2019年9月「3級FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定 (FP3級)試験」の学科試験の解答速報というには少し遅いですが解説は詳細です.解答と解説を私見で書きました.解説をメインにして,どこが誤っているか,正解でも周辺知識や問題を深掘りした内容も書き加えています.
【理由】【解答への道筋】の箇所が解説に該当します. 【ちなみに】【ちょっと脇道】が周辺知識や深掘りに該当します.
3級FP技能検定
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解答と解説
【第1問】正誤問題
(※答えは設問について「1」が適切、「2」が不適切を意味します)
《ライフプランニングと資金計画からの出題》
(1)FPの職業倫理について
答え 1
【一番大事】
<ファイナンシャル・プランナー(FP)に求められる職業倫理>
➊顧客利益の優先
ファイナンシャル・プランナーは顧客の立場で考え、提案することが求められます。ファイナンシャル・プランナーは顧客の利益を最も優先しなければなりません。
❷顧客情報の守秘義務
職務上知りえた顧客の情報を、顧客の同意を得ず外部に漏らしてはなりません。
❸顧客への説明義務(アカウンタビリティ)
ファイナンシャル・プランナーは業務を行うにあたって、顧客が適切な情報に基づいて意思決定ができるよう、顧客の知識レベル等に応じて十分に説明しなければなりません。
❹法令遵守(コンプライアンス)
ファイナンシャル・プランナーは金融商品販売法および消費者契約法等の法令を遵守しながら、その業務を行わなければなりません。
(2)労災保険について
答え 2
【理由】
「労働災害補償保険」(いわゆる労災保険)は事業主が全額負担します。ちなみに:労働災害補償保険は業務上あるいは通勤途中に負傷、疾病、傷害、死亡した場合に保険給付を行います。
(3)公的年金について
答え 2
【理由】
日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者は、日本国籍の有無にかかわらず、厚生労働大臣に申し出ることで国民年金の任意加入被保険者になることができる。
(4)確定拠出年金について
答え 2
【理由】
国民年金の第3号被保険者(いわゆる専業主婦)は確定拠出年金個人型(iDeCo)の加入者となることができます。ちなみに:国民年金び第1号被保険者、国民年金の第2号被保険者も加入者となることができます。
(5)教育ローンについて
答え 1
【ちなみに】
➊融資の条件:本人の学力は含まれません。日本学生支援機構の奨学金と異なり、子どもの人数に応じた年収制限のみです。
❷融資額:学生1人につき350万円、金利は固定金利、返済期間は原則15年以内(母子家庭は18年以内)
【ついでに】
〈日本学生支援機構の奨学金〉
➊第一種奨学金:無利息、第二種奨学金:利息付
❷判定基準:前者が厳しく、後者は緩やか
❸融資条件:両者ともに「親の年収」と「学生本人の学力」
《リスク管理からの出題》
(6)生命保険の契約転換制度について
答え 2
【理由】
契約転換制度とは、現に加入している保険の責任準備金と積立配当金の合計金額をもとに、同じ保険会社で新たな保険に加入するものです。
新たな保険に加入するので、保険料は転換時の年齢、保険料率で改めて計算し直されます。従って、転換後の保険料、保険料率は変更されます。
(7)こども保険について
答え 2
【理由】
こども保険とは、子どもの教育資金などを準備するための保険で、学資保険ともいわれます。
契約者が死亡した場合、育英年金が支払われるものがあります。また、こどもが死亡した場合、死亡保険金が支払われ契約が終了します。
(8)地震保険について
答え 2
【理由】
地震保険の保険料は、地震保険料控除として所得控除の対象です。「所得税」を計算する際、所得金額から控除されるものです。
(9)リビング・ニーズ特約について
答え 1
【ちなみに】
リビングニーズ特約には、特約保険料を支払う必要はありません。また、受け取った保険料は非課税です。
(10)受託者賠償責任保険について
答え 1
【ちなみに】
本問の受託者賠償責任保険にような企業向けの損害保険には、そのほかに「生産物賠償責任保険」、「施設所有管理者賠償責任保険」、「労働災害総合保険」などがあります。
《金融資産運用からの出題》
(11)インターバンク市場について
答え 2
【理由】
