2019年9月「ファイナンシャル・プランニング技能検定(FP)3級」実技試験(資産設計提案業務)の解答速報

2019年9月「3級FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定(FP3級)試験」の実技試験(資産設計提案業務)の解説付き解答速報です.解説をメインに,どこが誤っているか,正解でも周辺知識や問題を深掘りした内容も書き加えています.

 

【理由】【解答への道筋】の箇所が解説に該当します。 【ちなみに】【ちょっと脇道】が周辺知識や深掘りに該当します。

 

9月8日に受験されたみなさん、これから受験されるみなさんの参考の一助になれば幸いです。実技試験の問題は日本ファイナンシャル・プランナーズ協会のこちらからダウンロードもしくは閲覧できます。

残暑のなか受験されたみなさん、おつかれさまでした。

 

 

 

数多くのブログの中から、ご訪問くださり、

ありがとうございます!

 

目次(ページ内リンク)

2019年9月実施

3級FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定

実技試験「資産設計提案業務」

解答速報 解答と解説

 

第1問 ライフプランニングと資金計画

 問1~問2
第2問 金融資産運用
 問3~問5
第3問 不動産
 問6~問7
第4問 リスク管理
 問8~問10
第5問 タックスプランニング
 問11~問12
第6問 相 続
 問13~問15
第7問  総合問題
 問16~問20
あとがき(ブログコーナー)

 

解答と解説

 

 

【第1問】ライフプランニングと資金計画


問1《最も適切な説明を選択》(前回も出題)

答え 1


【理 由】

2.弁護士の資格なしに、法律相談、法律事務を取り扱うことはできません。

3.税理士の資格なしに、有償無償を問わず、具体的な税額相談に応じることはできません。



問2《キャッシュフロー表の数値で適切な数値を選択》(前回も出題)

答え 1


【理 由】

2.「450-377=73」が正しい計算となります。

3.「327×(1+0.01)+51≒381」が正しい計算となります。

 

 


【第2問】金融資産運用


問3《「NISA」の概要について最も不適切なものを選択》

答え 1


【理 由】

《対象となる金融商品》
上場株式、公募株式投資信託(外国投信を含む)、ETF、J-REIT

《対象外の金融商品》
公社債投資信託、公社債
設問にある国債は、公社債に含まれます。よって1が不適切となります。


【ちなみに】

・NISA口座での譲渡損失と一般口座での譲渡益は損益通算できません。

・上場株式等の配当金を非課税で受け取るには、配当金の受け取り方法を「株式比例配分方式」にする必要があります。



問4《会社四季報の資料から最も不適切なものを選択》

答え 3


【理 由】

1.左下の業績欄から「1株益443.9円」で正しい。

2.「1株1万3500円×100株=135万円」で正しい。

3.「1株配95円×100株=9,500円」となっていないから間違い。(設問で年間の配当金額とあるところに注意!)



問5《株式投資指標からSZ株式会社のデータを読み解き最も不適切なものを選択》(前回も出題)

答え 2


【理 由】

1.SZ社の株価収益率(PER)と日経平均採用銘柄(PER)を比較すると、SZ社の株価平均は割安。

株価収益率(PER)=株価÷1株当たりの純利益
SZ社10.37倍≒280円÷27円
日経採用銘柄のPER=11.96倍

∴SZ社の株価は「割安」で正しい。

※株価収益率(PER)は同業他社のPERを比較して、その値が高ければ割安、低ければ割高となります。


2.SZ社の株価純資産倍率(PBR)と東証1部全銘柄の平均(PBR)を比較すると、SZ社の株価は割高。

株価純資産倍率(PBR)=株価÷1株当たりの純資産(今期予想)
SZ社0.93倍≒280円÷310円
東証1部全銘柄のPBR=1.16倍

∴SZ社の株価は「割安」で不適切。

※株価純資産倍率(PBR)は1倍が基準となり、ここから判断します。1倍を上回るほど株価は割高、下回るほど割安となりす。本問では東証1部全銘柄の平均(PBR)1.27倍と比較しての条件があるので、割高という結論になります。


