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 「笑顔になるための246のことば」

  悲しみを乗り越える時に・・・

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「あのぅ、夏木さんにここに電話するように言われたものですから・・・」


「夏木?・・・あなたは誰ですか?」


「例の街の住民です。夏木さんが住んでいる・・・夏木さんが行方不明になっているのです」


「・・・どういうことですか?夏木は、帰って来ていますが・・・」



「えっ、そこにいるのですか?」


「そうです。今日は帰りましたが、どういうことですか?何のことなのか分かりません」


「それならいいです・・・」


夏木さんは帰っていたのだ。しかし、行方不明という?何かの間違いなのかもしれない。



僕はほっとした。急いで部屋を出て車に乗り家に向かった。



夏木さんには何もなかったのだ。警察のしつような尾行で諦めて帰ったのだろう。しかし、それにしても何らかの連絡があってもいいと思う。



「どこに行っていたの?」と、美幸が尋ねる。


「うん、議員になったのだから、知らない場所があってはいけないと思ってね。色々と走っていたんだよ。でも、綺麗な街だよね?」


「そうなの?さっき署長さんから電話があって、茂さんに明日来てほしいということよ」


「署長?分かった・・・」



その夜、僕は夏木さんのことを考えていた。電話の先の男が言うのだから間違いはないと思うが、何かひっかかるものがある。特殊公安の人が、そんなに簡単に調査を止めて帰るのだろうかと?


翌朝、警察署長の部屋を尋ねた。



「何でしょうか?」


「君に言っておきたいことがある。議員になったのだから街のことだけを考えてくれたらいい。議員が住民の部屋に行くというのは何の意味もない。何のためだね?・・・」


間違いなく、昨夜のことだ。



「あぁ・・・はい・・・街の人の声を聞きたいと思ったのです。議員になったので何かをしてみたいと・・・余計なことでしたでしょうか?」


「余計だ。君はこの街にいたくないのか?議員にしてやったのに、何かを詮索している。夏木という男のことも調べているようだ。その夏木は出ていった。他に何を調べるというのか?このままなら、議員資格もなくなるぞ。何度も言うが、この街で暮らしたいのなら俺の言うことを聞いていたらいいのだ。美幸と結婚して子供もできた。それで何が不満なのだ」


「不満はありません。ただ、知らないことが多いので何となく・・・」


「何を知りたい?」


「この街の財政です。何でこんなにも裕福な人が多いのかということです。助け合いということは知っています。でも、こんな小さな街では無理だと思うのです。教えて下さい」


「ハハハ・・・そんなことか。簡単なことだ。街は住民に億単位の保険をかけている。それが、街の財政の一部になっている。それだけのことだ・・・」


「でも、不思議なんです。人が死ねばお金になるということですよね?」


「それの何が悪い。どんな保険でも誰かが死ねば家族に入る。それが街に入るということだけだ。掛け金も街が負担している。それだけでも有難いと思ってもらいたい。住民の負担は何もないんだ。こんなにいい街はない。それのどこがおかしいのか?」


「でも・・・事故か病気で死ぬことたけではなくて、殺人も・・・」


「殺人?そんな事件は一切ない。俺がないと言ったらないんだ。全て事故か病気しかない。この街から犯罪者を一掃したのもそういうことだ。君は勘違いしていないか?」


「そうでしょうか?」僕は、今日は一歩も引かないと決めていた。


「警察が殺人じゃないと言っているんだ。警察が信用出来ないというのか?」


「そんなことはありません。でも・・・」


「でも、何だ。もういい・・・俺の言ったことをしっかりと覚えていたらいい。余計なことは君の命取りになる。議員として、美幸の夫として暮らしていけばいい」



僕には返す言葉はなかった。これ以上問答しても何にもならないし、僕の命も危ないかもしれない。おそらく、このことは女将や美幸にも伝わるだろう。僕の立場はいっそう悪くなってしまう。



署長に一礼して部屋を出た。



何を言っても無駄だ。店に戻ることにした。











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議員としての心がまえや仕事についての説明会があった。


一人として知り合いはいない。議長という人が新人議員のために宴会を開いてくれた。


新人議員と言っても二人だ。もう一人の議員は僕と同じ年だと言う。


この街に住んで三年になり、葬儀社を経営しているという。


他の議員も街の有力会社の経営者だと聞かされた。


形式だけの宴会であり、特に何があることもなくお開きとなった。


僕なりに質問をしたいと思っていたのだが、議長の一方的な弁舌で終わったのだ。


議員としての誇りなんてものはない。議員になれば街のことが分かると思う単純な理由だ。


どの議員も一癖も二癖もあるように見えた。



その夜、美幸との会話である。




「議員さんね。格好いいわよ。これで街の権力者の仲間入りよね?」


「仲間入り?そんなことはどうでもいいよ。この街が大きくなり、皆が幸せに暮らせることが一番だよ。こんな僕でも何か出来ると思うかい?」


「勿論よ。住民のために安心で安全な街を作る。茂さんなら出来るわよ。署長さんも応援してくれているのよ。何よりも心強いわよ。お母さんも大喜びよ。今日は、仕事でいないけど・・・」


