『君の膵臓をたべたい』(2017)/なぜか今頃・邦画篇2020-6 | アディクトリポート

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『君の膵臓をたべたい』(2017)

2020/6/2 イオンシネマ越谷レイクタウン スクリーン4 C列5席

 

この題名では、

実写映画(2017)とアニメ映画(2018・未見)の2本があり、

 

 

 

それだけ原作(2015・未読)が成功作なんだろう。

 

 

 

実写版『膵臓』を公開当時に観なかったのは、

新作映画を片っ端から観るのをやめて、

うんと厳選すると決めた頃で、

「よくあるお涙頂戴の難病モノだろ」

 

 

あるいは「猟奇的な彼女」みたいな作風かと見かぎっていた。

 

 

 

 

このたび営業再開したシネコンでも、

混雑を避ける意味で新作ではなく、

過去の有名作が穴埋め的に散発公開されており、

その中に『君の膵臓〜』があったので、

新作『ブラッドショット』と迷ったが、

評価点数が高い方の『君の』に軍配を上げることにした。

 

前日に『AKIRA』を観て、

「つまらない」と感想を述べたら、

常連読者の

 
私も、『AKIRA』はつまらないと思います。
海外で、これだけ評価されている理由が判らん。
 
——というご意見をいただき、
「そうでしょう、そうでしょう」と感じていた。
 
日本の作品が海外で高く評価される場合、
英米作品とは毛色が違っているためで、
 

日本では「えっ?」と感じるような風貌の日本女性が、海外ではもてはやされる

のと通じるところがあるのでしょう。
 
『千と千尋の神隠し』がアカデミー賞を受賞したのも、
ちひろ
異国情緒にあふれていたからで、
米国映画的な演出だったら、
さっぱり評価されなかったかも知れません。
 
とかなんとかしてるうちに、
 
D.Kasai
 
 
ご無沙汰しております、いつも楽しく拝読させていただいています。
今回は、STAR WARSと違ってADDICTOEさんとの感想はだいぶ私と違っているのですが、(私は『イノセンス』『パプリカ』はかなり好きで、『アキラ』も少年時分に驚きながらみました。『スチームボーイ』はテンポと筋書きがダメです)、、

私が思うには、大友作品は短編が秀逸です。『工事中止命令』とか『最臭兵器』『火要鎮(ひのようじん)』をご覧になったときは、ぜひご感想を拝読したい!!
 
——とのご感想で、
そういえば押井守も、
『立喰師列伝』(2006)の試写で爆睡、
「こいつはダメだろ」と見かぎっていたが、
 
※押井作品は『アヴァロン』(2001)
『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』(2008)のみ鑑賞。
 
『真・女立喰師列伝』(2007)をこりずに鑑賞したところ、
監督・脚本・撮影・VFX:神谷誠の、
「歌謡の天使 クレープのマミ」はバツグンに面白く、
結びの短編、監督・脚本:押井守の
ASSAULT GIRL ケンタッキーの日菜子」も作品としてしっかりしていた。
 
 
たとえば建築士でも、
民家を建てるのと、
スタジアムや高層ビルを建てるのとでは勝手がまるで違うように、
短編だと集中力が高まるし焦点も定まるので、
大友克洋でも押井守でも、
そっちのウツワなのかも知れませんね。
 
 
ようやく話を『君の膵臓〜』に戻せば、
前日の『AKIRA』にすっかり参ってしまった影響で、
今回の『膵臓』までつまらなかったらどうしよう、
とは思ったものの、
鑑賞はいたって満足。
前日の不振を見事に挽回した。
 
これはひとえに、
『AKIRA』が気に入らなかった理由が、
 
 

観客が画面を食い入るように見つめる、

惹きつけて放(離?)さないような作品独自の魅力もなければ、

感動や心の揺さぶりに直結する、

驚き効果も皆無で、

冷静に突き離した姿勢でしか見続けられない。

 