3.SZ社の配当利回りと東証1部全銘柄の単純平均配当利回りを比較すると、SZ社の配当利回りのほうが高い。

配当利回り=配当金÷株価×100
3.39%=SZ社9.5円÷280×100
東証1部全銘柄の配当利回りの単純平均=2.03

∴SZ社の配当利回りは「高い」で正しい。


【ついでに】

 

SZ社の配当性向(純利益に対する配当金額の割合):

 

配当指向性=1株当たりの配当金÷1株当たりの純利益×100
35.19%≒9.5÷27×100

※配当性向は高いほど、株主へ利益をより多く還元していることになります。


【ちょっと脇道】

この3つの答えだけで言えば、SZ社の株は買いと言えます。

 

 

 

 

 


【第3問】不動産

問6《資料に与件があり、そこから建築基準法に従い、建築面積の最高限度の正しいものを選択》(前回は延べ面積が出題)

答え 2


【注目点】

➊本問は「建築面積」とあることから、「建ぺい率」にかかわる問題だということがわかります。

建ぺい率=建築面積÷敷地面積


【ちなみに】

「容積率」にかかわる問題であれば「延べ面積」という表現が使われます。

容積率=建物の延べ面積÷敷地面積

❷建ぺい率の計算で注意しなければならないことは、「前面道路の幅員」です!4m未満か否かを必ず確認しましょう。
4m未満であれば、道路の境界線を敷地に引く、セットバックする必要が生じます。今回の設問では幅員が6mあるので、セットバックの必要はありません。


【解答への道筋】

最初に前面道路の幅員に注目です!幅員は6mで4mを超えているので、つまりセットバックを考慮する必要はありません。

指定建ぺい率=80%
敷地面積=300㎡

この段階で答えは「2」と判定できます。
300㎡×80%=240㎡

・選択肢1は法定乗数を用いていますが、これは容積率で使う数字です。よって間違いの枝となります。

・選択肢3は容積率をかけて、延べ面積を求めているので、これも間違いの枝となります。


【ちなみに延べ面積を求めてみると】

前面道路の幅員が12m未満の場合、用途地域ごとに決められた指定容積率と下記の計算で求めた数値の容積率を比べ小さい数値を使います。

住居系の用途地域:前面道路の幅員×4/10
住居以外の用途地域:前面道路の幅員×6/10

6×6/10x100=360%で指定容積率400%より小さいので、
本問では、こちらの容積率で計算します。

300㎡×360%=1080㎡



問7

《土地の登記記録について、誤っているものを選択》

答え 1


【理 由】

1.表題部には「土地」「建物」について記載されます。「土地」については所在、地番、地目※、面積など、「建物」については所在、家屋番号、種類、構造、、床面積などが記載されます。

・選択肢1には「所有権保存登記」と記載されていますが、これは「権利部」の「甲区」に記載される内容ですので、誤りの選択肢となります。

2.「権利部」の「甲区」には所有権保存登記、所有権移転登記などが記載されます。

・選択肢2には「所有権移転登記」と記載されていることから、正しい選択肢となります。

3.「権利部」の「乙区」には抵当権、地上権、賃借権、借地権などが記載されます。

・選択肢3には抵当権設定登記とあることから、正しい選択肢となります。


【ちなみに】

➊表題部は登記義務があり、所有権を取得してから1箇月以内に所有者が申請する必要があります。

❷権利部の甲区は所有権に関する事項が記載されます。

❸権利部の乙区は所有権以外に関する事項が記載されます。


【覚えておこう】

なお、権利部については登記義務がありません。

こうしたことから、不動産登記には「公信力」がないということに繋がります。現地で確認する必要があるのはこのためです。

※公信力とは事実を事実として信じること、それを信じて取引した者は保護されます。しかし、不動産登記は公信力がないので、それを信じて取引しても保護されないことを意味します。不動産登記の公信力についても頻出事項です。

 

 

 


