この記事より
(以下転載)
TOHOシネマズ、映画鑑賞料金を100円値上げし1,900円に。6月1日から
TOHOシネマズは、6月1日から映画鑑賞料金を改定。現在の一般1,800円(税込)は、100円値上がりし、1,900円(税込)となる。シニアやファーストデイ、レディースデイも1,100円(税込)から1,200円(税込)に100円値上げ。「人件費を中心とした運営コストの上昇や各種設備投資への負担増」が理由だという。なお、大学・高校・中学・小学生、幼児、レイトショーの料金は据え置き。対象劇場は「TOHOシネマズ」名の全国66拠点('19年3月18日時点)。
改定後の料金(税込)は以下の通り。
- 一般:1,800円→1,900円
- シニア:1,100円→1,200円
- ファーストデイ:1,100円→1,200円
- レディースデイ:1,100円→1,200円
- TOHOシネマズデイ:1,100円→1,200円
- 夫婦50割引(2人で):2,200円→2,400円
この料金は「基本の考え方であり、劇場によって料金設定が異なる場合がある」という。詳細は後日発表する劇場Webサイトで案内される。また、12月1日「映画の日」は現行料金の1,000円となる。
TOHOシネマズでは、デジタル映写機や自動券売機等の導入による運営の効率化を図るとともに、新規出店や鑑賞環境の改善などに努めてきたが、「アルバイト人件費を中心とした運営コストの上昇や各種設備投資への負担増により、企業努力だけではこれらの吸収は極めて困難であると判断した」と説明。「今後も更なる企業努力により、お客様にご満足いただけるようサービスの向上に努めて参ります」としている。
(引用終わり)
最近の傾向として、どの組織、どの団体も、事実や真実を隠して、
表向きもっともらしいことを口実に、
サービス対象者に不利益や実害をもたらす施策を平気で押しつける。
ネット社会になって、いくぶんましになり、
真相を暴く情報を入手できはするものの、
すぐにさえぎられ、
操る/だます側に都合の良い屁理屈/情報操作が蔓延する。
というわけで、
情報の鮮度が高いほど、
真相に行き着きやすく、
遅れるほどにボカされる。
今回の値上げについてはしかし、
ざっと探ったぐらいでは、
私がこうだろうと見抜いている真相にたどり着いているネット世論に行き着かないので、
長年トホシネマウォッチャーの立場から独論を披露しておこう。
今回の値上げは、
実は2011年1月23日の本ブログ記事、
実質「値上げ」だと思うけど?/TOHOシネマズ「値下げ」のニュース
——で似たようなことが発表され、
シネマコンプレックス大手のTOHOシネマズ(東京)は20日、映画料金を値下げする方針を決めた。
一部地域で3月から18歳以上の一般料金を300円安い1500円に引き下げ、18歳未満は1000円に統一する。
伸び悩む入場者数を増やす狙いで、来春には全国の映画館に広げる方針だ。
先行して値下げするのは栃木、山梨、長野、広島、長崎、鹿児島の6県で運営する施設の一部。
現行料金は一般1800円、大学・高校生1500円、中学・小学生1000円、60歳以上1000円で、一般は1993年以来変更していない。
同社は「デフレが進む中、料金が高いという指摘があった。料金体系全般を見直して利用頻度を高めたい」(広報担当者)としている。
2011年11月18日の記事
——によると、
シネコン最大手のTOHOシネマズ(東京)は28日、来春から全国で実施することを検討していた映画の一般入場料の値下げを取りやめると発表。シニア料金など従来の割引制度を継続させた方が、より多くの集客を見込めると判断した。
観客数の伸び悩みを解消しようと、一般入場料1800円を1500円に、高校生1500円を1000円に引き下げる方針を決め、3月から7県のシネコン7施設で試験的に実施。その結果、入場者数は全国平均と比べて約5%減少し、逆効果となった。
60歳以上は1000円とするシニア料金や、毎週水曜日は女性1000円とする「レディースデイ」など従来の割引を取りやめていた。
——結局この計画は失敗に終わっている。
ところが、昨今の日本では、
明らかに民衆が反対する方に舵を切る愚者が仕切っている会社や団体ばかりが横行しており、
民衆/庶民の敵こそが権力者の取るべき道と勘違いした上層部が、
同じ屁理屈の波状攻撃をしかけてくる。
映画会社の東宝か、
あるいは、そのどちらにも、
とってはならない方に舵を切る人がいるらしい。
この値上げ事件の後にも、
TOHOシネマズは、
(本ブログ独自調査)
ところで、
航空機のチケットでも牛丼屋でも理髪店でもメガネ屋でも同じ理屈だと思うのだが、
旧来の料金体系が高すぎると大衆に察知され、
安売店の価格破壊が進んだ後で、
(バカ高すぎた)正規料金は据え置きが続いている
なんて、取り沙汰しても仕方ないと思うんだが。
とにかく、
なぜいつもシネコン値上げは、
トホシネマが言い出しっぺなのか?
