(*修正版3です。なぜ修正をしたのかといえば、この日食の時に「悪魔の彗星」と呼ばれている大きな彗星が太陽系に来るからです。しかも、地上から見ることができるそうです。この点について、最後の部分で分析しました。)

 

2024年4月8日に皆既日食が起こります。ただ、日本からは見えません。アメリカ大陸(メキシコ~カナダ)から見ることができます。

 

結構規模が大きいそうです。しかも、この地域は広いのでそれぞれに時差があります。もしワシントンDCの時間を用いるなら、4月8日の午後2時21分に皆既日食になると思います。見ることはできませんが、日本では4月9日の午前3時21分になると思います。

 

ネットを見ると、「世界が滅亡する」という予言もあります。では、西洋占星術の観点からだと、この日食はどのような意味があるのでしょうか。伝統的な枠組みで分析をしていきたいと思います。

 

まず、日食の影響が最も強く出るのが、日食を見ることができる地域です。今回の場合は、中南米~北米に皆既日食の影響が広まるといえます。

 

同時に、日食がどこの星座で起こるかも重要です。星座が示す地域にもこの影響が起こるとされています。今回は牡羊座で起こります。牡羊座が象徴する地域は、イングランド、デンマーク、ドイツ、ポーランド、フランス、パレスチナ、シリア、そして日本です。日本からは見えませんが、今回の皆既日食は日本にも影響するといえます。しかも、パレスチナやシリア等の地域も含まれています。

 

近年はグローバル化が進んでいるので、以上の地域だけでなく他の地域にも影響はあると考えられますが、直接的な出来事が発生するのは、中南米~北米、そして牡羊座が象徴する以上の国々でしょう。


これから、わが国に最も影響力を持つアメリカ合衆国に対してこの皆既日食はどのような意味を持つのか、考察します。政治の中心である、ワシントンDCを基準にホロスコープを書いてみました。

 

まず、皆既日食が牡羊座という火の星座で起こることから、権力者の死、家畜に関する問題、民衆の間の対立、火事、戦争、疫病、農作物がうまく育たない等の問題が想定されます。また、牡羊座の支配星は火星なので、争い、流血沙汰、戦争という状況がフォーカスされます。

 

これから条件を絞って、具体的にどのようなことが起こりうるか想像してみます。皆既日食が起こるのが、牡羊座の第二旬と呼ばれる場所で、この場所の支配星は太陽です。つまり、牡羊座の支配星である火星に太陽の影響も加わるのです。太陽は権力者の象徴です。ここから、少なくともアメリカ合衆国では、この日食がとりわけ権力を持つ人々に影響を及ぼすと考えられます。

 

また、太陽は獅子座の支配星で、皆既日食が起こる時、獅子座はアセンダントのカスプサインであり、第一ハウスに位置します。第一ハウスは国民を表すので、国民に対する影響も(当然かもしれませんが)あります。もしかすると、国民の側のアクションが何かしらの引き金を引く可能性もあります。

 

つまり、今回の皆既日食は市民と権力者の間の関係性と関わるものであるといえます。

 

更に、ぴったり皆既日食になる時間を計算すると、第9ハウスでこの皆既日食が起こります。このハウスは宗教、法律に関すること、法廷に関すること、対外関係を象徴します。太陽はこのハウスにいるとパワーが増すとされていますが、日食なので、この力が削がれると解釈できます。

 

よって、法律関係もしくは対外関係で、アメリカの権力者は大きな困難に向き合うことになると想定できます。先ほどの説明で「権力者の死、家畜に関する問題、民衆の間の対立、火事、戦争、疫病、農作物がうまく育たない等の問題が想定されます」と書きましたが、条件を絞ると、「権力者の死」、「民衆の間の対立」が起こると想像できます。「権力者の死」といっても、「権力者の政治的な意味での死」も表すので、暗殺等が起こるという意味で捉える必要はないと思います(でも、合衆国なのでゼロではないと思いますが、、、)。

 

牡羊座は活動宮の星座です。この星座での日食(や月食)の影響は短いともいわれています。よって、今回の皆既日食の影響は短期的であると予想できるでしょう。

 

最後に、日本についても予測してみたいと思います。日本では、深夜にこの日食が起こります。しかも(私の計算が正しければ)第二ハウスにおいてです。ここは、国家の財政、株価、銀行、商業などと関わります。税金も関係するといえます。したがって、日本ではこの皆既日食は、お金と関係すると解釈できます。

 

また、牡羊座の第二旬という太陽の影響を受ける場所でこの日食が起こることを踏まえると、獅子座の場所も重要です。日本では、第六ハウスです。ここは、病気、一般庶民の状態を表します。

 

まず、庶民の「懐」に大きな影響を与える出来事が暗示されています。また、庶民に何かしらの病気が流行り、彼らの経済的負担が増え、結果として国家財政にも影響が出るとも推測できます。繰り返しになりますが、この影響はそこまで長くは続かないでしょう。

 

しかし、彗星がこの皆既日食に合わせるかのように太陽系に来るそうです。彗星は昔から悪いことの前兆です。例えば、大地震、伝染病、飢饉、災害級の大雨、戦争等が起こるといわれています。もちろん、この彗星の到来の予兆として、これまで大きな災害や戦争が起こっていたと解釈することもできます。しかし、皆既日食と彗星が到来するタイミングが重なっている状況は、何か大きな出来事がこれから起こってしまうことの前兆の様な感じがします。(以上の段落が追記です。3月20日)

 

どうしても未来予測は暗い事柄に関するものになってしまいます。でも、備えあれば憂いなしです。個人的に、少なくとも世界が滅亡することはないと思います!

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

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以上は以下の文献を参考に書きました。

 

The Annotated Raphael's Mundane Astrology (2013 Edition) by Anthony Louis

 

『占星学』(実業之日本社 1995年)by ルル・ラブア 

 

不安感は自己実現に伴う必然的な感覚です。不安感から行動するのは避けたほうが良いといわれるのは、自己実現を放棄してしまうことになるからです。

 

仕事熱心な人の中には、仕事をしていないと不安で仕方がない、焦りが出てきてしまうという人も多いのではないでしょうか。じっとしているのが苦手な人も、一見すると仕事好きですが、不安を紛らわすことに一生懸命なのだと思います。共に、努力というエネルギーが不安感を感じないようにするために使われてしまっている状況だといえます。

 

仕事をしていると安心できる。だから、仕事をする。勉強していると安心できる、だから勉強する。といった心理的なパターンに自分が陥っていないかどうか、振り返ってみることをお勧めします。星占い的にいえば、このパターンを作り上げているのは月という「惑星」です(星占いでは月も惑星として扱います)。

 

