成田昌隆氏からのSW雑感〈その4〉 | アディクトリポート

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成田昌隆氏からのSW雑感〈その4〉

 

さすがに今回で終わりにしたいが…。

 

まずはこの番組の感想から。

 
1/27(月)

逆転人生「スター・ウォーズのCGを手がけた脱サラ証券マン」

再放送 土曜 午前0時20分(金曜深夜)2020/1/31

 

せっかくめたりの〜む氏から教えていただきながら、

この番組には実はあまり期待しておらず、

理由は同じNHKで、

『フォースの覚醒』(2015)の時に、やはり成田昌隆さんにスポットを当てていたが、

番組内容がいたってピンボケだったため。

 

劇中でレイとフィンが偶然乗り込んだミレニアム・ファルコンが、

スター・デストロイヤーの残骸をくぐり抜けて、

TIEファイターの追撃をかわすシーン

 

成田氏は上司の指示を受けて、

残骸のスター・デストロイヤーの構造物がほころびて、

内部のメカが露出する部分を改善した。

 

↑たしか○のあたり。うろ覚えなので間違ってたらスミマセン。

 

いや、その時から、

成田氏を責めるつもりなんか、かけらもないんですよ。

 

今回の番組「逆転人生」を視(み)て、よくよくわかったが、

成田氏の、

与えられた条件で、妥協なく要求以上の成果を納品する姿勢は、まさに職人。

ですがそれが、作品の質の向上にまるでつながらない。

 

上司が「使えない」ヤツだから、

指示が適切じゃないんです。

 

だって観客の誰か一人でも、

『フォースの覚醒』の感想で、

スター・デストロイヤー残骸の外装の欠け具合にしびれた。

——なんて人がいますかね?

 

つまりせっかくの成田氏の苦労や努力が、

ちっとも実を結ばない環境になってしまっているわけです。

 

プリクエル『エピソード1』(1999)以降のSWデザインチームのかかった慢性病は、

taiwann

チャーチ

エリック

 

本人たちに克己心/自己批判精神がなく、

(JJエイブラムスやライアン・ジョンソン等の)無責任監督たちからの、

ダメ出しやリテイクが一切なく、

一発オーケーの腐敗体制が蔓延しているため、

与えられた分担を型どおりに提出すればそれで終わり。


それと真逆の立場、

「本当にこれで良いのか」

「こんなんじゃてんでダメだ。もう一度はじめからやり直し」

という、あたかも名陶芸家の先生が、

シロウト目には見分けのつかない陶器の工芸品(壺や皿)を、

地面に叩きつけて粉々に割るような、

ギリギリの瀬戸際での造形/創作活動の切磋琢磨などまるで無縁。

 

そんな芸術家、実際にはいるわけない?

いえいえ、ぴったりあてはまる人を知ってますよ。

 

電飾ブログモデラーのどろぼうひげ氏

↑左から2番目(2019年撮影/モデルグラフィックス2020年2月号より)

 

↓彼が2011年5月のホビーショーでお披露目した第2デス・スター。

ですた

↑直径20センチの地球儀を外郭に、電飾まで施した精緻工芸のきわみ。

↓劇中に使用されたホンモノの第2デス・スターのモデル(左右反転像)。

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直径137センチ

 

↓20センチどろひげモデルの制作途中写真

gaikaku全景

tenji

chokkei

 

↓各部が発光、モデルは回転/自転します!


 

↓20センチどろひげモデルの各部接写画像

きた

20

南半球

 

たしかDORO☆OFF(どろオフ)展示会(2011)で、

よこなが

ご本人から直接聞いたが、

これには先代モデルがあったのに、

制作途中でうまくいかないと判断し、

「こんなんじゃダメだ!」と、途中で地面に叩きつけて壊したそうな。

 

そういう芸術家的な気質で、

映画業界のVFXに取り組んでいる人がどれだけいるか。

 

仕事ぶりを大きく別つのは、

人に言われなくても自分でやる人

か、

言われた指示にだけ従う人か

で、

ダグ・チャンの場合は、

言われた指示にすら満足に応えられなかったのだ。

↑ピアスとかつけて、おしゃれにいそしむ前に、もっと他にやることがいくらでもあっただろ!