短期金融市場のうちインターバンク市場とは、金融機関同士で短期資金を貸し借りする市場のことです。本問における説明は、オープン市場についてのことです。
(12)ゆうちょ銀行の預入限度額について
答え 2
【理由】
通常貯金1300万円、定期性貯金1300万円、合計2600万円と預入限度額が変更となりました。今まで双方の貯金を併せて1300万円までが預入限度額でしたので、倍増したと言えます。
なお、民営化後に預入れた貯金は国の保証ではなく、預金保険制度の対象です。預金保険制度の適用については、元本1000万円までとその利息が保護されます。
(13)パッシブ運用について
答え 1
【ちなみに】
パッシブ運用のほかに、アクティブ運用があり、こちらはパッシブ運用と異なり、ベンチマーク(運用実績の基準)を上回る運用成果を目指すものです。アクティブ運用には「トップダウンアプローチ」「ボトムアップアプローチ」「グロース投資」「バリュー投資」の4つの手法があります。
(14)債券の利回りについて
答え 2
【理由】
格付けの高い債券ほど安全性が高い(つまりリスクが低い)ので「価格は高く」「利回りは低く」なります。逆に格付けの低いほどリスクが高いので「価格は安く」「利回りは高く」なります。
(15)預金保険制度について
答え 2
【理由】
外貨預金は、預金保険制度の対象外です。
【ちなみに】
利子(利子所得)には20.315%の源泉分離課税がかかります。一方、為替差益については、総合課税(雑所得)となります。
《タックスプランニングからの出題》
(16)通勤手当の非課税限度額について
答え 1
【ちなみに】
所得税で非課税となるものには、通勤手当(15万円まで)のほかに次のものがあります。
➊宝くじの当せん金
❷慰謝料および見舞金(社会通念上、妥当な金額の範囲)
❸衣類や家具など、生活用動産の売却による所得(ただし、1個または1組の価額が30万円を超える宝石、貴金属、絵画、骨とう品等を除きます)
そのほかに遺族や障害者が受け取る公的年金などがあります。
(17)所得税の公的年金等にかかる雑所得の金額について
答え 1
【ちなみに】
雑所得は「公的年金等に対する雑所得」と「そのほかの雑所得」に分けて計算し、合計します。
雑所得の計算式
➊公的年金等の雑所得=公的年金等の金額-公的年金等控除額
❷そのほかの雑所得=総収入金額-必要経費
「雑所得」=➊公的年金等の雑所得+❷そのほかの雑所得
(18)所得税における医療費控除について
答え 2
【理由】
人間ドックの受診費用には医療控除の対象となる場合と対象とならない場合があります。
➊対象となる場合:健診の結果、疾病が発見され、治療したとき
❷対象とならない場合:健診の結果、異常なしのとき
本問の説明では、❷と反対の説明をしているので誤りとなります。
(19)所得税における住宅借入金等特別控除について
答え 2
【理由】
〈住宅借入金等特別控除の適用要件〉
個人が住宅を新築又は建築後使用されたことのない住宅を取得した場合で、住宅借入金等特別控除の適用を受けることができるのは、次の全ての要件を満たすときです。
(1)新築又は取得の日から6か月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること。
(2)この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、3,000万円以下であること。
(3)新築又は取得をした住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること。
(4)10年以上にわたり分割して返済する方法になっている新築又は取得のための一定の借入金又は債務(住宅とともに取得するその住宅の敷地の用に供される土地等の取得のための借入金等を含みます。)があること。
(5) 居住の用に供した年とその前後の2年ずつの5年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例など(租税特別措置法31条の3第1項、35条 1項(同条3項の規定により適用する場合を除きます。)、36条の2、36条の5若しくは37条の5又は旧租税特別措置法37条の9の2)の適用を受けていないこと。
(以上、国税庁のHPより引用)
∴(3)の適用要件から本問の説明は誤りとなります。
(20)所得税の確定申告について
答え 1
【ちなみに】
給与所得者で確定申告が必要な場合は、主に以下のとおりです。