【第4問】リスク管理


問8《保険証券の与件から、(空欄)に入る正しい金額を選択》(前回も出題)

答え 2


【解答への道筋】

・交通事故で大けがを負ったので、「傷害特約保険」の適用となります。

・契約内容に不慮の事故や疾病により所定の手術を受けた場合、手術給付金が受け取れます。設問で給付率は10倍とあります。

・また、設問で10日間入院したとあります。

・契約内容では入院5日目から日額5,000円とあります。

➊手術について:入院給付金日額の10倍(給付率)です。
「5,000円(入院日額)×10=5万円」

❷入院については5日目から支給されるので、10日間の入院で6日分の入院給付金が支給されます。
「5000円(入院日額)×6日間=3万円」

∴➊+❷=5万円+3万円=8万円
保険契約により合計8万円が支給されることになります。


問9《地震保険について、最も適切なものを選択》(前回は個人賠償責任保険から出題)

答え 3


【理 由】

地震保険について 

➊加入方法:火災保険の特約として加入。地震保険のみの単独加入は不可。

❷保険対象:住居の身に使用される建物(店舗併用住宅も含む)とその家財

❸対象事故:地震、噴火、津波による火災、損壊など

❹加入方法:火災保険の特約として加入。地震保険のみの単独加入は不可。

❺例外事項:地震保険で補償されないものは、現金、有価証券、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属、絵画、自動車など。

・選択肢1は❸の内容から誤り。

・選択肢2は❹の例外事項に該当し、誤り。

・選択肢3は❺から正しい。


【ちなみに】

保険金の支払額:
全壊=保険金額全額、大半損=保険金額の50%、小半損=30%、、一部損=5%

本問の場合、大半損なので保険金額の50%が支払われることにります。



問10《自動車保険について、最も不適切なものを選択》(前回は個人賠償責任保険から出題)

答え 3


【理 由】

自動車保険の任意加入保険について

➊対人賠償:自動車事故で他人を死傷させ、損害賠償責任が発生し、自賠責保険で支払う金額を超えた場合、自賠責保険を超えた金額について保険金が支払われるものです。

❷対物賠償:自動車事故で他人の財物に損害を与え、賠償責任が発生した場合、保険金が支払われるものです。

❸人身傷害:自分の過失部分を含めて実際の損害額の全額を、示談を待たず、自己側の保険会社から保険金が支払われるものです。自損事故の場合も補償の対象になります。

❹車両保険:自分の車が衝突、接触、火災、盗難、洪水、自損事故で損害を
被った場合、保険金が支払われるものです。

・選択肢1は他の自動車と衝突事故を起こしとあり、本人自ら重傷を追っているので自損事故であることから、❸で正しい。

・選択肢2は自分の車が破損したとあり、自損事故を引き起こした結果であることから、❹で正しい。

・選択肢3は損害賠償責任が発生した事故ではなく、誘導中の妻に接触して起きた事故であり、➊の対象とはならないので誤り。

 

 


【第5問】タックスプランニング


問11《収入の与件から給与所得として正しいものを選択》

答え 2


【与 件】

給料の金額:580万円
賞与の金額:170万円


【解答への道筋】

給与所得は以下の計算式で求めます。
給与所得の金額=給与等の収入金額-給与所得控除額

給与所得控除額は下記の速算から該当するものを選び算出します
〈給与所得控除額〉
(1)給与等の収入金額=給料の金額+賞与の金額
 =580万円+170万円
 =750万円

