ウイルビィからウィルビイへの道〈前編〉 | アディクトリポート

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これ(アンドロメロス/ウイルビィ商品カタログ1983・3 )の続きで、
ウイ(大)ルビィ(小)
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ウィ(小)ルビイ(大)
7774
について最終報告。

その前段として、
ウルトラ超伝説」( てれびくん1981年5月号-1986年3月号連載)
87447
アンドロ超戦士」(グラビア連載「ウルトラ兄弟物語(ウルトラ超伝説アンドロ超戦士)」(1981年 - 1983年))
みるいく

「アンドロメロス」の変遷について。

1983年2月28日~4月29日
めろ

もともとは、
『ウルトラマン80』の放映が終了した1981年に、
小学館の児童雑誌「てれびくん」5月号で
ウルトラマンメロス」
と紹介されたのに、
それがウルトラ超伝説」になり、
次に「アンドロ戦士」の「超」にかろうじてニュアンスが残り、
ついには「アンドロメロス」で、ウルトラの名前は影も形もなくなった。

メロスのタイトルは、なんだって二転三転したのか。

このキャラの企画はもともと、
小学館の児童誌に端を発するもので、
アンドロ戦士のデザインも、
同社側から提案された

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「小学三年生」1981年9月号。

Wikiでも、
デザインは80(エイティ)の山口修
とされていたが、
現在は削除されている。

メロスはウルトラの一貫だから、
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当然、小学館側は、
タイトルにウルトラを含めたい。

しかし円谷プロは、
キャラクターの主導権はあくまでも自社側にあるので、
小学館の児童誌発(ごとき)の企画に、
ウルトラの名前を与えたくなかった。

円谷プロは伝統的に、
児童誌展開とテレビ番組を明確に区別しており、
たとえば「小学一/二/三年生」に、
1969年9月号から1970年3月号まで掲載された
↓ミラーマンのデザインは、
ひちゃ
実際にフジテレビで約3年後の1971年12月5日~1972年11月26日まで放送された
↓「ミラーマン」(右)とは大きく異なる。
しんきゅう
↑児童誌版のミラーマン原案のデザインは、ミラーマンREFLEX(2006・左)や、
↓ミラーナイト(右・2010)に受け継がれた。
pg

1970年4月号から9月までの半年間、「小学一/二年生」に「ジャンボーX」が連載されたが、
49
映像化には至らず、
翌10月号から、「幼稚園」「小一」「小二」で「ジャンボーグA」が始まった。
まもる
↑内山まもるによる内部図解。1970年。
↓1972年にテレビ化が実現した際に、本人が「小学二年生」4月号ふろくの下じき用に描き直している。

221

はたしてこれはウルトラなのか。
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雑誌展開のみで終わるのか。

meta

ウルトラの玩具商品化兼を事実上独占していたポピー(バンダイ)は、
popy
初年度の81年は様子見して、
翌1982年に、ようやく商品を出した。
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初の一般売りソフビ、ポピー製アンドロ超戦士セットは、
メロス、ウルフ、マルス、ジュダの4体セット
 ににに
バラ売りセットは、ビクトラー(ポピー)アンドロ超戦士として、
メロス、ウルフのセットと、
マルス、ジュダのセット
があった。

消しゴム大サイズのメロス(左)、ウルフ(中)、マルス(右)はボディがプラ製、頭と手脚が塩ビ製。
あすた
↑消しゴム小サイズのメロス(左)、ウルフ(中)、マルス(右)。


1982年だと特定できるのは、
初年度に登場したヒーローはメロスとウルフだけで、
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マルスと
だぐみらん
↑対戦怪獣がダクミランなので、「アンドロメロス」本編からの画像です。
フロルは、
づろる
2245
次年度の1982年度の登場だったから。

フロルの82年当時の商品はないので、
マルスがラインナップに含まれていれば、
1982年製と特定できる。

メロスのパチモン消しゴムは、
時期やサイズ違いで3つに大別されるが、
マルスが含まれ、テレビ「メロス」の登場怪獣が含まれていないことから、
1982年製と判定できる最初の15種類は、
いっこうに
雑誌展開2年目になっても、
一向に商品化の動きがないので、
「だったらウチが」と、
弱小メーカーの1社が、
最も造形と製造が容易な消しゴム商品を準備していたところ、
ポピーが今さらながら正規品を発売してしまい、
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ポピー ウルトラ怪獣消しゴム 第13弾「アンドロ超戦士」

販路を失った商品を、
ひっそりと流通させたらしい。

しかし、児童誌にしか登場しないキャラの知名度は低く、
売れ行きは他のポピー商品のレベルにまるで達せず、
同社はアンドロ関連玩具からの撤退を決めた。

すると翌83年に、「アンドロメロス」のタイトルでテレビ化が決まり、
「ポピーがやらないんだったら、ぜひウチが」
と、またしても(別の)弱小メーカーが名乗りを上げ、
勝手に消しゴムの試作原型を作った。

番組「アンドロメロス」本編に、どの怪獣が登場するかは教えてもらえないので、
商品試作原型の種類や造形は、
ポピーの82年正規品を参考にするしかなかった。
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アンドロメロスのパチモン2期は、怪獣7種↑
↓ヒーロー3種の、計10種類だった模様。

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ところがポピーの代わりに、
83年の玩具化権を獲得したのは、
誰も知らない新興メーカーのウイルビィだった。

どうしてもメロス関連商品を出したい場合には、
プラモデルのニットーのように、
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ウイルビィから二次版権を得ねばならない。

玩具と模型で棲み分ける場合ならそれも可能だが、
ウイルビィ商品群とカブるものは、公式には販路が断たれる。

かくして消しゴムの原形が手元に虚しく残った某メーカーは、
「こっそり売っちまえ。メロスのパチ消しなら、前にも出回ってただろ」
とちゃっかり流通。

おそらくこれが、メロスのパチモン消しゴムが多数ある理由。

※状況証拠からの推測で、裏付ける資料や記録があるわけではありません。

というところまでで、今回はお時間です。

続きはそのうちに。

主な画像提供元
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ウルトラ怪獣消しゴム大百科

そふび王氏
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