2021年8月1日投稿記事より
皆様 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
今日から八月に入りましたね!
皆様 暑中お見舞い申し上げます。
八月は葉月(はづき、はつき)と言い、葉が紅葉して落ちる月「葉落(はおち)月」から「葉月」となったいわれています。
葉が落ちるのは秋では?と思われるかもしれませんね。
旧暦では、8月は秋なのですよ
それでは今月の俳句を一句
「 へなへなに こしのぬけたる 団扇かな 」久保田万太郎作
意味:あまりの暑さに使いこなされたへなへななうちわがある
8月の暑さをしのぐ道具である団扇があまりの暑さに大活躍でへなへなになってしまった光景です。
さて今月の「御朱印・法華経二十八品の心」は法華経【薬草喩品第五】をご紹介いたします。
以前ご紹介しました法華七喩の一つである、三草二木(さんそうにもく)の喩えのお話しが出て来ます。
薬草喩品第五の大意
信解品第四において、須菩提(しゅぼだい)・迦栴延(かせんねん)・摩訶迦葉(まかかしょう)・目連(もくれん)の四大声聞は妙法蓮華経の教えがどういうものなのかを「長者窮子のたとえ」をもって、自分たちが理解した内容を示しました。これに対し、四大声聞の理解が正しいことを、お釈迦様は別の内容とたとえをもって教えられたのが「薬草喩品」なのです。
私達が自然界に目を向けた時、そこに生育する草や木は、大小さまざまの姿で生きていますね!それは差別ではなく、性分や因縁によって違っているのです。しかしその草木に与える雨の恵みは平等であります。
これと同様に、四大声聞はいままで各々自らの違いに目をむけていたのです。自らの苦しみや悩み、知恵の大小ということにとらわれていたのですが。実はそうではなく、各々の違いに対して平等に与えられてきた教えに目をそそぐことが仏になる妙法だったのです。
平等大慧(びょうどうだいえ)一乗妙法(いちじょうみょうほう)とは違いに中にあって自分はどのように悟らせて頂いているかということなのです。
三草二木(さんそうにもく)とは・・・
仏様が一切衆生を見る眼は平等であり。どんな人に対しても区別したり、えこひいきしたりしない。
経文は後半の偈文(げもん・四文字の詩の部分)に於いて三草二木の説明があります。
薬草に小・中・上の三草、小・大の二木の違いがあっても、雨に潤うとすべて育って薬用になるように、衆生にも素質、能力の差があっても仏の教えを受ければ悟りに入ることができるのです。
小の薬草とは、人間界の天輪聖王(てんりんじょうおう)や、天上界の帝釈天、梵天(ぼんてん・インドの神ブラフマンのこと)など。中の薬草とは、山林で修行し、縁覚(えんがく)の悟りを得たもの。上の薬草とは、仏に成ることを目指して精進し修行にはげむ者です。
薬草に三種があるように、仏の教えを聞いて修行しても、天上界や世間の王、仏弟子である声聞(しょうもん)や縁覚の二乗、菩薩の三種の人になるのです。
木にも二種あり、小樹とは仏子(ぶっし)であり。仏に成れることを確信して仏道を修行し、常に慈悲を行いにしている者のことです。大樹とは同じく菩薩であり、どんなことがあっても不退の決心をもって教えをひろめ、限りなく衆生を救う菩薩の事を言います。
ここで上の薬草と、小樹と大樹に菩薩が三種出てきますが、この菩薩の違いは天台大師によると、「お釈迦様のご一代の説法を蔵教(ぞうきょう)・通教(つうぎょう)・別教(べっきょう)・円教(えんぎょう)の四つの段階で見ると、上の薬草とは蔵教の菩薩、小樹とは通教の菩薩、大樹とは別教の菩薩にあたる」と述べられています。
今回の教えは・・・
現 世 安 穏
後 生 善 処
(現世安穏にして 後に善処に生ず)
仏様の教えである法華経を聴聞したことによって生きている間は幸せな時間を過ごすことができ、亡くなった後も素晴らしい世界に生まれ変わることができると説かれています。
皆様も今生だけではなく来世も幸せになられますように♪
(参考資料)妙法蓮華経薬草喩品第五 抜粋
爾時世尊。告摩訶迦葉。及諸大弟子。善哉善哉迦葉。善説如来。真実功徳。誠如所言。如来復有。無量無辺。阿僧祇功徳。汝等若於無量億劫。説不能尽。
(訳)爾の時に世尊、摩訶迦葉及び諸の大弟子に告げたまわく、
善哉善哉、迦葉、善く如来の真実の功徳を説く、誠に所言の如し。如来復無量無辺阿僧祇の功徳あり。汝等若し無量億劫に於て説くとも尽くすこと能わじ。
是諸衆生。聞是法已。【現世安穏。後善処生。】以道受楽。亦得聞法。既聞法已。離諸障碍。於諸法中。任力所能。漸得入道。
(訳)是の諸の衆生、是の法を聞き已って、現世安穏にして後に善処に生じ、道を以て楽を受け、亦法を聞くことを得。既に法を聞き已って諸の障碍を離れ、諸法の中に於て力の能うる所に任せて、漸く道に入ることを得。
彼如大雲。雨於一切。卉木叢林。及諸薬草。如其種性。具足蒙潤。各得生長。
(訳)彼の大雲の一切の卉木・叢林及び諸の薬草に雨るに、其の種性の如く具足して潤を蒙り、各生長することを得るが如し。
我雨法雨 充満世間 一味之法 随力修行
彼如叢林 薬草諸樹 随其大小 漸増茂好
(訳)我法雨を雨らして 世間に充満す
一味の法を 力に随って修行すること
彼の叢林 薬草諸樹の
其の大小に随って 漸く増茂して好きが如し
如是迦葉 仏所説法
譬如大雲 以一味雨 潤於人華 各得成実
迦葉当知 以諸因縁 種種譬喩 開示仏道
是我方便 諸仏亦然 今為汝等 説最実事
諸声聞衆 皆非滅度 汝等所行 是菩薩道
漸漸修学 悉当成仏
(訳)是の如く迦葉 仏の所説の法は
譬えば大雲の 一味の雨を以て
人華を潤して 各実成ることを得せしむるが如し
迦葉当に知るべし 諸の因縁
種々の譬喩を以て 仏道を開示す
是れ我が方便なり 諸仏も亦然なり
今汝等が為に 最実事を説く
諸の声聞衆は 皆滅度せるに非ず
汝等が所行は 是れ菩薩の道なり
漸漸に修学して 悉く当に成仏すべし
本日も長文を最後までお読みいただきありがとうございます。
感謝 合掌南無妙法蓮華経
皆様方には暑い時節柄、体調管理を怠らず、熱中症、コロナ等に負けずにお元気でお過ごし下さいます様にお祈いたします。