近年、サステナビリティがトレンドであり、会計業界でもサステナビリティ関連情報の開示義務化や公認会計士による保証の義務化が進められています。
ヨーロッパ、アメリカを中心に企業がサステナビリティに対応する責任の認識は強まっており、日本の企業も段々と求められるようになっています。
しかし、特に日本企業は「サステナビリティを進めても自社の利益にならない」という考え方を持つ経営者が少なくありません。
私個人としては、サステナビリティを進める理由には、攻めの理由と守りの理由の2種類があると考えます。
サステナビリティを進める守りの理由
まず守りの理由としては、単純にサステナビリティに関する規制や会計基準に対応しなければ海外だけではなく日本国内でも事業活動ができなく恐れがあるためです。
サプライ・チェーンを含めて対応するという考え方が強くなっており、サステナビリティに対応していない企業は取引先から契約を打ち切られるというリスクもあります。
サステナビリティを進める攻めの理由
一方、実は企業の利益に直接結びつくインセンティブ(攻めの理由)もあると思っています。
社会貢献自体を事業活動に取り入れてしまえば、社会貢献と利益の獲得を同時に達成することが可能になると考えます。
例えば、イーロン・マスクがCEOを務めているTeslaは、電気自動車の開発・販売だけではなく、労働力不足問題解消のためにロボットの開発を進めたり、地球に住めなくなったときの第2の居住地とするため火星へ向かうロケットの開発も進めています。
こういった活動を通して社会問題の解決はもちろん、その活動を魅力的に思ったステークホルダーと規模の大きなビジネスを行うことが可能になります。
サステナビリティを進めることが自社の利益に直結するような事業活動であれば、企業も積極的にサステナビリティに取り組むのではないでしょうか。
社会貢献活動と事業活動を区別して考える必要はない
上述の攻めの理由から従来CSR(Corporate Social Responsibility)として企業が行ってきた、いわゆるボランティア活動のようにビジネスと区分された活動ではなく、事業活動と結びつけられた社会貢献活動が可能になるよう、ビジネスモデルを変革していくことが企業に対して求められていると思います。
以上