スタートレック・スターシップ・コレクション全国版(31) 2015年 8/11 号 [雑誌]
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デアゴスティーニ・ジャパン (2015-07-14)
スタートレック・スターシップ・コレクション全国版(32) 2015年 8/25 号 [雑誌]
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デアゴスティーニ・ジャパン (2015-07-28)
これ(ギャラクティカ【前編】アンドルー・プロバート〈その1〉)
の後編。
「バトルスター・ギャラクティカ」(宇宙空母ギャラクティカ)
のサイロン兵士のヘルメットデザインで、
![みっつ](https://stat.ameba.jp/user_images/20150711/19/addicto/61/3b/j/t02200733_0600200013363000507.jpg?caw=800)
ジョー・ジョンストンとのコンペに勝った、
アンドルー・プロバートは、
そのまま兵士の全身、アーマーのデザインまで担当することになった。
![gyら](https://stat.ameba.jp/user_images/20150728/03/addicto/19/c8/j/o0552181013378692093.jpg?caw=800)
プロバートはここでようやく、
サイロン兵士は、
あの爬虫類風エイリアンがアーマーを着込んでいるのではなく、
ロボットなのだと知った。
![たきる](https://stat.ameba.jp/user_images/20150728/03/addicto/86/71/j/o0600168513378694490.jpg?caw=800)
ここで紹介する一連の貴重な画像は、
全てこのページより。
![わたし](https://stat.ameba.jp/user_images/20150728/08/addicto/e5/90/j/o0600139813378787838.jpg?caw=800)
↓「筋電に連動して発射するリストガン」という設定だが、ロボット兵士にこの原理は使えない。
![あーまー](https://stat.ameba.jp/user_images/20150728/22/addicto/27/87/j/o0512140013379433475.jpg?caw=800)
↑左腕のリストアーマーのパネルは、凹・凸の2種類を検討。
プロバートの「ギャラクティカ」への参加は、
ともすればSWのデザインをなぞってしまう、ラルフ・マクォーリーや、
↓マクォーリーのサイロン兵の初期デザイン(左)は、SWのドロイド(RAシリーズ)と区別がつかない。
![sasasa](https://stat.ameba.jp/user_images/20150728/16/addicto/0a/28/j/o0600123213379093120.jpg?caw=800)
↑チンパンジーにスーツを着せて実現したロボット犬マフィットのデザインには、いつものジョンストンの冴えが見られない。
差別化のために、意図的にデザインのクオリティを下げた感のある、
ジョー・ジョンストンとは異なる新味を与えた。
メットの造形は実物大で行われたが、
↓最初期案は、ロボコップ風(1987)?
![てむ](https://stat.ameba.jp/user_images/20150729/12/addicto/f5/3b/j/o0450199713379849235.jpg?caw=800)
↑ボバ・フェット(1980)や、
↓クローン・トルーパー(2002)に近い時期もあった。
![かめん](https://stat.ameba.jp/user_images/20150729/17/addicto/7d/89/j/o0449133113380051571.jpg?caw=800)
スリット内を、左右にユラユラと揺れる赤い眼光は、
「機動戦士ガンダム」(1979)のザク(ジオン軍モビルスーツ)のモノアイに影響を与えた。
全身の検討は、まずは人形で試され、
↓粘土原型の造形担当は、ラルフ・マッシー(Ralph Massey)
![12321](https://stat.ameba.jp/user_images/20150729/18/addicto/e9/66/j/o0600142613380086745.jpg?caw=800)
胸部は、メットのデザインの反復、
![nion](https://stat.ameba.jp/user_images/20150729/20/addicto/60/42/j/o0600102413380163979.jpg?caw=800)
つまり、横幅一杯のスリットの下に、
シャッター/ブラインド状のスリット群が配置され、
このスリット群は、
↓サイロン兵が乗り込む、
![reida](https://stat.ameba.jp/user_images/20150729/20/addicto/59/80/j/o0600137613380175882.jpg?caw=800)
↑サイロン・レイダーという戦闘機の機首のグリルにも通じる。
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↓金属光沢のあるメットとアーマーは、幅広のアルミテープをツギハギして完成。
![crop](https://stat.ameba.jp/user_images/20150730/01/addicto/d0/57/j/o0600192413380468874.jpg?caw=800)