「女将がいない?最近。留守になることが多くないかい?何をしているのだい?」


「だから、署長さんの手伝いよ。安全協会とか何とかの仕事よ。この前も署長さんが言っていたでしょう。犯罪者を一掃するって・・・その手伝いみたいよ」


「で、一掃出来たのかい?」


「うん、お母さんが言っていたけど、一人だけはまだらしいのよ。例の夏木という男よ。行方不明になっているって?他の人は街を出て行ったということらしいわ。夏木はどこにいるのかということよ」


「行方不明?いつから?」


「一掃する日かららしいわよ。もう、一週間以上よ・・・多分、街を出て行ったと思うけどね?」


「一週間?そんなに・・・」



おかしい?数日前には部屋の電気は点いていた。どういうことなんだ。




僕は、街の見回りと称して車で出かけてみた。議員だから時間の制限はない。


そして、夏木さんのアパートに向かった。電気は点いている。何故だ?


思い切ってドアをノックした。中から男の声がした。


「何ですか?」


夏木さんではない・・・違う男だ。



「あのぅ、あなたはいつからこの部屋に?」


「あなたは誰ですか?」


「街の議員の山田といいます」


「議員さん?これは失礼しました。私は尾上といいます。先日、この部屋に・・・で、何か?」


「いえ、前に住んでいた人を捜しているのです。知りませんか?」


「さぁ、前の人のことは・・・何かあったのですか?」


「知らないなら結構です。失礼しました」


夏木さんはいない。美幸から行方不明と聞いていたが、どこに行ったのか?

もしかして、殺されているのか?



僕は体が震えていた。夏木さんから渡された例の電話番号を思い出し、とにかくかけてみようと思った。が、この街から他の街へ電話をかけることは僕がかけたとすぐに分かってしまう。



公衆電話も駄目。何かいい方法はないか?



一つの考えが浮かんだ。それは、犯罪となるのであるが、それしか方法はないと確信した。


色々なアパートの部屋のドアを叩く、中から音がしたなら議員の視察ということで何とかなると思った。何軒もの部屋のドアを叩く・・・その都度返事があり、街の生活についての調査ということで話を聞く。これの繰り返しだ。議員としての身分証明書もあるから不審者ではない。


二十軒も叩いただろうか。一軒の家からの反応がない。


もしかしてと思いドアノブを回す、すると開いた。留守のようだ。鍵をかけ忘れているのだろうか?こんにちは・・・と言っても反応がない。


部屋の中に入り、急いで電話をかけてみた。



「何ですか?」と、男の声だ。













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それから、数日して署長が店にやってきた。


「山田君、議員選挙のことだが、明日が公示日だ。俺のほうで申請しておくから、君は何もしなくていい。選挙活動も必要ない。投票日は一週間後だ」


「何もしなくてもいいんですか?でも・・・」


「定員が五人。応募者も五人しかいない。必ず当選する」


「五人?前からの人は?」


「一人は隠居した。だから、必ず当選する。そうしたなら、街のために働いてくれ。店もやってもいい。ただ、議会だけは出席してほしい。月に二回だけどな・・・」


「たった二回・・・それだけですか?」


「それだけだ。それと、議員報酬は月額五十万円。さらに、年末手当てが百万円。それと、八時までの帰宅の必要はない。何時でも外に出でいてもいい。議員特権というのが色々とある」


「そうなんですか?それはいいですね。頑張りますから宜しくお願いします。それと、街長にも会えますか?」


「何でだ?」


「議会は街長が仕切るのでしょう?一度もお会いしていないので・・・」


「議会は議員の一人が議長として仕切る。街長は関係ない。何で街長にこだわる?」


署長の目がキラリと光った。



「いえ、どんな人なのかと思って?」


「街長は忙しい人だ。街にいることは少ない。国などへの交渉に動いている。それが、街長の仕事だ。めったに会うことはない。俺も年に一回も会うことはない」


「そうですか。分かりました。一生懸命にやりますから・・・」


「それでいい。それと、街の犯罪者撲滅運動が明日から始まる。数人、他の町から入り込んでいるらしい。この街にふさわしくない奴らだ。君も知っている夏木という男もそうだ。それと、菊町の斉藤良蔵という男もそうだが、会ったことはないか?」


