アクティブエイジング アンチエイジング -23ページ目

[漂白剤を使っていると子どもはインフルエンザにかかりやすくなる、
                        学齢期の子どもで検証]

(Medエッジ  2015年4月23日)


<扁桃腺に繰り返しかかる子も増える>
漂白剤を使っていると、子どもがインフルエンザをはじめ感染症にかかり
やすくなるようだ。

英国の公衆衛生・プライマリーケア省を中心とした研究グループが、環境と
健康についての専門誌であるオキュペーショナル・アンド・エンバイロ
メンタル・メディシン誌で2015年4月2日に報告した。



<9000人近くを対象に検証>
スペインのバルセロナ地方、オランダのユトレヒト地方、フィンランド東部・
中央部の学校の6歳から12歳の生徒9102人の親に、過去12カ月の子どもの
感染症の頻度(インフルエンザ、扁桃腺の炎症、副鼻腔炎、耳炎、気管支炎、
肺炎)と家庭での漂白剤の使用についての質問を含む質問票を送付した。

それぞれの関係について、「多変量混合効果マルチロジスティック回帰
モデル」といった専門的な方法で複数の条件も踏まえた分析をした。



<初めてかかる子が増える>
漂白剤はスペインでは一般的に使用されており(72%)、フィンランドでは
まれにしか使用されていなかった(7%)。

全体として感染症の発症率(再発または1回のみ)は漂白剤を使用している
家庭の子どもで高かった。

特に統計学的に意味のある差があると判断できたのは、初めてかかるインフル
エンザで危険度は1.20倍となっていた。

繰り返しかかる扁桃腺の炎症が1.35倍、感染症全体で見ると1.18倍とリスクが
高まると分かった。


漂白剤を使うときは少し気にしておくとよいかもしれない。




http://www.mededge.jp/a/cold/12071


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[血液型:病気リスクに差 膵臓がんになりにくいO型]

(毎日新聞  2014年4月10日)


<血液型の性格占いは・・・>
血液型診断といえば、性格占いを思い浮かべる人が多いだろう。

しかし意外にも、血液型によってがんになりやすかったり、感染症にかかり
にくかったりする傾向が研究によって分かってきた。
将来的には血液型に合わせた健康法が出てくる可能性もある。



<遺伝子が関係か>
「A、B、AB型の人はO型に比べ、膵臓がんになりやすい」
2009年、こんな衝撃的な論文を米国国立がん研究所が発表した。
約10万人を8年間追跡調査したもので、膵臓がんのなりやすさはO型に比べ、
B型は約1.7倍、AB型は約1.5倍、A型は約1.3倍だった。

その後、この論文を裏付ける研究が米国の別の研究機関やイタリア、中国の
研究でも明らかになった。

詳しい根拠は分かっていないが、血液型を決める遺伝子の働きが関係して
いると推測されている。


また、「O型は血栓症になりにくい」との報告もある。
米ハーバード大医学部関連医療機関の「ダナ・ファーバー研究所」の発表
(2010年)によるとO型に比べ、A、B、AB型は静脈にできた血栓が
肺動脈に詰まる肺塞栓症になるリスクが約1.5倍も高かった。


さらに、O型は感染症のマラリアに強いといわれる。
マラリア患者が多い赤道付近の東南アジアや南米の地域の先住民にO型が多い
のは、マラリアに打ち勝って生き延びてきたとみられるからだ。


一方で、O型は胃や腸など消化器系潰瘍には弱いという研究結果が
スウェーデンなどから報告されている。


全般的に言えば、O型が有利といえそうだが、生まれ持った血液型を変える
わけにもいかない。
何か予防策はあるのか。

世界中の文献を調べ、血液型と疾患に詳しい永田宏・長浜バイオ大学バイオ
サイエンス学部教授は「B型の人が膵臓がんになりやすいといっても、
もともと膵臓がんは多くないので、あまり神経質になる必要はない」とする。
その上で「血栓が生じやすいA型とB型の人で中性脂肪が高かったり、高血圧
だったりした場合は、早めに生活習慣の改善を試みるといった程度の注意が
あればよいのでは」と話す。