➊給与等の収入金額:162.5万円以下
控除額=65万円

❷給与等の収入金額:162.5万円超 180万円以下
控除額=収入×40%

❸給与等の収入金額:180万円超 360万円以下
控除額=収入×30%+18万円

❹給与等の収入金額:360万円超 660万円以下
控除額=収入×20%+54万円

❺給与等の収入金額:660万円超 1000万円以下
控除額=収入×10%+120万円

❻給与等の収入金額:1000万円超 1200万円以下
控除額=収入×5%+170万円

(1)の給与等の収入金額750万円なので、❺から給与所得控除額を求めます。
(2)給与所得控除額=750万円×10%+120万円
=195万円

∴給与所得の金額=(1)-(2)
=750万円-195万円
=555万円

選択肢2が正しいとなります。


【ちなみに】

給与所得は総合課税の対象です。給与所得以外の所得がない場合、源泉徴収だけで課税関係はおわり、確定申告は不要です。


【注 意】

「確定申告が必要」な場合
➊年間の給与収入が2000万円を超える

❷給与所得、退職所得以外の所得金額が20万円を超える

❸医療控除、配当控除の適用を受ける

❹2箇所以上から所得を受けている



問12《与件から医療費控除の金額として正しいものを選択》

答え 1


【与 件】

本人の所得:700万円

問12与件
※1:結果は重大な疾患なし
※2:保険金などによる補てんなし、自己都合で利用、全額自己負担


【思い出そう】

医療費控除の対象に「なるもの」&「ならないもの」

「対象になるもの」

➀医師・歯科医師による診療費など
➁通院費(バス・電車などの公共交通機関)
➂人間ドックの費用(重大な疾病発見、治療時)
➃医薬品購入費(病気予防のビタミン剤など除く)
➄出産費用
➅病院に支払った食事代

「対象にならないもの」

➊医師への謝礼金
❷未払い医療費
❸人間ドック費用(結果、異常なしの場合)
❹トーレーニングジム費用などの健康増進のための費用
❺美容整形費
❻差額ベッド料、入院による身の回り品の購入費


【解答への道筋】

与件から医療費控除の「対象にならないもの」を除きます。
❸より、本人の人間ドック代は結果が異常なしだったので除きます。
❻より、妻の入院費から差額ベッド料6万円を除きます。
➃の()書きより、長女の健康増進ビタミン剤も除きます。
与件から医療費控除の「対象になるもの」を導きます。
差額ベッド費用を差し引いた入院費用17万円となります。

医療費控除額の計算式

医療費控除額=(医療費-保険金で払い戻される金額)-(総所得金額の合計×5% or 10万円のいずれか低い額)
=17万円(保険金の払戻金額なし)-(700万円×5%=35万円 or 10万円)=17万円-10万円=7万円

∴医療費控除額=7万円

選択肢1が正解となります。

 

 

 


【第6問】相続・事業承継


問13《民法上の相続人と法定相続分の正しい組み合わせを選択》(前回も出題)

答え 1


【与 件】
被相続人の妻、被相続人の子が3人、被相続人の子の1人は相続を放棄(その相続を放棄した被相続人の孫、被相続人の子の配偶者)

【解答への道筋】
被相続人の配偶者は常に相続人です。第一順位の相続人は子ですが、うち1人が相続を放棄しています。相続を放棄すると、最初から相続がなかったものとされます。

ちなみに、相続を放棄した子には配偶者と被相続人の孫がいます。しかし、第一順位の子が相続を放棄したので、その子つまり被相続人の孫は代襲相続人となることはできません。

従って、相続人は配偶者と被相続人の子2人となります。相続分は配偶者が2分の1を得ます。残りの2分の1を2人の子で分けることになるので、それぞれ、4分の1を得ます。

∴正解は1となります。



問14《与件から贈与税額の正しいものを選択》

答え 3


【注目点】

これは「贈与税の暦年課税贈与」についての問題です。2019年中に贈与を受けた財産の価額とあること、相続時精算課税制度を選択していないことから判断できます。


【解答への道筋】

与件において父から450万円、祖母から100万円の贈与を受けています。つまり、与件から直系尊属から贈与を受けたということが分かります。2019年中に受け取った贈与財産は合計550万円ということになります。

与件の下に贈与税の速算表が2つあり、1つ目が直系尊属からのもので、2つ目がその他の者からのもので使います。本問では1つ目の速算表で計算することになります。

贈与税の基本として、贈与税は受贈者が1月1日から12月31日の間に受け取った贈与財産に課されます。このことから「暦年課税」と言います。
暦年課税には110万円の基礎控除があります。複数人から贈与を受けても基礎控除額は110万円です。

