〇タイトル

#4  If A Lion Could Speak, We Couldn't Understand

第1巻 p200~256

 

〇分析

★タイトル

p6の目次ではタイトルがIf A Lion Could Speak, We Couldn't Understandとなっているが、p200~201ではIf a lion could speak, We couldn't understandとなっている。因みに、アニメ版のタイトル(全3話のうち最終話)ではIf a lion could speak, we couldn't understandとなっている。

 

★p200~201

見開きカラー。トップ・オブ・ホーンズの長官たちが描かれている。

 

★p202

p74と同じページ。

 

★p203

バルゴは「話が全然見えないんですけど」と話すが、バングナイフは「これから死ぬ奴に死期を教えてやらねェのは せめてもの情けかも知れねえなァ!」と笑う。

脱力した感じで怖がるバルゴ。

 

★p204

新橋とニニーは、バルゴとメイシーをそれぞれ一人ずつブルームバギーに乗せて避難させようと試みるが、バングナイフは「裏ロンドン中から狙われている状態で一体どこに逃げるってンだ?」と語る。

そのとき、メイシーはエリーが近づいてきているのに気づき、バングナイフにそのことを伝えようとする。

 

★p205

上空からバングナイフたちのいる地点に向かって襲いかかるエリー。バングナイフは「悪りィな オメーにはもう用は無ェんだ」と語り、エリーを殺そうとする。

 

★p206

しかし、バングナイフの攻撃を察知し、エリーは姿を消す。これは透色竜鱗(ステルス・スケイル)という術であり、通常のドラゴンが使えるような魔術ではない。ニニーはp158でメイシーとエリーを見た時のことを思い出す。どうやら#2のタイトル「Ghillie Suit」は透色竜鱗を指していたようだ。

 

★p207

エリーは自分の手の部分だけを発現させ、リッケンバッカーの翼に攻撃する。

2コマ目を見ると、エリーの手の指が6本であることが分かる。

3コマ目を見ると、(4羽の翼をもつ)リッケンバッカーの翼のうち1羽がエリーの攻撃を受けていると分かる。その1羽の翼には6本の線のような攻撃が見られる。

 

★p208~209

見開き。エリーが完全に覚醒し、本来の姿を見せている。手と足は6本指となっている。背景は月と雲を浮かべた夜空である。

 

★p210

新橋たちのいる場所の近くにある時計台に乗るエリー。5コマ目と6コマ目を見ると、リッケンバッカーの翼に6本の傷が刻まれていると分かる。

 

ニニー「何あれ?形も大きさも全然変わってる……どうなってんの…?」

新橋「…恐らく 月光で羽化したんです」

ニニー「…何よそれ それじゃまるで―」

バングナイフ「そう”まるで”だ」「透色竜鱗」「月光で羽化」「そして”6本指”だ」「間違い無えこいつは」

 

★p211

バングナイフ「童話竜(メルヒェンズ)だ」

 

★p212

バルゴ「メ…童話竜(メルヒェンズ)ってなに…?」

新橋「裏ロンドンの誕生以前から存在すると言われている童話になぞらえて名付けられた7頭の竜です」

 

新橋はp111で「ドラゴン1体」と言っているので、通常のドラゴンの助数詞は「体」で、童話竜の助数詞は「頭」という使い分けがあるのだろう。

 

★p213

「スノーホワイト」は『白雪姫』、

「レッドドレス」は『赤ずきんちゃん』、

「ゴールデンアックス」は『金の斧・銀の斧』、

「バブルズ」は『人魚姫』、

「シュガーハウス」は『ヘンゼルとグレーテル』、

「バンド・オブ・アニマルズ」は『ブレーメンの音楽隊』というように、いずれも童話が題材となっている。

 

新橋「そして月光で羽化して夜の間だけ成竜になると言われるのが―『シンデレラ』」

 

★p214

メイシー「シンデレラ―…」

新橋「名前の由来は夜間のみ成熟する特殊な生態と 興奮すると撒き散らす”星灰”(スターアッシュ)と呼ばれる粉末にあります」「その粉末に触れると―」

 

