AT-STモデルチェンジの真相(前編)/〜にまつわるエトセトラ〈その6〉 | アディクトリポート

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『帝国の逆襲』(1980)版スカウト・ウォーカーについては、
スカウト3態
さすがにもう語り尽くしたので、
1回目
2回目
3回目
4回目
5回目

「AT-ST」と改称された、『ジェダイの復讐』(当時邦題・1983)版に話を移すが、
『帝国』版と『ジェダイ』版が違うのは良く知られていても、
●実際にどこがどう違うのか
●なぜ同じにしないで、変えたのか
——については、知らない人が多いのでは。

似たようなアングルで撮影された資料写真を並べれば、
roku
形の違いはよくわかるが、
大きさの違いは、まったく把握できない。

ルーカスフィルムのアーカイブ(資料庫)に現存する、
『帝国』版と『ジェダイ』版モデルを並べて写真に収めるなんてのは、
まず望み薄。

というのも『帝国』版モデルは、
『ジェダイ』のストップモーション(コマ撮り)アニメの
テレマティックス(ビデオによるテスト映像)に使用され、
「ぜんぶスター・ウォーズ」(週刊ヤングジャンプ特別編集)でしか見たことのない、貴重な資料写真。
できるものなら

私が1992年に訪問したスカイウォーカーランチの資料庫では、
整理棚の一番下に、小動物の死骸みたいに横たわっていて、
とうてい人前にさらせない状態だった。

いたましい姿はともかく、
ぱっと見は、ケナーのトイと印象が変わらないサイズと外形だったのを覚えてる。
箱

↓『帝国』モデルと人との対比は、こんな感じ。
ミューレンスカウト
neko
↑2014年5月に、ダース・ベイダー役のデビッド・プラウズと共に。

2014年に撮影されたモデルは何かというと、
ジェイソン・イートン氏が2010年に発表した、
完璧に復元されたレプリカ
を参考に、
世界中で続々と完成された、モデラー自作のクローンモデルの一つ。

昨日紹介した、
のすわん
↑DMD、デビッド・ウィンダム氏の作例も、その一つ。
↓全世界で続々と産み出される、プロップレプリカのクローンたち。
xz

イートン作の復元モデル完成第1号は、派手なアクションポーズのため、
資料写真との比較が困難。
↓そこで立ちポーズの後続モデルをここに紹介。
くれんだ
↑いくつかの流用パーツが揃わず、塗装も途中とのこと。


ただし高い工作技術に加え、
高価な絶版キットの流用パーツを、全て買いそろえなければならず、
知識や情報だけでは、完成には行き着かない。

あっぷ

イートン氏が流用パーツ解析に利用した、
ILMでの撮影終了直後の、
(状態が完ぺきで、ネコやニワトリの死骸と化してしない)
スタジオモデル各部を接写した資料写真は、
ネットには非公開で、一般には閲覧不可だから、

kent
↑フットパッド(足/靴)は、↓
あし
↑MPC社のプラモ、ダース・ベイダー専用タイ・ファイターのボディ下部のパーツを、斜めにカットしたもの。


こうした復元モデルで、
代用閲覧するしかない。
ennde
↑クローンモデル右側の細部塗装がないのは、
本物のスタジオモデルもそうだったから。
実物モデルを製作したのはジョー・ジョンストンで、1作目のサンドクローラー等、劇中で映らない側は未塗装、未完成で済ませるように、モデル制作担当者に指示を与えることも多かった。


とにかく、こうしたクローンモデルの1つを、
やはり自作の『ジェダイ』版AT-STと並べて撮影したフランス人

(パリ在住のムッシュー・トクス=MonsieurTox)がいるので、
『帝国』版は組み立て途中だが、ここにご紹介。
net
『帝国』版の頭の大きさは、『ジェダイ』版の半分しかない。2009年公表。
この大きさに間違いがなく、正確だと判断できるのは、
モデル各所に貼り付ける、プラモの流用パーツの大きさが確定していることとの兼ね合いから。

では、この大幅な形状変更は、どうして行われたのか?

本来は『ジェダイ』にも、『帝国』版をそのまま出す予定で、
ジョー・ジョンストンが描いた、
↓一連のイウォーク族のゲリラ戦アイディアスケッチでは、
くわいと

最終稿の二つ小窓型でなく、
AT-ATと同じ、
nikuhaku

横スリット型の展望窓タイプだが、
けっか

↓おそらく最終スケッチの小窓2つデザインを、
チキン3
描いた本人が忘れていたらしい。


一方で、デザイン過程と無縁だったラルフ・マクォーリーの方は、
ききだ
小顔で脚長の『帝国』版モデルに忠実に描いている。

↓なのにどうして?
野外
——というところで、続く。

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