シン・ゴジラ(2016)/それまくる話(80) | アディクトリポート

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rasuto
1ssa
8/1映画の日に。

IMAXの割引始まる
1111

最近はIMAX(アイマックス)も割引、
つまり「その日の通常版鑑賞料金」+500円(2D)になったんだね。
※当ブログ調べ=場所により異なります。

映画の日(他ファーストデー)のIMAX館の死にようったら、
ひどいもんだった。

わざわざその日に、
高い金を払って見る人なんて映画館に来ないから、
IMAX館だけガラ空き=稼働率ほぼゼロ状態。

まるきゅう
今や109の専売特許でもないから、
どこかが協定を破って、
「IMAXに割り引きなし」を崩したら、
都内の客は、必ずそちらに流れる。

そんなこんなで、
いつからかは知らないが、
8/1の「シン・ゴジラ」IMAXは、
木場の109では、
一般1500円(通常作品料金+500円)だった。

だもんで人気殺到。
ちょいと出遅れたら、見たい回が完売。
通常版より先に埋まっていた。

他作品との兼ね合いがあって、
妙典のイオンシネマで、
えれれwsw
通常2Dを1100円で観る。

ファーストデーってシネコンによって、
消費税8パー後も、
1000円のまま(109シネマズ)のとこと、
1100円(イオン)のとこがあるんだよね。

で、見終わった感想は、
「これなら、IMAXでなくてもいいや」

もちろん、ゴジラの場面は、
IMAXで見られるなら、それに越したことはない


だけど、完全にそれと遊離した人間の芝居の方は、
大画面で見る意味も価値もない。

新ゴジラは、ゴジラのヱヴァ化

作品は、庵野秀明が脚本、編集、総監督を務め、
のろわれた
「進撃の巨人二部作」でケチのついた樋口真嗣監督の露出を徹底的に控えたとなれば、
当然こうなると予想できたもの。

つまり、ゴジラのヱヴァ化である。

ギャレス・エドワーズの外しまくった『GODZILLA』を、
「昭和のゆるキャラ化したゴジラや、
平成VSシリーズのグダグダと比べたら…いや比べるなんて、相手に失礼」
と言う声には、「そういう比較の問題じゃない」と書いたが、
今回の『シン・ゴジラ』も、
巨匠(笑)樋口大カントクの大ポカ前作
『進撃の巨人』から比べたら見違える出来
なんて、比較するのもどうかと思うし、
これまた、
同じゴジラ映画というだけで、
昭和や平成VSとの比較で語るべきもんじゃないと思う。

本作の特長は、ヱヴァの実写化なので、
登場人物に状況説明の長い説明を押しつけて、
これがクドクドと長ゼリフなため、
テンポアップのために全員スゴイ早口。

ソーシャルネットワーク』を参考にしてるんだろうけど。
そね2

俳優は、とにかく「かまず」に言い切ったら撮影完了なので、
それだけに集中するしかなく、
あんなセリフじゃ、気持ちの込めようもない。

古くは『STⅢ/ミスター・スポックを探せ!』(1984)で酒場にトリブルが出て来た時とか、
sese
『SWジェダイの復讐(当時邦題)』公開翌年で、
「スタトレも負けるな」と、初日に日本のトレッキーが集合。
トリブルがチラ写りすると、当時のオタ女が、けたたましい笑い声を上げた。←もはやホラー体験。


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エイトレンジャー」の時と同様、
posuta-
関ジャニの○○クンがこう動いた、△△クンがこう言ったレベルで、ジャニオタが好意的にウケてくれた、かなり特殊な作品。
ファンやひいきは好意的にセリフの皮肉を即妙に読み取って、
笑ってくれるんだが、
そんないびつな反応を、
まともな一般観客に期待できない。

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とにかく、セリフの中身が頭に入って来ない。

冒頭は
東京湾の異常な噴水現象に、新生物出現の可能性が濃厚なのに、
頭の固い政府は、前例のある事象にあてはめてしのぎたがり、
当初より事態を正確に見据えた部下と軋轢が生ずる
——と言う流れなんだが、
それを観客に真剣に伝えたいと考えるなら、
あんなセリフ量や内容でなく、
もっと他のやりようがあるはず。

同様に、何もかもが手続き優先のため、
●会議会議の連続
●有識者の意見を仰いでも無意味
はたまた、くしくも樋口カントクが特撮パートを担当した、
「ガメラ 大怪獣空中決戦」(1995)でも
取り上げられた、
●怪獣作品ではお約束の、怪獣出現→自衛隊出動→雨あられの攻撃は、現実には手続きでつっかえまくりで、機能しない
じえいたい
とかも、ちっともリアルじゃないし、手際がいかにも悪いし、伝え方が下手くそすぎる。