★p215~216

見開き。BLEACHで多用されたドドドドドドドドドの効果音と共に、シンデレラ(エリーの完全形態)が立っている時計台の周辺の建物が爆破されていく。時計台は11時53分頃を指している。圧倒されるバルゴとメイシー。バルゴのパーカーにオスシちゃんが隠れているのに注意。

 

★p217

新橋「全てのものは光に包まれる―…と辞書には書いてありました」

ニニー「なにキレイに言ってんのよ!!爆発じゃん!!!」

 

新橋はニヒルな笑みを浮かべている。

 

 

★p218

バングナイフは「バルゴ・パークス!!!テメーの討伐は後回しにしてやる!」「童話竜」「ダークドラゴンの始祖」「邪竜指定」「永久討伐対象」「存在不詳の人類の敵」「まさか この目で見られるとはな…」「ゾクゾクするぜ」と言いながら、マスクを顔に装着し、戦闘に備える。

 

★p219

ニニー「まって」「あんたまさかアレと戦う気!?」

バングナイフ「バカ言え」「”戦う”んじゃねェよ”殺す”んだ」「手柄上げンならこれ以上無え相手だろ」「ジャマすんじゃねェぞクソガキ」「3枚でいけるか?リッケンバッカー」

リッケンバッカー「ガウッ」

バングナイフ「いい子だ」

 

「3枚でいけるか」というのは、4枚(4羽)の翼を持つリッケンバッカーが、その4枚のうち1枚の翼をシンデレラによって負傷させられたことを指している。

 

★p220

ニニーはたった一人でシンデレラに立ち向かっているバングナイフに動揺しつつ、正攻法(WB本社に増援要請)でシンデレラに対処しようと新橋に提案するが、新橋は「バルゴさんの害竜指定が切れたわけじゃないです」「増援要請なんかしたらバルゴさん殺されます」と言い、増援要請に反対する。

 

★p221

ニニーは「そっ…そうだけど本社だって緊急時にそんな―」と言いかけるが、星灰が生物かのような動きで自分らの方へ近づいてきていることに気づき、急いでその場から避難する。新橋らが立っていた場所は星灰によって爆破される。

新橋はバルゴとオスシちゃんをワーズワースに乗せ、ニニーはメイシーをマーシャルに乗せて避難している。

 

ニニー「何なの!?星灰って生きてんの!?」

新橋「知らないです!」

ニニー「辞書の情報はァ!?」

新橋「童話(メルヒェン)なんて名前ついてるドラゴンですよ!辞書にある情報なんて伝説だけです!」

 

アニメ版では「メルヒェンズなんて名前がついているドラゴンですよ」になっている。

 

 

★p222

リッケンバッカーに乗っているバングナイフは腰にあるスプレー缶を取り出す。

 

★p223~224

「INKS RED」と書かれたスプレー缶をリッケンバッカーの翼に向かって放出し、「解放番号(リリースコード)0575」「解錠(アンロック)!!」「来い!」と言いながら、「大喰らいの影」(ハンガーシャドウ)という技を発動する。魔陣隊(インクス)の語源はINK(インク)。

赤色のインクがついた翼から黒一色のモンスターらしきものが出現し、シンデレラに攻撃する。

 

★p225

このページの2コマ目の「喰い千切っちまえ!!!」という発言については、p227の4コマ目を参照。

また、このページの4コマ目でシンデレラは目を開いている。

 

★p226

シンデレラは「大喰らいの影」(ハンガーシャドウ)に攻撃し、瞬殺する。

 

★p227

バングナイフは、やって来た新橋とニニーに共闘を求める。

 

バングナイフ「『シンデレラ』は額の冠状(かんむりじょう)のツノを砕けば殺せる!」

新橋「ただのそういう言い伝えじゃないんですか?」

バングナイフ「おとぎ話と戦ってんだぞ!言い伝え以外 何に頼れってんだ!?」

 

★p228

バングナイフ「オマエらの援護で倒せたら オマエらの評価もブチ上がる」「そしたら魔陣隊に取ってやってもいいぜ」

ニニー「別にそういうの」

新橋「頼んだ覚えないです」

バングナイフ「ホント ムカつくな オメーら」

 