↑長身の演者が扮した。
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アンドルー・プロバートは、
ギャラクティカ艦本体の、バイパー戦闘機着艦口の設計も担当。
まずは構造図を描き起こし、
![はら](https://stat.ameba.jp/user_images/20150730/06/addicto/7d/a1/j/o0600145213380529716.jpg?caw=800)
↑ミニチュアの該当部に貼り付ける、パース画も描いた。
↓実際の大きさは、こんなもの。
![tennpu](https://stat.ameba.jp/user_images/20150730/06/addicto/0f/f6/j/o0600140313380531918.jpg?caw=800)
↑着艦口のだまし絵をのぞき込んで確認する、当時のILM主任、ジョン・ダイクストラ。
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ここで、訂正記事。
![uissu](https://stat.ameba.jp/user_images/20120811/21/addicto/1e/ee/j/t02200158_0472033812129221804.jpg?caw=800)
プロバートが、マクォーリーのプロダクション・ペインティングに触発され、
直接本人と連絡を取ろうと思い立ったのは、
![とろん](https://stat.ameba.jp/user_images/20150711/09/addicto/d4/0f/j/t02200483_0600131613362556124.jpg?caw=800)
まだ『スター・ウォーズ』の公開(1977年5月25日)前。
![みっつ](https://stat.ameba.jp/user_images/20150711/02/addicto/9a/8e/j/t02200375_0600102213362445205.jpg?caw=800)
雑誌各誌も、使用できる劇中スチルに事欠き、
宣材として映画会社フォックスから提供されたのが、
マクォーリーの絵ばかりだったし、
これにいち早く反応したのも、
プロバート自身が、アーティスト/デザイナーだったからこそ。
そしてプロバートが「ギャラクティカ」の制作に参加したのは、
1977年の夏。
「ギャラクティカ」用のジョンストンのデザイン画には、
![pappara](https://stat.ameba.jp/user_images/20150730/17/addicto/2f/41/j/o0600058413380923419.jpg?caw=800)
08/02/77とある。
英米では月日の記述の順序が逆の場合もあるが、
SW公開前の2月8日に、「ギャラクティカ」の仕事はありえないので、
デザイン作業全般は、1977年夏だったことがわかる。
空前のヒットだったとはいえ、
映画公開から約2ヶ月後には、
ILMが次の企画に取り組んだのは、
ルーカスは、
ILM存続に気をもむ、責任者のダイクストラ以下のスタッフに、
外注の仕事を早急にあてがう必要に迫られていたから。
結局、「ギャラクティカ」でミソがつき、
ダイクストラとルーカスは袂(たもと)を分かつことになるが、
それがプロバートの次の仕事にも影響している。
——ここから先は、また次の記事で。
でもって、以下は今回のお題にからむ
おまけ。
「ギャラクティカ」も「バック・ロジャーズ」も、元を正せば「スター・ウォーズ」=ルーカスフィルムの財産という主張と証拠は、以前からある。
そのうちの一つ、「バック・ロジャーズ」のサンダーファイターは、
SWの最初期メカデザイナー、コリン・キャントウェルが、
最近公表した、当時の平面アートの中に、
![ぢd](https://stat.ameba.jp/user_images/20150131/22/addicto/92/48/j/t02200546_0600148913204904504.jpg?caw=800)
![ですよね](https://stat.ameba.jp/user_images/20150131/22/addicto/13/9f/j/t02200435_0600118713204890865.jpg?caw=800)
戦闘機のディスプレイ案と思われるグラフィックがあり、
![ripinn](https://stat.ameba.jp/user_images/20150730/17/addicto/5b/9d/j/o0600097713380947428.jpg?caw=800)
そこにはすでに、サンダーファイターが描き込まれていたりする!
(下右は、「ギャラクティカ」の資料に分類されている、マクォーリーのスケッチ群)
「ギャラクティカ」のオープニングにチラ見する(0:47あたり)、
平たい宇宙船は、アンドルー・プロバートがデザインしたものだが、
「スター・ウォーズ 反乱者たち」(2014)のゴーストに似ている。
![obou](https://stat.ameba.jp/user_images/20150730/16/addicto/5a/df/j/o0600170013380878722.jpg?caw=800)
もっとも、こんなマイナーな宇宙船ではなく、
『エイリアン』(1979)のナルキッソス(ナーシサス)あたりが元ネタだろうが。
そもそもプロバートだって、無意識のうちに、
フライングサブ(『原子力潜水艦シービュー号』1964-68)あたりに影響を受けてたのかも知れないしね。