白昼夢
普段僕は就業時間中プライベートの電話に出ないし掛けないし
ラインにも反応しないし見ることもない。
家に帰っても同様で自分の用事が片付くまで携帯をみることはない。
なんなら着信があったと知らせてくれる
ウルトラマン張りのピッコンピッコン光る点滅が無性に
うっとうしく感じるため うつ伏せ状態にしてしまう。
ただ電話の場合 画面だけは確認するようにして
本当に手がすいた時だけコールバックやラインバックやメールバックをする
片手間で何かをするのが嫌いだから
まとまった時間じゃないと邪険な対応になってしまう
だから仕方がない
とにかく携帯が嫌いなのだ
今朝 会社で事務仕事をしていたら
一番上の引き出しに閉まっている携帯の振動音が聞こえてきた
「ここにいるよー」
「ここにいるよー」
はいはい
いつものようにお構いなしにパチパチパソコンをいらっていたら
今度はショートメール、もしくは留守電を知らせる短めの振動音が聞こえてきた
「ここだってばー」
「ここだってばー」
那覇に来てから連続して携帯が揺れることがないため
何か身内の不幸があったかもしれない
そのための携帯だ
ひと段落して机を開けて こそーと履歴を見ると
MKタクシーの青木さんからだった。
いかん
これは
なんしか急用に違いない
今週末 来沖か?
それともナウか 今夜か?
神戸では海軍将校と一兵卒の関係性だったため
ひたすら昼休みがくるのを待ち
会社を飛び出して 直立不動で電話をかけた
おーりょーすけぐーん
「イエッスサー」
げんきしとるの
「いぇす さー」
と会話をしていると
見知らぬおっさんが僕の横で立ち止まり
なんしか 会釈してくる
気になって会話が成立しないので
しっしっ
と手でコバエを払うようにしたかったが
ここはアウェーの沖縄 向こうが覚えていて
僕が覚えていないだけかもしれないから邪険にはできない
ひょっとしたら会社の超お得意さんかもしれない
でも
電話してるんだから空気を読んでやりすごせよ
と思うくらいに海軍将校と話し続けている間
おっさんは僕の電話が終わるのを待ち続けた
まとまった時間であるはずが
まとわり続けるおっさんのせいで
いささか邪険な態度になってしまっていないか
そんな状態だったので会話がとても不安定になる
まるでご主人との電話中に後ろから間男にちょめちょめされている
昼下がりの人妻のよう。
不安定ながらも青木社長との電話が終わり
おっさんも「やっと終わった」やれやれ的な表情を浮かべながら
僕に話しかけてきた
あらためて顔をみると
推定年齢53
かっぷくがよく体形は舞の海のよう
センスはないが
白いトレーナーがやけに眩い
そんなおっさんだから ますます地主っぽい
であらためて会話を聞いてみると
「さーせん
ここ数日 ご飯食べてないんす
もう着の身着のままで」
とふくよかな顔でぼくに訴えかける
いやーあのー
トレーナー おろしたてですよね?
どうみても新品だし
顔色とてもいいですし
てか恰幅もよいですし
そのまま 食べなくてもいいんじゃないですか?
「いやー 今朝公園で洗ったばっかなんです
最近 千円札も見てないんです」
はぁ 今日の那覇は肌寒い
何で今朝洗ったばかりのトレーナーを着ることができるんだよ
はぁ1000円?