 

こんな、不適格者(その職責にふさわしくないもの)が、

能力を向上させないまま政治的に昇進してしまえば、

当然失脚しないように、政治的な保身体制を固めてしまう。

※画像と本文は無関係です。

※画像と本文は無関係です。

※画像と本文は無関係です。

 

これのくり返しと無限増殖で腐敗しきったのがSW/ルーカスフィルムのデザイン部門だけに、

いくら成田氏が天性のモデラーで、

人に言われずとも自分でやる真のクリエイターだろうと、

デザインには関与できないため、

どうにもできない部分があった。

 

いや、成田氏に直接会ったわけじゃありませんが、

そしてどうやら、

モデルグラフィックスは懇意にしているらしく、

知る限り2回、インタビュー記事が掲載されてるが、

 

 

 

成田昌隆氏と同じ立場だったら(デザイン部門でなく、CGモデリング部門に配属されたら)、

「おいおい、いくらこっちが渾身で取り組もうと、こんなゴミデザインじゃどうしようもないだろ!」

と、暗澹たる気分になったと思いますよ。

 

『スカイウォーカーの夜明け』で一例を挙げれば、

新型デストロイヤーのザイストン級(Xyston-class Star Destroyer)は、


2020/01/26公開

 

インペリアル級の1600メートルより約800メートル長い、

全長2406メートルの完全新造戦艦…のはずなのに、

外形はインペリアル級Ⅰ型と同型で、

↑水面から浮上するザイストン級は、ブリッジ上方のX字橋桁?=シールドプロジェクターが起き上がって前方を向いている。

 

↓1作目91センチモデル(Ⅰ型)のアップ。

しゃに

↑2作目以降の、2.6メートルモデル(Ⅱ型)のアップ。

 

『ローグ・ワン』の

↓ベイダーの乗艦、艦名〈デバステーター〉CGモデルのデータを流用し、

艦底部に大型砲を据え付けただけ。

 

真のデザイナーなら、

新型デストロイヤーのデザインに関われるなら光栄の極み、

俄然やる気を出してデザインに取りかかりそうなものだが、

 

↓たとえば宇宙戦艦ヤマト

ぴすたー

ed

に継ぐ新造戦艦、

↓アンドロメダをデザインできるとなったら、

めだ

popopo

 

あんど

まともなメカデザイナーなら、

俄然やる気を発揮して、全身全力で取り組むだろうに、

おおp

まさか、ヤマトの全長を少し増して、

艦底部に砲を追加してしのいだりしますかね?

Gyamato2

ヤマトの全長を少し増して、艦底部に砲を追加してしのいだ

↓2000年以降のG(グレート)ヤマト

Gyamato

今のSWデザインチームには、

そういうクリエイティブな姿勢がまるでない。

 

『フォースの覚醒』(2015)の〈ファイナライザー〉でもちょぼちょぼ

『最後のジェダイ』(2017)のドレッドノート(Mandator IV-class Siege Dreadnought)でもさして変わり映えせず、

これ以上、新型デストロイヤーをデザイン/設計するのに窮したために、

「使い回しでいいんじゃね?」と妥協案で済ませてしまった。

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↑『ローグ・ワン』のインペリアル級Ⅰ型

 

ILMは業界の最高峰だけに、

成田氏のように、「これこそが本当に自分のやりたかったことだ」と、

嬉々として早朝から出社する人なんて天然記念物級に珍しく、

みんな業界を渡り歩いてようやく安泰の座を手に入れたのに、

なんで今さらわざわざ、あくせく働く必要がある?

と、正反対の勤務姿勢なわけだから。

 

昨年末に、真のデザイナー、

天才シド・ミード氏が逝去されたが、

ミード氏

代表作品は何か?と問われれば、

それこそおびただしい点数が挙げられる=枚挙に暇(いとま)がない。

 

さしかえ

アリーナ

1と2

さら

み0ど

2

3

すも

 

一方で、ダグ・チャンの代表作なんて、

何か一つでも挙げられますかね?