————だったのに対し、

『君の膵臓をたべたい』はその正反対だったから

ではないか。

 

つまり『君の膵臓をたべたい』は、

観客が画面を食い入るように見つめる、

惹きつけて放(離?)さないような作品独自の魅力にあふれ、

感動や心の揺さぶりに直結する驚き効果もふんだんで、

思わず引き込まれて見入ってしまう。

——わけですよ。

 

 

観客が「そういうことって、あるよな」と言う共感を生む、

共通体験が色々と用意されている。

 

前には『コクリコ坂から』(2011)で、

そういう仕掛けが私には効いた。

たいとる

 

 

たとえば主人公が持病のために常備している医療キットが、

糖尿病治療中の私と重なっており、

しかも作品の時代設定における一式なため、

インシュリン注射器だとか血糖値測定器が、

今では他の薬品や機器に交代した、

一つ前のものだったりするのがポイント高し!

 

まあ、これにあてはまる人なんて一握りなので、

より一般観客向けに、

ガラケーが使われてるのを、あたりまえすぎるが例に挙げときましょう。

 

もう一つ、個人的な体験を映画に重ねると、

女の子が「私はこうしたい」という願望には、

男は無条件につきあってあげちゃうもんで、

そこらへんも秀逸に描かれていた。

 

もちろん、手放しで褒めちぎるわけには行かず、

主人公の死因が予測されたものとは異なるところが、

予想外の展開、ひねりなのは理解しつつも、

あまりにも唐突で強引すぎて、

「いくらなんでも、そりゃねえよ」と失笑してしまった。

 

主演の浜辺美波は、

映画の番宣で幾多のテレビバラエティに出演した時、

「この人、誰?」でしかなく、

私が映画で初めて観たのはようやく、

『アルキメデスの大戦』(2019)だったが、

 

 

今回の『君の膵臓がたべたい』の方が文句なくハマリ役。

幼さやあどけなさが残るのが、

浜辺が適役な最たる理由。

 

似通った「はかなげなロリ」でいくと、

2020/06/02

↓与田祐希の出演作、

 

『ぐらんぶる』は、8月公開になったようです。

 

山内桜良(浜辺美波)の親友、

滝本恭子役の大友花恋は、

成人後を演じる北川景子よりは、

石川梨華に似てると思ったが、

 

原作では、ヒロイン死後数年のシーンはなく、

実写映画独自の改変だそうだが、

私は北村匠海の数年後を演じた小栗旬よりも、

北川景子の方が、断然場をさらっていたとは思います!

 

それと関連して、

とにかくこれは長年の懸案で、

二つの時代を別の役者で処理する場合、

まずは老若の役者の顔つきが似てるかどうかが肝だと思うが、

そこまで配慮したのは、

『いま、会いにゆきます 』(2004)の中村獅童と浅利陽介、

 

 

『犬と私の10の約束』(2008)の田中麗奈と福田麻由子、

 

 

『20世紀少年』の唐沢寿明と西山潤

 

ぐらいしか思い当たらないが、

そういう不備を「邦画だから」と言い訳できる時代ではなくなった。

 

ディープフェイクが開発されたからだ。

2020/05/28

 
もっとも貼り付け画像に顔をすげ替えられる役者は、
たまったもんじゃなく、
同意を取り付けられるかどうかは、また別の問題ですが。
 
たとえば本作の北村匠海クンみたいに、
これが評価されて後世の作品にも出演が重なると、
↑『砕け散るところを見せてあげる』にも出てますけど…。
 
後の時代が小栗旬だからって、
顔をそちらにすげ替えられるのは願い下げだろうし、
反対に小栗旬だって、
自分の顔を若手の北村にすげ替えられるなら、出演なんかしないだろうし。
 
最終画面に顔出しなしを承諾する役者が、
日本にも必要になってくるんでしょう。
 
 
なぜか今頃・邦画篇2020-6