『オビ=ワン・ケノービ』第4話雑感 | アディクトリポート

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『オビ=ワン・ケノービ』第4話雑感
今回は同じディズニープラス配信のSWでも、
ジョン・ファブローが指揮した『マンダロリアン』『ボバ・フェット』と、
デボラ・チョウが監督する『オビ=ワン・ケノービ』の違いについて。
 
『マンダロリアン』は当初、これまでの映画SWの「本流を描く」流れから逸れて、
およそ本史には組み込まれそうもない、
傍流の話を装って始まった。
 
なにしろタイトルが指す「マンダロリアン」は既存キャラのボバ・フェットではなく、
同じマンダロアの戦士の仮面と鎧(よろい)をまとう別キャラのマンドー/ディン・ジャリン(演:ペドロ・パスカル)だったし、
ドラマもこれまでの映画のいずれも取りあげない時代と舞台(星)が選ばれていた。
 
ところがしかし、話数を重ねるうちに、
ヨーダに継ぐ同族の若いバージョン(ベイビー・ヨーダ)が登場。
 
次第におなじみのアレやコレが登場し、
第2シーズンの最後には、とうとうド本流の“あの人”が出てきて、
実は「マンダロリアン」は、傍流を装ったド本流だったことが明かされた。
 
続く「ボバ・フェット」は、「マンダロリアン」第2シーズンの最後にマンドーとグローグー(ベイビー・ヨーダ)が別れてしまい、これではすんなり第3シーズンにつながらないため、間をつなぐ意味と、ついでにこれまで脇役に徹していたボバ・フェットを主役に据えてみようという企画で、これまた傍流のエピソードっぽいが、映画の主流の本筋の“その後”を描いていた“隠れ本流”ドラマだった。
 
ところが「オビ=ワン・ケノービ」の方は、タイトルからして主役中の主役のオビ=ワンを冠しているし、ネット配信とは言え元来はテレビシリーズごときにイギリスの本格映画俳優ユアン・マクレガーが『シスの復讐』(2005)以来続投するのだから、ドラマはド直球の大本流、脇筋やサイドストーリーへの寄り道なんて絶対あり得ないという確信が視聴者の側に揺るぎなくあり、だからこそ期待値も高ければ要求度も爆上がりだったりしていた。
 
でもって本ドラマの1話から3話までは、本流に至るお膳立てだとか、彼にまつわる関連キャラ紹介という必然要素に邪魔されて、じっくりオビ=ワン・ケノービ像が描かれたとは言い難かったが、この4話ではようやく、ユアン・マクレガー演ずるオビ=ワンが出ずっぱりで華麗なアクションもこなし、本流、王道のドラマが存分に展開。
 
スノースピーダー=寒冷地仕様に改造前の戦闘用/装甲エアスピーダーT-47も登場するし、10歳のレイアとオビ=ワンに強固な絆も結ばれ、さすがにこれでは、『新たなる希望』のレイアのホログラムメッセージが、「クローン大戦で父のベイル・オーガナ議員が助力を請うた」だけでは済まなくなりはしたけれど、まあ、そういう縛りに囚われ続けると新しい事は何もできなくなっちゃうから、それはいいいんじゃないでしょか。
 
今回は以上です。