月には多くの象意がありますが、今回は保護や母という意味合いに注目します。占星術における惑星は我々の意識を表すもので、月という惑星を主体的に使うことが我々は可能です。また、月がどのように我々の行動に影響を与えているのかを知れば、自分の無意識も知ることができるので、精神的な成長につながると思います。

 

月は0歳~7歳という年齢域を持っています。この時期に月をどれだけ「満足」させるかが重要となります。これは、母親もしくは母親の役割を果たす人がどれほど機能しているかにかかっています。「母親の役割を果たす人」には、祖父母や父親が相当するかもしれませんし、母親の次に心を開くことができた他人、例えば幼稚園や保育所の先生等が含まれます。血縁でない場合もあるのです。更に、「母親の役割を果たす」のは人だけでなく社会も含まれるので、世間がどれだけ子供を受け入れることができるかどうかも、月を「満足」させるためには考慮するべき条件です。

 

月を「満足」させるとは、安心感を得ることです。つまり、自分がどんな状況でも保護されていると感じる経験を積み重ねることです。月は我々のプライベートをつかさどり、家庭と関わります。家庭生活に安心でないと、月は未発達になってしまいます。特に、0歳~7歳の幼少期においてはです。

 

月の発達が不十分だと、自己防衛が上手く行かなかったり、プライベートの生活がうまくいかなかったり、情緒面で不安定になってしまったりしてしまいます。

 

でも、母親、母親に相当する人、そして社会は完璧ではないので、必ず失敗します。みんな、人間だからです。よって、すべての人の月は程度の差こそあれ、未熟です。知らず知らずのうちに子供の想いを無視してしまったり、軽く叱ったりしただけなのに、これが月の発達を阻害してしまうことになってしまうことがあると思います。

 

例えば、幼稚園で飼っている金魚にある子供が餌を間違えて沢山あげてしまった時、先生がいたずらをしたと勘違いし、「誰がやったの。やった人手を挙げなさい」と強い口調でいったとしましょう。この先生がその子にとって、母親の次に心を開いた初めての大人だった場合、大きな痛手になるかもしれません。そして、失敗することを恐れ、間違わないように行動しようと、几帳面で生真面目な性格を前面に出すようになるでしょう。先生から怒られることを恐れ、怒られないことを第一の目標にし、自分の感情を抑えたり自由に行動したい気持ちを抑えるような、いわゆる「良い子」になります。この性質は確かに社会を生きる上では便利ですが、自己実現を抑圧するものなので、結果としては悪い影響をもたらすでしょう。あと、いたずらをしたと誤解されたと思っているので、他人に対し警戒感を抱くようになってしまうかもしれません。

 

なぜ自己実現が難しいのかといえば、「自分がどんな状況でも保護されている」という経験が浅いからです。「どんな状況でも」というのは、「ありのままでも」という意味です。つまり、ありのままの自分でいることで安心感を得ることができなかったので、月は未熟になり、自己実現に困難を感じるのです。

 

ありのままで生きることが自己実現なのですから、多くの人にとっては不安がつきものです。でも、この不安を解消しようとすると、自己実現の旅を途中で諦めたことになります。不安を感じる方向に歩みを進め、不安と共に生きる覚悟を持つことが、自己実現には必要なのです。

 

なぜ不安と向き合うことになるのかといえば、繰り返しになりますが、月が未成熟であるからです。子供のころ、ありのままでいることに安心感を得ることができなかったからです。

 

皆さんの日常を振り返ってみてください。安心感を得るための行動を繰り返していませんか。不安を感じたら、この不安感を感じないように、行動していませんか。こうした行動はありのままの自分から遠く離れる行動です。

 

これは、無意識のエネルギーに翻弄されている証でもあります。安心感を得られなかったことへの苦しみから、怒りや悲しみを、どんなに優れた母(母に相当する人、そして世間)に対しても、子供の頃に抱いていると思われます。この怒りと悲しみは無意識の中に抑えられる代わりに、例えば仕事熱心さとして表現されているのです。努力というエネルギーを安心感を得るために使っている状況は、怒りと悲しみが姿を変えて現れたものであるのです。これが精神を病む原因の一つでしょう。

 

頑張っている時、少し立ち止まってみてください。休日の時、焦っている自分はいませんか。出世することに強迫観念を抱いていませんか。正社員でなくてはならないと、必死になっていませんか。「~するべきである」と、自分を追い詰めていませんか。良い親にならなくてはいけないと、自分を駆り立てていませんか。

 

安心感を得るために努力している時、人は一見すると生き生きしています。自分でも調子が良いと感じることが多いものです。しかし、そのエネルギーはネガティブです。怒っているのです。泣いているのです。ピエロの様に振舞っているだけです。このままでは、いつか心身が崩壊してしまうかもしれません。

 

まず、月を癒しましょう。安心感を得ることができなかった子供の自分を見つけるのです。親に対し「裏切者」と怒っている自分はいませんか。どんなに良い親でも、人間なので、必ず失敗するものです。だから、まず、怒っている自分を認めてあげること。ここから、すべてが始まると思います。これは親を否定することでなく、むしろ親と健全な関係を構築する術です。ありのままの自分を親に受け入れてもらうことになるからです。そうすれば、ありのままの親も受け入れることができるでしょう。本当の意味での、親離れです。親離れとは、親(大人、社会)から好かれるために繕ってきた自分を捨て、親(大人、社会)から受け入れられないと思って封印してきた自分を回復させ、その自分を通し親と対話することだと思います。

 

だから我々は、ありのままが良いのです。駄目な自分だからこそ良いのです。不安を感じるのは、ありのままの自分が意識に上がってきている時だと思います。仕事熱心な人は休日に不安を感じるかもしれません。この人は、実は仕事が嫌いで社会人として生きることが苦手なのかもしれませんね。でも、母や母の役割をする人、そして社会に受け入れてもらうために、自分を偽って勤勉になったのでしょう。この仕事嫌いの自分、社会性の無い自分こそ、本当のあなたです。

 

安心感を得られない状況(すなわち大人からありのままを認めてもらえない状況)に直面すると、子供は大人が喜ぶ行動をします。もしくは大人を困らせる行動をします。大人がありのままの自分を愛してくれないことを感知し、彼らから注目されるように振る舞うからです。保護されたいからです。それが、勤勉さであったり、わがままであったり、乱暴さであったり、優しさであったり、大人びた振る舞いであったり、自立的な行動であったり、従順さであったりするでしょう。これは、大人への依存でもあります。

 

この状況が極まると、自分を傷つける人から離れられなくなってしまう状況が生じるでしょう。自分を苦しめる会社になぜか依存し、そこに「安住」してしまうケースもあるかもしれません。もしかすると日本人の多くは、国に依存しているかもしれません。自分たちを苦しめる政府と手を切れない現状は、まさにそうではないですか。

 

