牛乳でおなかがゴロゴロ/乳糖分解の細菌が発酵 | アクティブエイジング アンチエイジング

[<食の泉>牛乳でおなかがゴロゴロ/乳糖分解の細菌が発酵]

(河北新報  2016年02月18日)


牛乳を飲むとおなかがゴロゴロいう人は、日本人、アジアやアフリカの人に
多く、普通のことです。

私たち哺乳類は授乳期には母乳を飲み、母乳に含まれる乳糖を消化する酵素の
ラクターゼ(乳糖分解酵素)を小腸に分泌しています。

ところが大人になると、小腸でラクターゼを作らなくなってしまいます。
そのため、大人になってから飲む牛乳に含まれる乳糖の分解は、腸内細菌の
発酵によって進められ、その過程で作られる炭酸ガスや発酵産物でおなかが
ゴロゴロいいます。

イギリスや北ヨーロッパに住む人は、大人になってもラクターゼを分泌する
人が8割以上だそうです。


昨年暮れのヨーロッパの研究者グループからの報告では、古代人の骨から
遺伝物質(DNA)を取りだして調べたところ、ヨーロッパ古代人のラクターゼ
遺伝子の調節に関わる部分に、約4千年前に突然変異が起こったせいで、
大人になってもラクターゼを作り続けるようになったようです。



(宮城学院女子大教授 矢内信昭)




http://www.kahoku.co.jp/special/spe1158/20160218_01.html