4コマ目でバングナイフと新橋とニニーは別の方向へと離れて行っている。

 

★p229

マジック#68「スパーナル・ジェイル」を発動する新橋とニニー。

 

★p230

新橋とニニーはシンデレラの立つ時計台の周りに檻(まさに英語で言うjail)のような構築物を発現させる。

3コマ目で時計台の時計は11時56分ごろを示している。p215~216の時刻よりも数分ほど進んでいる。

 

★p231

バングナイフは「よくやったガキども!!」と言いながら解放番号2028を解錠(アンロック)させ「強欲の帷」(グリーディカーテン)という技を発動させる。この「」という漢字は訓読みでは「とばり・かたびら」と発音する。

このときアニメ版では、バングナイフは緑色のインクのスプレー缶を使っている。

 

★p232

アニメ版と照らし合わせると、「JUST CHOKE YOU(単にお前を窒息させるだけだ)」という文字が現れているのが分かる。

 

★p233

「強欲の帷」(グリーディカーテン)という技は、アニメ版での説明によると、包んだものの一切を逃がさないという性質を持つとのこと。

つまり、シンデレラが爆破攻撃をしかければ、その攻撃がシンデレラ自身に返ってくるということ。

 

★p234

バングナイフは「テメーの爆発じゃテメーは死なねェってかバケモンがよ…」と語る。新橋も同感な様子。それを聞いたニニーは「チートじゃん」と本音を漏らす。

 

★p235

シンデレラが突然メイシーらのいる方に向かい始める。

 

★p236

シンデレラの接近に備えて魔防壁を発動させる新橋とニニー。それを見たメイシーは「まって!!あたしに会いに来てるのかも知れない…」「やっぱり殺す以外の方法って…」と話す。

ニニーは「メイシーあんた まだそんな事言って」と叫ぶが、そう叫んだ影響で集中が少し切れてしまう。

因みに、標準的な日本語の文法では、形式名詞の「事」は「こと」と平仮名表記されることが多い。

 

★p237

集中力が落ちていたため充分に魔防壁を敷けなかったニニーは、シンデレラの攻撃を完全に防ぐことが出来ず、倒れてしまう。

メイシーは「ニナちゃん!」と叫ぶ。

メイシーはシンデレラ(エリー)に対して「まって!!やめてエリー!!」「あたしがわからないの!?」と叫ぶ。

メイシーは「エリー」と、シンデレラが羽化する前の名前で呼びかけるが、星灰を分泌し始める。

 

 

★p238

星灰により爆発が生じている状況を、新橋とニニーは魔防壁で防御する。メイシーは涙を流しかけている。

 

ニニー「…だから…ムリだって言ってんでしょ…あんたがどれだけ好きだって……通じない相手にはどうやったって通じないの…」「いつまでそんなこと言ってんの…あの子が自分に力をくれるだとか…あの子が特別なところへ連れてってくれるだとか…おとぎ話みたいなこと言わないでくれる…?」

 

メイシー「…ニナちゃ…」

 

 

★p239

ニニー「おとぎ話なんてクソでしょ」「あんな途中で解ける魔法の何がいいの」「約束破ったからしょうがないとか」「時間を過ぎたからしょうがないとか」「何がしょうがないのバカみたい」「あんたも誰も魔法が解ける本当の理由なんかわかってない」「魔法が途中で解けるのは」

 

 

★p240

ニニー「それが自分の力じゃないからよ」「メイシー あたしたちは」「魔法をかける側でしょ」

 

1コマ目で描かれているニニー、2コマ目で描かれているメイシー、3コマ目で描かれている新橋。この3名はみな「表ロンドン出身だがドラゴンを見ることが出来る人間」である。

 

 

★p241

前のページとは一転してコミカルなタッチに。6コマ目ではオスシちゃんがバルゴの耳を舐めている。

 

