『アナと雪の女王2』 | アディクトリポート

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年末は毎日のように映画を見てます。

12/13は『娘は戦場で生まれた』(2020年2月下旬日本公開)の試写

12/17は『ぼくらの7日間戦争』

12/18は『記憶屋 あなたを忘れない』(2020年1月17日公開)の試写

12/19は『太陽の家』(2020年1月17日公開)の試写と

『アナと雪の女王2』

12/20は『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』

というわけで、試写の感想は公開直前にして、

公開中のこの作品のみ、レビューします。

 

『アナと雪の女王2』

 

イオンシネマ市川妙典 スクリーン6 J16

 

1作目『アナ雪』(2013)は

世間の話題になったのに、公開から3ヶ月も経って、

さすがに観客もまばらな吹替版をひっそり観て

ディズニーアニメの前作『塔の上のラプンツェル』(2011)の上質ぶりが、

ないから

ごんどあ

跡形もなく失せた惨状にビックリ。

 

その時の感想をここに転載。(青字部分)

 

もったいぶらずに結論から先に述べると、
『アナと雪の女王』という作品は、
映画としての体(てい)を、
まるでなしていない。

ひたすら劇中歌の「Let It Go」だけが傑出していて、

そこが早々たるピークで、
結局それを越えるものを、映画自体は何も観客に示せないまま、
とてもお客様に出せるシロモノじゃない、
ずさんきわまりない未完成品をぶちまけただけで、終わっている。


戦犯は特定が容易で、
監督と脚本兼任の
ジェニファー・リー。


こいつはドラマ構築というものを、
まるでわかっておらず、
とにかくはじめから終わりまで、デタラメ尽くし。

吟味推敲がゼロの、無造作なあらすじの間を、
無意味なドタバタで埋めて水増ししている。

おかげで個々の場面は有機的に絡み合うことなく、
脈略なく孤立していて、
起承転結やクライマックス、
ドラマのカタルシスを欠いている。

よくもこんな安普請(やすぶしん)の手抜き工事を土台に、
見た目だけ豪華絢爛な建物を建てちまったもんだ。

 

 

とにかく、

どうしてこれでヒットするのか、さっぱり理解できなかった。

 

果たして『アナ雪』は続編が期待され、

派生作品がディズニー作品に何度か添えられたが、

自分としてはどうでもよかったので当然未見。

 

続編の『アナ雪2』にもまったく興味がなかったのに、

だったらどうしてみたのか?

 

同じ日の『太陽の家』の試写は、午後1時からで上映時間は2時間3分。

 

次の試写(『シグナル100』)が午後3時半からで、

 

移動も考慮すると、間に合いそうもなかったので敬遠。

 

余った時間と東京メトロ乗り降り自由券を有効利用し、

実に久々に(『シン・ゴジラ』2016/8/1以来?)イオンシネマ市川妙典で、

えれれwsw

またしても吹替版で観ることに。

 

でもって感想は?

 

まあ、相変わらずだと思いましたよ。

 

一応、無理やり続編を作った感はなく、

作る意義や価値があるっぽくはあり、

つまらなくはなく=そこそこ面白く、

鑑賞後の印象も悪くはなかった。

 

だけど終わって感じたことも、

1作目とほとんど同じ。

 

よくもこの脚本で、OK出たなと。

とにかく作品として成立してなくて、

セリフの中身も、キャラ同士のやり取りも、すんなりと観客には伝わらず、

日本語版の翻訳作業は地獄だったろうなと。

 

この、現実にはあり得ない、

上っ滑りな展開の全てに、

まったく入り込めないのは、

いわゆる世代のギャップで、

こっちの頭が古いんだろうなと。

 

世代のギャップで思い出したが、

『アナ雪』って、『ハリーポッター』の流儀に則(のっと)ってるんだろうね。

共通点を挙げれば、

  • ストーリー構築者(原作者や脚本家)が女性。
  • 1本の映画に注ぐドラマ分量は少なく、小ネタや歌で水増し・中継ぎする。
  • 最後に種明かしのある「仕掛け」を逆算して前フリが続くが、語り部に自分の承知していることを相手にわかりやすく伝える能力がないため、独善的で途中過程の下手くそな語り口(そういう話なんだったら、他の導入の仕方があるだろ!)に観客が乗り切れない。
  • 作り手にキャラクター構築能力もないため、存在意義も価値もないキャラが続出。不用な出番にウンザリ、オラフやトロールなど、ジャージャー・ビンクスみたいなウザキャラ化に拍車がかかる。
たとえば『リトルマーメイド』の
まめ
♪パート・オブ・ユア・ワールド♪なら、

 

アリエルになりきって歌う人の気持ちもわかる。
 
だけど『アナ雪』の歌曲を嬉々として歌い、演ずる姿は、
♪レリゴー♪(松たか子)に限らず、アナ(神田沙也加)の持ち歌も、
まま
とにかくこっ恥ずかしくて直視できない。
 
楽曲が満足に効果をあげてないのは、
エルサのレリゴーが、
けっこうあっさりと『アナ雪』のはじめの方で歌われたのと同様、

 
『アナ雪2』の♪イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに♪も、

あっという間に歌われていた。

 

結局『アナ雪2』が作劇的に創作的進歩も向上もなく、

『アナ雪』のまんまなのは、前作が大ヒットしたので、

続編も「そのままでかまわない」とされ、べったり踏襲されたため。

 

だから吟味や厳選がなく、

卑屈なまでに全てがなぞらえられている。

 

そのため徹底的なウザキャラで、

ピエール瀧問題もあって、日本では出ない方が都合が良いオラフ(武内駿輔に交代)も、

 

それから、1作目から、

nannyanenn

ほんとに存在意義の感じられないトロールも、

「こいつなんやねん?」感しかなく、

エンドロール後の特典映像で、

マシュマロウやスノーギースがわざわざ出てきても、まったく意味がない。

 

こうしたキャラの再登場を喜ぶファンが、どれだけいるのか?

 

エンディング曲も松たか子が歌ってるのかと思い、

歌唱がひたすらパワフルだなと思ったら、

この出番には、新人の中元みずきが起用されたと後に知る

 

オリジナルを歌うのはこの人。Panic! At The Disco

 
別に観ればそれなりに楽しめますけど、
必見作とは思いません。
 
ただし58歳の意見です!