➊年間の給与収入等が2000万円を超える者
❷1か所から給与等を受けている者で給与所得および退職所得以外の所得金額が20万円を超えている者
❸2か所以上から給与等を受けている者
《不動産からの出題》
(21)土地の登記記録について
答え 1
【ちなみに】
〈土地の登記記録について〉
1.表題部
「土地」「建物」について記載されます。「土地」については所在、地番、地目、面積など、「建物」については所在、家屋番号、種類、構造、床面積などが記載されます。
なお、表題部は登記義務があり、所有権を取得してから1か月以内に所有者が申請する必要があります。
2.「権利部」の「甲区」
所有権保存登記、所有権移転登記など所有権に関する事項が記載されます。
3.「権利部」の「乙区」
抵当権、地上権、賃借権、借地権など所有権以外に関する事項が記載されます。
(22)瑕疵担保責任について
答え 2
【理由】
(新築住宅の売主の瑕疵担保責任の特例)
第九十五条 新築住宅の売買契約においては、売主は、買主に引き渡した時(当該新築住宅が住宅新築請負契約に基づき請負人から当該売主に引き渡されたものである場合にあっては、その引渡しの時)から十年間、住宅の構造耐力上主要な部分等の隠れた瑕疵 について、民法第五百七十条において準用する同法第五百六十六条第一項並びに同法第六百三十四条第一項及び第二項前段に規定する担保の責任を負う。この場合において、同条第一項及び第二項前段中「注文者」とあるのは「買主」と、同条第一項中「請負人」とあるのは「売主」とする。
2 前項の規定に反する特約で買主に不利なものは、無効とする。
3 第一項の場合における民法第五百六十六条第三項の規定の適用については、同項中「前二項」とあるのは「住宅の品質確保の促進等に関する法律第九十五条第一項」と、「又は」とあるのは「、瑕疵修補又は」とする。
(以上、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」から抜粋)
∴上記条文によれば、引渡し時から10年間となっているので、本問の説明は誤りとなります。
(23)都市計画法における開発行為について
答え 1
【理由】
(開発行為の許可)
第二十九条 都市計画区域又は準都市計画区域内において開発行為をしようとする者は、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市又は同法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下「指定都市等」という。)の区域内にあつては、当該指定都市等の長。以下この節において同じ。)の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる開発行為については、この限りでない。
(以上、「都市計画法」から抜粋)
∴上記条文から本問の説明は正しいとなります。
(24)建築基準法における異なる用途地域での規定について
答え 1
【ちなみに】
都市計画において「市街地における火災の危険を防除するため定める地域」として「防火地域」と「準防火地域」においては、建築物全体に対して「制限の厳しいほうの規定」が適用されます。
➊1つの建築物が防火地域と準防火地域にまたがる場合
❷1つの建築物が防火地域または準防火地域と指定のない地域にまたがる場合など
(25)小規模住宅用地の固定資産税について
答え 2
【理由】
「住宅用地の固定資産税の課税標準の特例」において小規模住宅用地(200㎡以下の部分)の固定資産税評価額は「6分の1」に軽減されるので、設問の説明(設問では5分の1)は誤りとなります。
【ちなみに】
「住宅用地の固定資産税の課税標準の特例」において一般住宅用地(200㎡を超える部分)の固定資産税評価額は「3分の1」に軽減されます。
【ついでに】
固定資産税とは土地・建物を所有を取得した場合、その翌年から市町村が課税する地方税です。
納税義務者:毎年1月1日現在の土地・建物の所有者
課税標準(何に対して税金がかかるのか):固定資産税評価額(3年ごとに見直される)
税率:1.4%
《相続・事業承継からの出題》
(26)みなし贈与財産について
答え 1
【理由】
本設問は「みなし贈与財産」の説明です。個人の間で時価よりも著しく低い価額で譲渡がなされた場合、その差額が「みなし贈与財産」となり、課税の対象となります。
(27)特別養子縁組について
答え 1
【ちなみに】
養子には次の2つの制度があります。
