![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240219/21/agehayuni/a6/78/p/o0778108015403625220.png?caw=800)
いつ見ても、とてもお二人仲が良くて、お幸せそうなので…
![ラブ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/006.png)
」
去年のバレンタインデーのお内裏様&お雛様🎎💖
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240219/14/agehayuni/b3/56/j/o1080104715403460344.jpg?caw=800)
お雛様「我らよりも下位の身分の者たちの恋となると、互いの顔を見て、伴侶を見定めるものなのかもしれぬがの。
我ら殿上に住まう者のしきたりとしては、御簾越しに歌を交わし、相手の胸の内を確かめ、心が通じ合った時、初めて、逢瀬という形をとりまするのでの
![おやすみ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/647.png)
」
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240220/20/agehayuni/18/d3/j/o0550025515403970259.jpg?caw=800)
ラーク「でも、あの…それで、不安になったりはしないんでしょうか。
結ばれるまでに、一度も相手の顔を見ないなんて…😟💦」
お雛様「無論、不安にならぬこともないが、…顔を見て相手を見極め、愛しみ合わば、相手の深き心の奥底が、必ずや解る…というものであろうかの?
![うーん](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/069.png)
案外、それならそれで、相手の外見や肩書だけで、相手の性格まで理解し得た心地になってしまい、見目さえ麗しれば、全ての難を覆い隠すほどに、目の眩んでしまうものでもあろ。
『見目かたち』は、心の昏き闇を覆い隠す、恐ろしき御簾やもしれぬと、わらわは思うこともありまする
![おやすみ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/647.png)
」
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240219/14/agehayuni/29/57/j/o0784108015403460348.jpg?caw=800)
もし、フェニックスの外見がパッとしなかったとしたら、私は彼に恋をしなかったのかしら。途中から、彼が全く違う姿になってしまったとしたら、私はあの人を愛さなくなったかしら🤔
でも…視覚に惑わされる恋も多い、というのは、その通りかもしれないわね
![おやすみ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/647.png)
」
相手の外貌やスペックだけを見て、本質を見誤って、失敗したという人が、古今東西、どのくらいいるか。
鉢かつぎ姫。元の名は初瀬姫。光輝くような美少女だったが、仏のお告げを受けた生母から、頭に鉢を被せられる。生母と死別後、その異様な姿の為、どこへ行ってもいじめられ、一時は入水自殺まで図るが、遂に、姫の見た目ではなく、心映えの優しさ美しさを一途に愛してくれる男性と巡り合い、幸せになる…という昔ばなし。日本版、美女と野獣。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240220/01/agehayuni/d9/c6/j/o0600045015403692574.jpg?caw=800)
太古の昔、茨城県の筑波山麓では、春秋、男女が酒肴を持ち寄り歌を詠み愛し合う、驚くべき性開放的な行事「歌垣(かがい)」が行われていました。
常陸風土記の「歌垣」の記述。「筑波嶺」は恋の枕詞。こちらは一般庶民の愛のかたち。
…面白豆知識を。
夫婦や恋人、兄妹を表す「妹背」という古語、女性の方が先になっているのに気づかれたでしょうか。他に「女男(めをと)」「母父(おもちち)」といった古語もあります。
儒教や仏教、後にはキリスト教といった「女性」を「穢れ」とする海外の男尊女卑思想が入り「女男(めをと)」が「夫婦(めおと)」に変わってゆく前の日本は、実は、女権・母権の強い社会だったのです。
最高神である天照大御神は女神、卑弥呼も女王。江戸時代に入っても、妻をおかみ(神)さん、山の神などと呼んでいたのも、日本人のDNAにのみ流れる、女性を神聖とし、崇め敬う意識から来ていました。
お雛様「何が正しきことかは、げに解らぬものじゃの。恋の道に、正も誤も無いのやも知れぬ。
…わらわはその時分、五人の公達と、恋歌を詠み交わしておりましての![にっこり](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/636.png)
」
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240219/15/agehayuni/de/69/j/o0933108015403477861.jpg?caw=800)
お雛様「否…我が背の君は、その五人の内でも、わけても、たどたどしい詠みぶりをしておられたのじゃ🤭」
ポムちゃん🍎🍏「ええっ…!?そうなの?
