじくシュート
をキャッチできるようになると思います。
U15では、つかむことが自分のストロングポイントになることが大事じゃ
ないかな。
★指導のポイント
※印は僕のコーチング
地域によっては異なる指導をされているケースもあります。
その点はGK本人の判断にお任せします。
・各関節(肩・肘・腰・膝関節)から落ちない
・ボール・カラダへの地面からの衝撃を少なくする
・肘がカラダの下へ入らないようにする
※肘がカラダの下に入ると「上半身を肘で打撲する」「腕が自由に使え
ないためにハンブルする、またはこぼれたボールに対応できなくなる」
・ローリングダウン後の脚の位置:高く上げない
※ローリングダウン後、地面から遠い方の脚が「高く上がる」ケースが
多いです。
なにも考えないでローリングダウンするとほとんど「上がる」と思い
ます。
ゲーム中、シュートを撃った相手はGKがハンブルすることを予測し
て、ダッシュで詰めてきます。
この時、脚を上げていると相手に脚をなぎ倒される可能性があります。
自分の身を守るためにも「脚を上げない」
・リバウンドを作らない
※ローリングダウン後、空中の高い位置からボールを使って地面への接触
がボールから始まっていくと、ボールが地面と強くぶつかることになっ
てしまい、ボールがこぼれる可能性が高くなります。
上手いGKを観ていると
「ボールとカラダがほぼ同時に地面に接触する」
という感じにみえます。
実際は「ややボールの接触の方が早い」のですが、その差は観る者に
は判らず、プレーしているGKには判るという「わずかな差」です。
・ボールをつかむ
★「リバウンドを作らない」=高い位置からボールで着地しない
という点についてですが、これは僕自身がやってみてボールをこぼしてしま
うケースが多かったので、このようなコーチングになっています。
このコーチングについては、大きく地域差があるようです。
先日、手に入れたヨーロッパのGK教本には「ボールから落ちろ」と書いてあり
ました。
また、世界的に有名なGKコーチ:フランス・フック氏の映像では、
空中でオーバーハンドキャッチして、ローリングダウンする直前にアンダーハンド
で胸に抱え込み、その後ローリングダウンするというフック氏自身のデモがあり
ました。
どれが正解なのか僕には判りません。(^^;
GKがそれぞれの経験から判断するべきところなんだろうと思います。
オモチャの刀
振り下ろされる真剣を、
オモチャの刀で受けようと思いますか?
昨夜のAGK、わざわざ県外からGKコーチ、新しいGKが来てくれたのに・・
なんて失礼なんだ!
なんてくだらない心なんだ!
真剣勝負という魂の言葉が日本にはあります。
毎日ベストを尽くして試合に臨むチームは、皆がゴールを目指す。
そんな選手のシュートには、ボールに「想い」が乗る。
プレーしている選手の想いだけじゃない。
ベンチにいる仲間、応援席にいる仲間、監督、コーチ、そして心から応援
してくれる家族、みんなの想いが乗る。
「決めたい!決めなきゃ!」
毎日精一杯頑張ってきた選手の重く強い想いが乗ったシュートを
今の自分で止められるのか。
真剣な心を、オモチャの心で受け止めていいと思うのか。
AGKはゴールキーパーのための場所。
子供のための場所じゃないぞ。
ゴールキーパーのための場所だ。
楽しいサッカー?楽しいGK?
なにをもって「楽しい」と言うのか?
どうなったら「楽しい」と感じるのか?
オモチャの刀を持って、ゴールに立つのが楽しいのか?
様々な現場で、重く強い想いが乗ったシュートを止めるGKを観てきた。
「なんであんなシュートが止まるんだ?!」と思う。
「悔いが残りました」
全国大会出場を無念の想いで見送った高校生GKが言った。
グランドに立てなかった。バックアップGKだった。
毎日毎日ベストを尽くした・・・それでも立てない場所がある。
悔いが残った・・毎日「真剣」を持ち続けたGKだから言えると思う。
この想いが持てる彼を僕は尊敬する。
AGKが目指しているのは
自分以外の人のため、チームのために
ベストを尽くせるゴールキーパー
だから、僕はいつも真剣を振る。
僕の真剣はオモチャの刀では受け止められない。
小さくてもかまわない。
自分の真剣を準備してから来い!