➊特別養子縁組とは、実の父母との親族関係が終了し、養親のみが父母となる制度です。
❷普通養子縁組とは、実の父母と養親である父母との両方の親族関係が存続する制度です。
本問は➊についての説明で、正解です。
(28)相続税で控除できる葬儀費用について
答え 2
【理由】
相続税で控除できる葬儀費用の範囲
〈控除できないもの〉
➊香典返しの費用
❷法要費用(初七日、四十九日など)
本問の説明では❷の費用が控除できる説明になっているので誤りです。
(29)相続税の基礎控除について
答え 2
【解答への道筋】
「相続税の基礎控除の計算式」は次のとおりです。
相続税の基礎控除額=3000万円+(600万円×法定相続人の数※)
※法定相続人の人数には相続放棄者も含みます。
設問の説明では計算式の途中で600万円ではなく、「500万円」となっているので誤りです。
【ちなみに】
「相続税の非課税財産の2つの計算式」を覚えることで、上記設問の誤りを見抜くことができます。※法定相続人の人数には相続放棄者も含みます。
➊死亡保険金の非課税金額=500万円×法定相続人の数※
なお、この計算式は、契約者(A)および被保険者(A)が被相続人で死亡保険金の受取人が法定相続人(B)の場合に使います。つまり、(A)(A)(B)のパターンで課税される税金の種類が「相続税」となるものです(リスク管理の保険金に対する税金で復習できます)。
❷死亡退職金の非課税金額=500万円×法定相続人の数※
なお、死亡退職金の計算式は被相続人が死亡後、3年以内に支給が確定したものにのみ使います。3年以後に確定した場合には一時所得となるからです。
(30)配偶者に対する相続税の軽減について
答え 1
【ちなみに】
具体例として、配偶者と子が相続人である場合:
➊相続税の課税価額の総額が6億円であれば、配偶者は法定相続分、つまり2分の1、つまり「3億円」まで相続税が課税されません。
❷相続税の課税価額の総額が2億円であれば、配偶者は法定相続分ではなく、「1億6千万円」まで相続税が課税されません。
【第2問】3答択一問題
《ライフプランニングと資金計画からの出題》
(31)キャッシュフローの係数について
答え 2
【解答の道筋】
文中に「取り崩す」とあれば、資本回収係数のことです。
「資本回収係数」は現在、用意した額(元本)を運用した場合、毎年いくら受け取れるか求めることができます。
毎年の受取額=用意した額×資本回収係数
2,163,000円=3000万円×0.721
∴正解は選択肢2となります。
【ついでに】
➊「終価係数」は現在、用意した額(元本)を運用した場合、将来、元金と利息(つまり元利)をいくら受け取れるかを求めることができます。
将来の受取額=用意した額×終価係数
3483万円=3000万×1.161
❷「減債基金係数」は希望する受取額を一定期間後に得るためには、毎年いくら積み立てればよいかを求めることができます。
毎年の積立額=希望する受取額×減債基金係数
186万3000円=3000万円×0.0621
(この金額は本問の選択肢1に該当します)
(32)後期高齢者医療制度について
答え 3
【理由】
後期高齢者医療制度の対象者となるのは、75歳以上の者です。なお、障害認定者については65歳以上の者です。
設問の説明で障害の状態にないとあるので、選択肢1は消え、選択肢3が正解となります。
(33)障害基礎年金の保険料の納付要件について
答え 3
【理由】
〈保険料の納付要件〉
➊初診日※の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付期間(保険料免除期間を含め)が「3分の2」以上あることです。
❷初診日※の前々月までの過去1年間に保険料の未納がないことです。
※「初診日」とは、障害の原因となった傷病について初めて医師の診察を受けた日のことを言います。
【ちなみに】
障害基礎年金の保険料納付以外の受給要件については、つぎのとおりです。
➊障害認定日に障害等級が1級あるいは2級に該当すること
❷初診日に国民年金の加入者であること
❸初診日に60歳以上65未満で、日本国内に居住していること
(34)住宅借入金等特別控除の所得制限について
答え 2
【理由】
住宅借入金等特別控除を受けるための取得者の要件として、次の所得の制限があります。
控除を受ける年の合計所得金額が「3000万円」以下であること。
【ちなみに】
そのほかの取得者の要件は次のとおりです。
➊返済期間:10年以上の住宅ローンであること
