AEDと心臓マッサージ
■頻繁な練習必要
心肺停止などの救急時に威力を発揮するAED 7月下旬、遊佐町の町立小学校で、プールの授業中、1年生の女児(当時7歳)がおぼれて救助される事故が発生した。指導、監督していた2人の教員のうち、女性教諭が119番を急ぐ一方、男性教諭が心臓マッサージや人工呼吸など、懸命に蘇生(そせい)処置を行い、女児は意識を取り戻した。後日、学校側は保護者から監督責任を問われたが、迅速な救命活動を責める声はなかった。実は、男性教諭は事故の1週間前、水泳シーズンに備えて心肺蘇生法の講習を受けていた。
教育現場では、子供の命を守ることが大前提になる。それは万一の時に、“小さな心臓”が止まる事態にならないよう、AED(自動体外式除細動器)や心臓マッサージなどの救命処置を的確に行えるか、という問題でもある。ただ県教委によると、県内ではすべての教員が定期的に体験型の救命講習を受けているわけではなく、中には「数年間、人形を使った練習などはしていない」(米沢市内の男性教員)といった声もあるのが実情だ。
県立中央病院の災害医療支援チーム(DMAT)を率いる医師は、「日常診療でAEDなどの使用に慣れている医師や看護師ですら、いざという時に落ち着いた対応がなかなかできないので、頻繁に練習している」という。
また、〈1〉目立つ場所に設置し関係者全員が知っている〈2〉充電不足にならないよう日ごろから管理〈3〉原則として8歳までは子ども専用のAEDパッドを使う――など、細かな注意点があるが、こういった知識を持っている人は一般では限られている。
さらに人工呼吸や心臓マッサージとなると、回数や速さなどを訓練した経験がないと容易でない。「人工呼吸は嫌ならば必ずしもやる必要はない」と心臓マッサージをメーンに行うよう医師はアドバイスする。
■講習、1人でも多く
遊佐町のプール事故と同じ日、山形市内の小学校でも5年生の女子児童(当時10歳)が、飛び込み台から飛び込んだ際に、プール底にぶつかって首の骨を折る事故があった。指導していた男性教諭は救命講習の経験が豊富で、懸命に心臓マッサージとAEDによる蘇生処置を施したという。医師は、「教育現場に限らず、1人でも多くの人が講習を受けて体で感覚を覚えてほしい」と訴える。
救命時の連携や助け合いも大切だ。緊急の場合だと、周りが見えなくなってしまう人が多いため、「できるだけ大きな声をかけて“救命の輪”を作るように」と医師。さらに「もし助からなかった場合に『ちゃんとやらなかったから』と責め合うことがないよう、どんな場合でも『救命に協力してくれてありがとう』となるような雰囲気づくりが大切」と強調する。
AEDとは、Automated External Defibrillator:自動体外式除細動器の略で、一般市民が簡単に安心、安全に電気ショックを行うことができるようにつくられた医療機器です。
AED寄贈サイト
http://aedkizo.com