ドイツのミステリー「刑事オリヴァー&ピア・シリーズ」の第2作です。当時新刊だった第8作と出会い、その後しばーらくして、私より先にシリーズ読破した母から譲ってもらった第9作を読み、またちょっと間をおいて改めてシリーズ読もうと思ったらうっかり第3作(邦訳刊行としては1作目)を読んじゃって、改めて第1作から読み進めようとしているところです。読んだのは、第1作を読んだすぐあと、今年の4月初めごろでした。

 かなり順序ばらばらに読んでしまっているのであれなのですが、後のシリーズで準レギュラーとして出てくる人物が初登場で、しかも容疑者だったりもして、後のことを知っているとはいえちょっとハラハラしながら読んだりしました。

 本作では、高校生からは人気のある教師だが、環境活動家としては関連する役所や事業者の大人たちからは疎まれる人物が被害者。自宅には学生や環境活動仲間の出入りが多く、開発会社からは恨みを買っており、怪しい人物は数多く現れるもののみな決め手にかけるといった状況。そうこうしているうちに、関係者の自殺と見せかけた他殺体が見つかり、ピアの周辺に何やら不穏なことが起こり、それはそれとしてオリヴァーは妻コージマと仲違いを起こしかけ、ピアは傷心と新たな出会いとの間で揺れ動き、と盛りだくさん。事件のほかにも、主人公たちのプライベートもしっかり描かれていて、「そうだよね~別にプライベートは仕事落ち着くの待ってくれないもんね~」と思ったりする。公私ともに忙しくて大変だ。

 なかなか容疑者を絞り切れず、ピアには「オリヴァーの勘! よくはずれる。」(前作参照)などと思われながらも、最後には無事解決するのでした。事件の犯人ではないけど悪い奴は相応の報いも受けるしハッピー。

 前作が、被害者がどんなにひどい人物であっても捜査を疎かにしないという話だったのに対して、本作は、どんなに人が好さそうでも嫌疑が完全に晴れないうちは信頼しすぎずきちんと疑うという話だったような。単にオリヴァーが反りが合わないという私情の問題だったかもしれないけれど笑

 緊迫する場面や劇的な場面もあり、読み応え十分でした。

 

 

 

 

 シリーズ一作目は邦訳3作目なんですよね。

 

 

 

 そして邦訳1作目はシリーズ3作目という。邦訳順に読むとちょっと人間関係の把握とかこんがらがるかもだけど、でも確かに、本邦紹介の第一印象で与えるインパクトとしては、こちらから邦訳刊行を始めることにしたのはありだったと思う。