実に久々に、このタイトル。
知ったかぶりにも、ほどがある
11月12日放送の、「中居正広のミになる図書館」
お宝グッズで目利き勝負!鑑定じゃんけん!
(見れない場合の対処法はこちら)
ふうん、これをやるのか。
ところが始まってみると、
なかなかひどい。
知ったかぶりにも、ほどがある。
お宝の持ち主は、映画コメンテーターの、有村昆氏。
彼の触れ込みでは、
この「ダース・ベイダーEP4版レジェンドエディション」は、
原型に一番近い、最もリアルなフィギュア。
まあこれは、ウソじゃない。
たしかにこの品の、実物の再現ぶりには、恐れ入る。
だけどその後が、ことごとく、よろしくない。
『スリラー』の特殊メイクを担当した、
リック・ベイカーが作った実物から、
ルーカスフィルムで採寸して、
色までそっくり再現したもの。
なのでベイダーの鼻の窪みは、リック・ベイカー自身の親指。
↑まさか出演時の有村氏のコメントをカットできず、そのままテロップも出ているが(中)、
製作陣も情報の信憑性には疑いを持ったらしく、
次のテロップで、さりげなく情報修正を図っている(下)。
…の割には、お値段、意外にお安い、15万円。
それもそのはず、限定品とはいえ、時機が合い、お金があれば、誰でも買うチャンスのあった市販品(実物ではなく、レプリカ/複製)にすぎないから。
もしも演じたデビッド・プライズのサインでも入れば、もっと値が上がったかも、
と、うそぶいていたが、ここまでの発言の
パープル表示が、
ことごとく、事実と異なる。
詳細は、上述の「これ」を皮切りに、
実に全6回にわたって、ダラダラ述べたが、
2回目
3回目
4回目
5回目
6回目
どうせ誰も読まないので、ここにまとめると、
*ダース・ベイダーの立体造形を担当したのは、
↓イギリス人の美術職人ブライアン・ミュアー(ミュワ Brian Muir)で、
当初の専任、↑若き天才女流彫刻家リズ・ムーア(Liz Moore)の交通事故死に伴う代役だった。
*だからベイダーの鼻のくぼみは、ミュアー氏の親指の形。
2010年のMG(モデルグラフィックス)誌のミュアー氏へのインタビュー記事より。
*リック・ベイカーは撮影終了後に現存した、唯一のベイダーマスクを憂い、今後のために型取りしてくれただけ。
↓その型を用い、新たに抜かれたベイダーマスク。1978年頃の製作。
↑この新調マスクは、『帝国の逆襲』(1980)のティーザー(先行告知)ポスターに、なぜか左右反転像で使用された。
*ダース・ベイダーを演じたのは、デビッド・プラウズ(David Prowse)。
プライズ(景品)じゃないぞ!
↑ボディビルダーのプラウズ氏(左)は、SW(1977)以前にも『時計じかけのオレンジ』(1971)他の映画出演も多く、それ以外にも子供向け交通安全ヒーロー、グリーン・クロス・コード(横断歩道)マンとして、イギリスではそこそこ知られた存在だった。
『スーパーマン』(1978)では、クリストファー・リーブ(右)の貧弱だった肉体を鍛え上げるコーチを務めた。
しかしまあ、よくもこんないいかげんなコメントぶりで、映画コメンテーター業が成立して、その報酬で、こうした高額商品が買えるもんだよ。
まあ、お金持ちのボンボンの道楽の延長だから、しょせんは行きつけのお店の受け売り。
リック・ベイカーの名前は、このマスクの発売元、eFX社の宣伝・広告のコピペ。
手前味噌だが、そもそも1日約2000人ほどの、本ブログの読者でもない限り、真相には行き着けるはずもないし。
もっとも、この軽薄さと無責任な呑気さあってこそ、
一時期、鬱(うつ)に苦しんだ丸岡いずみさんを救ったんだから、
悪いことばかりじゃないけどね。
にしても、ホテルやデパートでの相次ぐ食材偽装は問題なのに、
この人の誤情報のつるべ打ちは、問題にならないの?
深々と頭を下げれば、いいってもんでもないけどさ。
それより、どうして知ったかぶりの有村氏が(もともと裕福な家庭とはいえ)金持ちで、
正確無比な情報をお届けしているこっちは、
こんなにビンボーなんだ?