❷取得・増改築した日から6か月以内に入居、適用を受ける年の12月31日まで居住していること
❸入居の年およびその前後2年間、計5年間、居住用財産の譲渡特例の適用を受けていないこと。
(35)貸金業法の総量規制について
答え 2
【理由】
消費者金融で1人当たりの無担保借入額は、トータルで「年収額」の3分の1です。
【ちなみに】
住宅ローン、車のローン、事業用の資金には、規制がありません。
《リスク管理からの出題》
(36)少額短期保険業者による取扱商品について
答え 1
【ちなみに】
保険期間は原則、「生命保険」「医療保険」が「1年」、「損害保険」が「2年」となっています。
(37)生命保険の3つの予定基礎率について
答え 1
【理由】
〈3つの予定基礎率〉
➊予定死亡率:
男女別に各年齢の人が1年間に死亡する確率のことです。過去の統計を基に算出されます。
なお、一般に同年代では女性が男性に比べて死亡率が低いため、終身保険では女性が安く、年金保険では男性が安くなります。
❷予定利率:
保険料を運用する際の予想運用利回りのことです。
予定利率が高く設定されていると、運用益が多くなるため、保険料は安くなります。逆に低く設定されていると、保険料は高くなります。
❸予定事業費率:
保険会社の運営必要経費の割合のことです。この割合が高くなると、保険料も高くなります。
【ちなみに】
〈保険料の仕組みについて〉
契約者から保険会社に支払われる保険料、つまり営業保険料は純保険料と付加保険料の2つに分けられます。
➊「純保険料」は保険金を支払う財源となり、この額は予定死亡率と予定利率に基づいて算出されます。
純保険料は「死亡保険料」と「生存保険料」の2つに分けられます。前者は死亡保険金を支払う財源、後者は満期保険金を支払う財源となります。
❷「付加保険料」は保険の運営と維持に要する財源となり、予定事業費率に基づき算出されます。
(38)養老保険の福利厚生プランについて
答え 2
【理由】
養老保険の福利厚生保険は、ハーフタックス・プランと呼ばれるもので、契約者と満期保険金受取人を法人として、被保険者を役員と従業員全員とし、死亡保険金の受取人を被保険者の遺族とします。
このことによって、支払った保険料の2分の1相当額が保険金積立金として資産計上され、あとの2分の1は福利厚生費として損金に算入されます。これがハーフタックス・プランと呼ばれるゆえんです。
(39)損害保険の原則について
答え 2
【理由】
「大数の法則」「収支相当の原則」は生命保険の原則にもあります。これに加えて、損害保険には「給付・反対給付金等の原則(公平の原則)」「利得禁止の原則」があります。
➊大数の法則
数多くのケースから一定の法則(確率)を見出すことを意味します。例えば、過去のデータをもとに大数の法則を用いて、年齢別の死亡率を予測して保険料を算定しています。
❷収支相等の原則
次の(A)=(B)の関係になるように保険料を算定することを意味します。
(A)「保険会社が全保険者から受け取る保険料とその運用益の総額」=(B)「保険会社が支払う保険金と保険会社の経費の合計額」
❸給付・反対給付均等の原則
公平の原則とも言います。保険料は被保険者の危険度に対応したものであることという意味です。つまり、危険度の高い職業に就いている者は、保険料が高くなるということです。
❹利得禁止の原則
被保険者は、保険金の受け取ることで利益を得てはいけないという意味です。
∴➊~❹の説明から選択肢2が正しいとなります。
(40)自動車損害賠償責任保険について
答え 2
【ちなみに】
自動車損害賠償責任保険とは、いわゆる自賠責保険のことです。これは法律で加入が義務付けられている強制保険です。自動車の保有・運転者が運転により他人の身体や生命に傷害を与えた場合に保険金が支払われるものです。
保険金額は傷害の場合、1人当たり120万円が限度でが、後遺障害がある場合には別途、その程度により75万円から4000万円まで支払われます。
《金融資産運用からの出題》
(41)マネーストック統計について
答え 3
【ちなみに】
マネーストック統計は経済・景気の指標の1つです。代表的な経済・景気指標は内閣府、総務省、日本銀行から発表されています。
(42)債券の利回り計算について
答え 1
【解答への道筋】
本問では所有期間利回りを求めます。なお、この設問で注意するところは、「残存期間4年」と、「2年後に額面100円当たり100円で売却」とある箇所です。「所有期間」は残存期間ではなく、2年後に売却とあるので、「2年」ということになります。