「暦年課税の贈与税の計算式」
贈与税額=(贈与税の課税価額-110万円)×税率

贈与税の課税価額とは受け取った贈与財産の価額のことです。税率は贈与税の速算表を用います。与件から父と祖父母から合計550万円を受け取っているので、直系尊属からの贈与税の速算表を用います。

速算表から
400万円超600万円以下の税率は20%で、控除額は30万円です。

贈与税額=(550万円-110万円)×20%-30万円=58万円

∴贈与税額=58万円

正解は3となります。


【ちなみに】

〈申告期限〉
贈与税の申告書の提出期限は、翌年の2月1日から3月15日です。
所得税の確定申告書の提出期限(2月16日から3月15日)と混同しないように注意が必要です。

申告書の提出先は受贈者の居住地を管轄する税務署となります。

〈納付期限〉
贈与税は、申告書の提出期限(3月15日)までに金銭で一括納付です。ただし、税額が10万円以上の場合、延納、つまり分割して納付することが可能です。延納期間は最長5年です。

なお、贈与税は相続税と異なり、「物納」することができないことに注意が必要です。



問15《贈与税の配偶者控除の特例について、空欄に入る正しい組み合わせを選択》(前回も出題)

答え 3


【解答への道筋】

〈贈与税の配偶者控除の特例の要件〉
➊婚姻期間が20年以上あること

❷過去に同一配偶者からこの特例による贈与を受けていないこと

❸贈与を受けた翌年の3月15日までに当該居住用不動産に居住、以後も居住する見込みがあること

〈贈与税の配偶者控除の特例控除額〉
国内にある居住用不動産やその敷地または居住用不動産の購入資金の贈与があった場合、最高2000万円を課税価額から控除できます。


【ちなみに】

これは贈与税の特例であり、この特例とは別に基礎控除として110万円があります。従って、贈与税額を計算する際には、110万円が加算され、合計2110万円が控除されることになります。

「贈与税の配偶者控除の計算式」:
贈与税額=(課税価格-110万(基礎控除)-2000万(特例控除))×税率

なお、税率については夫婦間の贈与なので、直系尊属からのではなく、その他の贈与税の速算表を用います。

 

 

 


【第7問】総合問題


問16《某家のバランスシートの空欄に当てはまる金額として正しいものを選択》(前回も出題)

答え 3


【解答への道筋】

バランスシートの空欄は[純資産]です。純資産は、[資産]から[負債]を差し引くことで求めます。

➊設例にある[保有財産]の合計を算出:4590万円、これが[資産]です。

❷設例にある[負債残高]:1900万円、これが[負債]です。

❸[純資産]=[資産]-[負債]
 2690万円=4590万-1900万

∴純資産=2690万円

正解は3となります。



問17《キャッシュフロー表で使用される係数について与件から正しいものを選択》(前回も出題)

答え 1


【与 件】

「x円(元金)を年利率y%で運用しながら、z年間で均等に取り崩す場合、年間で取り崩せる最大金額はいくらか?」
x=700万、y=2、z=5


【解答への近道】

文中に「取り崩す」と記されていたら、「資本回収係数」です。700万円×資本回収係数0.21216=148万5120円

正解は1となります。


【ちなみに】

そのほかの係数について

■将来の目標額がいくらになるかを計算するには:

「終価係数」あるいは「年金終価係数」の2つを用います。

➊「終値係数」は現在の元本を運用した場合、元金と利息の合計が将来いくらになるかを求めることができます。

計算式:
将来の目標額=現在の額×終価係数

❷「年金終価係数」は毎年一定額を積み立てながら運用すると、将来いくらになるかを求めることができます。

計算式:
将来の目標額=毎年の積立額×年金終価係数

※終価係数は「ゴール(=目標)」という意味合いで理解すると覚えやすいです。


■現在いくらあれば、将来いくら受け取れるか、いくらになるかを計算するには:

