奈良公園の観光客がコロナウィルスの影響で減り、公園内に棲む鹿たちが鹿せんべいを観光客からもらえず、お腹を減らしイライラしていると言われおり、このことに対し鹿愛護会は否定をしていました(記事)。

 

今、鹿たちがどのような状態なのかを知りたくて2月17日に奈良公園へ行ってきました。

 

今日は、「鹿たちはお腹を減らしていないか?食事は足りているか?」をまとめたいと思います。

 

観察からわかったことは、鹿たちは「食べたいのに食べ物がない」状況下にいたということです。

 

休んでいる鹿や地面ギリギリに顔を近づけたまま歩き続ける鹿、切ない声で鳴いている鹿たちがいるなか、目立ったのがやはり食べ物を探す鹿たちの姿です。

 

緑色の葉がある所へ速足で駈け寄っていますが、生の葉は鹿が食べれるほどの背丈ではない葉ばかりです。

鹿の前歯(馬でいう切歯)が下顎の口先にしかないため、とても短い草を食べることができないのです。

馬は切歯が上下顎の口先にあるので、地面ギリギリ短いところまで草を切って食べることができます。

 

切歯が下顎の口先にしかない鹿たちですが、奈良公園の鹿たちは短い葉を懸命に歯で切ろうとし、山で暮らす鹿たちが食べようとしない短い草を食べていました。

この木の側に生えている緑の葉に近寄ってきた鹿さんです。

 

本来、鹿の歯はこのような短い草を切り食すに適さないですが、食べようとして何度も草を切ろうとしていました。

この長さの草を食べることは難しく、草を食べる長さや量はないです。

 

歩道を歩いていると、歩道際に頭を下げ移動している鹿を見ました。

カメラズームすると。

 

おどろくことに、この際に生えている緑の葉を懸命に食べようとしていました。

 

鹿さんは、石の隙間から生えている葉も食べようとしていました。

 

 

↓下の画像の鹿さんは、緑の葉を食べようとしないで、地面に鼻をつけ何かを探しているように見えます。

何を探しているのか見ていると、この鹿さんがある物を食べました。

 

ある物とは、茶色く枯れた硬い松の葉でした。

鹿が松葉を食べているのを初めてみました。

我が家の鹿たちは食べないです。

 

真上を見ると松。

 

 

 

場所を移動し、木々のある場所へ。

 

小さな鹿さんも食べものを探して歩いています。

しばらく観察していると、上からひらひらと一枚のあおい葉が落ちてきました。

 

葉が落ちると、勢いよくその葉に駆け寄り、葉を瞬間に口へ入れ食べてました。

 

常緑樹の葉が時折地に落ちる場所なども把握しているのだろうと思いました。

本来、動物は食物の安全を確認しないでいきなり食べることはしませんが、この鹿さんはここに落ちてくる葉は食べれると知っている(空腹状態で)ということが考えられるなと思いました。

 

少し奥へ行くと、2枚の葉が落ちていました。

硬そうで、おいしそうには見えないですが。

 

 

さらに移動していると、緑の葉を口に入れている鹿さんがいました。

何の葉なのかよく見ると、杉葉でした。

この後、もう一頭がこの杉葉に近づき、2頭が葉を口に入れるといった状況になってしまい、取り合いになるのではないかと心配になりましたが、結局2頭とも杉葉を食べることはしませんでした。

 

杉葉は、硬くトゲトゲしていて先が当たるとチクチクとした痛みを皮膚に感じます。

 

お腹が減っていても、どうしても食べたくないもの、食べれないものあるよね・・・。

 

 

この後、人が多く集まっている場所で観察をしていました。

近くでは、鹿せんべいが売っているので、せんべい持っている人間に鹿たちは集まり、「せんべい、ほしい」と言っていました。

 

 

このすぐ横には芝生が生えているのですが、食べれる芝がないということがわかります。

 

↓上の写真の場所の側の石の隙間から生えている葉を懸命に食べようとしている鹿さん。

 

切り取ることできないよね・・・。

 

葉っぱ食べたいよね・・・。

 

 

↓ここに立っている鹿さんは、鳴きながらお店の前へ行き、店先で10分近く立ったまま、通り過ぎる人たちの顔を追い、鳴いていました。

食べたいよね・・・。

 

今回、鳴いている鹿さんが数頭いました。

鳴いているのは雌鹿ばかりでした。

体形などから、お腹の中に子どもがいるのではないかとも推測できます。

 

今回、聞いた鳴き声ですが、つらいことを訴えている時の声でした。

切なくも時折、力弾けるような大きな声で鳴きます。

 

わたしはこの声を鹿ののぞみちゃんの看護をしている時に聞いていました。

食べたい好みのものがなく空腹の時や、他に何か必要としていることがあるときといった、不快や不満などストレスが蓄積してきた状況で聞いています。

鹿たちがこの声で鳴いている時はよほどの負担がかかってい状態です。

その負担を取り除いたり軽減することができると、この声で鳴くことはしなくなります。

 

今回の見学は個々の鹿たちの様子を観察したことで、鹿たちの暮らしの一部分を知ることができました。

 

2月3月は鹿たちにとって、自然の食料が不足するとてもつらい時期です。

鹿は、生息地で食べ物の異なりがわかっていますが、奈良公園で暮らす鹿たちはその異なり以前に食べ物が足りていないという問題があり、状況から鹿たちにとって鹿せんべいは主食になっていると考えられ、そのため鹿たちはせんべい販売所側で休み反芻運動をしているのではないかと思いました。

 

 

鹿たちは健康維持に必要な食料不足を抱えながら暮らしていますが、他のも多くの苦脳を抱え生きています。

鹿たちのその声が多くの人に届く日はくるのでしょうか。

 

次回の奈良公園見学の記事は、「観光客が減って鹿がイライラしているのか?」をまとめたいと思います。

 

 

動物たちに思いやりを。

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