2023年6月17日、英国君主の公式誕生日を祝うために開催される伝統的な祝賀式典トゥルーピング・ザ・カラー・セレモニーが開催されました。 チャールズ3世が王位に就いて以来、初めてのトゥルーピング・ザ・カラーの開催です。
イギリス王室のメンバーは現地時間午前11時少し前にバッキンガム宮殿を出発。チャールズ国王(74)、ウィリアム皇太子(40)、アン王女(72)、エディンバラ公爵エドワード王子(59)は軍服を着用され、馬に乗ってホース・ガーズ・パレードに参加しました。
エリザベス女王が式典で馬に乗ったのは60歳になった1986年が最後で、君主が式典で馬に乗ってパレードに参加したのは37年ぶりのことでした。
昨年チャールズ国王は、家族に新たな軍の称号を与えていました。かつてアイリッシュガーズ(アイルランド近衛連隊)大佐だったウィリアム王子は、歴代の皇太子(プリンス・オブ・ウェールズ)に与えられる称号であるウェリッシュガーズ(ウェールズ近衛連隊)大佐に、キャサリン皇太子妃は夫ウィリアム皇太子に代わってアイルランド近衛連隊大佐となりました。キャサリン皇太子妃にとっては初めての軍人称号でした。また、カミラ王妃はヨーク公爵アンドルー王子が公務を引退してから空席となっていたイングランド歩兵連隊のひとつであるグレナディアガーズ(擲弾兵近衛連隊)の大佐になりました。
名誉大佐の称号を考慮すると、アン王女のようにカミラ王妃とキャサリン皇太子妃は馬に乗ってバッキンガム宮殿を出発し、連隊の制服を着てホース・ガーズ・パレードに参加することも可能かと思いますが、お二人はジョージ王子、シャーロット王女、ルイ王子と同乗する馬車での移動を選ばれました。
キャサリン皇太子妃はAndrew Gn(アンドリュー・ジェネ)のエメラルドグリーンのコートドレスに、フィリップ・トレイシーの帽子を合わせました。グリーンのコートドレスは華やかなビジューボタンとサテンのトリムが特徴です。緑色はアイルランドの象徴的な色であり、大佐を務めるアイリッシュガーズにちなんで衣装を選ばれたようです。アイルランドのシャムロックがモチーフのブローチも身に着けていました。
カミラ王妃は一見赤い軍服のようにも見えましたが、グレナディアガーズの制服を彷彿とさせる赤いコートドレスを着用されました。コートドレスには制服と同様に、連隊の記章が付いた肩章と襟が含まれています。
ライフガードの大佐はエド・スミス・オズボーン卿、ブルース・アンド・ロイヤルズの大佐はアン王女です。ケント公爵はスコットランド衛兵大佐です。
王室一家がホースガーズパレードに到着すると、大佐らは軍隊を視察し、その後、馬に乗った200名と音楽隊400名を含む1400名の兵士が集結した軍事パレードにが行われました。
連隊の名誉大佐として、カミラ王妃とキャサリン皇太子妃は他の大佐やチャールズ国王とともにホースガーズパレードに設置された観覧席から軍事パレードを観覧しました。
ジョージ王子、シャーロット王女、ルイ王子は観覧席ではなく、ホワイトホールのバルコニーからパレードを見学されました。
パレードの後、王族達はバッキンガム宮殿へ戻り、宮殿のバルコニーに立ちます。トゥルーピング・ザ・カラーのハイライトは英国空軍の航空機による空中軍事パレードです。
通常の構成でのトゥルーピング・ザ・カラーの最後の祝賀会が行われたのは2019年が最後でした。2019年には広義の王族も含めて42人がバルコニーに立っていました。
エリザベス2世の従兄弟達、その子供と配偶者や孫たちも見られました。2020年、トゥルーピング・ザ・カラーは女王がパンデミック中に滞在していたウィンザー城の中庭で小規模に祝われました。2021年には衛生対策のため、祝賀会もウィンザーで開催されました。昨年2022年にはトゥルーピング・ザ・カラーはゴールデンジュビリー軍事パレードと統合されました。その時バルコニーに立つメンバーはすでに18人に減少、王室の公務をこなす主要王族だけがバルコニーに立ちました。
そして今回はさらに14人に減りました。
これもチャールズ国王が目指す「王室のスリム化」の一環なのでしょうか。
アンドルー王子の娘達、ベアトリス王女とユージェニー王女の出席もありませんでした。
普段の公務では見られない広義の王族達が揃う貴重なチャンスが無くなるのは残念。
アン王女の孫たち(サバンナ・フィリップス、ミア・ティンダル達)、レディー・ガブリエラ・ウィンザー等の姿も見たかったです…
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