いずれにしても、注目されなかった自分、愛されなかった自分こそ本当の自分です。この自分を受け入れてくれる人に出会う旅が、自己実現の一つだと思います。親との関係の再構築でもあります。本当の意味での自立です。自分を見つめ、ありのままで生きていく勇気と希望を見出すと、結構人生は楽しいかもしれません。そして、社会を変える大きな一歩になると思います。

 

以上の考察は、加藤諦三著『悩まずにはいられない人』(PHP新書)と『「安らぎ」と「焦り」の心理』(大和出版)を読んで思いついたことです。星占い的に先生の考察を解釈し、再構築してみました。あくまでも個人的な見解です。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

水瓶座の時代に入ったと、星占いの世界では良くいわれます。社会の動向を見ると、本当にそうだと思います。水瓶座の時代が到来したとどうしていうことができるかは、以下の記事に書きました。

 

 

今回は、水瓶座の時代という新しい時代の生き方を、仕事という観点から考えてみたいと思います。

 

水瓶座の時代の前は、何かを無批判に信じる魚座の時代でした。神の存在が重要だった時代です。そのため、この世の「神」、すなわち権力者や指導者が時代を動かす鍵を握っていました。

 

実際、今から2200年遡ると、その中ではキリスト教をはじめとする教祖が存在する宗教の発生、大学の登場、国家と王権の強化等が起こりました。上から下に「真理」を伝え、下の者(庶民)がそれに従うという構造が出来上がったのです。

 

でも時代は、水瓶座です。水瓶座は天才を表す星座で、すべての人が天から才能を与えられているという、重要なことを象徴しています。ある意味、すべての人が(年齢、性別、国籍など関係なく)「権力者」なのです。

 

水瓶座の到来とほぼ軌を一にして、土の時代から風の時代に移りました(上に紹介した記事に詳細を書きました)。土の時代は牡牛座、乙女座、山羊座に世の中の流れがフォーカスされる時代です。風の時代は、双子座、天秤座、水瓶座に世の中の流れが支配される時代です。土の時代は上下関係、知識や情報の独占、規範重視でしたが、風の時代は横のつながり、知識や情報の共有、変化に光が当たってくると思われます。

 

新入社員という言葉がありますが、これは土の時代の特徴を物語っていると思います。というのは、上下関係を暗示的に表すからです。土の時代には、すでに組織的な場が存在していました。この場には昔から所属している人がいます。当然、こうした人は知識や情報を独占していますから、新しく来た人は、この人よりもたとえ資格や能力が上であっても、下になります。

 

土の時代の社会では、ある特定の組織に入って、一から勉強をして、一人前になります。新入りからベテランになるという発達段階を踏みます。新入りの時は、周りのシステムが分からないので、誰にこの案件を頼めばよいのか、誰に質問をすればよいのかなど、分からないことが一杯です。ストレスフルです。さらに、新入社員には仕事を教えなくてはいけないから面倒だとか、新人教育は大変だとか、上下関係を前提に、意地悪をいう人もいるでしょう。

 

しかし、これからは時代が大きく変わるでしょう。人を新人という存在に限定する条件が、社会から抜け落ちてくるからです。言い換えると、組織の維持、運営、管理といった、個人では身に付けることや習得することができない組織固有の事柄が、不要となるのです。なぜなら、水瓶座の時代は個の時代で、横のつながりにおいて、それぞれが自分の目的達成のために、個々の能力を発揮するという時代傾向になるからです。

 

それぞれの組織に特有の常識や方法を習得して一人前になったのがこれまでの時代。上下関係が重要になるのは当然でした。でも、今や個の時代です。個々の組織が特殊性を持つ必要が薄れるでしょう。

 

したがって、我々はまず個人として能力を高めることが必要です。残念ながら、現在の学校は組織に属することを前提にしているので、能力を伸ばすことをターゲットにした教育を行っていないと思います。せいぜい、大学受験や就職試験対策です。組織で一から修業をするという前提の中で、教育を行っているからです。

 

風の時代そして水瓶座の時代では、身を立てる技能を身に付けることが必要だと思います。しかも、マルチな能力がフォーカスされると思うので、専門分野に限定せず、いろいろなことに目を向けることも大切でしょう。

 

これからの時代は、常にスキルアップが重要です。そして、目的意識を持ち、それを随時アップグレードするのです。何をしたいか、どうしたいか、これまでは会社や所属する組織がこうした目的を与えてくれました。でも、これからは自分で理念・理想を掲げ、そこに向かって生きる必要があります。これは占いでは分かりません。占いは方法を教えてくれるだけです。自分の心に忠実に、誰のためでもなく、誰かに好かれようとするのでなく、ありのままの自分である所から全てがはじまります(多くの人は、ありのままの自分を嫌う人に好かれようと努力してしまっています。ここが問題なのです。この点については後日お話します)。

 

これからは、とても楽しい時代になると思います。最後までお読みくださりありがとうございました。

今回も、少し先の未来について考えてみたいと思います。なぜかネガティブになってしまいますが、ご理解ください(笑)。

 

2024年3月10日の朝7時46分位(日本時間)に、火星と天王星が90度(スクエア)というアスペクトを形成します。

 

これは個人の性格についてですが、まずルル・ラブア先生の火星と天王星のアスペクトの説明からキーワードを抜き出しますと、「強制や圧力への抵抗」「電気技術」「航空技術」、「機械関係」、「革新的」、「緊張」、「反発」、「闘争的」、「急激な破局」、「ストレス」、「機械による事故」などが暗示されるアスペクトだといえます (p. 199)。

 

これを3月10日の火星と天王星の90度の角度に当てはめてみると、機械や技術に関するトラブルや事故が起こり、改善するべき点が明らかになる。市民の反動が起き、政府が対応しなければならなくなるという未来が予測できます。これが一つの解釈です。

 

星座を考慮すると少し異なる解釈も可能です。火星は水瓶座にあり、天王星は牡牛座にあります。ここから、牡牛座の示す領域(=お金に関する事柄)で、何か「緊張や反発」というイメージに暗示される事が起こったり、「急激な破局」のような出来事が生じてしまったりし、これにより水瓶座の示す領域(=議会、国会)に緊張が走るというイメージをすることができます。

 

ハウスを考慮するとこの解釈を補強することが出来そうです。3月10日に火星と天王星が90度を作る時、火星は水瓶座にいて11ハウスにあります。天王星は牡牛座にいて、第一ハウスに位置しています。アセンダントはぎりぎり牡羊座です。つまり、第一ハウスのカスプサインが牡羊座ということです。また、第十一ハウスのカスプサインは水瓶座です。

 