![驚き](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/619.png)
」
トチーちゃん「おっ、お内裏様は、一番歌詠みが下手…いえ、お上手ではなかったんですの?
![滝汗](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/039.png)
…では、一体何故…
![汗](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/028.gif)
」
お雛様「今でこそ、我が背の君も、一人前の歌人と世に認められるようになったがの。当時の我が殿には、詩作は、大学寮で学ぶ教養の内でも、特に不得手の科目であったようじゃ。
逆にわらわの方は、その時分には、歌詠みの名手と聞こえ高く、しかも見目も麗しく、小野小町の生まれ変わりやもしれぬと、都中に評判が立っておったそうでの
![にっこり](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/636.png)
…尤も噂ばかりが高く、話に長き尾ひれはついておるがの…
![汗](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/028.gif)
」
ポムちゃん🍎🍏「お雛様の方は、六歌仙の一人に例えられるほどの、詩歌の達人だったんだね
![ロップイヤー](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/455.png)
」
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240220/01/agehayuni/c1/d6/j/o0804108015403692577.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240220/11/agehayuni/72/05/j/o0359050215403798944.jpg?caw=800)
小野小町。六歌仙中、唯一の女流詩人。
百人一首の札にも、よくこの姿で描かれ、恋多き美女だったと言い伝えられていますが、この札絵のお陰で、大きな誤解が。
平安初期の人物とされる小野小町の時代には、十二単(平安中期頃に完成)はまだ無く、本当は小野小町は、下のような唐風の衣装↓でなくてはおかしいのです。…因みに持統天皇も。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240220/01/agehayuni/e3/fc/g/o0200032015403692578.gif?caw=800)
お雛様「次から次へと、新たな恋文が寄せられ、殿中の女房たちも、その対応に追われ、多忙で泣かんばかりになっておった。
わらわを妻に迎えんとて、都中の歌詠み人が、わらわの知らぬ所で、しのぎを削っておったのじゃろうの。このままおけば、女房たちの仕えにも差し障ることになる。
やむを得ず、それらの文の中から、わらわは五人の公達の文だけに、歌を返すことに致しましたのじゃ
![おやすみ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/647.png)
」
ラーク「僕が文系じゃなく、田舎育ちの不粋な理系男だから、そう感じるだけかもしれませんが…
歌の詠めない、甘い言葉の囁き方をしらない男は、勿論女性もでしょうけど…一体、どうしたら?と
![えーん](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/062.png)
」
ポムちゃん🍎🍏「でも…よく考えてみると、良い大学を出て良い会社に就職して、高いお給料を貰えてないと、結婚に不利だとか、文化部じゃなくて、野球部やサッカー部なんかの『カッコいい部活』に入らないと、恋愛に不利だとか、ダンスやボーリングやカラオケが上手じゃないと、恋人を作れないとか、決闘で勝たなければ、恋愛に辿り着けないとかいうのと、それ、本質的には変わらないんじゃない…?
![ネザーランド・ドワーフ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/456.png)
その理不尽を、ポムたちは当たり前だと思って生きてるけど、それはお雛様の国に行ってみたら、仰天するくらい理不尽なことなのかもしれないし。
お雛様たちの国の文化では、その秀でてなくてはならない分野が『詩作』の能力だった…というだけで」
お雛様「我が日の本は、古来より海に囲まれ、他と争うことの多うない、和を重んずる国じゃからの。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240219/15/agehayuni/ca/fb/j/o0935108015403477864.jpg?caw=800)
ラーク「なるほど…
![アセアセ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/064.png)
」
おばあさん「それに…
お雛様は、五人の殿方の中で、一番おぼつかない詠み方をしていたお内裏様を、背の君としてお選びになったのでしょう?
