『一度死んでみた』
2020/3/25 TOHOシネマズ渋谷 スクリーン2 D-14
各所レビューでけっこう好評なので、
見逃すまじと。
オープニングで
「松竹かあ」
続いて、フジテレビの映画と知って、
少し驚く。
なにしろフジテレビの映画と言えば、
『踊る大捜査線』
『踊る大捜査線 THE MOVIE』(1998年10月31日公開)
『海猿』
『海猿 -ウミザル-』(2004年6月12日公開)
『LIMIT OF LOVE 海猿-UMIZARU-』(2006年5月6日公開)
『BRAVE HEARTS 海猿-UMIZARU-』(2012年7月13日公開)
「悪い意味」で、一連の三谷幸喜監督作、
『THE 有頂天ホテル』(2006)
『ザ・マジックアワー』(2008)
『ステキな金縛り』(2011)
『清須会議』(2013)
「良い意味」の、是枝裕和監督作をのぞき、
必ず東宝配給。
三谷作品が駄作・凡作と『ギャラクシー街道』(2015)で見透かされると、
4年ブランクを開けて、
『記憶にございません!』(2019)を公開するも、
ここ(『ハリエット』)でも転載、指摘したように、
②映画が下手な映画監督は、
料理がまずい料理人とか、
歌がヘタな歌手みたいなもので、
その仕事を天職とする才能やセンスに欠けている。
同じ人の次回新作が過去作を越えるものになんか、なるわけがない。
いったん見透かされた三谷作品の質の向上など見込めないので、
東宝=TOHOシネマズと連携が強固な、
私は危険を避けるために『ギャラクシー街道』『記憶にございません!』は未見だが、
映画の実態は「秘宝」最終号の、
トホホ投票のライター2人が指摘している。
とにかく、長年にわたる東宝+フジテレビの図式を破り、
松竹から公開となった『一度死んでみた』の感想は?
若手女優にロックを歌わせる映画と言えば、
宮崎(﨑が本字)あおいの『少年メリケンサック』(2009)
吉岡里帆の『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!! 』(2018)
の2本が想起されるが、
作り手もそれは心得ているらしく、
二の舞、三の舞は避けられて、
堅牢な脚本で、過不足なくドラマは展開。
空疎で雑な東宝と訣別し、
新たに松竹と組んだだけのことはある充実作で、
飽きずに寝落ちせずに最後まで見とおせた。
あちこちに意外なキャストが出演していることに驚くのも一興。
ただし、究極の感動とか、
今年の邦画ベストとかまではさすがにいかないので、
あまり期待しすぎないでね。
一度見てみよう!