政治的に熱い感じです。というのは、国民(第一ハウスの象意)と国会(第十一ハウスの象意)が綱引きをしている感じがするからです。第一ハウスのカスプサインの牡羊座の支配星が第十一ハウスにあるということは、国民の側の怒りなり批判が、国会に強い影響を与えると読むことができます。そして、国会内での対立(火星)が暗示されます。

 

同時に、第十一ハウスのカスプサインの支配星が第一ハウスにあるということは、国会の側からも国民に何かの働きかけをするというイメージになります。国会運営を巡り、国民に対する意思を問おうとするかもしれません。結果は、変化(天王星)でしょう。

 

3月10日は日曜日なので、直接的にこういう動きが表面化することは数日後かもしれません。おそらく前後数日の間に、このアスペクトが象徴する出来事が起こると、考えることができます。3月の4日の週~10日の週に、このアスペクトの影響がフォーカスされるかもしれないですね。この期間に、火星と天王星の90度の影響が我々に伝わってくる、もしくは我々の集合意識に表面化してくると想定できます。

 

ただ、以上の分析は私の「アマチュア占い」なので、おそらく外れます(笑)。あくまでも参考として受け取っていただきたく思っています。

 

でも、90度という角度を火星と天王星が作り、ハウスを考慮すると政治に関わりそうなので、世の中を変えるチャンスが我々に巡ってくる暗示が出ている点は、朗報だと思います。変化をするのは、私たちです。前向きな風が吹いてきていると思います!

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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以上は以下の文献を参考に書きました。

The Annotated Raphael's Mundane Astrology (2013 Edition) by Anthony Louis

 

『占星学』(実業之日本社 1995年)by ルル・ラブア 

 

人生経験をアスペクトから探る!

 

今回はアスペクトについてお話いたします。アスペクトは惑星同士が作る角度です。日本語では座相と呼ぶこともあります。これは実際に起こる事件を暗示するといわれています。

つまり、星占い的には、2個以上の惑星が出会い、関わることで、我々は様々な経験をすることができるのです。

 

だから、アスペクトを作る惑星を沢山持っている人は、そうでない人よりもより多くの経験をすることができるでしょう。とはいえ、日々の運行する惑星(=トランシット惑星)は常に我々に影響を与えていますから、どんな人も多くの経験をする宿命を持っています。

 

それでは、アスペクトから我々の人生のパターンを読み取ってみます。近年は吉凶という価値判断を避ける傾向にありますが、イメージとして分かりやすくするために、あえて吉凶の分類をしております。

 

・トライン(120度)(大吉)

「順調、順境、気楽、ストレスフリー」な経験を表します。ありのままで十分大丈夫な環境です。変化をする必要がなく、自分にとって心地が良い生き方をすればすべてがスムーズにいく状況。しかし、心地よい状況のため変わりたいと思わないので、成長が妨げられてしまうこともあります。でも、多くの人が求める経験は、トラインに暗示されるものだと思います。

 

・セクスタイル(60度)(吉)

自分にとって不慣れなことや未知の事柄と向き合う状況を暗示します。試行錯誤して、面白いものを作り出す経験と関係します。自ら「挑戦してみよう、やってみよう」と向上することを楽しむことができる状況です。この角度が個人的に一番楽しいものだと思います。

 

・スクエア(90度)(凶)

居心地が悪い環境に身を置くことになります。自分を否定される、自分が望まないことを押し付けられるといった、精神的にかなり厳しい状態に追い込まれてしまうかもしれません。しかも、反発しても無駄に終わる状況です。完全な受け身にならざるを得ず、環境を変化させる以外に改善策はないでしょう。

 

例えば、学閥などの関係で、日本では評価されないことが分かった芸術家が、海外に活路を求め移住し、そこで評価され、世界的なアーティストとして日本でも評価されるようになるというプロセスは、スクエアがもたらす経験ではないかと個人的に思っています。

 

「このような状況は嫌だ」と心から思うことが容易なので、スクエアの経験は大きく成長するチャンスです。居心地が悪いからこそ、現状に甘んじるという怠け心に振り回されないからです。

 

私が浪人生の時、ある予備校の先生から「予備校は居心地が悪くないとだめだ」、「先生が優しいと居心地が良くなってしまい、合格することができない」といわれたことがあります。この先生はまさに、スクエアのパワーを受験生の私に意識させようとしたのでしょう。実際、本当に「嫌な」先生でした(笑)。しかし、第一志望に合格できました!この先生は私にとって重要な生き方を教えてくれた人の一人です。感謝しています。

 

・オポジション(180度)(大凶)

スクエアは否定される経験ですが、オポジションは反抗される経験です。他者が自分に対し喧嘩をしかけてきたり、競争になったりします。それに応戦する戦闘モードの自分、もしくは負けてしまう敗者モードの自分と出会うでしょう。

 

「絶対に負けない」という姿勢が、この角度のもたらす経験を乗り切る手段かもしれません。この角度が与える経験は非常に大変ですが、成長へのチャンスでもあります。

 

環境を変えたくなるかもしれませんが、オポジションにおいては逃避になってしまうかもしれません。スクエアは環境を変化させる勇気が必要ですが、オポジションは今いる環境と向き合い、そこで戦い、困難を耐え抜く勇気が求められる経験を示唆していると個人的に思います。

 

・インコンジャンクション(150度)(凶)

以上のオポジションまでの角度がメジャー・アスペクトと呼ばれるもので、影響が顕在化しやすいといわれています。一方、マイナー・アスペクトは内面的なものだと考えられ、メジャー・アスペクトほど重視されない傾向にあります。でも、インコンジャンクションはかなり重要だと思います。

 

これは異質なもの同士の関わりを表します。まったく共有する要素が無い者同士が結びつくという経験です。例えば、移民の問題はこの角度と関わるのではないかと思います。特に国を持たない民族と国を持つ民族は、まったくものの捉え方が違うはずです。

 

この角度は外国人との関わり以外でも、経験することがあると思います。不快感やどことない恐怖、反発等の否定的な感情が伴うでしょう。150度は「60度+90度」の角度です。すなわち、「自分にとって不慣れなことや未知の事柄と向き合う状況」(60度)が「押し付けられる」(90度)という環境です。でも、「挑戦してみよう、やってみよう」という向上心と現状を変えなくてはという反骨精神(90度)が組み合わさったものなので、この角度としっかり取り組むことができれば、前途は有望だと思います。


・コンジャンクション(合)(0度)(吉凶)
最もインパクトがある角度です。0度は見方を変えれば360度でもあり、すべての角度の意味を包含していると考えることもできます。そのため、吉凶の両面があるのです。上記したトラインからインコンジャンクションのすべての経験をこの角度は暗示するでしょう。よって、この角度が出生図にある人はそうでない人よりも深い経験をするでしょう。また、トランシット惑星(特に木星以降の惑星)がこの角度を出生図の惑星と作っているタイミングには、より多くの経験をすることになるはずです。

 

以上が西洋占星術で使う重要なアスペクトです。一つ一つ確認すると、まさに我々の人生の出来事を見事に表している概念だと思いませんか?

