注目すべき経済政策 -43ページ目

原発の安全性を高めよう

原子力政策においては、

福島第1原発事故発生当初から政府は「想定外」を繰り返していましたが、

その想定が十分でなかったことは、津波対策以外にも、

国産の原子力防災ロボットの開発にも見てとれます。



福島第1原発の建屋内の調査に米国製のロボットが投入されるのを見て、

「日本こそがロボット大国ではなかったのか」と

疑問に思われた方も多いのではないでしょうか。


米国のスリーマイル島原発事故や茨城県東海村のJCO臨界事故をきっかけに、

日本でもこれまで原子力防災ロボットが開発されてきました。



しかし、電力会社や政府は「ロボットが必要になる事態は日本では想定できない。

むしろ不安をあおることにつながる」と、数々の研究成果はお蔵入りとなりました。


一方、米国では政府の支援のもと、

戦場や宇宙空間など過酷な環境で働く軍事ロボットが実用化され量産されています。



日本は原子力の平和利用に徹したはよいものの、

核に関する有事の観点が抜け落ちたため、

中国や北朝鮮の核兵器の脅威や、

原発へのテロ攻撃の可能性が常にあるにもかかわらず、

戦争や事故による高レベルの放射能汚染という

極限状況への対策をまともに考えてきませんでした。



今後は米国やフランスなど核保有国ならではのリアリスティックな取り組みに学び、

早急に原発の安全性を高めなくてはならないと考えます。

浜岡原発を止める必要はない

菅直人首相は6日、中部電力に浜岡原子力発電所の運転を全面的に停止するよう要請し、

9日に中部電力は停止要請を受け入れました。


菅首相は、原発停止の理由に東海地震の可能性を挙げています。


原発の津波対策強化は必要ですが、

菅首相の発表には事前調整の形跡もなく、あまりにも唐突すぎるものです。



東日本大震災での東京電力福島第1原発の事故は、

津波により電源機能を喪失して

原子炉などの冷却システムが動かなくなったことが原因です。



これに対し、浜岡原発は原子炉建屋の2階屋上に予備電源を配置済みで、

電源車も確保されており、さらに高台にも非常用電源を配備する予定でした。



津波対策が打たれ、正常に運転していた浜岡原発が、

法的根拠のない首相の要請によって停止とされたことで、

人々の不安心理がかきたてられ、

定期検査などで停止中の原発の運転再開が難しくなることが予想されます。



日本はすでに総発電量の3割を原発に依存しており、

中東諸国の政情不安が石油の安定供給に影響を及ぼすなか、

このような菅首相の原発削減政策は、

わが国のエネルギー安全保障を危機に陥れるものです。



震災後、中部電力は東京電力に電力を融通してきましたが、

浜岡原発停止でその余力がなくなれば、首都圏の電力供給は不安定さを増します。


また中部地方は、トヨタ自動車をはじめとする製造業の一大集積地です。


加えて、夏場の電力不足を懸念し、

東京電力管内から中部以西に生産移管を進める企業もあります。



中部電力管内の電力不足が日本の復興を遅らせ、

「菅」製不況をもたらすことは必至です。


つまり、菅首相の停止要請は、

日本経済や国民生活への負の影響を一切考慮しない人気取りのパフォーマンスであり、

万が一、震災が起こった際に、

自らに責任が降りかからないようにするためのアリバイ作りにすぎません。



菅首相は10日の記者会見でも、

「エネルギーを今ほどは使わない省エネ社会をつくっていく」ことが

エネルギー政策の柱の一つと述べました。



エネルギー消費量を減らして国内総生産(GDP)を縮小させたいという思いが透けて見え、

このまま菅政権が存続すれば、日本は貧しくなる一方です。

中部電力の苦渋の決断

今回の風評被害(マスコミ報道被害)によって、

東北や北関東の農業、漁業は大打撃を受けました。


本来、危機管理においては、政府が何を報道するかを決め、パニックを未然に防ぐべきです。


そして、初動においては政府自身が自粛、節約ムードを演出しました。


本来はリーダーが率先してお金を使って経済対策をするべき時にです。


東京は暗~い街になり、貧乏神に憑依されてしまったかのようになってしまいました。



そして、浜岡原発の運転停止を要請し、中部電力は要請を受けることになりました。


東京の暗~い街並みを、中部圏にも広げたいということでしょうか。



「総理大臣の運転停止要請は重い」と、中部電力の社長が言っていたように、

中部電力にとっては苦渋の決断だったことでしょう。



そして、浜岡原発運転停止は、今後の日本全体の原発に影響を及ぼし、

日本経済は危機に直面することになるでしょう。


菅首相の支持率回復のための思いつきで、法的根拠すらない、

無茶な要請を許してはなりません。



「浜岡ショック」がティッピングポイントとなり、

停止中の原発の再開の見通しが立たなくなるなど、

原子力発電全体に影響を及ぼそうとしています。


そして、計画停電が始まったり、火力への切り替えで電気代が値上がりすれば、

日本経済を牽引している企業は工場等の機能を海外へ移転させるでしょう。