「ないです」


「とにかく警察の仕事だ。街の不安を一掃する。この街に犯罪はあってはならない。事前に追い出すことにした。店で不審な奴を見かけたら警察へ連絡するように」


署長は帰って行った。



「茂さん、良かったわね」と、女将が言う。


「はい、この年で議員になれるなんて・・・」


「そうよ、この街のために働いてね。期待しているから」


「街のため、家族のために必死で働きます」


「そうよ。美幸、何か言うことがあるんじゃないの?」と、美幸を見た。


「茂さん・・・赤ちゃんが・・・出来た・・・」


「赤ちゃん・・・?」


「出来たらしいの・・・来年の春には生まれるわ」


「・・・本当かい?」


「嘘だと思うの?そんな嘘なんてつかないわよ・・・茂さんの子供よ」



僕には大きな疑問があった。美幸との性交渉はあるにはあったのだが、常に避妊具を使用していた。そんなことは考えられない。避妊に失敗したというのか?



「不思議よね?避妊していたのにと思ったのでしょう?」


「うん・・・」


「完全な避妊なんてないのよ。でも、嬉しいわ。私の赤ちゃん・・・」


「僕も・・・」と、僕の顔は引きつっていたと思う。


順子が悲しい顔をしているように感じた。



「良かったですね・・・オメデトウ・・・」とだけ言った。


おかしい?妊娠したということは本当なのか?しかし、美幸は母子手帳を持っている。


でも、この街なら何でも作ることが出来る。結婚して赤ちゃんが出来ることは嬉しいことに違いないが、何故か複雑な気持ちであった。


夏木さんからの連絡はない。時折、夏木さんのアパートの前を通ってみたが夜には部屋の電気が点いている。特になにもないということなのだろうか?


翌週、議員選挙の投票日になり、僕は三位で当選した。











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■第五章 意外な結末


午後の五時になっていた。


「大変なことになったわ。これから大丈夫かしら?」と、順子が不安な顔をした。


「何とも言えないよ。慎重にしないと僕たちまでも危ないよ。この街で暮らすことの損はないけど、人として納得できない。黙っていたなら安定した生活なんだろうけど・・・」


「悩むところよ。このままでもいいと思う気持ちと、そんなことは人として許せないという気持ちとがごちゃまぜになってしまったわ。二者択一ということなの?」


「そんなバカなことがあるかい?こんな街が続くとは思えないし、警察庁の特殊公安が動いているんだぞ。いずれ、発覚して街は終わると思うよ。そんな街のどこがいいんだよ。一時的に金持ちになったとしてもね・・・」


「そうよね。そう思う・・・だけど、これから何をしたらいいの?」


「夏木さんに協力するということだよ。それしかないだろう?」


「もし、夏木さんが殺されたなら?」


「次の公安の人が来ると思う。だから、いずれは・・・」


「そうよね。大丈夫よね?それと、茂さんと私は署長の知り合いだから安心よね?」


「バレなければ・・・」


「慎重に行動するということよね?」


と、順子も理解してくれたと思った。


その夜、八時前に女将と美幸は帰ってきた。女将は疲れたということで寝室へ行った。



「茂さん、どうだった?」と、美幸が尋ねる。


「何が?」


「お店に決まっているじゃないのよ・・・」


「ランチの客は、まあまあだよ。それで、葬式が終わってからどこに行っていたんだい?」


「何で?」


「いや、どこに行っていたのかなと思って・・・」


「うん、お母さんの知り合いのところよ。藤村さんの葬式で久しぶりに会ったから・・・」


「男?独り者?」


「女の人よ・・・独り者?変なことを聞くのね?」


「・・・まぁ・・・いいや・・・明日の準備はしてきたから仕込みは簡単だよ」


「それと、夏木さんという男の人とは会っていないわよね?」


「いきなり何だよ?会っていないよ・・・」


「それならいいけど。署長が気にしていたから・・・犯罪者らしいのよ。過去の詐欺事件で不起訴になったということだけど、この街で何かを企んでいるということよ。絶対に近づいちゃ駄目よ」


