ストームトルーパーの理想形/ボイスチェンジャー | アディクトリポート

アディクトリポート

真実をリポート Addictoe Report

 

まともなSW玩具が発売されなくなって久しく、

AT-ATの前肢を装甲強化したゴリラ・ウォーカー、病院船のフル装甲バージョン等、過去のデザインの焼き直しに終始。

Bウイングの醜悪な変形メカ、スキー・スピーダーを平気でさらす成果の乏しい戦犯デザイナーのダグ・チャンが、どうして復職、続投できるのか理解しかねる。

 

 

 

 

大量在庫を抱えた米本国のトイザらスが、

ネット通販に座を奪われて、ついに倒産。

 

だがその断末魔の間際、

飛ぶように売れたアイテムがある。

 

 

ハズブロ社のブラック(黒箱)シリーズ、

『ローグ・ワン』版の

ストームトルーパーのボイスチェンジャー。

 

 

ブラックシリーズの前には、

コレクター/マニア向けの本格的なヘルメットが、

2007年にマスターレプリカ(MR)社から、

高級版ファイバーグラス製ANHヒーローと、

左右対称の造形で、廉価版ABS製真空成型のコレクターズエディションが、相次いで発売。

さらに翌2008年には、

MR社から販売権を引き継いだeFX社が、

MR社ANHヒーローと同等品、ファイバーグラス製

を再販、

2010年には、コレクターズエディションが再販された。

 

 

 

 

廉価版はホンモノの左顔面(正面画像の右側)を反転させており、

くびれや凹凸が強調された、クセのある仕上がり。

 

↓ヒーロー版の左顔面(画像右側)を反転像とニコイチしたもの。

↓ヒーロー版の右顔面(画像左側)を反転像とニコイチしたもの。

↓見よ!廉価版メットが、ヒーローの左顔面と、その反転像だけで出来上がっている証明写真だっ!

 

『ローグ・ワン』の実物マスクも左右対称だが、

2016年7月にロンドンのエクセルで開催された、SWCで撮影された、『ローグ・ワン』のストームトルーパーコスチューム実物。

 

MR社/eFX社の過ちをくり返さないように、

基本形は、ANH版の右顔面を反転像とニコイチし、

ゴーグル部のみ左顔面から移植して、すっきりと整った顔立ち。

 

並べて見れば、違いがよくわかる。

↑2007年MR版と、2016年版ブラックシリーズの比較。

↓2010年eFX版と、2016年版ブラックシリーズの比較。




eFX社は、

6体しか作られなかったヒーローマスク/スーツで、

とあるコレクターが所有する、現存する貴重な実物を2015年に徹底再現。

しかし2年が経過しても、発売の報は聞こえず。

 

スタントヘルメットの決定版が、

アノヴォスから発売されたこととの兼ね合いか。

 

ヒーローヘルメットの材質は厚め(カーキ色のABS製)で、

丈夫なかわりに造形の細部は失われ

スタントヘルメットはペナペナの薄い素材(HDPE=高密度ポリエチレン)だが、

アンドルー・エインズワースはホラ吹きでも、原形や素材、製法はホンモノ。

微妙な曲面や、

原形の粗い仕上げ(表面の微細な肌荒れ)まで拾われている。

 

現存する世界でただ一つのベイダーマスク(フェイスプレート)を、

eFX社から横流しされた

フランスのコレクターが所有する、保存状態がきわめて良好なトルーパーのヘルメットは、

ゴーグルのレンズがフラットなのでスタントだが、

右顔面を『ローグ・ワン』版の左顔面と比較すれば、

↑左はANHスタントの反転像。

ブラックシリーズ(ハスブロ社=『ローグ・ワン』同等品)が、
ゴーグルをのぞいて、ANH版の右顔面を基本形にしているのがわかる。

 

『ローグ・ワン』本編の素晴らしさは語り尽くしたが、

より本質を突いたレビューを見つけたので、

遅ればせながら、ここに紹介。


 

映画製作スタッフの裏切り行為におびえた、

キャスリーン・ケネディの粛清の顛末は、こちらで

 

もう一つの評価ポイントは、

無思慮に『新たなる希望』を引き写さず、

変えるべきところは変えているところ。

 


オリジナル(1作目)のトルーパーヘルメットは、

●左右非対称で微妙に歪んでいて、

●スタントとヒーローの2種類あり、

↓左がスタント、右がヒーロー。

●スタントの方が大きく、原形のディテールも引き継がれている。

●ゴーグルのレンズは、スタントは平板状で、ヒーローはふくらみのある凸型。

●への字口の塗装、歯の数が異なる。

●ヘルメット脇のストライプは青色のステッカー。

だからといって、
『ローグ・ワン』のトルーパーも同じにすべき

と考えるのは狂ってる。

 

なぜならANH版は、必然で(なるべくして)そうなっていたのではなく、

やむをえず、そうせざるを得なかっただけなんで。

 

かたくなにスクリーンアキュレート(劇中と寸分違わぬホンモノ)を追い求めずに、

大量生産の兵装として、

まともな左右完全対称の造形に手直しした、

『ローグ・ワン』プロップ/コスチューム班の英断に敬意を表し、

使い捨ての量産兵士ストームトルーパーのヘルメットぐらいなら、

ブラックシリーズのボイスチェンジャーでじゅうぶんと考えます。