 

メカの元ネタをメカに求めるという愚挙続き。

roiyaru

まんま1

buuume

hainndo

aann

オリジナリティは皆無。

 

↓画風はなんだかイライラするし、

shuuaku

はぁ…(ため息)

dokuta-

明らかに作風が狂ってるのに、臆面もなく堂々と発表してるあたり

そのピントのズレようはどことなく、生田絵梨花画伯を彷彿とさせる。

↑この誇らしげな堂々たる顔つき!

 

いや、点数だけならそこそこありますけど

みst

はたして後世に残るデザインなのかは疑問。

 

とにかく「やる気」が感じられない。

 

ひるがえって前に紹介したこの動画。

「ポルシェチームはSWメカのデザイン要件を満たしていない」

ともっともらしく分析するが、

いやいや、それを言うなら、

元来のILM/ルーカスフィルムのデザインだって、

SWメカのデザイン要件なんか満たしてないじゃんか!

 

とにかくなにしろ、

どうしてこんな奴が副責任者に居座り、

自分より格上の、ポルシェのデザインチームの皆様に、

講釈なんぞをたれるのか?

タチの悪い冗談では?

 

SWメカデザインの特長として、

「アイコニック」、つまり一目見ただけで目に焼き付いて離れず、いつまでも記憶に残ると説きながら、

お前はそういうデザインを、

一つでも納品したのかよ?と。

 

ああ、そうそう。

↓この動画には収穫がありました。

 

ボバ・フェット専用機

スレーブ1(Slave I)のデザインは、

「ILM周辺の街灯の形状が参考」と長く伝えられてきたが、

そのものズバリの街灯を拝んだことがこれまでなかった。

 

ところがこのたび、ウザイ講釈動画の中に、

件(くだん)の街灯が写っとるやないかーい!

 

ようやくのご対面!

スレーブ1はバンダイのプラモ(一部反転像)

 

実際は都市伝説で、スレーブ1のデザインが固まってから、

ILM社内の誰かが、近辺の街灯との形の似通いを指摘したらしい。

それにしては、塗装の剥げ具合まで似てるけど…

 

とにかくダグ・チャン、これだけはでかした!

生涯でただ一度だけ、ありがとう。

 

ここで語り始めの成田昌隆氏に話を戻して、

さすがに結びに入るが、

家族がいて、二人目の子どもが生まれる間際に、

よくぞ自分の才能に賭けて挑戦したよなと。

 

芸能人/有名人の結婚/出産のニュースがひっきりなしだが、

(思い出したように不倫や離婚のニュースも)

この私、ブログ執筆者の場合は、

こんな地獄の状況で結婚したり家族を増やす前に、

まずは地獄状況の解消に取り組むべきと考え、

あえて孤軍奮闘、茨(いばら)の道を突き進んできた。

 

なのに一向にまともに取り合ってもらえず、

妄言をつぶやく変人あつかいが変わらず、事態はまったく進展しない。

 

そのため状況はどんどん、

反社会的集団の計画通り、

最悪の方向に進んでしまうのを食い止められない。

 

しかし成田氏の奮闘記から察するに、

独り身では(自分一人ぐらいは)どうにかなるから、火事場の馬鹿力が出ないのでは?

正しい順番は、

  1. 結婚
  2. こども
  3. 人生課題の達成
——であり、その逆はないんでは?
と考え直すようになった。
 
そんなこんなで、
私の2020年の目標は、まずは何より、パートナー募集からです?
 
ただし極度のメンクイという持病のため、
2.5次元美女希望♡
 
(オチがついたところで、この項終わり)
 
【連載一覧】
  1. 「マンダロリアン」からのSW雑感
  2. 2019メカデザインからのSW雑感〈その2〉
  3. 〈その3〉『最後のジェダイ』からのSW雑感