「そこまで分かっているなら、どうして取調べをしないのかい?街を追い出すことも出来ると思うけど?何でなんだい、おかしいじゃないか・・・」


「私は知らないわよ。署長さんが言っていただけのことよ、それにしても夏木さんのことになると変よ。何か隠していない?今日も会っていたとか?」


「バカを言うなよ。どうしてそんなことをする必要があるんだよ。ずっと店にいたよ。順子さんに聞いてみたら分かるよ」


「分かっているわよ。冗談よ・・・順子ちゃんはどう?」


「大丈夫だよ。慣れたと思う。しっかりした子だから・・・」


「それならいいけど?」


「何かあるのかい?」


「うん、元の彼氏が来たらしいのよ。だから・・・」


「えっ、もう引っ越して来たの?早いなぁ・・・でも、その話は?」


「お母さんから聞いたわ。署長さんが言っていたのよ。ちょっと待ってよ。茂さんが何で知っているのよ?」


「署長さんから・・・聞いた」


「・・・」僕は隠せないでいた。順子と警察へ行ったことを全て話した。



「へぇ・・・そうなんだ。私には隠していたのね?怪しいわ。何かあったんじゃないの?茂さんのことを好きなのよ・・・女として何となく分かるの」


「そんなことはないよ。隠していたことは謝るよ。後で話そうかと思っていたんだよ。変な勘ぐりは止めてくれよ。何もないから・・・」


「一応信じるわ。でも、浮気したなら絶対に許さないからね」


「大丈夫だよ。美幸だけだよ・・・」


美幸は疑っていると思う。おそらく、署長から聞いていたのだろう。それで、僕をひっかけたと思う。もう、誰も信用してはいけない。信用出来るのは順子と夏木さんだけだ。










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美幸からの電話だ。


「今夜は、家族の日だよ・・・誰も来ないから店は休みよ。忘れていたわ」


「そうだね。じゃあ、店は閉めてもいいのかい?」


「うん、そうして・・・お母さんと私は八時までには帰るから」


「藤村葬儀社さんのところにいるの?」


「これから、お母さんの用事で・・・ちょっと出かけるわ」


「どこに?」


「知らないわ。お母さんが着いて来てっていうから・・・」


「そうか。分かったよ」



結局、夕方までには帰らないということであった。



僕は、この日はチャンスだと思い、夏木さんに会うことにした。


携帯へ電話すると、仕事も終わるということであった。


僕は、店に来てほしいと告げた。



四時になったころに夏木さんが裏口からやって来た。勿論、安全のためにカードは持っていない。


尾行もいないということであった。


「どうも・・・山田さん」


「どうですか?」


「女将や奥さんは?」


「夜まで帰ってきません。それと、こちらの女性が順子さんですが、安心していいと思います」


僕は、順子に対して話したことを言った。


「そうか。俺は殺されそうになったよ。足場が崩れてな・・・」


「殺される?どうして・・・」


「誰かが、足場のボルトを抜いておいたと思う。運良く片手で別のパイプを掴んだから助かったよ。狙われていると思うよ。おそらく、山内じゃないかと思う?」


「山内さん?可能性はありますね。警察からの指示でしょうか?金に執着している人だし・・・」


「多分・・・それと、変なことを聞いたよ。山内が電話で話していたことなんだが・・・盗み聞き出来たんだよ。トイレの横で話していたから、まさか俺が中に入っているとは思わなかったんだろう。今夜、何かが起きるらしい」


「何ですか?」


「それは分からない・・・だが、かなりの大金が入るということだ。誰かが死ぬということだろう。それも一人や二人じゃない。複数の人だ」


「複数?何かの事故で?」


「いや、推測だが、今夜は家族の日だ。ということは、八時前、いや、それ以上前から家族と一緒にいる家庭が多いということだ。つまり、八時以降には出かけられないから何かが起きるとしたなら八時前に違いない。複数の人が死ぬ・・・火事だと思う。放火じゃないか?」


「放火?そんなことをしたら・・・何人も死んでしまうかもしれないですよ。それが本当なら、とんでもないことです・・・山内さんが放火するということですか?」


「そう思う?」


「どこですか?」と、順子は怯えながら尋ねた。


「分からない・・・この街には消防車はあるよな?山田さん?」


「警察署の横にありますが一台だけです」


「俺の推理が当たらなければいいが・・・」


「ということは、山内さんと誰かが放火して、家族は全員が死ぬ。その現場にいたということでお金が入るということですか?」


「だろうな?この街は狂っている。だから、葬儀社が多い。それと、老人が少ないのが気になる。もしかしたなら、何人も老人が殺されているのかもしれない」


「老人・・・えぇ、この前、老人の集まりの会館があったのですが、皆、何かに取り付かれているように般若心経を唱えていました。とても異様な光景でした」


「死ぬ・・・殺されるということが分かっているのかもしれない。昔の姥捨て山のようなことが起こっているのかもしれない。それだけではない・・・老人以外の人も殺されているのだ。事故や病気として処理されているかもしれない。警察と役場が裏で繋がっていたなら簡単なことだよ」