 

現在の自分はどのアスペクトの支配下にいるのか分析すると、独自の開運術を身に付けるきっかけになるかもしれません。過去の分析をするのもお勧めです。(本段落は2024年2月11日22時37分に加筆)

 

多くの人は、トラインやセクスタイルという吉の角度を求めると思いますが、凶と分類される厳しい角度こそ我々を成長させる鍵になる経験をもたらすといえます。人生を恐れる必要はないのです。すべては、向上のためにあります!!

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

来週(2024年2月4日の週)、気になる星の配置があります。火星と冥王星の合という角度です。合は惑星が重なっている状態を表します。2月14日がピークですが、その前後1週間を含め、2月7日~21日の間この角度の影響が続くでしょう。

 

水瓶座で火星と冥王星が重なるので、水瓶座の性質が前面に出てくると想定できます。火星と冥王星は共に攻撃的な星で、破壊という意味合いが共通してあります。冥王星は「既存のものをゼロにして新たに物事を始める」という「生と死」をもたらす星であり、火星は対立するものを倒す攻撃力を象徴する星です。この惑星が重なると、冥王星が火星を通じて力を発揮することになります。つまり、今あるものを壊し、新しいものを創造するという冥王星の「意志」の「今あるものを破壊する」という部分が、火星を通じて発揮されるということになると思います。というのは、運行速度が遅い惑星が早い惑星に影響を与えるという性質があるからです。


また、水瓶座という自由平等を表す星座(サイン)でこれが起こります。更に、私の計算が合っていれば、東京を起点に火星と冥王星がぴったり重なる時間のホロスコープを見てみると、この二つの惑星は第七ハウスにいます。このハウスは対外関係を示します。ということは、あくまでも一つの可能性としてですが、国際関係におけるトラブル(戦争など)が起こるということになります。すでに戦争は世界で起こっているので当たり前ですが、(一つの解釈として)星の上では今は前兆レベルです。本格的には来週以降ということになります。

 

加えて、水瓶座は「アラビア半島、ポーランド、ロシア、ルーマニア」などの国を表すので、これらの地域で対立が起こるといえます(Louis Chapter XXVIII)。繰り返しになりますが、もうすでにこうした場所では戦争が起こっています。でも、これから起こる「本番」の予兆にすぎないと、占星術的には一つの解釈としていえると思います。

 

あと重要な点は、水瓶座の支配星が天王星であるということです。この星に対する影響も想定する必要があります。天王星は大きな社会の変革を表す星です。しかも、牡牛座にいます。牡牛座は金融やお金に関係します。よって、火星と冥王星の合がきっかけで、金融に大きな変化が起こると予想できます。まとめると、対外的な状況の悪化により、これまでの金融や金銭に関わるシステムに大きな変革が始まると読むことができます。当然、国会議員や役人などに大きな困難が訪れるでしょう。ここで変化できない人は、表舞台から消え去ることになるかもしれません。

 

火星と冥王星が重なることは大凶だと昔から言われています。ただ、占星術における吉凶、とりわけ社会に関する占いをする際における場合は、社会構造を変化させてしまう場合は凶、そうでない場合は吉という解釈になっていると思われます。

 

昔は占星術を使うのは権力者のみでした。彼らにとって自分の権力の維持が第一の目標です。よって、既得権の維持を手助けしてくれる惑星やその配置は吉、一方社会の変革を促す惑星やその配置は凶と判断されるようになったと思います。

 

ということは、権力者の悪政に苦しめられている庶民にとっては、「凶」こそチャンスである可能性があります。もちろん、社会制度の変化には痛みを伴いますが、変化はチャンスであり、苦しみからの解放を掴めるきっかけです。したがって、一見すると大変な社会状況になるかもしれませんが、実は新しい生き方を実現する絶好の機会の到来でもあると思います。

 

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

 

参考文献

Anthony Louis 著 The Annotated Raphael's Mundane Astrology (2013 Edition) 

西洋占星術の面白さは、自由度が高い点だと思います。基本的な部分を理解することができれば、自分なりに解釈をする余地が多いからです。

 

今回も、ハウス(室)に着目し人生を生きぬく方法について考えたいと思います。ハウスとは、心理的な欲求や動機を表す12星座を、より人間生活の日常に当てはめた概念です。12星座と関係しているので、12のハウスがあります。自分のハウスを知るためには生年月日、生まれた場所、そして生まれた時間が必要です。生まれた時間は母子手帳に書いてありますので、確認してみてください。


では、第九ハウスについて考察したいと思います。

*基本的な占星術の知識を元にしていますが、個人的な解釈がどうしても入ってしまうため、飽く迄も参考程度にご覧くだされば幸いです。

第九ハウス(射手座のハウス)

<概説>
射手座はI understand(私は理解する)という対象の本質を知りたいという動機や欲望を象徴する星座(サイン)です。射手座の神話が参考になります。射手座はケイローンというケンタウロスの神話が元にあります。ケンタウロスは上半身が人、下半身が馬の聖獣です。知的ですが、動物的なパワーを持つ存在の象徴といわれています。

 

また、ケイローンは様々な地域に行き学びを受け、更に教えを授けたという話があります。学生であり教師でもあるという存在です。

 

この様な射手座の象意を具体的な事柄に落とし込んだのが、第九ハウスです。このハウスは学びの場を表します。慣習的に、大学以上の高等教育機関をこのハウスに当てはめることが多いです。また、高度な思考に関する学問も表します。例えば、哲学や法学です。あと、宗教もここに含まれるでしょう。学問という言葉からイメージできる分野を想定すればよいと思います。加えて、海外との関わりもあります。

 

ところで、近年の学問、とりわけ人文科学系の分野のものは、社会批判性が強く、権力批判をする傾向にあります。そのため、「リベラリズムの牙城」と揶揄されることがしばしばあります。でも、このような学問は基本的に第九ハウスとは関わらないと思います。社会批判性が出てくるのは天王星を支配星に持つ水瓶座であり、第十一ハウスだからです。むしろ第九ハウスは、社会的に権威のある事柄を理解し、自分のものにし、周囲に伝えるという態度と関わります。

 

例えば、日本は(おそらく)世界で一番、SDGsという概念が高等教育と関わっています。占星術的にいうと、第九ハウスはこの概念を学び、理解し、そして伝える場です。批判的にSDGsを検証するといった科学的態度は、第十一ハウスに属します。そのため、(これは射手座の特徴とも関わりますが)第九ハウスは社会的に善だとされている事柄を、少しも批判意識を挟まず学ぶ場です。よって、世間的には受け入れられやすく、安心感を与えるような人を育て上げる場所です。ただし、お決まりのフレーズを繰り返すような、「陳腐な善人」を生み出すだけになってしまう可能性があるでしょう。(ただし、第十一ハウスと第九ハウスは相性が良いので、第九ハウスが社会批判性を全て拒否するというわけではありません。)