![ニコニコ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/002.png)
だとすれば、最終的な判定基準は、詩作の巧拙では無かった…ということよね
![ほんわか](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/639.png)
」
お雛様「いかにも。
我が国には『言霊信仰』というものがありましてな。
まずはその言霊を交わし合い、互いに相手の思いを言葉で確かめ合い、通い合った時に、初めて結ばれるのでの
![ラブラブ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/035.gif)
」
ラーク「言霊?…ですか…
![アセアセ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/064.png)
」
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240219/19/agehayuni/49/17/j/o1080037415403572463.jpg?caw=800)
トチーちゃん「兎に角、それで…
お雛様は、ひっきりなしに名乗りを挙げてくる大勢の殿方の中から、これなら長く交際を続けてもいいかもしれない、と思われた五名の公達を、まず、お選びになった…というわけですのね
![おねがい](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/005.png)
」
お雛様「さなり。…どの殿方からの恋歌も、それぞれ大層、ゆかしきものでの。
枕詞を含む様々な技巧をちりばめて、わらわへの切なる思いを綴り、わらわが歌を詠めば、打てば響くような気の利いた返歌をくれる者、文には遠つ国の上質な紙を用い、それに香を焚きしめ、季節の花や枝などの雅やかな飾りを添える者、女心が揺さぶられるような、力強く熱情溢るる詩歌を詠む者、難しい漢詩や遠国の故事を巧みに歌に織り交ぜ、教養の高さ深さを伺わせる者。
大輪の花のように色鮮やかな、そのとりどりの文の中で…我が背の君の詠みぶりは、実に素朴で無邪気な、技巧も裏表もないものでの。
だのになぜやら、その幼子のように透明で、純粋な歌は、初めて目にした折から、わらわの心を妙にとらえて、離さなんだのじゃ
![おやすみ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/647.png)
」
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240219/19/agehayuni/55/94/j/o0351051215403572465.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240219/15/agehayuni/ee/a4/j/o0883108015403477870.jpg?caw=800)
ラーク「……なるほど…🤔」
お雛様「…ああ、この文に添えられた草花は、この詩には合うておらぬ。この引用された漢詩は恐らく、他の詩と取り違えておる。
この歌に至っては『恋歌』ではなく、今日、御殿の外でかような珍しきものを見たという『報告』じゃ
こは何てふ、安げ無き読みぶりであろ。
されどまあ、この殿御はさながら、野で見つけた小さき花を見せんとて、母の元に走り来る童、否、外の広き世界をば、我と共に見んとて、御簾の外より囀ずり呼ばう、小さき鳥のようじゃの🤭
…と、しばし辛き批評を下し、我知らず込み上げ来る笑みを堪えつつも、わらわの女房どもも、わらわも、誰ともなく、その一途で屈託なき若き殿御を、次第に憎からず思うようになり『鴬(うぐいす)の君』と密かに呼び慕うようになりました。
鴬の、澄んだ囀ずりの聴こえぬ日は…その殿の手紙の届かぬ日には、いかに心ときめく恋文が他に届こうとも、皆、何がなし、心虚しゅうての![おやすみ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/647.png)
」
ラーク「…………」
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240219/15/agehayuni/de/5a/j/o0810108015403477874.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240219/21/agehayuni/e3/eb/j/o0640042715403624633.jpg?caw=800)
我が園の 梅のほつえに うぐひすの 音に鳴きぬべき 恋もするかな
「庭の梅の小枝に鳴く鴬のように、ともすれば声をあげて泣き出してしまいそうな、切ない恋をしています」
お雛様「わらわの心の、遂に定まりしは、わらわが、忌むべき流行り病を患った折でおじゃりました。
