は、この記事の訂正です。
恒点観測員さんから、
ゾフィの目ののぞき穴
「ウルトラマンになった男」の中で、
「ゾフィの目には穴が空いておらず見えなかったから、
人に手伝って貰って演じた」
と本人が言っているので、空いてなかったのではないでしょうか。
とのご指摘をいただきました。
ここに慎んで訂正いたします。
一応、言い訳すると、
実は私は、かの書を未読で(←おいっ!)
2009年の同書の発売に合わせた「フィギュア王」関連記事で、
フィギュア王 no.141 特集:ただいま!!帰ってきたウルトラマン (ワールド・ムック 794)
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前回書いた、
「詰め物をしたウルトラマンのスーツが吊されているのを見るのは、奇妙な感覚だった」云々の記述を見つけて、勝手に憶測したのであった。
それから、判断を鈍らせたのは、やっぱりこの画像ですよ。
明らかに眼球に凹み(窪み)がある。
思うに、Bタイプの時に、のぞき穴を演者の古谷敏の目の位置と合わせると、
かなり大きく眼球に穴を穿(うが)たなければならなかった反省から、
Cタイプのマスクの穴の位置は、きわめて厳密に決められていて、それに伴い、眼球の型には、最初からのぞき穴用の窪みも造形されたのではないか。
また、ここから逆算すると、成田亨が「経緯を覚えていない」という、マンCタイプのマスクの新規造形の理由も、おのずと明らかになってくる。
そこで今回は、訂正記事ついでに、ここらへんをもう少し深く掘り下げて行こう。
ウルトラマンAタイプからBタイプへの14話からの交代は、Aのボディスーツの傷みよりも、マスクの変形が理由だったのではないか。
(日本製で厚手で重かった)A用の黒地のウェットスーツは、そこそこ丈夫で、後でにせウルトラマンやゾフィに、二度も使い回されているからだ。
ゾフィの時なら、現役だった時期が近い、Bタイプの方を改造すればよさそうなものなのに。
↓Bタイプのマスクとスーツは、セブンの初期(4話のゴドラ星人あたり)までは、倉庫に保管されていた。
ヤマダ・マサミ氏の記事では、(これより画像が小さくて確認できないこともあり)ゾフィとされてるが、わざわざ元のAタイプボディの状態に戻す理由は何もないし、この写真のスーツの模様も胸のボリュームも、Bタイプと思われる今日この頃。
入手元の画像はこちら。
そうなると、30話からのBからCへの交代は、マスクの問題よりも、(アメリカ製で軽量になったはいいが、破損しやすく、頻繁に修復が必要だった、朱色地の)スーツの交代が急務だったからではないか。
だったらスーツだけ新調して、マスクはBと同じ型から抜けばいいのに、なんでわざわざ新規に造形したかと言えば、
(上述どおり)Bの眼球の覗き穴がデカすぎたので、
*古谷敏の目の位置で開けた穴が、眼球の下辺ギリギリに来る
ように再配置しなければならず、
そうなるとB同様の角度の吊り目にすると、眼球が顔の上方に偏りすぎてしまうため、
*目はあまり角度をつけず、平行ぎみに取り付ける
しかない。
ーーーーと、マスクに対して、眼球の位置と角度が、まず決まる。
この、Bタイプよりも上方の位置に置かれた眼球に対し、以前通りのすぼまった「おちょぼ口」のままでは、どうにもバランスが悪い。
鼻の下は長く見えてスケベ面だし、唇脇の、頬のムダなスペースも盛大だ。
というわけで、(Bタイプよりも)口を大型化するしかなく、
*口の幅を広げ、上唇の高さを増して眼球下辺との距離を縮め、
*新たな目と口の位置に合わせて、耳の形と角度を微調整して、
最も均整の取れたウルトラマンのマスク、Cタイプが完成したわけである。
同じ考え方を応用すると、
なぜ同じCタイプの型を使ったのに、
帰ってきたウルトラマン(以下、新マン)
の表情が異なるのか、
↓古谷敏(左)と菊池英一(右)の身長は共に180センチだが、プロポーションは大きく異なる。
↑当初は模様も同じにして、その差をごまかそうとしたようだが、
↓そもそも表情が違うんだから、同じウルトラマンに見えるわけがない。
具体的には、
*のぞき穴の高さはほぼ同じだが、穴の左右の距離が初代マンよりも離れて、寄り目が解消され、
*そのまま左右の眼球を離すと、顔からはみ出して、耳と干渉してしまうので、上端の角度を上げて、仮面上方にずらせて再配置する。
----という変更が、どうして行われたのかと言えば、
それはもちろん、演じていた菊池英一(現・きくち英一)の、
トリミング前の元画像はこちら。
顔つきにのぞき穴をフィットさせ、寄り目を解消するための、微調整の結果である。
編集前の元画像はこちら。
ウルトラマンダンディー―帰ってきたウルトラマンを演った男
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なるほどぉ、ようやく初代マンと新マンの表情の違いの謎が解けたよ。
(※個人的な見解で、絶対正しいと言う保証はありません)
新マンのスーツ(マスク込み)は、番組中で7つ(NG版の流用含む)作られたので、
引退したスーツは、
第38話「ウルトラの星光る時」 の初代マンや、
↑(上)ナックル星人から新マンを救う初代マンは、新マンのスーツのリペイント。
(中)「エース」1話に集う、ゾフィー、初代マン、新マンは、元を正せば全て新マン(のスーツ)。
(下)父のスーツはゾフィーの改造だが、元々そのゾフィーは、新マンのスーツ改造だった。
次回作「エース」で、ゾフィーや初代マン、
さらにはそのゾフィをウルトラの父へと、徹底的に使い回され、
結果として、菊池英一フェイスのウルトラマンばかりが、横行することになった。
「ウルトラマンエース」第13話「死刑! ウルトラ5兄弟」と第14話「銀河に散った5つの星」で、ゴルゴダ星に集ったウルトラ5兄弟のうちの3人の正体は、新マンだった。
というわけで、今回の発見のきっかけをくださった、恒点観測員さんには、深く感謝いたします。
ひるがえってブログの誤報の件に話を戻すと、
情報が間違っている元記事も基本的には訂正せず、
別の新記事でそれをやるのが本ブログのポリシー、
つまり常に最新記事にアクセスし続けない限り、
誤情報に行き当たる可能性はつきまといます
が、あくまでも不可抗力ですのでご了承ください。
よって、
*模型のレオナルドは、本店に合わせて全店閉店した
とか
*ドムとゴッグ以外にも、安彦良和が描いたジオン軍MSの設定画がある
とか
*「ヤマト2199」のアベルト・デスラーのモデルは、ロシア人青年
等の誤情報は、単独記事を読むだけでは解消されませんので、どうか引き続き、最新記事をお読みいただけますように。
それに加えて、全ての情報が正しいわけではない(=あたりまえ)ので、お気づきの点は、どなたでもご指摘ください。
つづく。