『帝国の逆襲』(1980)版スカウト・ウォーカーについては、
![スカウト3態](https://stat.ameba.jp/user_images/20090812/04/addicto/dd/72/j/o0726060010231193429.jpg?caw=800)
さすがにもう語り尽くしたので、
【1回目】
【2回目】
【3回目】
【4回目】
【5回目】
「AT-ST」と改称された、『ジェダイの復讐』(当時邦題・1983)版に話を移すが、
『帝国』版と『ジェダイ』版が違うのは良く知られていても、
●実際にどこがどう違うのか
●なぜ同じにしないで、変えたのか
——については、知らない人が多いのでは。
似たようなアングルで撮影された資料写真を並べれば、
![roku](https://stat.ameba.jp/user_images/20150706/21/addicto/b8/b2/j/o0600142513358428135.jpg?caw=800)
形の違いはよくわかるが、
大きさの違いは、まったく把握できない。
ルーカスフィルムのアーカイブ(資料庫)に現存する、
『帝国』版と『ジェダイ』版モデルを並べて写真に収めるなんてのは、
まず望み薄。
というのも『帝国』版モデルは、
『ジェダイ』のストップモーション(コマ撮り)アニメの
テレマティックス(ビデオによるテスト映像)に使用され、
↓「ぜんぶスター・ウォーズ」(週刊ヤングジャンプ特別編集)でしか見たことのない、貴重な資料写真。
![できるものなら](https://stat.ameba.jp/user_images/20150409/10/addicto/f3/49/j/o0600103013270908117.jpg?caw=800)
私が1992年に訪問したスカイウォーカーランチの資料庫では、
整理棚の一番下に、小動物の死骸みたいに横たわっていて、
とうてい人前にさらせない状態だった。
いたましい姿はともかく、
ぱっと見は、ケナーのトイと印象が変わらないサイズと外形だったのを覚えてる。
![箱](https://stat.ameba.jp/user_images/20090812/10/addicto/05/c5/j/o0347043110231287783.jpg?caw=800)
↓『帝国』モデルと人との対比は、こんな感じ。
![ミューレンスカウト](https://stat.ameba.jp/user_images/20090812/04/addicto/99/15/j/t02200200_0800072910231187316.jpg?caw=800)
![neko](https://stat.ameba.jp/user_images/20150708/04/addicto/26/41/j/o0586078513359756603.jpg?caw=800)
↑2014年5月に、ダース・ベイダー役のデビッド・プラウズと共に。
2014年に撮影されたモデルは何かというと、
ジェイソン・イートン氏が2010年に発表した、
完璧に復元されたレプリカを参考に、
世界中で続々と完成された、モデラー自作のクローンモデルの一つ。
↓昨日紹介した、
![のすわん](https://stat.ameba.jp/user_images/20150710/03/addicto/8d/cf/j/o0600176213361570320.jpg?caw=800)
↑DMD、デビッド・ウィンダム氏の作例も、その一つ。
↓全世界で続々と産み出される、プロップレプリカのクローンたち。
![xz](https://stat.ameba.jp/user_images/20150711/19/addicto/bf/22/j/o0600129013362985197.jpg?caw=800)
イートン作の復元モデル完成第1号は、派手なアクションポーズのため、
資料写真との比較が困難。
↓そこで立ちポーズの後続モデルをここに紹介。
![くれんだ](https://stat.ameba.jp/user_images/20150708/19/addicto/1d/11/j/o0600199413360321502.jpg?caw=800)
↑いくつかの流用パーツが揃わず、塗装も途中とのこと。
ただし高い工作技術に加え、
高価な絶版キットの流用パーツを、全て買いそろえなければならず、
知識や情報だけでは、完成には行き着かない。
![あっぷ](https://stat.ameba.jp/user_images/20150708/20/addicto/01/c1/j/o0600172013360350270.jpg?caw=800)
イートン氏が流用パーツ解析に利用した、
ILMでの撮影終了直後の、
(状態が完ぺきで、ネコやニワトリの死骸と化してしない)
スタジオモデル各部を接写した資料写真は、
ネットには非公開で、一般には閲覧不可だから、
![kent](https://stat.ameba.jp/user_images/20150708/21/addicto/3d/4d/j/o0600270713360430449.jpg?caw=800)
↑フットパッド(足/靴)は、↓
![あし](https://stat.ameba.jp/user_images/20150710/10/addicto/d0/07/j/o0600134913361718715.jpg?caw=800)
↑MPC社のプラモ、ダース・ベイダー専用タイ・ファイターのボディ下部のパーツを、斜めにカットしたもの。
こうした復元モデルで、
代用閲覧するしかない。
![ennde](https://stat.ameba.jp/user_images/20150708/22/addicto/e8/4a/j/o0600177413360480965.jpg?caw=800)
↑クローンモデル右側の細部塗装がないのは、
本物のスタジオモデルもそうだったから。
実物モデルを製作したのはジョー・ジョンストンで、1作目のサンドクローラー等、劇中で映らない側は未塗装、未完成で済ませるように、モデル制作担当者に指示を与えることも多かった。
とにかく、こうしたクローンモデルの1つを、
やはり自作の『ジェダイ』版AT-STと並べて撮影したフランス人
(パリ在住のムッシュー・トクス=MonsieurTox)がいるので、
『帝国』版は組み立て途中だが、ここにご紹介。
![net](https://stat.ameba.jp/user_images/20150413/04/addicto/46/bd/j/o0599220813274612178.jpg?caw=800)
『帝国』版の頭の大きさは、『ジェダイ』版の半分しかない。2009年公表。
この大きさに間違いがなく、正確だと判断できるのは、
モデル各所に貼り付ける、プラモの流用パーツの大きさが確定していることとの兼ね合いから。
では、この大幅な形状変更は、どうして行われたのか?
本来は『ジェダイ』にも、『帝国』版をそのまま出す予定で、
ジョー・ジョンストンが描いた、
↓一連のイウォーク族のゲリラ戦アイディアスケッチでは、
![くわいと](https://stat.ameba.jp/user_images/20150708/12/addicto/38/cc/j/o0600227413359975912.jpg?caw=800)
最終稿の二つ小窓型でなく、
AT-ATと同じ、
![nikuhaku](https://stat.ameba.jp/user_images/20101128/15/addicto/00/d8/j/t02200219_0800079810886272953.jpg?caw=800)
横スリット型の展望窓タイプだが、
![けっか](https://stat.ameba.jp/user_images/20150708/15/addicto/c7/7d/j/o0600272413360109158.jpg?caw=800)
↓おそらく最終スケッチの小窓2つデザインを、
![チキン3](https://stat.ameba.jp/user_images/20090812/03/addicto/5b/cb/j/t02200298_0800108510231182667.jpg?caw=800)
描いた本人が忘れていたらしい。
一方で、デザイン過程と無縁だったラルフ・マクォーリーの方は、
![ききだ](https://stat.ameba.jp/user_images/20150708/15/addicto/73/f3/j/o0600149813360136709.jpg?caw=800)
小顔で脚長の『帝国』版モデルに忠実に描いている。
↓なのにどうして?
![野外](https://stat.ameba.jp/user_images/20090812/10/addicto/03/e0/j/o0457057810231292424.jpg?caw=800)
——というところで、続く。