先日の「奈良公園の鹿たちはお腹をすかせている?」の記事の続きで、今日は「観光客が減り、鹿せんべいをもらえない鹿たちがお腹を空かし怒りやすくなっているのか?」をまとめます。

 

鹿たちが空腹のストレスから怒りっぽくなっているといった内容が書かれている記事ですが、

この「記事」には、鹿愛護会公式アカウントに「『鹿が飢えている』『狂暴化している』といったことはありません」と訴えるツイートの投稿が書かれてあります。

 

一方、こちらの「記事」には、鹿せんべいを販売する女性店員は、「普段なら、多くても1人に5~6頭ですが、今は15~20頭が集まっていますね。お腹がすいているようで、がっつき具合がまったく違ってきました」と話しており、「空腹になったシカが1人に群がり、飛びついたり、服を噛んだり、尻に頭突きをしたりするというのです」と書かれてあります。

 

わたしが奈良公園へ行った日、その時間観察場所にいた鹿たちは、人に飛びついたり、服を噛んだりお尻に頭突きなどはしていませんでした。

 

 

鹿せんべいを持つ人に鹿たちが、「せんべいほしい!」と尻尾を浮かせ駆け寄っていました。

 

我が家の鹿のすぐるちゃんとのぞみちゃんは、食べ物を見て尻尾を浮かせたり、立たせたりするのはミルクを飲むときや大好物の食材を食べるときです。

 

記事に書かれていたせんべい販売店員の言っていたことは、わたしの観察からもわかりました。

せんべい販売所付近には他の季節に見学に行ったときより多くの鹿が集まり、せんべいを買った人を速足で追い、鹿たちは懸命に「せんべいちょうだい!」と訴えていました。

 

「せんべい食べれる!」という気持ちが強くあるので、尻尾がピンッと上がっています。

 

鹿たちは、とてもお腹が空いているにもかかわらず、早くせんべいをほしい気持ちを落ち着かせながら人に礼儀正しくその気持ちを伝えていました。

 

 

鹿たちの状況や気持ちを想像するとつらくなりますが、つらく苦しんでいるのは鹿たちで、その苦しみはわたしには計り知れないものです。

見るに耐え難い鹿たちの姿です。

 

コロナウィルスで観光客減少したことによる鹿たちの記事のほとんどに「鹿が狂暴化している」「狂暴になっている」と書かれてあります。

 

この「狂暴」という言葉はおもに人間以外の動物たちに言われており、この使われ方は人間が人間以外の動物たちへ抱いている偏見からの言葉であると思います。

「人が狂暴化している」とは言いませんよね。

 

狂暴は「狂ったように暴れるさま。常識にはずれて乱暴なこと」(広辞苑)、ということですが、鹿たちがこのようになることはほぼないのが本来です。

鹿たちが暴れたり、大きく激しい動きをしたりするときは決まってそのようになる状況下にあるときで、パニックになっているときや、耐えきれない状況下に置かれたときなどが言えると思います。

パニックになっていたり、耐えきれない状況下に置かれたりの行動を狂暴化と言うのは違います。

正しくは、「大変、困っている」です。

 

鹿たちがせんべいを持っている人の服を引っ張ったり、噛んだりするのは、鹿たちの気持ちの表現です。

その表現方法は相手の種や個々によって違ってくると思いますが、鹿たちは自分たちの気持ちを相手にわかりやすく伝わるようにしています。

 

我が家の鹿たちも、わたしが鹿たちの気持ちに気付かなかったり、気持ちに答えるのが遅くなると、わたしの服を引っ張って「はやく~」と伝えてたり、「これしてほしい」と伝えたりしてくれます。

わたしが鹿たちの気持ちを汲み答えることができると、鹿たちは服を引っ張りません。

 

鹿たちが鹿せんべいを持っている人の服を引っ張ったり、噛んだり、お尻をつつくのは「じらさずにその持ってるせんべい はやくちょうだい」と鹿たちは言っていたり、「わたしにもちょうだい。わたし さっきからずっとここにいるよ」と存在を気付いて、といったりがあると思います。

 

 

人間以外の動物たちの行動などを言葉にする際は、その言葉に偏見や差別などがないようにお願いしたいです。

 

先日、わたしが見た鹿たちは自分たちがつらく苦しい環境で生きているにもかかわらず、人に友好的でほどよく距離をとり、時折かかる多大なストレス下でも耐えていました・・・。

 

奈良公園の鹿たちと人のかかわりを見ていると、人の鹿への接し方や向けられる視線、行動などは鹿たちにとって大変失礼なことが多く、もし、わたしが鹿たちの立場だと生きる気力を失っていると思いました。

ストレス多い日々の中で、何によろこびを感じ何を楽しむことができるのだろうかと・・・。

 

奈良公園の鹿が写っている写真などを見ると、見た目のよいものが多いですが、

実際の奈良公園の多くの鹿たちの表情や動きなどからは、生きるよろこびといった生き生きとした様子は見られないです。

 

大きな鹿さんがせんべいを持った人を見つけ、せんべいを貰いにいこうとしている所です。

歩く姿にも力がありません。

 

劣悪な環境にいる犬たちとよく似た動きです。

 

しかし、近くにいた鹿さんたちが先に人からせんべいをもらい始めたので、写真の鹿さんは立ち止まり少し考えていました。

せんべいを持っている人にみんなで寄っていくとどうなるのかなどの状況を知っているのだと思います。

行っても食べることができないときも多いと思います。

そして、鹿さんの動きから、他の鹿たちに気遣いしているということもあると思いました。

我が家のすぐるちゃんは自分が食べたいと思っていても、脚の不自由なのぞみちゃんが満足するまで食べ終わるのを待ち、その後食べに行っています。

奈良公園の鹿たちと我が家の鹿たちの状況は異なりますが、動物たちにはそういった相手を思いやる感情が多くあります。

 

写真の鹿さんの立ち尽くす姿が悲しいく見えます。

 

観光客が減って、いつになくお腹を空かせているのは確かだと思います。

しかし、鹿たちは人との平和的かかわりを知っています。

 

人の接し方を観察していると、ほとんどの人が鹿にとって不快に感じたりイライラしたりする動きをしていました。

鹿たちは、よく我慢しているなと思います・・・。

 

奈良公園の鹿たちのゆとりのない日が続き、ストレスが蓄積しイライラして怒りっぽくなっていたら鹿たちがそのような状態にならない環境作りをすることだと思います。

鹿たちのストレスを減らし、鹿たちにとって少しでも楽になる環境改善が必要だと思います。

まずは、わたしたち人が鹿たちや他の動物たちとの正しいかかわり方を学ばないといけないと思いました。

 

次回の奈良公園の鹿の記事は「鹿たちにかかるストレス」をまとめます。

 

 

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