本当にあきれたものだ。
「チェックの甘さ」そのものが、そのシステムに組み込まれてしまっているのだからどうしようもない。この状況を見るに、ずっとバカなのは教育行政の方で、犯罪者の知恵に全く追いつけてないというのが良く解る。
偽造された教員免許の写しを採用時に提出したとして、福岡県須恵町立須恵中学校の補助教員の容疑者(66)が逮捕された事件で、容疑者が、教員免許が失効していた約18年間で埼玉、群馬など少なくとも4県の計6小中高校で勤務していたことがわかった。失効した免許の使い回しが発覚した後は、前科の露呈を避けようと繰り返し名字を変えて免許も偽造。採用時のチェックの甘さにつけ込み、教育現場に入り込んでいた。
「チェックの甘さにつけ込み」などと言っているが、この場合「つけ込む」ことより「つけ込まれる」ことの方が問題としてはるかに大きいはずだ。何故、そんな不正行為が可能な「無防備な体制」をずっと敷いたままでいるのか。
以下は、上記以降の記事の内容を、この容疑者の免許の状態を軸として時系列でChatGPTに要約させたものだ。
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最初の取得(1985年)
佐賀県教委から中学・高校(数学)の教員免許を授与。
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最初の失効(2005年)
福岡市立中学校教諭時代に女子中学生2人を買春で懲戒免職 → 教員免許が失効。ただし返納せず、失効免許を保持したまま。
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再取得と再失効(2010年~2012年)
失効から3年後に再取得が可能な当時の制度を利用して2010年に再授与。
しかし2012年に無免許運転で有罪 → 再び失効。
この時も返納せず、埼玉・群馬など複数の学校で勤務。
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偽造免許の使用と再犯(2014年・2017年)
2014年:偽造した教員免許を福岡県教委に提示 → 実刑判決。
服役後3か月で再び、旧免許に別姓の紙を貼って宮崎県教委に提出 → 再実刑。
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今回の事件(2025年)
岐阜県教委の押印を偽造した免許のコピーを提出し採用される。
原本提出要求に応じず、偽造有印公文書行使容疑で逮捕。
免許番号は別人のもの、岐阜県教委の発行事実なし。
普通にこれを咀嚼すれば、容疑者の悪質性云々に輪をかけて「いったい各教育機関は何回騙されたら気が済むんだ?」という感想にならないだろうか。この状況はもはや、「こうしておけば大丈夫だろう」と規定されたシステムがまったく機能していないことを示している。
・失効したのに返納せずに済んでいる
・偽造してもチェックの甘さでバレずに採用される
こんなことが起きる根本原因は、紙の証書を人手で確認するだけという昭和的な仕組みが未だに続いており、チェックと言っても採用担当がコピーを受け取って終わりというケースが少なくないからだ。つまり、悪意ある者に対して「免許の偽造は技術的に難しくない」という安心材料を提供し続けている状況なのだ。
上記で引用したのは読売の記事である。読売は7月に載せた社説でも「わいせつ教員の採用時チェック」について言及しているのだが、いずれも教育行政と同様に、状況の認識が甘すぎる。
政府は26年末から、子供と接する職場で働く人の性犯罪歴を雇用主が国に照会する「日本版DBS」を始めるという。新規採用者だけでなく現職も対象となる。
学校や保育所は照会が義務とされ、学習塾やスポーツクラブといった民間事業者も任意で利用できる。教員の処分歴を確認するDBと併せて、幅広く活用することが子供を守ることにつながる。
国は、二つの制度の周知徹底を図り、活用を促す必要がある。
いかにもな物言いだが、これでは行政の薄い思想から出たテキトーな施策の追認に過ぎない。何が「周知徹底を図り、活用を促す必要がある」だ。教育行政において「子供を守る」を第一に置き、全教員の免許に関する属性および犯罪履歴を完全管理する必要が有るなら、今すぐに利用を提言すべき最も合理的なシステムが既に在るではないか。
それは、マイナンバーカードだよ。
教員免許のステータスと犯罪履歴を、マイナンバーカードのアプリケーションとして統合すべきなのだ。
運転免許証や健康保険証が統合対象とされているのに、より社会的責任の重い教員免許が後回しにされているのは政策上の優先順位として甚だ疑問である。マイナンバーカードに教員免許情報アプリを実装し、
・採用時や転任時にICリーダーで照合
・文科省・都道府県のデータベースとリアルタイム連携
・失効・取消情報も即時反映
といった運用を義務づければ、教員免許の偽造は実質的に不可能となり、加えて更新制の管理や教員資格情報管理も一元化され行政コストの削減にもつながる。保険証や運転免許証でできることを、教員免許でやらない理由はもはやない。むしろこの分野こそ、デジタル行政の優先実装モデルとして早急に手を付けるべきなのであり、必須とも言えぬ保険証のマイナカード化にかまけて放置しているのは明らかに政府の不作為だろう。
また、マイナンバーカードは既に「本人確認」「行政機関どうしのデータ連携」といった機能を備えており、教員や保育士の資格情報と犯罪歴・処分歴などを完全に連動させる基盤が整っている。
たとえばマイナンバーをキーとして、
・文科省・厚労省(資格情報)
・警察庁・法務省(犯罪・処分歴)
それぞれのデータベースを照合する仕組みを構築すれば、採用時にマイナンバーカードをICカードリーダーで読み取るだけで瞬時に適格性チェックが完了する。このようなシステム構築は技術的には極めて容易であり、それが実現されていないのは「出来ないから」ではなく「やろうとしないから」に他ならない。
もちろん、個人情報保護の観点からは慎重であるべき事柄も多いのは確かだが、それこそ「子供たちの安全」というワードに絡めれば積極的に推進すべき事項なのであり、スパイ防止法など、自由思想の基盤に対してよりセンシティブな議論が求められる施策に比較すれば、はるかに進めやすい領域なはずである。
マイナンバーカードは本来、こうした「公共の安全を守るためのデジタル基盤」として設計されたはずであり、児童・生徒の安全を守るための限定的照合という目的に絞れば、社会的合意は十分得られるに違いない。
ヨーロッパでは教育や児童福祉の職に就く際に「無犯罪証明書(Police Clearance)」の提出を義務づける国も多いと聞く。日本でも技術的には同等の運用が可能なはずだが、それでもやらないこの国の教育行政がどれだけ「遅れて」いて「劣って」いるかを、我々国民は強く認識しておく必要がある。