東洋陶磁美術館が改装 | 歴史ニュース総合案内

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 大阪市の市立東洋陶磁美術館(MOCO)が2年越しの改装を終えて4月12日に再開館した。再開記念の特別展「シン・東洋陶磁――MOCOコレクション」が9月29日まで開かれている。

 安宅英一の愛蔵品を軸に1982年に開館した中之島の美術館を改装した。造語を含む四字熟語をつけた13の展示室では、まず韓国(朝鮮)陶磁を見せ、日本の陶磁を挟み、中国陶磁を見せる順序である。今回の改装ではエントランスホールをガラス張りに改築した他、看板の所蔵品「油滴天目茶碗」専用の展示ケースをつくった。自然光に近い紫系のLED照明を励起して茶碗を映えさせている。陶磁美術館には他に「飛青磁花生」(鉄斑を散らした青磁の茶器)という国宝もある。

 

 安宅の寄贈を契機に開館した東洋美術館だが、もとの寄贈品は965件(中国系144、韓国系793)である。数だけなら今回新設された沖正一郎(ファミリーマート初代社長)のコレクションの方が1139件で多い。嗅ぎたばこのための鼻煙壺を中心とするコレクションを百華繚乱の第12展示室にて100点単位で展示することになった。「優艶質朴」と「陶花爛漫」の2つの展示室を持つ李秉昌と並ぶ3大コレクションとなった。