【ちょっと脇道】
異次元の金融緩和の現在、日銀が市場等から国債等を購入し、市場に資金を供給することによって、市場の金利は低下します。現在、ゼロ金利政策が続いています。金利が低下すると、債券価格は上昇のはずですが…
なお、本来インフレになると、つまり物価が上がると、市場金利は上昇しますが、異次元と冠すだけあり、金利が上昇せず、景気も拡大していないというのが現実です。
(43)株価指数について
答え 1
【理由】
日本の主な株価指数
➊日経平均株価(日経225)
東証1部上場銘柄のうち代表的な225銘柄の株価の平均のことです。225銘柄の平均ということで、「株価の高い銘柄」(値がさ株と言います)の変動に影響を受けやすいということになります。
❷東証株価指数(TOPIX)
東証1部上場の全銘柄の時価総額を基準時価総額と比較して、何倍になっているかを表す指数で、時価総額加重平均株価指数と言います。「時価総額」の大きな銘柄に影響を受けやすいということになります。
❸JPX日経インデックス400(JPX日経400)
東証1部、東証2部、マザーズ、東証JASDAQに上場する企業の中から自己資本利益率(ROE)、営業利益、時価総額などの条件を満たす400銘柄で構成され、時価総額加重平均株価指数を用います。
(44)ポートフォリオの相関関数について
答え 3
【理由】
ポートフォリオとは、資金を預貯金、株式、債券、不動産などの資産(アロケーション)へ分散投資することです。
どの資産にどの程度の割合で投資するかを決めることが、「アセット・アロケーション」です。その結果がポートフォリオということになります。
〈相関関数と資産の動き〉
相関関数とは、ポートフォリオに組み込んだそれぞれの資産の価格変動の関連性について、その強弱を示す指標です。
相関関数「-1」の場合、2つの資産は完全に負の相関、つまり2つは全く逆の動きをします。
相関関係「0」の場合、2つの資産の間に全く相関関係がない。つまり2つの資産はばらばらの動きをします。
相関関係「+1」の場合、2つの資産は完全に正の相関、つまり双方とも全く同じ値動きをします。
相関関数の低い資産(-1)に近い資産を組み合わせることによって、ポートフォリオのリスクを軽減できるということです。
(45)預金保険制度について
答え 2
【理由】
預金保険制度とは、日本国内に本店がある金融機関が破綻(倒産)したとき、1つの金融機関ごとに、1人つき元本1000万円までとその利息を保護するものです。
なお、「決済用預金」(無利息・要求払い・決済サービスの提供の条件を満たすこと)は、「全額保護」されます。例えば、当座預金は決済用預金に該当します。
従って、本問の正解は選択肢2の「決済用預金」となります。
《タックスプランニングからの出題》
(46)所得税について
答え 1
【理由】
「相続」「遺贈」や「贈与」により取得する財産は、非課税所得となります。「相続」「遺贈」「死因贈与」により取得した財産には相続税、「贈与」により取得した財産は贈与税がそれぞれ課されることになります。
なお、相続により財産を取得したものが、被相続人から相続のあった年に贈与を受けた財産は「相続税」の課税対象となります。
(47)損益通算について
答え 2
【思い出そう】
損益通算ができる所得は「不動産所得」「事業所得」「山林所得」「譲渡所得」の4つです。
【理由】
損益通算後の総所得を求める与件として
不動産所得の金額、雑所得の金額、事業所得の金額(株式等に係るものを除く)の3つが挙げられています。
与件から損益通算ができる所得は、不動産所得と事業所得の2つです。
750万円(不動産所得の金額)-150万円(事業所得の金額)
=600万円
∴損益通算後の総所得金額=600万円
(48)生命保険料の所得税控除額について
答え 3
【注意】
契約締結日が「平成23(2011)年12月31日以前」、「平成24(2012)年1月1日以後」では、所得税および住民税の控除額が異なることに注意してください。
前者では介護医療保険料の控除はなく、一般の生命保険料と個人年金保険料の2つの控除があり、所得税についてはそれぞれ限度額は5万円、住民税についてはそれぞれ限度額3万5000円です。
後者では一般の生命保険料、個人年金保険料、介護医療保険料の3つの控除があり、所得税についてはそれぞれ限度額は4万円です。住民税についてはそれぞれ限度額2万8000円ですが、総額では7万円が限度額となります。