「現価係数」あるいは「年金現価係数」を用います。

❸「現価係数」は一定期間ののちに、目標額を受け取るには現在いくら元手が必要かを求めることができます。

計算式:
現在の額=将来の受取目標額×現価係数

❹「年金現価係数」は元本を運用しながら、毎年一定額を受け取るには、元本(用意する額)をいくら必要かを求めることができます。

計算式:
現在の額=将来の受取希望額×年金現価係数


■一定期間ののちに、目標を額を受け取るには毎年いくらずつ積み立てれる必要があるかを求めには「減債基金係数」を用います。

❺計算式:
毎年の積立額=将来の受取目標額×減債基金係数


※❹「年金現価係数」と❺「減債基金係数」がまぎらわしいですが、前者は一括で用意する額で、後者は分割で用意する額と理解すると覚えやすいです。



問18《住宅ローンの繰上げ返済について、説明として最も不適切なものを選択》

答え 1

【解 説】

繰上げ返済とは、ローンの全額もしくは一部を返済し、返済期間を短縮あるいは毎月の返済額を減らすことです。

繰上げ返済すると、繰上げ返済にあてた資金は全額、元金の返済にあてられます。そのことによって利息を減らすことができます。これが繰り上げ返済のメリットです。

繰り上げ返済には、「返済期間短縮型」と「返済額圧縮(軽減)型」の2つのタイプがあります。前者は文字どおり返済期間を短くする方法ですが、毎月の返済額は従前どおりです。後者は毎月の返済額を減らす方法ですが、返済期間は従前どおりです。

最低返済額および繰上げ手数料は、金融機関により異なります。

【解答への道筋】
解説から繰上げ返済は元金を返済することだとわかります。よって選択肢1が最も不適切なものだとわかります。

選択肢2と3は正しい説明です。


【ちなみに】

同一条件であれば、「返済期間短縮型」と「返済額圧縮(軽減)型」のいずれを選択したほうが利息を減らせるかといえば、「返済期間短縮型」が一般的に大きく利息を減らせます。


問19《個人型確定拠出年金(iDeCo)について、説明として最も不適切なものを選択》

答え 2


【解 説】

➊〈確定拠出年金とは〉
運用の指図を加入者が行い、運用の実績次第で年金の受取額が異なる結果になる年金制度です。この年金には企業型と個人型の2つのタイプがあります。iDeCoは個人型確定拠出年金のことです。

❷〈iDeCoに加入できる個人とは〉
・国民年金の第1号被保険者(自営業者等)です。ただし、年金保険料を免除されている場合は加入できません。
・国民年金の第2号被保険者、第3号被保険者、つまり、公務員や専業主婦も加入できます。

❸〈拠出限度額について〉
国民年金の第1号保険者は月額6万8000円まで拠出できますが、国見年金基金にも加入している場合は双方併せて、6万8000円までとなります。

❹〈所得控除について〉
支払った掛金はどの加入者も、全額、「小規模企業共済等掛金控除」の対象となります。

❺〈運用商品について〉
リスク・リターンの異なる3本以上35本以下の商品の中から加入者が選びます。

❻〈受給について〉
10年以上の加入期間が必要で、原則60歳から年金として受給可能です。なお、一定の条件を満たした者は脱退一時金を受け取ることが可能です。


【解答への道筋】

選択肢1は解説の❷にあるとおり、第3号被保険者は加入できるので、正しい説明です。

選択肢2は解説の❸にあるとおり、「生命保険料控除」ではなく、正しくは「小規模企業共済等掛金控除」の対象であり、誤りの選択肢です。

選択肢3は解説の❻にあるとおり、年金もしくは一時金として受け取ることができます。



問20《老齢基礎年金の繰上げ受給について、説明として最も適切なものを選択》(前回も出題)

答え 3


【思い出そう】

老齢基礎年金の受給開始年齢は原則、65歳ですが、受給年齢を60歳に繰上げることができます。ただし、繰上げ受給を選択すると、本来の受給額よりも一定額減額されたり、他の要件を満たす必要があります。