<夢のヨーグルトも>
それにしても、なぜ、細菌やウイルスによる感染症と血液型が関係するのか。

血液型はA、B、O、ABの四つあるが、型の差は、赤血球の表面に
くっついている「糖鎖」(糖の一種のガラクトースなどの単糖が鎖状に結合
した物質)の種類によって分けられている。
この糖鎖は胃、腸、腎臓、肺などあらゆる臓器の表面にある。
唾液や精液などから血液型が分かるのは、この血液型糖鎖が赤血球以外にも
あるからだ。

この臓器の表面にある血液型糖鎖が、ウイルスや細菌との結合のしやすさを
左右するとみられている。
細菌やウイルスから見れば、好きなタイプの血液型があるわけで、この性質を
利用して人の血液型糖鎖を認識する乳酸菌の研究も進む。


斎藤忠夫・東北大大学院教授らは7年前、人の腸にいた約270種類の乳酸菌を
調べた。
その結果、約30種類が血液型物質に応じた腸表面の糖鎖に強く付着し、腸に
長くとどまることを突き止めた。
長くとどまれば、有害な細菌の侵入を防ぐことができる。

その後、斎藤教授らは研究を重ね、潰瘍性大腸炎の原因の1つと考えられて
いる有害な腸内細菌のフソバクテリウム・バリウム菌が腸の糖鎖に付着する
のを阻害するビフィズス菌を発見した。
ビフィズス菌が先回りして血液型糖鎖に結合し、バリウム菌の作用を抑える
ことができれば予防になるという理屈。
近く東北大学病院の倫理委員会の承認を得て、潰瘍性大腸炎の予防や安定した
症状の維持に効果があるかを検証する人の臨床試験に入りたいという。

斎藤教授は「潰瘍性大腸炎の国内の患者数は14万人を超える。研究が進めば
将来的にはこうした疾患の予防に役立つ機能性ヨーグルトの登場も夢では
ない」と話す。



【小島正美】



http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140410-00000016-mai-soci

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[ABO型血液の分布の背景にマラリアか、
           O型の人は重いマラリアにかかりにくい理由を解明]

(Medエッジ  2015年3月18日)


<「RIFIN」というタンパク質が関与>
ABOという血液型の分布が国によって異なるのはよく知られている。
地理的な差の背景にはマラリアがあるのかもしれない。

スウェーデンのカロリンスカ研究所を含む研究グループが、有力医学誌
ネイチャー・メディシンのオンライン版で2015年3月9日に報告した。



<赤血球の血管付着による障害>
世界保健機関(WHO)の推定によると毎年2億人がマラリアにかかり、
そのうち60万人が5歳未満の子ども。
命にも関わる感染症として重要だ。
サハラ砂漠以南のアフリカで最も多く、さまざまな種類のマラリア原虫属の
寄生虫が原因となるが、重いマラリアは全て「熱帯熱マラリア」と呼ばれる
原虫という生物が赤血球の中に寄生し増殖することが原因になる。

重いマラリアでは、感染した赤血球が微細な血管に付着しやすくなり、血液の
流れを悪くして、組織が酸素不足で損傷するために昏睡、脳の損傷、死に
至る。


血液型がO型の人は、他の血液型の人より重いマラリアにかかりにくい。
そうした事実が知られており、このたびその背景が見えてきた。

研究グループは、さまざまな細胞培養や動物実験を行って解明している。



<A型と強く結合するタンパク質が原因>
その結果、熱帯熱マラリア原虫はRIFINというタンパク質を分泌し、これが
細胞表面に移動して接着剤の働きをすると判明した。

さらに、A型の血液の赤血球表面に強く結合するのに対して、O型の血液とは
結合が弱かった。
結果として、O型の赤血球では接着しにくくなる。


研究グループは、ABO型血液の分布が地理的に異なる一因としてRIFINが
関与している可能性があると推定する。
例えば、マラリアが多い地域でO型が多い。
ナイジェリアでは人口の半数以上がO型という。