新橋「来ます!ニニーちゃん!」

ニニー「オッケー!やってやろうじゃないの!」

バルゴ「ノエルちゃん!俺にできることは!?」

新橋「ないです」「もらった笛(パイプ)でもにぎってすみっこで震えててください!」

バルゴ「身も蓋もなし!!」

ニニー「わかったらさっさとさがる!」「オスシにケガさせないでよ!」

バルゴ「わかってるよッ!!いっしょにおとなしくしてようねオスシちゃ…」

 

 

★p242

バルゴの握った笛から剣らしきものが出現。あっけに取られるバルゴ。

1コマ目を見ると、オスシちゃんに小さなハネが生えているのが分かる。このハネは、前のページでは生えていなかった。

 

★p243

1コマ目を見ると、オスシちゃんが微笑んでいるのが分かる。#1のp105~106によると、オスシちゃんにハネが生えるのは「バルゴに危機が迫っている時」などであるという。

バルゴの笛から生じた剣をじっと見つめ始めるシンデレラ。

 

★p244~245

見開き。遥か遠くから光線のような攻撃があり、シンデレラの額の冠状(かんむりじょう)のツノが破壊される。

 

★p246

攻撃はWB本社からだった。

 

★p247

攻撃をしたのは何と主任であった。

時間帯が夜から朝に移行する。

 

★p248

本社に戻った新橋とニニー。

 

新橋「なんであたしたちの報酬がゼロなの!?」

主任「ゼロじゃないでしょ よく見てホラ」

ニニー「5ポイントと5ポンドってゼロみたいなもんじゃん!伝説のドラゴン退治してコレって納得いかないでしょ!!」

主任「あんだけの物損 差し引いてマイナスになってないんだから凄いでしょ」「そもそも止め刺したのはバングナイフ長官ってことになってるけど?」

ニニー「はあ!?」「何それ何なの あいつでもないっての!!」

主任「”も”ってことはキミらでもないってことね」

 

「5ポイントと5ポンドってゼロみたいなもんじゃん」の「ポンド」は(表ロンドンの方ではなく)裏ロンドンの方の通貨記号が使用されている。

「あいつでもないっての!!」の「あいつ」はバルゴを指すと思われる。

 

 

★p249

戦術隊への異動に関わるとみられるポイントがあまり得られず、しょんぼりするニニー。

ポンドがあまり稼げず、しょんぼりする新橋。

 

主任「ま そんなわけで”シンデレラ”の死骸は開発隊(パッチワークス)が回収・保存」「それからホイ 入って 入って」

 

メイシーが登場する。

 

ニニー「メイシーじゃん!!!何これ またウチで保護するとか言うんじゃないでしょうね!?」

主任「おわっ するどいねー」「そうです彼女(メイシー)も軽度のドラゴン憑きであることが判明したのでウチで保護することになりましたー」

ニニー「あんたの感想 聞いてないわ!!」

メイシー「楽しくなりそうだねッ ニナちゃん♡」

ニニー「主任と感想シンクロさすな!!あんたちゃんと事情わかってんの!?」

新橋「あのー主任・・・」

 

 

★p250

新橋「バルゴさんはどうなるんですか?」

主任「お そうだ そうだ」

 

舞台が竜頭議場に移り、魔陣隊(インクス)長官のバングナイフと人事神罰隊(ギャロウズ)長官のウルフギャング・スラッシュハウトが向かい合っている。

バングナイフはウルフギャングに「バルゴ・パークスの害竜指定解除申請」を行っている。

 

 

★p251

ウルフギャングは「確かに調査によれば―バルゴ・パークスはメイシー・バルジャーに2ゕ月前に接触している」「そのことが今回”シンデレラ”が現れる引き金となったのであれば彼(バルゴ)を生かす理由としては充分だ」「彼が―童話竜討伐の切り札となるのであればな」と語る。

p192の伏線が回収されている。アニメ版ではより分かりやすい描写となっているが、バルゴは2ゕ月前にメイシーに傘をプレゼントしている。

メイシーがエリーを発見したのは、バルゴと接触した直後と見られる。

 