「信じられませんが、可能性はあると思います。人が死ぬ・・・街の財政が潤う」


「だとしたなら、とんでもない街に来てしまったということだ。俺の仲間も行方不明のままだし、何の証拠もないから手を出せない。せめて、何かの証拠でもあれば・・・」


「もしかしたなら夏木さんは、警察関係の方ですか?」


「ここまできたなら身分を明かしてもいいと思う。俺は、警察庁の特殊公安だ。以前から不思議な街があるということは聞いていた。それで去年、友人が潜入して、ここの娘と結婚した。その後、行方不明になっている。娘の美幸が警察に捜索願を出していたが、家出ということで処理されたのだと思う。本庁から、ここの署長に確認したのだが、家出ということの回答があった。現時点では、それ以上の捜査は出来なかった。つまり、殺してしまったなら問題になるが。家出なら民事ということで何も出来ない・・・悔しいが」


「でも、美幸は結婚していたのでしょう?それなら僕との結婚が出来ないはず?」


「あぁ、法律的に七年は離婚できない。しかし、美幸はあんたと結婚した。それは、二重結婚ということだ。しかし、役場の権限でどうにでもなる。決して表に出ることはない・・・ここの女将と娘は何かに大きく関係しているはずだ。それと、女将の死んだ旦那にも疑問がある。車の事故死ということで処理されたようだが、色々と不審な点はあるんだ。さらに、この街の年間の死亡率は他の町の数倍以上だ。俺たちはそこに疑問を持ち潜入調査しているんだよ。あんたたちは信用できそうだから協力してほしい。もし、俺に何かあったなら例の電話番号に頼む」


「僕の考えていたことと同じです。とにかく協力します。順子もいいな?」


「楽しそう・・・スリルとサスペンスね?」


「何を言っているんだよ。もしかしたなら殺されるかもしれないんだ。そんな暢気な気持じゃ・・・」


「ごめんなさい・・・とんでもない街に来たということよね?でも、人を殺して街が成り立つなんて普通じゃないわ。殺されない人にとっては最高の街だけど・・・」


「そうだ。一部の権力者の下で何人もが犠牲になっている。犠牲になった人も変に納得しているところもある。残された家族が楽な生活を送られるということに・・・しかし、一生楽に生活できるという保証は何もない。明日はわが身・・・生と死が紙一重なんだ」


夏木さんの気持ちは理解できた。僕は、この街の不可解なことを調べてみようと心に誓ったのだ。


その後、ある家が全焼したという話を聞いた。


それ以来、夏木さんからの連絡は途絶えていた。











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「そうか・・・近くに・・・大丈夫かい?」


「うん、茂さんがいるから・・・平気よ」


「順子ちゃん、聞きたいことがあるんだけど?本当のことを話してほしいんだ」


「何ですか?」


「何でこの街に来たの?本当のことを・・・」


「叔父様から聞いたのです。この街ならお金が溜まるって・・・いずれ、お店を出したいと思っていたの、それで、お金が必要なんです。だから・・・」


「お金だけ?」


「はい、この街なら運がよければお金が溜まるって叔父様が・・・」


「理由は?」


「人が人を助けるから・・・でも意味は分かりません。一年もいたなら数千万円」


「数千万円って言ったの?」


「はい、それと、叔父様の言うとおりにしていたなら何の問題もないって・・・」


「そんな大金が入る理由は聞いてないかい?」


「人が・・・助けてくれるとしか聞いていません。それ以外の不思議なことは街のルールだから普通にしていればいいって・・・」


「それだけかい?」


「本当です。それだけです」


「分かったよ。順子のことを信じてもいいのかい?」


「信じる?どういう意味ですか?」


「いや、この街は不思議なことが多すぎるし、人が死ぬと誰かに大金が入る。しかも、街の上層部にはもっと大金が入るらしい。人が人の死によって生活しているということなんだよ。どんな死に方をしても関係した人には大金が入る。そんなことは考えられないだろう?前から思っていたことなんだけど、街には大きな会社もないということは会社からの法人税も入らない。一万人程度の住民の税金だとたがたかしれている。でも、こんになにも裕福な暮らしが出来るということはおかしくないかい?給料だって高いし・・・絶対におかしいよ」


「そう思います。私の店での給料は五十万円。でも、一日の売り上げだと、そんな給料を払うことは出来ないと思っていました。一日の売り上げが十万円だとしたら、月に二百五十万円。経費を引いても女将と美幸さんと茂さんと私の給料が出るとは思えない・・・」


「そういうことだよ。それと、あんなに大きな家を建てることも出来ない。何か他からの収入がないと無理だと思うよ。僕も、この街に来てから四千万円が入ったよ。四千万円だよ」