このハウスが強調された生き方をしていると、以下の様な人生になるのではないかと思います。

1. よく学び、よく遊ぶ:ワクワクすることを追求し、積極的に物事に挑戦する態度が、社会的に権威のある学問や思想と結びつくので、イメージとしては、ヨーロッパやアメリカの超有名大学に進学し、タフな学問に身を投じながらも遊びを満喫し、充実した日々を過ごしているエリート留学生です。

 

自分の人生は自分で作るというモットーを持ちつつも、持ち前の知性を使い、社会の権威に受け入れられる学識を自らのものにするので、社会的に高度な人材として受け入れられるでしょう。あと努力すれば、適度に批判精神も身に付くので、超エリートな人材になる可能性が高いです。

2. 日常生活におけるコミュニケーションが苦手:第九ハウスは個を超え社会の領域に属し、社会的に善とされる発想を身に付ける場です。そのため、身近な場における活動に苦手意識があるかもしれません。日常のざっくばらんな会話をすることがこのハウスが強いと苦手になってしまいます。だから、友人から「お高くとまっている」とか「説教くさい」とかいわれてしまう可能性があります。


4. 大雑把:第九ハウスは抽象的な思考と関わるため、具体的な事柄に意識を向けることが苦手になると思います。

5. 一人よがり:他人の気持ちを推し量ること、感情的なつながりを意識することが苦手です。理屈や直感で物事を把握することは得意ですが、4で述べたように細かい点を詰める感覚や理屈を超えた情といったものをどのように認識するべきか、分からなくなってしまう可能性があります。そのため、周囲を置き去りにし、自分だけでどんどん突き進んでしまうかもしれません。

<まとめ>
第九ハウスが強調された人は、一言でいえば、超エリート。しかも、海外の有力大学でよく学びよく遊ぶ学生生活を送ってきているような人です。では、どのようにこのハウスを生かしているか考えてみます。このハウスのカスプサインに注目してください。

(*カスプサインについては、本ブログの「西洋占星術の知恵(ハウスを元に人生を理解する No.1)」をご覧ください。)

もし、第九ハウスのカスプサインに蠍座が来ていたらどのようになるでしょうか(第1ハウスのカスプサインを魚座にしたので、順番通りにいきます)。蠍座は物事の裏側に存在するものやタブーとされる事柄を追求する態度と関わります。この星座が第九ハウスのカスプに来ると、人の深層心理や無意識に関係する事柄を学ぶ学問に興味を持ったり、「闇」の世界の道理を深く理解しようとしたりするかもしれません。一見すると見えない所にある道理を追求しようとするでしょう。

加えて、この星座の支配星は冥王星です。冥王星は物事の裏を見抜く「透視力」と関わります(門馬 p.151)。よって、第九ハウスに蠍座が来ている人は、非常に物事を分析する事に長けているといえます。物事の背後に隠されているリアルを見抜く才能があるでしょう。

また、第九ハウスに太陽(=社会的な自我)が来ている方は、上記のようにいわゆるグローバルなエリートという自分像を作り上げていくでしょう。また、月(=無意識)が来ている場合は、知らず知らずの内に学術に惹かれ、 海外へと意識が向くかもしれません。家庭環境がオフィシャルな感じで、社会に開かれていたような雰囲気だったかもしれません。

ハウスは十二種類あります。このすべてが同時に存在し、同時に意識の中で活動しているので、我々は複雑な心理構造の中で生きているといえます。
 
これからも、ハウスについて考え、人生を生きぬくコツを勉強します。お読みくださりありがとうございました。

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参考文献

 

門馬寛明 『西洋占星術 あなたを支配する宇宙の神秘』光文社1966年。 

西洋占星術は星座、惑星、ハウス(室)という3つの要素から成り立つ占いです。惑星と星座は我々の心の領域にあるもので、目に見えるものではないですが、ハウスは現実世界におけるものです。星座の特徴を我々の日常生活に反映させたのがハウスなので、これを理解できると占いの信憑性の度合いが確実に上がります。

 

ただ、生まれた時間を正確に知っている必要があるので、12星座占いのように生年月日だけ分かれば占うことができる手軽さはないですが、ハウスを考慮する方がずっと占いの面白さを体感できると思います。

 

今回は久しぶりにハウスに着目し人生を生きぬく術について考えたいと思います。繰り返しになりますが、ハウスは心理的な欲求や動機を表す12星座を、より人間生活の日常に当てはめた概念です。

 

12星座と関係しているので、12のハウスがあります。自分のハウスを知るためには生年月日、生まれた場所、そして生まれた時間が必要です。生まれた時間は母子手帳に書いてありますので、確認してみてください。

 

では、第八ハウスについて考察したいと思います。

 

*基本的な占星術の知識を元にしていますが、個人的な解釈がどうしても入ってしまうため、飽く迄も参考程度にご覧くだされば幸いです。

 

 

第八ハウス(蠍座のハウス)

 

<概説>

蠍座はI desire(私は欲求する)という動機や欲望を象徴する星座(サイン)です。そのため、このハウスも何かを望むことに関わります。ただ、この欲求は牡牛座の様に所有への渇望でなく、「秘密」に関わります。蠍座のシンボル「♏」は一説では「陰毛」を表し、不可解さや秘密を持っているというこの星座の特徴を表現しているといわれています(門馬 p.150)。また、この星座の支配星である冥王星は蠍座に裏を見抜く「透視能力」を与えています(門馬 p.151)。したがって、蠍座の欲求は目に見えるものの裏側にあるものを追求したいという望みを表すでしょう。

 

聖書のアダムとイブの話もこの星座を理解する上で有効かもしれません。(蛇として登場する)サタンに騙され知恵の実を食べてしまった二人は神を避けるようになります。その理由が「裸である」からです。自分には隠さなくてはならない所があるという意識の芽生え、言い換えると、禁忌意識の誕生がこの聖書の逸話に描かれています。

 

アダムとイブがサタンに騙される前は、禁忌というものは存在していなかったと推察できます。知恵の実を食べてしまう罪(原罪)を犯した後は、神に見せてはいけないものが存在し、それを隠さなくてはならないという意識が芽生えます。これは、二人が善悪というものを知ってしまったからです。神のように善悪を知る能力を与えるのが、この実の持つ特徴だったからです。

 

