over その後
一方的に交際の終焉を告げるような内容のメールをもらって
お元気で、と返事をして
その後
深夜の電話には出ませんでしたが
翌朝また電話のベルが
休日だったので寝坊中のわたしはまだ布団の中にいたため
息子が受話器を取り上げました
そして黙ってわたしのところに持ってきたので
寝転がって目を閉じたまま受話器を耳にあてました
hello?
I'm Pierre, He-ll-oooo!
この、何事もなかったかのような明るい声は一体?
I'm so sorry, I was upset because I was under the influence of some medication.
It affects my mood very much and makes me easy to get upset.
It makes me too fast in my reactions, something that can be very unfortunate.
Monday, I will call my doctor and I will ask him to change these pills.
It is ok now.
なんですか?薬のせいで怒りっぽくなっていたと?
それで別れると言ったわけ?
ソーリーで済むと思っているの?
言い返す気も失せて黙っていると
Can you be online?
チャットする気になんて全くなれないので
「ノー」と返事をすると
わたしがちゃんと聞き取れなかったと思ったのか
Can you chat with me today as usual?
「ノー」
質問の意味がわからないのじゃなくて
チャットはしないのですよ
なんでしょう
このすれ違い感
自分が悪かったと謝りつつも
それは薬のせいだったと説明を続ける彼
別れるつもりはさらさらなくて
今は怒ってないから安心していいよ、としきりに繰り返す
わたしが悲しかったのは
わけも分からずあっという間に腹を立てられたことではなくて
(誤解や行き違いならどんなときでももありえることです)
たとえ怒りに任せてであれ
やすやすと別れの言葉を持ち出されたこと
ましてや
まだ怒ってるんじゃないかと心配しているわけではありません
メールをくれたら返事します、と言って
電話を切りました
ハア~
また的外れなメールがきそうな気がする…
残念ポイント
ここのところしばらく
英語でのコミュニケーションについてあれこれ考えています
この恋愛をする前までは
外国人と英語で会話をして
多少なりとも意思の疎通がはかれることは
ただ単に楽しいし世界が広がって嬉しいと思っていました
わたしにとって海外旅行の楽しみのひとつは間違いなくその点です
でも個人的にお付き合いをすることになって
当たり前ですが会話のボリュームは爆発的に増加
順調に話が進んでいるときは何も問題なくても
ふとしたときに投げ出したくなる、というのは
初めての経験です
それは主に
言葉や単語の内容ではなく
話の主旨をわかってもらえないとき
つまり
言っていることの背景となる
気持ちの部分を理解してもらえなかったとき
伝えたいことを言葉にする段階で
ある程度の苦労をしているのに
トンチンカンな返事が返ってくると
①彼の言い分に対して一応コメントをする
②その上で、でもわたしが言いたいのはそういうことじゃない、と伝える
③さっき言った同じことをもう一度よりわかりやすい別の表現に直して言う
という作業が面倒くさくなってしまうわけです
これが面と向かっての会話ならまだしも
キーボードをたたくとなると時間もかかるし
二度手間を避けるためにより適切な単語を探そうとして
余計な労力も使ってしまいます
わかってもらいたい、という気持ちと
そのための労力を天秤にかけて
さらに、その話を続けることで予想される
更なる討論にちょっとうんざりして
時として「伝えること」のほうを諦めることも
それからもうひとつ
どうして相手がそんなふうに言うのか理解に苦しむときも同様です
話の展開は一時棚上げとなり
①どうしてそんなことを言うのかわからない
②もしも、こういうふうに考えてこういうふうに言うのなら理解できる
③でもあなたはこういうふうに言うのでそれが何故なのか理解できない
と会話の反復を含めた長文でなければ
そこのところを確認できません
何度かに1回は
ため息とともにキーボードから手を降ろしたくなっちゃう
あらゆる人間関係においてと同じで
いつでも100%の相互理解を求めることは不可能だと思います
だから
ときどき「しない」ことを選択するのも駄目だとは思わないのですが
良いにしても悪いにしても
自分の中に残念ポイントがたまってしまうこと自体が
問題なのかな?
over
チャット中に怒ってさっさとログアウトしてしまった彼
そのあとでメールが届きました
なにやら自分の過去の苦しみを否定されたとかで
たいそうご立腹
そんなこと一言も言っていないのに…
最後に捨て台詞
It is over between us
Go your way
over ってゲーム・オーバーのオーバー?
「love is over~ かなしいけれど終わりにしよう きりがないから~」
のオーバーよね?
いくら腹を立てているからと言って
あんまりじゃないの
どう冷静に考えても
そこまで言われることを言ったつもりはありません
心の中で
きっと後で謝ってくるであろう、という自惚れた気持ちと
これで本当に終わりになるのかしら?という不安が入り混じり
返事を書きながらいろいろ考えました
もし相手が後悔してるなら
相手の言い分に反論したり非難したりしたくないし
もしこんなことで別れることになるのなら
そもそも縁がなかったということで
わたしにも未練はありません
とりあえず
相手の怒りに満ちたメールのなかで
正確に理解できなかった文脈について
こういう意味なのかそれともこうなのかわかりません、と記して
あとは
また誤解されるかと思うともう説明できません
ご多幸をお祈りします
今までいろいろありがとう
というだけにとどめました
もしもこれで最後なら、と思ったときに
心のどこかでちょっとだけホッとしたりして……
深夜にメールを送信して
ふとんに入って本を読んでウトウトしてきたときに
居間で電話のベルが
もう遅いし眠いし寒いから出ないけど
これはやっぱり
この国際遠恋、まだ続くのか?