鑑賞記(3・まとめ)/『アナと雪の女王』〈その10〉 | アディクトリポート

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昨日(鑑賞記・2/『アナと雪の女王』〈その9〉)の続きですが、
ダラダラやっても仕方ないので、
さすがにこの『アナと雪の女王』鑑賞記も、
今回でおしまいです。

前回の記事を読んで、
「たかが子供向きの作品に、そこまでムキにならんでも」
とか、
「そもそも大ヒット映画にクオリティを求める方が、どうかしてる」
と、シニカルに捉える人もいるだろう。

たしかに今のところ、世界興収で『アナ雪』より上にある2作を例に挙げれば、
ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』は、
oni
「シリーズ最終作だから、
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とりあえず観ておくか」
という、ご祝儀ヒットだったかも知れないし、

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アバター』だって、

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3D作品で割高なチケット代が、
1位達成の最短記録の秘密だろうし、

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「1回観ればそれでじゅうぶん」という、
ウンザリ反作用もあったのか、
ジェームズ・キャメロン作品につきものの、
「エクステンデッド・エディション」の方を、
映画館で観たという人に、ついぞ出くわしたことがない。

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日本の興収はもっと流動的で、
現時点で

2位の『タイタニック』は(世界共通の成績だから)ともかく、

さんばし
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1位の『千と千尋の神隠し』に至っては、

ちひろ

宮崎駿作品の中では、
かなり出来の悪い部類に入る。
流行り物に堕して、
何をやってもウケる(好意的に受け取られる。ひいき目に見られる)ようになれば必ず、
驕(おご)りと慢心から、作品の質の低下につながっていく。

『アナ雪』だって、
結果オーライ、「ディズニー、バンザイ!」の大合唱だけど、
昨日指摘した、プロットの脆弱性以外にも、
やってることのピントがずれてるように感じられる部分がチラホラ。

1.セリフの翻訳

歌詞の方は、異なる言語でも口の動きを原版に合わせるために、
多少の強引さがあるのも仕方ないけど、
はなっからそれをムリだとあきらめてる、
通常会話の方は、
ぎこちなさを、そこここに感じた。

「混乱して」は、「取り乱して」だろうとか。

2.口の動き

ディズニーは、25カ国語バージョン動画公開で、
「どうだ、すごいだろ!」と見せつけてるけど、



吹き替え版をスクリーン間近で見て、
「どうしてか、わからないけど」
という、アナの日本語のセリフが、ガッツリ
“I don't know why.”
の英語の口の動きになってて、えらくシラけた。

デジタル技術は自動化のためにこそあるんだから、
セリフに合わせて口の動きを各国語版に変更、修正するプログラムなんて、
わけないような気がするんだけどなあ。

なにも全言語でやらずとも、口の形が基本的に、アイウエオ+ンの6パターンしかない日本語くらいは、余裕でできるんじゃないの?

「ポンキッキーズ」の、
コニーちゃんのジャカジャカジャンケンって、覚えてます?



このジャンケンに、『トイ・ストーリー2』(1999)の公開当時、ウッディとかバズ、
2
ジェシーが日替わりで出て来て、
jessie
ジャンケンやった時はぶったまげたし、
ピクサーの底力とローカライズ(各国語対応)力に恐れ入ったよ。

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あれからすでに15年が経過し、ピクサーはディズニーと統合。
ああいう「冴えたローカライズ」に期待したいね。

「雪の結晶の形を、一つ一つ全て変えました」
なんて、効果が伝わらないことにムダな労力を注がずに、
もっと実のあることに取り組んでもらいたいよ。

そういやディズニー映画で活躍する日本人って、
パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉』で、
ジョニデの手を引いて小舟から岸に導く役の俳優とか、

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『アナ雪』のアナのブランコシーン担当の女性アニメーターとか、
『アナ雪』前座の「ミッキーのミニー救出大作戦」(これまた、さっぱり感心できず)の、ミッキーの3Dモデリング担当の人とか、
「ほんとうにそれを成功と呼べるのか?」(=どうしてもその人でなければと、胸を張れる仕事なのか?)と、頭の中に疑問符が浮かびまくりだよ。

3.歌だけはすばらしい。

舌足らずで何が言いたいのかわからない、
映画本編自体のポンコツぶりを見事に補完して、
表向き超一級品ミュージカルに仕立てた、
作詞・作曲のロバート・ロペスとクリスティン・アンダーソン=ロペス夫妻には、
賛辞を惜しまない。

当初はアラン・メンケン起用の予定だったそうだけど、
それなら、ここまで成功しなかったと思う。

生歌(人前)で
↓これだけ歌える神田沙也加も大殊勲。



一方で、たとえ生歌バリバリ対応でも、
↓May J.のクセのある歌い方はことごとく嫌われ、



「劇中歌は松たか子に尽きる」という評価は覆らないみたいだけど、
生歌で(まったくいじらずに、人前で)「ありのまま」を聞いてみたくても、なぜか封印中。


↑やればできないわけではなかろうに…。

↓なかなか象徴的な1曲。


だったらストレートに素直に歌ってのけた、
はいだしょうこを、私は推しますね。



それから、♪レリゴー♪からの連想で、
「スーパースリー」の♪ラリホー♪を思い浮かべる人もいるみたいだけど、


それは日本独自の主題歌で、
↓オリジナル“The Impossibles”には影も形もないから、関連はあり得ない。


映画『アナ雪』について、私の言いたいことはこれだけざんす。