重いマラリアへのかかりにくさから血液型に偏りが出てきた可能性がある
わけだ。
血液型とマラリアとの関係がこのたびはっきりしたことで、より関係性が
濃厚になったと言っていいかもしれない。





http://www.mededge.jp/a/cold/10398

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[純血のブラジル人は全員O型]

(ロケットニュース24   2015年6月29日)


大人だったら、サラリと己の知識を披露したいもの。
心の中ではどんなに「どやぁぁあああ!」と思っていても、クールにキメる
のが、スマートなレディース&ジェントルメンである。
そんな「知ってたらちょっとカッコE」使える豆知識を伝授するのが、
『大人のドヤ顔知識』のコーナーだ。
第3回目は、「純血のブラジル人は全員O型」というドヤ顔知識である。
ここで勉強して、いざという時に心の中でドヤ顔をキメようぜ!


まず、世界的な血液型の割り合いを見てみると、A型とO型がおよそ35%
ずつ、次いでB型が約20%、AB型が10%となっている。
日本人は一般的に、「A型が40%」「O型が30%」「B型が20%」「AB型が
10%」と言われているから、日本は世界とほぼ変わらない比率と言える
だろう。


ところが、ブラジルを中心とした南米はO型率が異常に高く、特に純血の
ブラジル人は全員がO型である。
ブラジル人とのハーフ「アイルトン・セナ」や「田中マルクス闘莉王」の
血液型はB型だが、“純血のブラジル人” は100%O型なのだ。



<梅毒が原因>
これは1500年ごろに流行した「梅毒」が原因とされている。
O型が比較的梅毒への免疫が強かったのに対し、その他の血液型は免疫力が
弱く、それまで少数ながら存在したA型・B型・AB型は絶滅してしまった
らしい。

日本にいるとにわかに信じがたいが、それだけに『純血のブラジル人は全員が
O型』という知識はインパクトも抜群で、「おお!」「物知りなんだね!」
と人気者になれるハズだ。



<ドヤ顔する際は慎重に!>
もし会話の中で、血液型トークの流れになったら、「YouはO型なんだ……
もしかしてブラジル出身? カーニバルとか好き系!?」とぶっこみ、「純血の
ブラジル人は全員O型なんだ。君のまなざしがあまりにも情熱的だったから、
もしかしたら……と思ってネ☆」とキメれば、彼女もクラクラ目まいを
起こすに違いない!

ただし、その目まいが「恋のクラクラ」なのか「気持ち悪くてクラクラ」
なのかは慎重に判断してくれよ!
「この勘違い野郎!」と思われないように、ドヤ顔は慎重にキメようぜ!!





http://news.livedoor.com/article/detail/10285512/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[<食の泉>牛乳でおなかがゴロゴロ/乳糖分解の細菌が発酵]

(河北新報  2016年02月18日)


牛乳を飲むとおなかがゴロゴロいう人は、日本人、アジアやアフリカの人に
多く、普通のことです。

私たち哺乳類は授乳期には母乳を飲み、母乳に含まれる乳糖を消化する酵素の
ラクターゼ(乳糖分解酵素)を小腸に分泌しています。

ところが大人になると、小腸でラクターゼを作らなくなってしまいます。
そのため、大人になってから飲む牛乳に含まれる乳糖の分解は、腸内細菌の
発酵によって進められ、その過程で作られる炭酸ガスや発酵産物でおなかが
ゴロゴロいいます。

イギリスや北ヨーロッパに住む人は、大人になってもラクターゼを分泌する
人が8割以上だそうです。


昨年暮れのヨーロッパの研究者グループからの報告では、古代人の骨から
遺伝物質(DNA)を取りだして調べたところ、ヨーロッパ古代人のラクターゼ
遺伝子の調節に関わる部分に、約4千年前に突然変異が起こったせいで、
大人になってもラクターゼを作り続けるようになったようです。



(宮城学院女子大教授 矢内信昭)




http://www.kahoku.co.jp/special/spe1158/20160218_01.html

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[ドジョウ過食でビタミン不足? トキ保護センター、順化訓練中断]

