あまりきれいではないですが,中線定理の拡張を考えたので,書いてきます.

 

まずは,普通の中線定理です.

 

 

定理1.(中線定理)

△ABCにおいて,辺BCの中点をMとするとき,

  

が成り立つ.

 

 

とすれば,式はB,Cに関して対称です.

 

次に3等分バージョンです.これは問題集に載っていました.これがきっかけで「中線定理」の拡張を考えてみようと思いました.

 

定理2.

△ABCにおいて,辺BCを3等分する点をD,Eとするとき,

  

が成り立つ.

 

定理2は,中線定理の拡張に違いないですが,

 (あ)中線定理の右辺にあった"2"はどこにいったのか.

 (い)となりそうなのに,

といったギャップがあります.

 

とりあえず,定理2を証明してみます.中線定理を使って証明すると次のようになります.

 

証明.△ABEに中線定理を用いると,

  ・・・①

△ADCに中線定理を用いると,

  ・・・②

①+②より

  □

 

この証明の仕方のまま拡張すると,

 

定理3.

△ABCにおいて,辺BCをn+1等分する点をD_1,D_2,...,D_nとするとき,

 

が成り立つ.

 
証明.B=D_0, C=D_{n+1}と書くことにする.D_kD_{k+1}=d (k=0,1,...n+1)とおく.
△AD_kD_{k+2}に中線定理を用いると,

 

k=0,1, ... ,n-1の和をとると,

 

となり,定理は成り立つ. □
 
右辺は,辺のn等分線?のうち両端のものが残る.