再公開されたマケドニア王国の宮殿跡 | 歴史ニュース総合案内

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 古代マケドニア王国の王宮だったアイガイ宮殿の跡が、1月7日から16年振りに一般公開を再開した。現在のギリシア北部にあった古代ギリシア世界で最大の王宮だ。

 EUから巨額の援助も受け、1400平方メートルのモザイク画区画をはじめとする建築当時の外観を2000万ユーロの予算で復元した。とはいっても復元宮殿を再建したのでなく、各エリアの地面にカラフルなモザイク画が並ぶ修復活動である。中央部には石柱が復元されたが、宮殿は空き地状態だ。

 現在ではテッサロニキ西方のヴェルギナ村にあるこの王宮はペラの前の都だったが、フィリッポ2世の息子であるアレクサンドロス大王が前336年に即位した場である。王国が東方へ進出した後も宮殿は使われ続けていたが、ローマ軍によって前148年に破壊された。ヴェルギナの太陽と呼ばれる意匠がある棺を備えた墳墓があり、ここで暗殺されたフィリッポス2世のものと推定されている。ヘレニズム世界が大王の東方遠征を契機に広まっていっても、マケドニア人はアテナイ等のポリス国家からはバルバロイ(野蛮人)扱いされており、事実王制を維持し続けた。