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最初はガマンして、作り手の流儀に則り、
隣のアニオタ女性のように、
笑えれば笑おうとしたのだが、
さっぱりそうできない自分がそこにいて、
次第に集中力が途切れ、アクビの回数が増えた。

ゴジラはどんどんヱヴァ化して行き暴走、
「こんなやつが実際にいたら、
手がつけられない」
と絶望感を煽るが、
突然沈黙。

人間が対策を立てて作戦決行するまで、
都合よく「待ってくれる」展開も、ヱヴァと同じ。

石原さとみは、英会話学校のCMの影響で、
バイリンギャルの役。
さとみ
当初よりは相当上達したが、
ツボの押さえ処を外し、どうでもいいところはうまく発音しても、
セリフの肝、
最重要な単語の発音が不明瞭なため、
日本語セリフ同様に、いやそれ以上に、セリフの中身が伝わらない。

でもって、もっともらしい演技で、もっともらしい口調でセリフをしゃべっても、
「こんなやつ、実際にはいねえよ」と言うウソ臭さ、白々しさだけが、
どんどん蓄積されていく。

かくして、
長谷川博己と、モノレールかなんかの線路脇で会話するシーンで、
ようやく笑った。

いや、あんた、もっともらしい演技を続けてるけど、
ここまで一つも成立してませんから!
なに、「ちゃんと演技してます」面してんの?

本編とゴジラ場面もほとんどからまず、
最終作戦は、防護服と防護マスクの一団が、
なぜかどこかの屋上に集い、
ひたすらマスク越しにくぐもった声で聞き取れない何かを言い、
自衛隊の攻撃シーンと交互に映し出されながら、
観客に具体的な展開が(セリフからは)何も伝わらないという、
別の意味での地獄絵図。

観客不在の身勝手さが腐臭を放つ

もうね、ホントに不誠実な映画なんですよ。

いや、庵野としてはこれが全力で、誠実に取り組んだつもりでしょうが、
それは評価ポイントにならない。
だって、その努力が観客にまるで伝わらないんだから。

とにかく徹頭徹尾、
作る側の勝手な土俵で、
どんどん話を進めるだけ。

僕たち(庵野+樋口)は一生懸命映画を作りました。
私たち俳優は、一生懸命セリフをしゃべりました。

劇中では、
政府は全員、一生懸命やってます。
担当者は、不眠不休で取り組んでます。
ふみんふきゅう

はいはい、それはわかりました。

だけどそもそも、
それは誰のためになんでしょう。
観客や、劇中なら一般市民のためじゃないの?

そういう対象であるべき一般庶民は完全に置き去りで、
個人の顔もさっぱり見えてこず、
描写も皆無で気持ちも伝わらないまま、
夏休みで期待を込めてIMAXに殺到した子ども達は完全に置き去り。

「ガキにこの深遠さがわかってたまるか」
とか、
「オトナでもこれが理解できないのは、精神構造が幼稚で子ども並みの知性じゃないの」
っていうのは、まさに現代版「裸の王様」だよ。

「日本沈没」(1973)の時、初めて子供向けでない映画を見た12歳の私は、理解できるか不安だったが、田所博士(小林桂樹)の「科学者にとって一番大切なものは勘だ」と言うセリフや、抗い得ない絶望的な状況の連続に、「何もせん方がいい」と達観する老人の言葉は、今でも鮮明に記憶している。

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ひるがえって、
映画『シン・ゴジラ』の正体ってつまりは、
「オレ様はなにしろ作り手でえらいんだから、
クリエイティビティ皆無で、見るしかできないお前らは、
ありがたく見させていただいてますと感謝しろよ」
っていう、完全な上から目線、驕りの産物ですよね。

結局、事態は終束して、
「この国はまだまだ大丈夫だ」
みたいな話の流れになってるが、
さんさん
かえって心配ばかりが募りましたよ。
「こんなんで、ホントに大丈夫なのか?
 もはやダメだろ、こりゃ」
って感じで。

ある意味、ゴジラ以上に厄介で醜悪な現在進行形の国情を、
よく象徴した皮肉な作品にはなってるが、
そういう暗黒状況作りをせっせと手伝ってる、
クリミナル・アドカン管理下じゃ、
こんな作品になるのも仕方ない気もしますが。

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辛ゴジラ=50点