【理由】
設問の保険契約締結日は「平成24(2012)年1月1日以後」です。従って、一般の生命保険料、個人年金保険料、介護医療保険料の3つの所得税の控除額はそれぞれ限度額4万円であり、合計12万円控除することができます。
∴選択肢3の12万円が正解となります。
(49)青色申告の要件について
答え 1
【理由】
〈青色申告の要件〉
➊青色申告をしようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後に事業を開始した場合、事業を開始した日から「2か月以内」)に、青色申告承認申請書を税務署に提出し承認を受けること。
❷原則、正規の簿記の原則に従って取引を記帳し、その記録に基づき申請書を作成すること
(50)準確定申告について
答え 2
【理由】
準確定申告とは、被相続人が亡くなるまでに、一定額の所得があった場合、相続人は相続を知った日の翌日から、「4か月以内」に被相続人の確定申告を行うことを言います。
本問では2019年8月20日の翌日から4か月以内に相当する日は、選択肢2の2019年12月20日となります。
《不動産からの出題》
(51)基準値標準価格について
答え 3
【理由】
〈不動産の4つの価格〉
➊「公示価格」
一般の土地取引の指標となり、国土交通省から基準日を毎年の1月1日として、3月下旬に発表。
❷「基準値標準価格」
都道府県から基準日を毎年の7月1日として、公示価格の100%の水準で9月下旬に発表。
❸「相続税評価額(路線価)」
国税庁から基準日を毎年の1月1日として、公示価格の80%の水準で7月上旬に発表。
❹「固定資産税評価額」
市町村から基準日を毎年の1月1日(評価額は3年ごとに見直し)として、公示価格の70%の水準で3月下旬ごろ発表。
∴❷から選択肢3が正解となります。
(52)借地借家法(事業用定期借地権等)について
答え 2
【理由】
定期借地権とは一定の契約期間をもって借地契約が終了し、かつ契約の更新がない借地権のことです。
〈定期借地権の種類〉
➊一般定期借地権
契約方式:書面
存続期間:50年以上
利用目的:制限なし
特徴:建物買取請求権がない旨の契約ができる
❷建物譲渡特約付借地権
契約方式:定めなし
存続期間:30年以上
利用目的:制限なし
特徴:契約終了時に地主が建物を買い取る
❸事業用定期借地権
契約方式:公正証書
存続期間:10年以上50年未満
利用目的:事業用のみ
特徴:建物取り壊し費用は借地人が負担
本問の場合、❸の説明に該当します。
∴❸の存続期間から選択肢2が正解となります。
(53)接道義務について
答え 2
【理 由】
建築物の敷地は原則として、幅員4m以上の道路に2m以上接していなければなりません。
∴選択肢2が正解となります。
(54)市街地における火災の危険を防除するため定める地域について
答え 1
【理由】
都市計画において「市街地における火災の危険を防除するため定める地域」として「防火地域」と「準防火地域」においては、建築物全体に対して「制限の厳しいほうの規定」が適用されます。
➊1つの建築物が防火地域と準防火地域にまたがる場合
❷1つの建築物が防火地域または準防火地域と指定のない地域にまたがる場合など
本問の場合、➊に該当し、より厳しい規定が適用されます。
∴選択肢1の「防火地域」が正解となります。
(55)特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得課税の特例について
答え 3
【解答への道筋】
〈適用要件〉
➊譲渡した年の1月1日における所有期間が10年を超えていること
❷譲渡者の居住期間が10年を超えていること
❸譲渡資産の売却額が1億円以下であること
❹特別関係者(配偶者や直系血族など)への譲渡ではないこと
∴❸の要件から選択肢3が正解となります。
《相続・事業承継からの出題》
(56)直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税について
答え 3
【理由】
〈直系尊属から教育資金の一括贈与の非課税要件〉
➊贈与者:直系尊属(父母、祖父母など)
❷受贈者:贈与契約日に30歳未満の子・孫※
(※前年の所得が1000万円を超えている場合は非課税対象外)
❸非課税金額:学校(海外を含め)に支払われる場合、1人あたり1500万円。学校以外の塾などに支払われる場合、500万円。
❹適用期間:2021年3月31日までの贈与
∴❸の内容から選択肢2が正解となります。