前回から8年が経過しているので、
その8年間に、TOHOシネマズだけに発生し、他のシネコンには起きなかった固有条件を探ってみると、
同シネコンだけ首都圏都内に続々と新設している。
- 渋谷(2011年11月30日、6スクリーン、1224席でグランドオープン)
- 日本橋(2014年3月20日 - )
- 新宿(2015年4月17日 - )
- 上野(2017年11月4日 - )
- 日比谷(2018年3月29日 - )
- 錦糸町楽天地(2018年11月16日に楽天地シネマズ錦糸町を改修し開業)
この変更告知が、2018年12月3日。
そして今回の値上げ告知が2019年3月18日なので、
「人件費を中心とした運営コストの上昇や各種設備投資への負担増」
は表向きの理由に過ぎず、
そんなに逼迫(ひっぱく)、困窮が事実なら、
なんでこの7年間で、都内に6箇所もシネコンをボカスカ乱立した挙げ句、
2019年7月の池袋の超本格IMAX館(「グランドシネマサンシャイン」)新設にあてつけて、
その脇っちょにイヤミがましく、
旧豊島区役所庁舎・豊島公会堂跡地に新設される「Hareza池袋」のオフィス棟の2 - 6階に、2020年夏開業予定で、10スクリーン・約1700席のTOHOシネマズ池袋ができたりするのか?
「本物件」はグランドシネマ。
TOHOシネマズ池袋(豊島区庁舎等跡地)は、ほんの目と鼻の先である。
本音と真相は、
「正規料金で見る観客なんてもはやほとんどおらず、都内TOHOシネマズは割引料金で常に満席なら、割引料金が100円ぐらい高くても文句を言わない客だけに来てもらって、100円差にすら文句を言うビンボー人は他のシネコンに引っ越してもらい、毎回の満席・完売状態を改善したい」
という、金持ち優遇/貧乏人排除なんだと思う。
「トホシネマズ陰謀論は考えすぎだ」と思う人は、
逆説的に、
ではなぜ他のシネコンは、値上げに一番乗りしようとしないのかを考えてみて欲しい。
TOHOシネマズは値上げの理由を、
値上げの背景にはコストの上昇がある。同社は映画館の新規出店のほか、耐震工事も進めている。スクリーンの大型化や音響設備の改善、動く座席の導入などを通して映画の視聴環境の向上も目指しており、設備投資がかさんでいた。人件費はここ10年間で時給単価が180円上がった。
——としているが、それは他社シネコンでも同様なはず。
やらない理由はもちろん、値上げなんかしたら、
他の競合シネコンに客を奪われてしまうから。
ということはつまり、
トホシネマズだけは、
競合シネコンに客を奪われてもかまわなく、
前回の実験で割り引きサービスを値上げすれば客足が5%落ちるのは心得ているので、
その落ち込み分を値上げで補填しようというわけだ。
なにせ私はチョー貧乏人なため、
TOHOシネマズ優先鑑賞を見直したが、
様々な上映方式を最適な環境で鑑賞するには、
今回の値上げも、
「どうぞどうぞ、勝手にしてください」
としか思わない。
あなたは?