小銭みてんじゃねーか
見栄はってんじゃねーよ
なんのプライドだよ
あまりにも嘘過ぎるルンペン具合に笑ってしまい
いやーさすがに千円はあげられないけど
投げ銭程度の100円くらいなら
と思い 財布を除いてみると10000円札と五円玉しか入ってなかったので
「残念、また今度ね」
と言い残すと
おっさんはナンパに失敗したミナミの若者のように
パチンコで10万スッたにも関わらず
平気な顔して店から出てくる若者のように
無い前髪をかき分け眼前から消えた
完璧すぎる猿芝居にけたけた笑いながら
僕はてくてくスーパーに味噌汁を買いに出かけた。
買い終わり ちょうどジャリ銭が出来たので
おっさんに芝居のギャラをあげようかなぁとその公園に立ち寄ったが
おっさんはいなかった。
たったの3分の間におっさんはあとかたもなく消えていた
あれは
携帯のおばけかウルトラマンだったと僕は信じている
転籍 コケを生じず
昨日はひさしぶりに晴れ間が広まった沖縄だったが
今日は朝から雨。
ここんところ雨ばかりで 沖縄はもう梅雨入りしているのかと思う
それくらいに湿度も高く 今日は朝から汗まみれになりながら
ビルを上りビルを下った。
ふー
汗まみれになり会社に帰るとちょいちょいと社長が僕を呼ぶ
「言いにくいんだけどね・・・
会社の体制を変えるので
申し訳ないけど約束通り 一年でね」
「はい そのつもりです」
約束は約束だから 当たり前の話だし
無理くり受け入れてもらっているので
逆算もしていたし なんのショックも受けないが
当たり前の話に社長には随分と気を遣わせてしまった
何倍ものスピードで那覇を学ばせてもらっているし
絶対会えないような何人もの那覇の主を紹介してもらっているし
沖縄の情報、カルチャー、飯どころも聞きまくったし
金払っても こんなん誰も体験できない
素晴らしすぎる助走期間
そしてお金までいただいて これ以上ありがたい話はない
だからあと3か月 たくさん働いて恩返しをするつもりでいる
ただ難しいのはたくさん働くと
残された人が穴埋めをしなくちゃならない
どんな職場でもそうだけど去り際のこの塩梅がとても難しい
もちろん会社というものは誰が抜けてもまわる まわりつづける
だが 人数が一人減ればペースが狂うのは確かで
結局のところ 手を抜いて徐々にフェードアウトするのが正しいのかもしれない
なんてことを考えたりもする
えらい立場であれば引き継ぎをうまくしてければ仕事は円滑にシフトできるが
雑用係は引き継ぎもくそもないしね
雑用係って大切だよね
そんなことさえ改めて学ばせてもらっている
この職場にはやはり感謝しかない
一方で また環境が変わることに
また 新たな出会いがあることに
なんだかわくわく、そわそわしている
ローリングストーンズ
次行ってみよう
探し物は夢の中
無事 那覇はエスプリでご飯を食べ
恩納村まで高速を飛ばしてもらい
ルネッサンスホテルで部屋飲みをし
朝食を食べ 温泉に行き プールで泳ぎ
北谷のグッデイカフェでお茶をして
宜野湾の田舎で刺身定食を食べ
池パーさんを空港まで見届け
(池パーさん 差し入れからホテル代からいろいろありがとーございました)
家で洗濯をして
RYUBOに会社関係の人へのホワイトデーのボディーソープセットを買いにいき
(元町セレブさんアドバイスありがとー
キエモノという日本語初めて聞いたけど何か切ない日本語ですね)
ニューパラダイス通りのピアチェーレでカルボナーラを食べ
あまりに疲れ果てて帰宅後寝た
で
「5時くらいかなぁ 昨夜お米研ぐの忘れちまった」と
完全に起きたら午前1時
うへ 最悪パターン
これ寝るの四時パターン
早寝早起きというが 僕は早寝をすると
確実に12時くらいに目を覚ましていしまうチョー早起きであーる
それから再び訪れる睡魔を求めて長旅に出る
読書であったり音楽であったり リラックスをひたすら求め
それでも寝られないから朝4時くらいから睡眠薬代わりに寝酒を飲む
でこてちんとなり 浅い眠りにつき
アルコールが完全に残る絶不調の中 朝を迎える
とにかく幼き頃から早寝で得したことは一度もない
だから昔から どこでもいつでも横になったらすぐ寝れて
一度も起きることなく朝を迎えることができる
変身前のコピーロボットのように
はたまた尾っぽを引っ張られたドラえもんのように
眠りを自由に扱えるファンタジスタがとても羨ましく思っている
そういう人って イタリア人のように大概よく笑って よく食べて よく話して
なんちゅーか人生をちゃんとモグモグ咀嚼している人が多い気がする
昔人生の1/3は睡眠です的なキャッチコピーがあった
60歳で死んだとすると20歳まで寝ているという話になる
なんと勿体ない
生まれて物心がついて幼稚園、小学校、。中学校・・・・・・
そしてワールド記念ホールで成人式を迎えたあのころまで
寝ているのだ
あーもったいない
ばちがあたるわ
そんなことを考える僕は質素倹約 合理的なドイツ人のようだ
だから寝られないのか
「午前12時過ぎ」「二軒目」「ベロベロ」
これじゃないと寝れない
僕の睡眠フォーマットは決まっている ますますドイツ人のようだ
ごふぉごふぉごふぉ(イメージとしてはドイツ語話すウオーズマン)
こう書くとイタリア人になれない理由がよく解る
まんまみーや
けぱーれ
WELL
さぁ踊りましょう
夢の中へいってみたいと思いませんか
なんのこっちゃ