「本当ですか?どうして・・・」


「人が死んだからだよ。僕と関係した人が死んだから入ったんだよ。それを考えると納得するんだけど・・・生命保険としてね?」


「確か、住民登録する時に役場の人に言われたことが・・・」


「そうだよ。カードには生命保険と傷害保険を街が負担している・・・」


「街には大金が入るわ。その一部を住民に分けているということですか?」


「いや、違う。三億円なら、死んだ人の家族に入るだろう。でも、違う。僕の場合は、独身の人が死んだんだよ。それで三千万円だった。それと、別の独身の人が死んだけど、発見した人に一千万。僕と美幸に一千万ずつ・・・ということは、街の三億円という保険は残りが二億七千万円になる。それが街の収入になっているんじゃないかと?」


「独身の人ならそうだけど、家族がいる人はどうなるの?」


「そこなんだよ。そこが知りたいんだよ。何とかして知りたいと思っているけどね」


「危なくないの?」


「危ないかもしれない?今、街にどこかの調査員が来ているんだ。今朝、会ったんだけど警察から尾行されている。それと、住民カードにはチップが埋め込まれていて、その人がどこにいるのかということが分かるらしい。だから、この街では現金は禁止になったりしたんだと思う。カードを持ち歩くことがルールというのも納得できる。何かを調べる時にはカードを持たないほうが安全だよ」


「そうなの?ということは警察が住民を監視しているということなの?」


「警察だけじゃないと思う。役場も同じだ。その二つの機関がこの街を仕切っているとしか思えない。署長と街長・・・だけど、街長のことは知らない。表に出ない人のようだよ」


「茂さんは議員に立候補するって聞いたけど?」


「うん、署長からの命令のようだよ。でも、出てみたいと思う。来月らしい。議員になると何か大きなメリットがあるとも聞いたよ。ここまできたなら、徹底的に調べてみたいと思う」


「気をつけてね・・・茂さんに何かあっなら、私はどうしたらいいの?」


「大丈夫だよ。それと、美幸や女将に僕たちの関係がバレてもいけない。当分は、慎重に行動しよう。会いたい気持ちは強いけど、今はね」


「我慢するわ。でも、たまには時間を作ってね?」


「勿論だよ。それと、将来は美幸と離婚したい。一緒にいても愛情がわかない。そして、順子と一緒になりたい・・・」


「信じていいの?」


「当たり前だよ」


僕は順子を信用してもいいと思ったが夏木さんの言ったことも頭の片隅に残っていた。


その日のランチが終わり、夕方の仕込みの準備に入ろうとした時であった。










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「僕もそう思っていたのです。助役はいますが、街長とは会ったことがないのです」


「やはりそうか。それと、あんたの奥さんの母親だが、署長とは愛人関係だろう?」


「多分、そうだと思います。いつも一緒に行動していますから・・・何かの仕事を一緒にしていると聞いていますが・・・」


「そうだろうな。何をしているのかは分からないが、何かを企んでいることは分かる。それを調べたいのだが俺には無理だ。こんなに尾行されていたりすると・・・もし、俺に何かがあったなら、ここに電話してくれるかい?」


と、電話番号を書いた紙を渡された。この街ではない別の町の番号だ。



「何かあったら?」


「あぁ、殺されるということだよ。この街は人の死によって成り立っているらしい。それは、あんたも気づいていると思うが?」


「えぇ、何となく分かります。僕と関係した人が死ぬと僕のカードに大金が入るのです」


「千万単位だろう?しかし、上の人間には億単位の金が入っていると思う。相当な金が入っているはずだ。そこまでは分かっているが、そこから先を調べないと・・・」


「もしかして夏木さんは、政府かなんかの調査員?」


「それは秘密だ。とにかく、何かあったなら、俺の携帯へメールしてくれないか?この街の中だけのメールならば盗聴や傍受されることはない。俺が他の町へメールしようとしたなら宛先不明で戻ってきてしまうし、電話しても繋がらない。俺は完全にマークされている。おそらくこの街から出ることも出来ないかもしれない。その時は、あんたが頼りなんだよ。他の奴は誰も信用できないし、いたるところにスパイのような奴がいる。工務店の山内も同じだし、あんたの奥さんも・・・」


「美幸が?」


「あぁ、そうだよ。知らないふりをしていると思うが何でも知っているはずだ。女将の娘なんだからな・・・」


「でも・・・」


「間違いない。あんたが結婚したのにも策略があると思う。それと、あんたはこの街の議員として頑張って欲しいと言われなかったかい?」


「署長に・・・」


「やはり、そうか・・・前と同じだな」


「前?前にも何か?」


「一年前だ。俺の仲間が飲食店の娘・・・つまり、美幸だよ。と、結婚した。そして、行方不明になった」


「そんなバカな・・・美幸は初婚ですよ。処女でしたよ・・・」


「ハハハ・・・処女になるなんて手術すれば可能だよ。あんたは騙されているんだよ」


「・・・そんな・・・ということは僕も行方不明に?」


「可能性はある。さらに、あんたの店に新しく入った女がいるだろう。その女も、危ないかもしれない?」


「どう、危ないのですか?」


「敵か味方なのかが分からないということだ。だから、一歩間違えると・・・」


「行方不明?」


「かもしれない・・・気をつけることだ・・・もう、帰らないと怪しまれる・・・」


夏木さんは車から降りて急ぎ足で帰った。



美幸も信用できない?ましてや、順子までも・・・



僕の頭は完全に白くなっていた。誰を信用していいのか?


