LFL訴訟の行方(1)ギャラクティカ〈前編〉 | アディクトリポート

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本来は作家への歩みをつづる目的の、このブログ。
だけど、けっこう書き進んでたやつが……操作ミスでごっそり消えた。

なので、どうも真相が明らかになってない、あるいは日本語でネット閲覧された痕跡のないスター・ウォーズ(SW)やルーカスフィルム(LFL)の黒歴史について、夏休み特別企画?として、不定期で書いていきます。

その第1回は、2003年からの完全再出発版「GALACTICA/ギャラクティカ」の評価が異様に高いために、さらに忘れ去られ度が激しくなった、オリジナル版『宇宙空母ギャラクティカ』(劇場公開題名)と(字数削減でカッチョ悪いタイトルの)テレビ「宇宙空母ギャラクチカ」(1978)について。

これについて、〈知ってる人が知ってる〉のは、ILMの当時の責任者ジョン・ダイクストラが、SW1作目終了後の特撮工房ILMの施設を勝手に使い、ライバルのユニバーサル社のテレビシリーズ「宇宙空母ギャラクチカ」の特撮を請け負い、これをルーカスが知って激怒。

ダイクストラはILMから追放され、ルーカスフィルムは「ギャラクティカはSWの模倣」として提訴。
裁判は泥沼化し、ユニバーサルは反対に、R2-D2のデザインは、自社の『サイレント・ランニング』(1972)のロボット、ヒューイ、デューイ、ルーイの模倣だとして逆提訴。
----あたりまでだと思う。

↓『サイレント・ランニング』のロボット3体は、スタイルよりもサイズと操作法(胴体の下がない障害者や、俗に言うミゼットが演ずる)がR2-D2に似てるんでは?

オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-サイレン1

オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-サイレン2

オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-アールツー


だけどこれは話をあまりにも単純化しすぎだし、結局裁判がどうなったかを把握してる人も少ないと思う。
結果は、「ギャラクティカ」についてはLFLが敗訴した。これは事実。
「サイレントランニング」のロボット盗用に関しては、たぶん「ギャラクティカ」で勝ったユ社が訴訟を取り下げたんじゃないかな。これは憶測。

ですが、事実はけっこう違い、その概略はリチャード・エドランドへの2004年のウエブインタビューでも語られている。

概略は----

「いったん『スター・ウォーズ』が公開されるや大ヒットとなった頃、エドランドは海外版のオープニングクロール撮影に忙しかった。そこでどうやら続編(『帝国』)の製作が決まったという噂は聞いたが、エドランド自身への声がかりは、この時点では、まだなかった」

↓当時のリチャード・エドランド
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-エドランド


「(こんなにヒットすると思ってなかった)SW製作中の終わりの方で、エドランドを含むILMの主要メンバー、ジョン・ダイクストラ、グラント・マッキューン、ディック・アレキサンダーは、今後の身の振り方を模索して、ここに集った縁を生かして、特撮専門会社でも作ろうかという話になった」
これは後年に、アポジー社に結実している。
↓アポジー初期の代表作『スター・トレック』(1979)のクリンゴン艦隊と、『ファイヤー・フォックス』(1982)
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-アポジー2作

「そんなこんなしてる頃、ジョン・ダイクストラにグレン・ラーソンから連絡があり、ラーソンはすでにジョージ・ルーカスか、プロデューサーのゲイリー・カーツのどちらかに、当時ヴァンナイズにあったILMの設備一式を、借りられないかと正式に申し出てあるということだった。
つまり、あのSWを作りだした設備を(設備だからこそ)、「宇宙空母ギャラクティカ」のために貸してほしい(=番組にハクを付けたい)ということで、これは当然、ルーカスも承知ずみのことだった。
だからこそ、(ロビー・バララックをのぞく)ILM主要メンバーが、正式にこのプロジェクトに参加した」

↓そんなわけで?、ギャラクティカと堂々と記念撮影に収まっている、当時のジョン・ダイクストラ。
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-ダイクストラ+ギャラ

↓リチャード・エドランドだって、堂々と。
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-エドちゃん

↓デニス・ミューレンもいる!
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-ミューレンギャラ


ILMの特撮チームとは別に、ILMのデザインチームも起用され、だからジョー・ジョンストンもSWから続投。

↓ジョンストンの『ギャラクティカ』参加の動かぬ証拠!
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-ジョンストンギャラ

↓デザイナーが同じなら、デザインが似るのも当たり前。
 『ギャラクティカ』のバイパー戦闘機(左)と、『SW』のXウイング(右)
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-2機種

↓そのため、画面から受ける印象もほぼ同じ。
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-比較上下

ILMとは別に、社外のラルフ・マクォーリーもグレン・ラーソンから声がかりがあり、再びジョンストンとのデザイン共同作業が、SW同様にくり返された。

↓マクォーリーのギャラクティカ初期案。
オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-マコ1

で、マクォーリー案は破棄され、ジョンストン案で設定イラストが描かれ、劇中モデルもこれに準じた。

オレにやらせろ! 作家浪人Addicto救出プロジェクト-ギャラ3態

長くなったし、のりピーも逮捕されちゃったので、
見るからに悪人面の押尾学が、実は小心者の小悪党で、
良い人イメージだった酒井法子が、ほんとは相当にしたたかな大悪党のお姐さんだったことを記念して、この続きはまた今度!