見方を変えると、アダムとイブの話は人間の成長を物語るものだといえます。禁忌、秘密、そして物事の裏側といった世の中の影を知ることは、大人である証です。純粋無垢であった人間が、世間を知ることで物事の裏表を知り、精神的に成熟をするプロセスが、この話に象徴されていると解釈できます。(一方、蠍座に対置する位置にあるのが牡牛座ですが、この星座は純粋無垢な面を表すと思われます。)

 

第八ハウスはこうした蠍座の特徴を具体的に表すものです。性的な事柄はここに属します。また、表層でなくより深い所で他者と関わることも表すので、結婚生活や大きな組織に属することを象徴するといえるでしょう。人であれ、組織であれ、世間から隠されている相手の秘密を(あたかも)自分のものとすることが、結婚後の生活や組織人としての生き方なのです。そのため、大企業や組織という意味合いもこのハウスに帰せられています(松村 p.47)。属する場が持つ罪を自分が背負うこと、すなわち、良いか悪いかは別に、世間一般には見せられない相手の暗部を自分が背負うという行為が、組織の中で生きるには必要だと、星占い的にはいえます。

 

アダムとイブはユダヤ教やキリスト教では人類の祖です。彼らの作った原罪は我々に脈々と継承されています。同じことが現実の社会にもいえると思います。よって、第八ハウスには何かを継承することも含まれます。相続や遺産という意味合いはここから来るでしょう。

 

このハウスが強調された生き方をしていると、以下の様な人生になるのではないかと思います。

 

1. 仕事・家庭運が良い:組織人として生きる場なので、仕事に長けているでしょう。自分を犠牲にしてまでも組織のために生きるという利他的な想いを持つことができるからです。ただ、危険な例ですが、任侠の世界は第八ハウスが強調されている場だと思います。また、家庭にコミットすることができるので、とても良い家庭人になることもできるでしょう。

 

2. 情け深い:損得でなく、この人のすべてを背負い込もう、この組織にすべてを奉仕しよう、この家のために生きようといったように、感情的な面で相手と関わります。任侠の例がここでも当てはまります。相手に対する義理をとても重んじるからです。だから、その分、相手のためなら何でもしてしまうという危険性もあります。でも、現代の人に欠けている側面のような気もします。

 

3. 個の喪失、楽しさを犠牲にする、友人運が悪い:組織や他者に自分のすべてを捧げるので、心からワクワクすることを否定してしまったり、美味しいものを食べたり心地よい生活をしたりすることが逆にストレスになってしまったりする可能性があります。自分とどう向き合うか、分からなくなってしまうかもしれません。自分の才能を生かすという発想に対し、ピンとこないかもしれません。また、平等に人と関わることを拒否してしまう傾向もあるでしょう。ある特定の人と深く関わることには魅力を感じますが、個をベースにそれぞれが自立した関係を維持しつつ関わるという事に、意義を見出すことができないかもしれません。

 

<まとめ>

自分を捨て他人や組織のために生きることが、第八ハウスが強調された人生です。

 

では、自分が第八ハウスをどれほど生かしているか確認してみましょう。ハウスは飽くまでも場なのでそれだけでは機能しません。空き家のイメージです。ここに星座と惑星が介在することで、家に住人が住み生活を始める様な感じで、我々の人生の中でこの場が活動し始めます。

 

今回はカスプに注目します。カスプとはハウスの出発点のことです。この点に位置する星座をカスプサインと呼びます。星座は前述の様に、心理的な欲求や動機を表します。つまり、ハウスの示す生き方がどのような欲求や動機として表出されるかを、カスプサインに着目することで理解することができます。

 

例えば、第八ハウスのカスプサインが天秤座だとしましょう(第一ハウスの説明を魚座から始めたので、順番を守り、天秤座を選びました)。天秤座は比較したいという欲求を我々に与えます。例えば、自分の服装を他者と比較し、自分の方が周囲の人から評価を得られるようになりたいと思う気持ちが、この星座が我々に与える動機です。得てして、競争心があるのですが、それが目立たないかもしれません。でも、どのようなケースであれ、何かを比べることでより良いものを選択しようとすることは密かな競争です。また、外交と天秤座は関わりますが、まさに外交はある特定の国を巡って他国と繰り広げる競争の場です。例えば、日米関係は確かにアメリカとの直接的な政治上の関係ですが、日本が日本以外の国、例えば中国、韓国、フランス、ドイツ等よりも、アメリカに気に入られるように、アメリカを巡りこうした他国と競うのも外交なのです。(個人的な見解です。)

 

では、このような特徴を持つ天秤座が第八ハウスのカスプサインだとどのような状況になるでしょうか。第八ハウスは「自分を捨て他人や組織のために生きること」を本質にする場でした。ここに、天秤座の「他者よりも評価されたい」という動機が重なると、一言でいえば、自分がコミットする人や場において、誰よりも評価されたいという思いを抱くようになるのではないでしょうか。具体的にいえば、組織のために自分はあの人よりも奉仕していると思われたいと思ったり、結婚生活や性愛において、相手にこれまでの愛人よりも自分の方が満足感を与えていると評価して欲しいと思ったりするかもしれません。

 

更に、このハウスに例えば金星が入っていたら、男性の場合はそうした少し重い感じの女性を恋愛の相手に選んだり、女性の場合はこのような深刻な思いを性愛の対象に抱いたりするでしょう。

 

以上、第八ハウスの考察をしてきました。我々には第一~第十二ハウスのすべてが存在しています。第八ハウスの内容にピンと来なかった方は、意識できていないだけかもしれません。是非、自分の第八ハウスと向き合う時間を作ってみてはいかがでしょうか。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

 

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参考文献

 

松村潔 『最新占星術入門』学研 2019年。

門馬寛明 『西洋占星術 あなたを支配する宇宙の神秘』光文社1966年。 

西洋占星術は10個の惑星を使って占いをします。それぞれの惑星には象徴的な意味(象意)があるだけでなく、年齢域というものがあります。ある特定の年齢にはある特定の惑星の影響力が増すのです。

 

これから、惑星の年齢域に着目して人生の流れを考察していきたいと思います。

 

あと、ネイタルホロスコープ(生まれた時のホロスコープ)を見ると惑星同士がある角度を作っていると思います。この角度をアスペクト(座相)と呼びます。アスペクトの面白いところの一つとして、年齢域を超えるという特徴があります。

 

例えば、0歳~7歳を司る月に56歳~70歳を司る土星がアスペクトを取っていたら、その人は「年齢の割に年を取ったような子供」、「老成した子供」、もしくは「生真面目な子供」という特徴を持つでしょう。

 

それでは、これまでの自分、今の自分、そして将来の自分をイメージしながら以下をお読みくだされば有難いです。

 

0歳~7歳=月の領域(安心感を得ることが重要)