【理 由】

1.老齢基礎年金の繰上げ受給した場合の減額率は、一生涯に変わりません。つまり、減額されたままの支給額が65歳以降も終生続くということです。

選択肢1は正しい説明です。

2.老齢基礎年金の繰上げ受給を選択した場合、60歳から64歳の間、繰上げた月当たり0.5%減額されます。最大で「5年間×12ヶ月×0.5%=30%」減額となります。つまり、受給開始年齢を60歳とした場合、本来の65歳とした場合に比べ、30%減額された額しか受け取れないということです。

選択肢2は正しい説明です。

3.老齢基礎年金の繰上げ受給を選択した場合、老齢厚生年金も同時に繰上げ受給しなければなりません。つまり、老齢厚生年金だけ65歳から受け取るという選択はできないということです。

選択肢3は最も不適切な説明です。

老齢基礎年金の繰上げ受給を選択すると、原則の年齢よりも早く受給できる分、ペナルティ(減額)や制約(厚生年金の同時繰上げ)を受けることがわかります。


【ちなみに】

〈老齢基礎年金の繰下げ受給を選択した場合〉

➊老齢厚生年金も同時に繰下げ受給する必要はありません。

❷66歳から70歳の間、繰下げた月当たり0.7%増額されます。最大で「5年間×12ヶ月×0.7%=42%」増額となります。


【ちょっと脇道】

〈老齢基礎年金の受給要件〉

受給要件はとても大事なので、一緒に覚えておきましょう。

➊受給年齢:65歳以上

❷受給資格期間:国民年金の加入期間が10年以上あること

❸受給資格期間の計算式
10年≦保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間(カラ期間)※

※合算対象期間:年金受給額には反映されませんが、受給資格期間には算入できる期間です。例えば、学生納付特例制度の適用を受けた期間が挙げられます。カラ期間と言われるのは、年金受給額に反映されないからです。

以 上

 

 

あとがき

 

なんとか今回も、FP3級の解答速報を出すことができました。2度目で気がついたことは、前回と同様の問題の出題の多さです。

 

前回と同様の問題が合計:「10問」もありました。つまり、50%はほぼ同様の問題が出題されたということです。
(問2、問5、問6、問8、問13、問15、問16、問17、問20の10問です)

 

今回がたまたまなのか、毎回この傾向なのか、もう少し前の問題と比較してみたいです。

 

前回受検してから3箇月を経過したところで、この解答速報を出すのは、わたしにとって、ちょうどよい復習になると共に、知識の再確認ができました。税金の計算式を意外と忘れていました。

 

知識の定着には、まるで手を付けずに、1箇月を経過したころに再学習するとよいということを学んで、現在、実践中です。意外なことにかなり定着する結果に驚いています。

 

 

話は変わりますが、今年は件の試験は受験しないことにしました。もうずいぶんと前に決めていたことです。遠洋航海中ということもありますが、一番大きなところは学習方法の刷新と、優先順位の変更にあります。

 

件の試験とは何?あっ、それは2019年11月10日に実施される試験のことです。ユキマサくんのキャラで有名かな?の試験のことです。

 

これまで短期決戦型の受験スタイルだったのをD-Day型の受験スタイルに変更しました。なんだ、D-Day型とは?

 

4冊分厚い単語帳(これは比喩ですが)を遠洋航海の隙間時間に立ちながら必死に暗記しました。この暗記がとてつもなく眠くなる作業で、なんでこんなにも眠くなるのかと睡魔との闘いでした。海だからスイマーなんちゃって…

 

その訓練を終えて、ようやく睡魔と苦痛から解放され、ようやく片言の会話ができるようになり(これも比喩です)、今ちょうど、その学習が楽しくなり始めました。前回お話しした。TDLのオペレーションの大原則、Safety~Showへ現在進行形でオペレーションしている最中です。

 

これまた分厚い3冊の物語の翻訳(これも比喩)ができるようになり、ときどき間違えながらもかなりスラスラと読み進めて面白いです。

 