(産経新聞  2011年1月25日)


環境省は24日、3月の放鳥に向け佐渡トキ保護センター(新潟県)で順化
訓練中のトキ19羽のうち、ビタミンが欠乏した4歳の雄と、右の翼を骨折した
1歳の雌の計2羽を治療のために捕獲、収容したと発表した。


環境省によると、4歳の雄は22日以降、首振りなどの不自然な行動をしたり、
池に落ちて一時溺れたりした。

エサのドジョウの食べ過ぎで、ビタミン不足に陥ったらしい。

淡水魚にはビタミンB1を破壊する酵素が含まれ、偏食すると飛行や歩行に
障害を起こすことがある。

12日に0歳の雄が同じような症状を示して収容。
ビタミン剤を注射して元気になり、6日後に訓練再開した。


1歳の雌は22日から飛ばなくなり、翼が地面に触れるほど垂れ下がっていた。
飛行中にケージなどに衝突して骨折したとみられ、捕獲後にテーピングで翼を
固定した。


環境省は応急措置として、訓練中の残る17羽にビタミンBを混ぜた人工飼料を
今後約1週間、与えて様子を見る。





http://sankei.jp.msn.com/life/news/110125/trd11012511040095-n1.htm

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[お酒をよく飲む人はビタミンB1不足にご注意!]

(アリナミン元気の雑学   (2011年1月13日公開分)


年末年始は、何かとお酒を飲む機会が増えていくものです。
アルコールの摂取量が増える時期に、「何だか疲労を感じることが多く
なった」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、疲労の原因のひとつである「アルコール摂取とビタミンB1」の
関係についてご説明いたします。



<アルコール摂取量が増えると、ビタミンB1が多く消費されます>
アルコールを摂取すると体内での分解にビタミンB1が消費されます。
たくさん飲めばそれだけビタミンB1も多く消費されるのです。
エネルギー産生に必要なビタミンB1が不足すると疲労を感じるようになり
ます。



<お酒の好きな人はビタミンB1が不足しがちです>
大酒家といわれる人ほど、酒の肴をあまり食べずに飲む傾向があります。
そのため、ビタミンB1摂取量も少なくなるのです。

お酒を飲むと、ビタミンB1の吸収率が悪くなります。



<特にシニア世代はビタミンB1不足に注意が必要です>
平成20年の飲酒習慣がある人の割合は男性35.9%、女性6.4%で、5年前の
男性37.4%、女性6.6%と比較して若干減少しています。

ところが、男性の60代、女性の50代、60代では増加していて、これは、
以前の飲酒習慣がそのまま継続されていることが推測されます。
以前と同じようにお酒を飲んでも、疲れやすさなど加齢とともに変化を感じ
ませんか?
もしかしたらビタミンB1不足かもしれません。
また、年齢とともにビタミンB1の吸収量や保持力は低下していきます。
普段からビタミンB1をきちんと補うことを心がけましょう




<コラム:お酒を飲むと顔が赤くなりませんか?>
アルコールを摂取すると肝臓で「アセトアルデヒド」という物質に分解され
ます。
この物質は体に有害で、食道がんとの関連性が指摘されています。

アセトアルデヒドは「アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)」という
酵素で無害な酢酸に分解されます。
このALDH2は「遺伝」によって型が決まっています。
アセトアルデヒドを分解する力が強い遺伝子(正常型)と弱い遺伝子
(欠損型)があり、「完全欠損型」は日本人の約5%に見られるそうです。
こういう人はお酒をほとんど飲むことができない「下戸」と呼ばれる人たち
です。

両親から受け継いだ遺伝子のうち、どちらかが欠損型である「部分欠損型」
(日本人の 30〜40%)の人たちは、顔が赤くなるけれど、そこそこ飲める
タイプです。
この顔が赤くなるのは、分解できず体内に残ったアセトアルデヒドによって
おきるのです。
お酒を飲むと顔が赤くなる人は、お酒はほどほどにしましょう。





http://alinamin.jp/tired/topics/09.html

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[ビタミンB1と疲れ]