この年齢域を生きるのは乳幼児です。親(母親もしくは母親の役割をする存在)から保護をしてもらわなくては生きて行くことができない時期です。そのため、受動的です。感情的、肉体的なニーズを他者に満たしてもらうしかないからです。この月の年齢域では自分を守ってもらうこと、依存すること、周囲の環境に適応することを、本能的に「学ぶ」時期です。

 

8歳~15歳=水星の領域(自分の意見を伝えることが重要)

この時期はちょうど小学生~中学生に当たります。自分の意見を述べたり、相手の意見を聞いたりし、他者とのコミュニケーションを始める時期です。また、勉強の時期でもあります。読み書きそろばんをマスターするタイミングです。知的能力の基礎をここで身に付けます。

 

16歳~25歳=金星の領域(恋愛感情が重要)

他人と自分を比べる時期です。ちょうど高校性~新米社会人のタイミングですね。恋愛が一番フォーカスされるでしょう。とりわけ(異性、性的対象から)愛されることに伴う満足感が鍵。好きな人から暖かく包まれることが意識の中心になります。オシャレに磨きをかけるタイミングでもあります。

 

26歳~35歳=太陽の領域(成功体験が重要)

0歳~25歳までの経験をフルに活用し、目的意識を持ち目標を達成するタイミングです。太陽は目的意識を表し、月、水星、金星がその達成のために使う能力です。例えば、月の適応力、水星の

思考力、そして金星の美的センスを結集させ、目的の達成を目指します。

 

太陽は父親を表します。父親は社会の象徴です。つまり、社会から一人前として認められることがこの時期の鍵。

 

月は母親を象徴し、「保護されること」を意味します。でも太陽は、自律です。自分の力しか頼ることができないのです。誰も守ってくれない環境に生まれて初めて身を置く時期といえるでしょう。

 

もちろん、不安や恐怖に押しつぶされそうになるでしょう。なぜなら、月の意識が強く残っているからです。本心は「母から守ってもらいたい」のです。でも、誰にも依存できません。

 

もし何かをやり遂げることができたら、まさに自己実現を果たしたことになります。その結果、確かな自信を手に入れることになるでしょう。

 

また、自分の力だけで自分を守ることができたので、これまで守ってくれた母親からの自立ができます。自己実現は本当の意味での親離れなのです。

 

もし恐怖や不安に負けて失敗したり、そもそも目的意識を抱くことができなかったりしたら、自己実現は不十分になってしまいます。結果として、自信を持つことが少し難しくなってしまうでしょう。

 

言い換えると、「母親からの自立」が不完全になってしまい、今後の人生も依存心や不安感に振り回されやすくなると思います。不安を和らげることだけに注力する生き方になってしまうのです。

 

したがって、この年齢域における生き方はとても重要です。

 

36歳~45歳=火星の領域(我慢しない、情熱爆発!)

太陽の年齢域で身に付けた自信を生かし、自分を社会の中に位置づける時期。遠慮するのでなく、自分の持っている能力をどんどん発揮するタイミング。情熱的になれる対象に向かって突き進みましょう。この時期が人生で一番活動できる期間です。この時期を逃さないよう、いろいろなことに挑戦しましょう。人生で一番楽しい時間だと思います。

 

46歳~55歳=木星の領域(寛大さが鍵)

大きな社会的成功を得るタイミングです。太陽の領域での成功はあくまでも個人レベルです。自己実現にとどまります。この年齢域での成功は、社会を良くすること、すなわち社会貢献が含まれます。同時に、木星は「天のサンタクロース」にたとえられます(門馬 p.33)。何かプレゼントが与えられるかもしれません。

 

56歳~70歳=土星の領域(自己実現を「手放す」)

この年齢域は一番真面目な時期です。社会を規則正しく動かすため、下の人間を指導、管理し、秩序を守る役割を果たします。

 

また体の衰えと向き合う時期で、自分の限界を知るタイミングです。太陽の領域で自己実現を果たした人も、ここで自信を失うでしょう。

 

同時に、太陽の領域で自立を果たした「母親」との再会が始まる時期でもあります。月は「死」を表します(マドモアゼル・愛 p.41)。我々の人生は、月に守られ、太陽で自立し、そしてまた月に守られる(すなわち死ぬ)と思います。月は我々の「ふるさと」だからです(マドモアゼル・愛 p.299)。この時期を境に、我々は死を目前に歩みを進めることになります。

 

ここで大切になるのが、依存心。これまでは自立心が一番の要でした。でも、年を取り自分に限界が来ているので、自立できなくなってしまいます。社会福祉の世話になったり、子供の世話になったりすることが、老境に至った人の宿命です。他者に依存することを受け入れることが、土星の学びの一つでしょう。

 

逆に、太陽の年齢域で自己実現に成功をした人の多くは、ここでつまずくと思われます。成功体験に根差した自己万能感は根強いからです。例えば、ケア・ハウスで職員に横柄な態度をとってしまう人はその典型でしょう。私もそのような方を見たことがありますが、心底不幸にみえました。

 

老年に達すると、自分の能力に限界が来るので、依存できないことで逆に不幸になってしまうのです。人生っていうのは面白いです。人生はみな平等なのかもしれません。自己実現ができなくても、失敗ではない。年を重ねたらみな同じなのですから。元の木阿弥です。最後はみんな「赤ちゃん」です。

 

71歳~85歳=天王星の領域(こだわり、しがらみを捨てる)

秩序や規則の外側で自由に生きるタイミングです。これまでの生き方を大きく変え、新しく人生を始める時期です。本当の意味での第二の人生の始まりです!

 

周囲から見ると、突拍子のない行動や予想不可能な行動をすることが多くなるでしょう。ちょっとエキセントリックになるかもしれません。でも、これは頭がどうこうというよりは、人生の新たな局面を迎えたからだと私は解釈しています。こう考えると、老いも楽しみになりませんか。

 

86歳~=海王星の領域(自由、奔放、創造性、想像力)

この世に囚われることなく、イマジネーションの世界を生きる時期です。時間を気にせず、ルールも気にせず生きるタイミングです。

 

死後=冥王星の領域(自分の罪を受け入れる時)

すべてが終わり、新たな人生の始まり。もはや、「人間」ではありません。閻魔様との出会いがあるかもしれませんね(笑)。


 

*年齢域においてのみそれぞれの惑星が働くということではないことも大切です。例えば、太陽は生まれた時から少しずつ我々に影響を与えています。それがピークになるのが、26歳~35歳という年齢域です。上記したように、アクペクトがあると年齢域を大きく超えることもあります。

 

ただ、それぞれの年齢域にいる自分を受け入れることが大切だと思います。年齢に抗わず、流れに任せて生きる。これが星からのメッセージだと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

参考文献

マドモアゼル・愛 『月の教科書』 ビオ・マガジン、2021年。

 

門馬寛明 『西洋占星術 あなたを支配する宇宙の神秘』1966年。