(57)相続における法定相続分について
答え 1
【理 由】
与件から法定相続人は、被相続人の妻Bと被相続人の弟Cのみです。
配偶者である妻Bは4分の3を相続し、残った4分の1を弟Cが相続します。
∴選択肢1が正解となります。
【ちなみに】
もし被相続人の父が存命していた場合、配偶者である妻Bは3分の2を相続し、被相続人の父は残った3分の1を相続します。この場合、弟Cへの相続は発生しません。
(58)相続時精算課税制度について
答え 3
【解答への道筋】
〈相続時精算課税とは〉
相続税と贈与税を一体化したものです。生前に贈与を受け、その後、相続が発生したとき、「贈与された財産」と「相続した財産」を合算し、税金を再計算します。そのうえで納付済みの贈与税額は、相続税額から控除されることになります。
なお、「贈与された財産」と「相続した財産」を合算する際、贈与された財産の価額は、贈与された時点での価額で計算されます。
〈相続時精算課税の適用について〉
➊贈与者:贈与のあった年の1月1日現在、60歳以上の父母・祖父母
❷受贈者:20歳以上の子である推定相続人(代襲相続人を含む)と20歳以上の孫
❸対象財産:財産の種類・金額に制限なし、贈与回数も制限なし
❹制約:相続時精算課税を一度選択すると取消不可、同じ贈与者に対して暦年課税の適用や変更不可
❺税金の計算:相続時精算課税を選択した贈与者からの贈与財産の価額のうち2500万円までが非課税。非課税額を超過した額には20%の贈与税がかかる。
例えば3500万円の贈与を受けた場合、(3500万円-2500万円)×20%=200万円の贈与税がかかります。
∴❺から選択肢3が正解となります。
【ちなみに】
相続時精算課税制度は「贈与者ごとに適用」することができるので、次のような適用が可能です。
例えば、父からは相続時精算課税制度を適用し、母からは暦年課税制度を適用するということができます。
(59)相続により取得した上場株式の相続税評価額について
答え 1
【思い出そう】
〈上場株式等の評価について〉
上場株式等(上場投資信託、ETF、J-REITを含め)は、課税時期の終値(相続発生時の最終価格)、課税時期以前の3か月間(相続発生月を含め)の各月の終値の平均額の中で「最低の価格」が相続税評価額となります。
【解答への道筋】
本問では9月2日が相続発生時で、その日の最終価格と、その月を含めた3か月間(9月、8月、7月)の終値の平均額の中で、一番低い価格が相続税評価額となります。
「最低の価格」は7月の終値の平均額です。
∴選択肢1が正解となります。
(60)小規模宅地等の課税価格の特例について
答え 3
【思い出そう】
〈小規模宅地等の課税価格の特例とは〉
相続もしくは遺贈により取得した宅地等で、被相続人の居住用あるいは事業用建物等がある場合、一定の面積まで通常の評価額から一定割合を減額するものです。
〈小規模宅地等の区分と減額割合・対象面積〉
宅地の区分によって、対象となる面積と評価額の減額割合が決められています。宅地の区分、減額割合、面積は下記のとおりです。

※一定の条件を満たすと、➊特定居住用宅地等と❷特定事業用宅地等を併せて730㎡まで減額対象となります。
本問では「特定事業用宅地等」について問われています。
∴❷の対象面積と減額割合が正解となります
【ちなみに】
➊特定居住用宅地等:被相続人の居住用宅地で、取得者が配偶者等の親族の場合
❷特定事業用宅地等:被相続人の事業用宅地で、取得者が一定の親族の場合
❸貸付事業用宅地等:不動産貸し付けを行っている宅地のことです。
以上
ちょっと、あとがき実技試験と異なり、学科試験では前回と類似の問題は2問だけでした。今年4月からの「ゆうちょ銀行の預入限度額の変更」が早速(12)に登場。(10)の「受託者賠償責任保険」、(22)の「新築の瑕疵担保責任の特例」、(51)の「基準値標準価格の基準日」の3問くらいが迷ったかもしれません。あとは平均的な内容でした。解答と解説を書きながら、学びと現実に大きなズレが存在します。異次元の金融緩和、国債、金利、インフレ!解説を書きながらホントにこれでいいのとなります。とはいえ、FPの勉強は楽しい!かつての実務と体験が見事にマッチ!マッチ?ポンプ?泡正しい?
本日も長文をお読みくださり、ありがとうございます。
Success is going from failure to failure without a loss of enthusiasm.