とにかく、順子のアパートへ向かった。ドアを叩くと出てきた。


「嬉しいわ・・・二人だけでいられるのよね?」


「午前中だけだよ。でも、早く帰ってくるかもしれないから・・・気をつけないと・・・」


「早く店に行きましょう・・・ね」


店に着き、二人だけの時間を過ごす、昨日の車の中よりはいい。



僕は順子の体をしっかりと堪能させてもらった。店の奥には個室があり、そこで着替えをしたりする。そこで二人は愛し合ったのだ。



愛する時間はまたたくまに過ぎてしまった。ランチの準備に取り掛かろうとしていた時のことだ。



電話が鳴り、それは美幸からであった。


「茂さん、告別式が終わってから店に行こうと思っていたけど無理そうなのよ。お母さんも無理よ。告別式が終わってから、親しい人だけでのお別れ会をすることになったのよ。夕方には戻れると思うけど・・・二人で大丈夫?」


「そうか・・・仕方ないな。店は何とかなると思うけど・・・」


「そう、ごめんなさい。それと、お母さんが順子さんに代わってほしいって?」


「順子ちゃん、署長さんからの伝言だけど、あなたのアパートの近くに元の彼が引っ越してくるのよ。例のホステスも・・・それで、一応話しておいたほうがいいって」


「えっ、近く?」


「隣の町内よ。偶然にでも会ったなら嫌な思いをするかもしれないからって・・・」


「そうですか?でも、もう大丈夫です。一晩寝たら、何かすっきりとしました」


「でも、女将さんが何故?」


「ここに署長さんもいるのよ。だから・・・じゃあ、お店宜しく」


順子は、女将の話を僕にした。













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「分かったよ。できるだけ早く帰ってきてよ」と、心にもないことを言ってしまった。


即座に僕は順子に電話した。


「明日は、女将と美幸は午後になるよ。だから、朝早く店に来ないかい?迎えに行くから」


「本当?嬉しいわ・・・」


僕たちは早朝に店で会うことになった。



電話を切って、すぐに電話が鳴った。


「山田さんですか?」男の声である。


「どちらさまですか?」


「山内だよ。あんたの家の改造をした・・・」


「あぁ・・・何の用事?」


「夏木という男を知っているよな?」


「夏木・・・知っているよ。それが・・・」


「あんたが俺の家に来ないから、こっちから電話したんだ。夏木という男が俺の工務店で働いているけど、あんたのことを知っているというから電話したんだよ」


「どういう意味?」


「夏木が警察からマークされているんだよ。そんな男を雇っていたなら俺にも問題がある。だから、夏木が何をしたのかを知りたくてね」


「夏木さんが言ったのですか?」


「いや、警察からの連絡だ。夏木から目を離すなということだ。何があったのか知らないか?」


「知りません。そんなに深い付き合いではないから・・・で、問題とは?」


「いや、そういうことを言われたんだ。警察からマークされている奴を雇っていると何らかの処分になると思う」


「だったら、クビにしたらいいんじゃないですか?」


「一度雇ったなら、勝手なことは出来ない。それが、ルールだ。死ぬか何かしないと・・・もし、街にとって迷惑な男なら警察が処分してくれるが、今は捜査中だと思う」


「そうですか?」


「何も知らないということなんだな?」


「知らないよ・・・」


「そうか、何かあったなら知らせてくれよ。それと、一千万円入っていただろう?」


「あぁ、山内さんも・・・」


「・・・じゃあな・・・」と、電話は切れた。




夏木さんは警察からマークされている。何をしたのだろうか?



前から何かがあったとは思っていたのだが、山内さんの話で確定的になった。


クビにも出来ない。死んだならいい・・・何か怖い感覚が襲ってきた。


もしかしたなら、夏木さんは殺される?まさか・・・そこまでは?・・・ないとは言えないかもしれない。この街なら何が起きたとしても不思議ではない。


夏木さんに連絡しようかと思ったのだが、電話を盗聴されている可能性もある。


うかつなことをしたならば、逆に僕が疑われてしまう。もどかしく思案していた。


電話も駄目、アパートに行くのも危ない・・・どうすればいいのか?