日々、疎ましいほどに来ていた手紙や文が、燃え盛る炎に水をかけたかのように、はたと途絶えての。それまでは、迸る如き思い溢るる文を、日々寄越していた公達らは、わらわがいたつきに伏し、見る影なく痩せ衰えたという噂が立つや、一言の見舞いの文も、容態を訊ねる言の葉すらもなく、皆、散り散りに去りゆき申した。…ま、その重篤の噂もまた、相当に尾ひれのついたものであったのでおじゃるが。
…風のたよりに聞いたには、彼らには既に皆、それぞれに、多くの恋人たちや妻や子があったと。…無論、男女とも、常に複数の恋人のあるのが、当たり前の世であったのではあるがの
![おやすみ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/647.png)
」
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240219/19/agehayuni/47/32/j/o1080037415403572467.jpg?caw=800)
トチーちゃん「まぁ……🥺」
お雛様「わらわが病みしより前に『あれほど心ときめきするお文を下さる方々なのですから、きっといずれも優れた公達なのでございましょう。遊び慣れた殿御でも良いではござりませぬか。仮寝の宿を貸し合うつもりで、一夜の色恋を楽しんでみられては…』と秘かに囁く、色恋ごとに長けた女房たちもあったのじゃが…わらわは、かかる火遊びは好かぬたちでな。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240223/14/agehayuni/86/19/j/o1080067515404976951.jpg?caw=800)
ラーク「そうでしたか。そんなことが…
![ショボーン](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/017.png)
」
おばあさん「どれほど書きぶりが優れてはいても、甘く美しい言葉が並べられてはいても、その殿方たちの恋歌が、お雛様の心に響いてゆかなかったのは、魂が…言霊がそこに入っていなかったからだったのね
![おやすみ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/647.png)
」
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240219/15/agehayuni/18/37/j/o0823108015403477877.jpg?caw=800)
お雛様「されど…その寂しき病の床にも、ついぞ変わることなく、朝ごとに一輪の草花を、恋文と共に届けてくれた公達が、ただ一人だけ、ござりましての
![ニコニコ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/002.png)
その文はいつも、朝露にそぼ濡れて、軒下に控え目に置かれておりました。添えられた草花はやはり、歌の内容とピタリとは噛み合うておりませなんだ。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240219/19/agehayuni/06/ad/j/o0320032015403572470.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240223/15/agehayuni/51/c7/j/o1032108015404980376.jpg?caw=800)
・・・
「梅に鶯」よく言われるけど、そう銘打たれた絵に描かれる「うぐいす色」の小鳥は、大体メジロ。
ウグイス、外見は本当に地味で、美声とのギャップが凄い鳥。そして藪の中を好み、人前には滅多に出てきません。梅の枝に留まる姿も、メジロと違い、ほぼ見かけることはない。
また、この「ホーホケキョ」という美しい「囀り」はオス特有のもの。メスは(オスも)「チャッチャッ」という「地鳴き」をします。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240218/20/agehayuni/cc/a7/j/o0813108015403174304.jpg?caw=800)
朝寝髪(あさいがみ) 我は梳(けづ)らじ
愛(うつく)しき 君が手枕(たまくら) 触れてしものを
~万葉集 巻十一 二五七八~
「朝、寝乱れた髪を、私は梳きません。
愛しいあなたの手枕が触れて、乱れた髪なのですから」
「接吻(クリムト)」から構図を借りました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240219/14/agehayuni/ee/ec/j/o0725090615403460349.jpg?caw=800)
・・・・・
「一番細い髪の毛で」F.オブラドルス
あなたのお下げ髪の中で
一番細い髪を選んで
私は鎖を編みましょう
あなたを私の傍に繋ぎ止めておきたいから
あなたの家の水瓶に
乙女よ 私はなりたいのです
あなたが水を飲むごとに、
あなたに口づけが出来るように
…ああ!