★p252

バングナイフがp198で言っていた「器物損壊」「対人戦闘行為」「魔器使用規定違反」等の罪状がWB内でどう処理されたのかは作中で言及されていない。

戦術隊長官のサリバン・スクワイアがWB本社内で歩いている。

 

★p253

サリバン・スクワイアは窓に穴が空いているのを見て、主任(ビリー・バンクスJr)がシンデレラ討伐に貢献したと察知し、「Jr(ジュニア)め」「買い被りでは無かったようで安心したぞ」「英雄の息子」と呟く。

「買い被りでは無かった」のこの「無かった」は助動詞「ない」と助動詞「た」の結合なので、標準的な日本語の文法では「なかった」と平仮名表記されることが多い。

 

★p254

バルゴは新橋と会う。

バルゴは「主任にマントと笛(パイプ)を回収された」と新橋に話す。

新橋はバルゴを抱きしめる。

 

 

★p255

バルゴ「え…?ノエルちゃん…え?」「なんかいやなことあった…?」

新橋「ないです」

バルゴ「じゃあ なんかいいことあった…?」

新橋「…はい」

バルゴ「へへへ…」「よかったね…ノエルちゃん」

 

新橋がバルゴを抱きしめているのを窓からオスシちゃんとプランティポッティが見つめている。

「いいこと」というのは、バルゴの害竜指定が解除されたことで、バルゴが殺されずに済んだことを指す。

 

 

★総評

タイトルは和訳すると、「もし獅子が話せたとしても、我々は理解出来ないだろう」となる。

これはp238の「…だから…ムリだって言ってんでしょ…あんたがどれだけ好きだって……通じない相手にはどうやったって通じないの…」という発言を踏まえているが、実はオーストリア出身の哲学者ヴィトゲンシュタインが『哲学探究』で述べた“Wenn ein Löwe sprechen könnte, wir könnten ihn nicht verstehen.”という一文に由来する。

ウィトゲンシュタインが述べているのは「獅子が英語やドイツ語や日本語などの言語を話すことが出来たとしても、我々人間は獅子が何を基準にして行動し、生きているのかが分からないので、獅子の言葉の意味を理解することが出来ない」ということである。

逆に言えば、もし魔女/魔法使いが童話竜の行動原理を理解することが出来たのならば、メイシーがp236で言う「童話竜を殺す以外の方法」もありうるのではないかと、筆者は考えた。もちろん、この考察は『BURN THE WITCH』シーズン2がまだ公開されていない2020年10月現在の私見に過ぎない。

 

時計台で表示される時刻が深夜0時(午後12時)に向かうにつれて、シンデレラが討伐されていく展開は、童話『シンデレラ』で主人公シンデレラの魔法が午後12時にとけてしまうのに対応している。

竜を見る者(ウォッチャー)は動詞watchの名詞形だが、watchとwitch(魔女)はスペルが酷似している。

 

また、魔女(ニニーや新橋ら)はブルームバギー(Broombuggy)に乗っているが、1987年に『ヴィトゲンシュタインの箒』(原題:The Broom of the System)という小説が発表されている。

因みに、シンデレラというテーマは久保の長編連載デビュー作「ZOMBIEPOWDER」のアッシュドウタ―窃盗団でも取り上げられている。

 

p249でメイシーが軽度のドラゴン憑きであることが判明したが、バルゴと比べて軽度なのは、10年近く覆面竜と接触していたバルゴと違ってメイシーは2か月ほどしかドラゴン(エリー)と接触していなかったからだと考えられる。「ドラゴンが人間に接触し続けると、徐々にその人間の持つ負の感情を吸収し、ダークドラゴンと化してしまう」と#0.8のp40に書いてあるが、オスシちゃんの覆面竜がダークドラゴンと化したのもバルゴとオスシちゃんの邂逅から2か月ほど経ってからである。

バルゴの負の感情は「新橋のパンツを見たい」という模範的とは言えない欲求、もしくは「ノエルちゃんのパンツが見たいのに見られない」という不満といったものであり、メイシーの負の感情は「アイドル活動でのストレス」や「アイドルグループを辞めたら何者でもなくなるのではないか」という恐怖といったものであったと考えられる。