(産経新聞  2009年12月7日/2009年12月21日/2009年12月28日)


12月13日は「ビタミンの日」。
明治43年のこの日、鈴木梅太郎氏が抗脚気因子(後のビタミンB1)を
米ぬかから抽出して学会で発表した。

来年は「ビタミン発見100周年」。


今回は、多忙な師走を乗り切るためにも大切なビタミンB1の働きや上手な
摂り方を紹介する。

ビタミンB1は、糖質が体内でエネルギーに変わる際、不可欠な働きをする。
ビタミンB1が不足すると、細胞でのエネルギー代謝が低下し、疲労を
感じる。

しかし、日本人のビタミンB1摂取量(推奨量は成人男性で1.4ミリグラム)
は、食事からではすべての世代で不足している。
(平成20年国民健康・栄養調査)


血中ビタミンB1濃度が50ナノグラム/ミリリットル未満と低く、疲労感を
訴える「潜在性ビタミンB1欠乏症」は大半の日本人が抱える隠れた問題症状
だ。



<あなたの体にビタミンB1は足りていますか?>
前回触れた通り、大半の日本人が「潜在性ビタミンB1欠乏症」に陥って
いる。
主な症状は「不定愁訴」と呼ばれる疲れやだるさが続くことだ。
疲れは“体の警告信号”でもある。
脚気や中枢神経疾患であるウェルニッケ脳症などのビタミンB1欠乏症の
発症には至らなくても油断はできない。


なぜ、ここまでビタミンB1が不足するのか?
理由はビタミンB1の吸収されにくく分解されやすい性質と、日本人が摂取
する食材にビタミンB1の豊富な食品が比較的少ないことにある。
ビタミンB1は水によく溶けて水道水の残留塩素によって分解され、加熱で
破壊されるため調理でかなり失われる。
また、小腸からの吸収性が低く、一度に大量摂取しても約10ミリグラムまで
しか吸収されない。

そこで疲労を改善するにはビタミンB1剤の補給が有効になる。
次回は吸収しやすいビタミンB1誘導体について触れる。



潜在性ビタミンB1欠乏症などからくる疲れには、ビタミンB1誘導体の
接種が効く。

ビタミンB1誘導体は、体内でビタミンB1に変化して効果を発揮する。
「プロドラッグ」と言われるものの1つ。
水に溶けるビタミンB1と異なり油に溶ける性質があるため、脂質でできた
小腸壁からビタミンB1よりはるかに吸収されやすい。
しかも吸収後、体の組織へよく移行する。

日本人に多発した脚気(かっけ)の治療にもビタミンB1誘導体が大いに貢献
した。

アリチアミンは京都大学の藤原元典教授が、にんにくの成分を調べる過程で
発見したビタミンB1誘導体。
これに改良が加えられてフルスルチアミンが開発、ビタミンB1剤の成分と
して使われている。


ビタミンB1が体内に潤沢にある人は疲れにくく、疲労回復も早い。食事に
よる摂取が基本だが、疲労症状があるときには補助的にビタミンB1誘導体の
ビタミンB1剤を上手に活用したい。




(取材協力 武田薬品工業)





http://sankei.jp.msn.com/life/body/091207/bdy0912070804000-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/life/body/091221/bdy0912210858002-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/life/body/091228/bdy0912280725001-n1.htm

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[ビタミンのはなし(3) ビタミンB1:わが国における脚気の歴史]

(データ・マックス  2010年2月14日)(伊藤仁先生)


高木兼寛と森林太郎の脚気をめぐる論争は、海軍vs陸軍の戦いだけでなく、
高木vs東京帝国大学医学部の戦いでもあった。

高木は、現在でいう疫学研究によって脚気による死者を極限まで減少させ
ことができたのに対し、森が軍医の陸軍では、相も変わらず多数の脚気による
死者を出した。

日露戦争でも、海軍が87名の発症患者にとどめたのに対し、陸軍では25万人
強の脚気患者を発症し、約2万7,000人が死亡している。

高木が、脚気の原因は栄養にあるとしながら、その医学的根拠を理論的に説明
できなかったことは弱点ではあるが、それ以上に、森と東京帝国大学医学部が
高木の成果に対してもう少し謙虚で柔軟な姿勢をとっていれば、こんなにも
多数の人命を失うことはなかった。


