リオ五輪でデュエット・チームそれぞれで銅メダルを獲得したシンクロ日本代表の井村雅代コーチは、「世界の舞台では押しつけでない、ほどよい日本人らしさで戦う」と語っています。
日本人が世界に向けて日本の何かを伝える時、いわゆる「日本らしさ」(ここでは「わび・さび」とか)だけをグーッと押し出したプレゼンでは、外国の人はついていけなくなり、ある一定以上の評価はもらえない。日本らしさや自分のエゴを押し出すだけでは文化の押し付けになる、それより世界のいろんな立場の人々に愛される日本の良さを知り、世界が憧れる日本をアピールしないといけない、ということです。
外国人観光客への着物の着せ付け体験など訪日観光事業に少しばかり関わっている私も、同感する意見だと思いました。私が着せ付け体験をする教室でも、西洋人に着物を着せ付ける時には、わかりやすく華やかな柄の大きめサイズの振り袖を選んでいます。
http://physiqueonline.jp/specialist/trainer/page153.html(インタビュー後半部分「押し付けでない、ほどよい日本人らしさで戦う」より)
どの創作ジャンルでもそうですが、創作物にはその作り手の属する文化が現れます。私の小説作品が翻訳されることも、日本の何かを伝える機会だと思っています。
多くの人は日本の何かというと「曖昧さ」「つつましさ」が第一に浮かびますが、私の小説が伝えるのは「あでやかで派手」。 私はADHDを持つヒロインの持つ純粋さ・天真爛漫さ・多動性・エネルギーをエアロビクスで表現しました。
リオ五輪閉会式の日本に関するショーは、東京と日本の文化のポイントが押さえられていて、でも奥ゆかしすぎない、これは世界の人が楽しめる日本だろうな、と思いました。キャプテン翼も出てきたのはサッカー王国ブラジルでの開催を意識してのことでしょう。安倍首相のマリオには笑いました。これはネットや海外メディアでも話題騒然になるのもわかります。あれほどのユーモアがプレゼンに使われるようになって、日本も変わったものだと思いました。
「日本」といっても色々な日本があります。「これが日本らしさだ」という思い込みを取っ払って、日本の何が世界の人々の心を沸かせるのかを知ることが大切だと思うこの頃です。
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