(今日は比喩が多く、ヒューストンか、日向灘か、わたしは今、どこにいるでしょう?なんちゃって…ヒューと隙間風が吹きます。)

 

急がば回れとある意味、同じことかもしれません。ずっと苦痛を味わいながら学び続けるより、最初の段階で思いっきり、とんでもない苦痛を味わっておいたほうがあとがラクダと改めて実感しました。これは仕事にも言えることです。スポーツにも言えます。

 

これを書きながら一番に思い出すのはスキーです。大人になってから始めたので、一日目たるや雪だるま、あざだらけ、腰としりが痛くなり放題、体中が痛い。これは下半身だけで滑ろうとするから、散々痛い目にあって身体で覚える。次の日は体中が痛い痛い、それでも諦めないで続けていると、ある瞬間、ふっと自然体で滑ることができるようになった。それからが面白い、最後の日が一番、楽しかった。

 

もう一つ、とある英語コーチのレディがブログでおっしゃっていことが印象に残っています。「ある瞬間からふと英語が聴きとれるようになった」とのお話しがありました。それまでの努力たるや凄まじいものがあったと推察しました。そのプロセスに物凄い努力があるからこそ、その瞬間が突然、やってくるわけです。積み重ねの結果として、きっとパズルが突然、組みあがる瞬間があると、わたしのつたない経験から想像しました。

 

話をわたしのことに戻すと、まだこれから山や谷があるにしても、最初の段階があるので乗り越えることができると確信しています。

 

わたしはふと Civilization という PC の黎明期から続く Gameを思い起こします。TDL と同じくらいの年月にわたり、シリーズで発展し続け、バージョン6に現在なっています。こうした長く続くものには、バックヤード backstage でのたゆまぬ積み重ねがあります。この積み重ねが進化を促し、他の追随を許さない「何か」をもたらします。「何か」には、いろいろな言葉をあてはめることができます。感動、製品、作品、成果などなど…

 

 

積み重ねと言えば、とあるレディのブログがあります。フォトと日記のブログです。日常の出来事、模様、想いを1日2回、毎日更新し続けていらっしゃいます。非日常の毎日のわたしにとっては、気持ちがとてもホッとするブログです。わたしが遠洋航海中に驚くほど人気になっていました。たゆまぬ積み重ねの賜物なんだと、寄港時に拝読して、とても嬉しい気持ちになりました。穏やかな海が目の前に広がっていました。

 

 

過日、とあるジェントルマンのブログを拝読し、印象に残った言葉として「努力は運を支配する」とありました。半端のない物凄い努力をされた方だからこそ、説得力のあるお話です。わたしがどれほどの努力をしたかは、その言葉を発した方の努力には到底、及ばないのですが、確かにそういうことがあるという経験がほんの少しあります。

 

 

「努力は裏切らない、なぜなら努力したのは自分自身にほかならない。自分は自分を裏切ることはしない。」なんて格好のいいことを真顔で言ってみたいものです。

 

 

と転んで、一時寄港がちょっと長くない?

 

そうなんです。長いんです。なぜでしょうか?

 

情勢は複雑怪奇としか言いようが有馬へん。

 

おかげで3級FPの復習ができたので、39ベリーFP!

 

忘れるところでした。「自分はすごい」&「ありがとうございます」を実践し続けて3箇月以上になりますが、ちょっとあることを実感しております。即実行は効果ありです。

 

2つの言葉を教えてくださったお二人のジェントルマンに感謝です。ありがとうございます。

 

ブログの好きなところは、ここでお話ししたレディやジェントルマンの素敵なストーリーに出逢えることです。わたしはこういう話が大好きです。自らの体験をさりげなく語られ、そこに説得力があるストーリーです。

 

こうしたブログを拝読することで、わたしのこころに多くのスマイルをもたらしてくれます。 本日は「笑う門には福来たる」で締めさせていただきます。

 

 

9月8日、残暑の中、受検されたみなさん、おつかれさまでした。みなさんの健闘と敢闘に敬意を表します。

 

本日も長文をお読みくださり、ありがとうございます。

 

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