脚気の原因をめぐる論争はなかなか終息せず、1919年に島薗順次郎が日本
内科学会での報告以降、脚気はビタミンB欠乏が主因とする見解が主流に
なり、1933年にビタミンB1の欠乏によると報告された。


日本において、脚気による死亡者数は1945年ごろまでに毎年1万人を超えて
いる。
1950(昭和25)年で約4,000人だった。

脚気による死亡者が0(ゼロ)になったのは1960(昭和35)年代に入って
からである。
その大きな要因はビタミンB1の合成が成功し、多種類のビタミンB1製品が
上市されたことによる。

日本では、藤原元典と武田薬品工業が開発したアリチアミン(B1誘導体)が
腸管吸収の良さから広く利用された。


ところが1975年、西日本の高校生に脚気が再発した。
原因は砂糖の多い飲料や食品、そしてインスタント食品などのジャンク
フードを食べていたことに起因している。

21世紀に生きる私たちの食生活は果たしてどうだろうか。
インスタント食品に頼りすぎる生活は、知らず知らずのうちにビタミン不足の
状態を招いているかもしれない。


日本で脚気とビタミンB1の因果関係が論争されていた当時、1920年頃から
1930年代にかけて、ヨーロッパではビタミンCをめぐる発見と合成の時代で
あった。





http://www.data-max.co.jp/kenko/2010/02/post_39.html

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[ビタミンのはなし(2) ビタミンB1:鈴木梅太郎とフンク]]


(データ・マックス  2010年2月8日)(伊藤仁先生)


江戸時代、とくに華美な生活が流行った元禄時代に、江戸を中心に脚気
(かっけ)が流行した。
もちろん、当時は脚気という病名はなく、箱根を越えて故郷に帰るとたちまち
治ることから『江戸わずらい』として江戸の風土病と考えられていた。


明治時代、脚気は結核と並んで2大国民病とされ、年間1万人から3万人もの
死者を記録している。

とくに海軍では被害が甚大で、272日間の遠洋航海で376名中169名(実に
45%)が脚気になり、25名が死亡したという記録が残っている。
海軍軍医の高木兼寛は、その原因を栄養障害ではないかと推測、1884年に
海軍の食事を和食中心から洋食に切り替えた。
そして287日間の航海実験をしたところ、船員333名中、脚気を発症したのは
わずか16名(4%)に激減、死者は皆無であったという。

それに対して陸軍では、相変わらず白米中心の食事で多数の脚気患者と
死亡者を出していた。
陸軍の軍医は森林太郎で、脚気は細菌でひき起こされるものと主張していた。
その結果、とくに日露戦争では、陸軍は脚気によって2万7,000人を超える
死者を出すことになる。

高木兼寛は東京慈恵会医科大学(現在の慈恵医科大学)の創始者であり、
日本最初の看護学校の創立者でもある。

森林太郎は、後の文豪・森鴎外その人だ。


日本だけでなく、アジアでも広く見られる脚気の研究では、オランダの
エイクマンやグリーンスが、白米に含まれる必須栄養素(予防因子)が不足
しているという考えに到達した。


鈴木梅太郎は1910年、米ヌカのなかの栄養素を結晶状に精製し、1912年には
ドイツの学会誌に『オリザニン』という名称で発表した。

前年の1911 年、ポーランドのフンクはこれと類似した物質を「生命に必要な
アミン」という意味で『ビタミン』と名付けて発表している。
フンクは、当時の難病であるクル病、壊血病、ペラグラなどが未知の栄養素
欠乏症ではないかと類推、母国・ポーランドから移住したフランス、ドイツ、
イギリス、さらにアメリカを経て研究生活をつづけたのである。
彼はみごとにビタミンの命名者として歴史に名前を刻むことになった。





http://www.data-max.co.jp/kenko/2010/02/post_35.html