僕の悪い癖の詮索心が膨れ上がっていた。




こうなると止めることはできない。何とかして会いたいと思った。


幸い電話番号は知っている、この家からなら発信元が分かってしまうと思い、警官に会わないことを祈りながら公衆電話のある場所まで走った。


運良く警官と会うことはなかった。急いで夏木さんの番号を押す、呼び出し音がして声が聞こえた。


「僕ですが・・・名前は言わないで下さい」


「あぁ・・・こんな時間に何?」


「会えませんか?例の・・・朝に・・・」


「例?」


「二人が別れた・・・」


「分かった・・・じゃあ・・・」


何か後ろでシャワーの音が大きく聞こえた。



僕の緊張した声で理解してくれたと思う。例というのは駅前のことだ。朝の駅前なら人も多いから問題はないと思ったのだ。急いで家に戻る、誰にもつけられてはいない。


明日は、まず、夏木さんと会い、それから順子を迎えにいくことになった。


駅前で車に乗り待っていると、夏木さんが現れた。僕の車の横を一旦素通りする。周りを注意深く見渡す。尾行がいると思っているのだろう。ゆっくりと、駅の横の道に入る、僕はそれを目で追う。僕が見た限りでは警察関係と思われる人はいない。これなら安心だと思い、夏木さんを追う。人気のない裏路地に入り、すばやく僕の車の後ろの席に乗り込んだ。


頭を低くしている。これなら外からは後ろに誰もいないと思われた。


「山田さん。何があったんだい?」


「警察が調査しているらしい?」


「知っているよ。だから、今はカードを持っていないんだ」


「カード?」


「あぁ、カードには特殊なチップが埋め込まれていて、カードを持っていると、どこにいるのかが分かるようになっている。だから、警察は俺が部屋にいると思っている。それと、昨夜の電話は公衆電話だろう?この街の公衆電話は他の町へはかけられないから、警察も感知できない。それと、俺の部屋には盗聴器があるが、山田さんからの電話の時には一時的に風呂場の中で話したから盗聴できない。俺が調査されているということは誰から聞いた?」


「工務店の山内・・・昨夜、電話があったよ」


「そうだろうな・・・俺がわざと山田さんを知っているということを言ったんだよ。どんな態度で出るか知りたくて・・・予定通りの行動だよ」


「夏木さん、あなたはどういう人なんですか?カードのシステムについても知っているし、この街の何を調べているんですか?」


「今は言えない。いずれ分かると思う。それと、山田さんに聞きたいことがある。この街の街長について知っていることはないか?署長のことは分かってきたが街長は何を調べても分からない。ここが一番の問題なんだよ」











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「茂さん、あの人は誰なの?」と、女将が怪訝な顔で尋ねる。


「ちょっと知り合った人です。さっきも、役場で会ったのでランチを食べに来てほしいと・・・」


「最近来た人でしょう?」


「はい・・・らしいです?詳しいことは知りませんが・・・」


「名前は?」


「確か・・・夏木さんとか・・・」


「夏木さんね?」と、言うと客への対応に戻った。


忙しいランチも終わり、やっと一息つけることになった。


「美幸・・・お母さんは、用事で役場に行かないといけないから後は頼んだよ」


「役場へ?」


「ちょっと行ってくるわ・・・帰りは遅くなると思うから、皆で協力してね」


また、女将は出かけて行く。警察だったり役場だったりと忙しい人だ。



「美幸さん、少しだけアパートに戻っていいですか?」と順子が尋ねる。


「いいけど・・・何?」


「化粧道具を忘れてきたみたいなのです」


「そう、今夜は忙しいような気がするから、出来るだけ早く帰ってね。あっ、茂さんが送っていけばいいのよ・・・」と、言うことで僕が順子のアパートへ行くことになった。



車の中で、順子は何故か寂しそうな顔をしていた。



「何かあったの?」


「聞いてくれますか?山田さんなら安心ですから・・・」


「力にはなれないかもしれないけど?」


「聞いてくれるだけでいいのです。昨日、お話した彼氏なのですが、この街に来ることになったのです。奥さんとは離婚することが決まったのです」


「それはよかったじゃないか。何で寂しそうな顔をしているの?」


「違うのです。違う・・・もう、嫌・・・」と、泣き声になった。


「順子さん・・・何があったの?泣いていたら分からないよ」


僕は、一旦車を止めた。



「離婚は嬉しいのですが、私との結婚は出来ないということなのです」


「連絡があったの?本人から?」


「伯父様からです。理由は分かりません。でも、この街に来て警察の外郭団体の仕事をするというのです。叔父様から諦めてくれと言われたのです。理由も分からないままに・・・」


「伯父さん?あぁ、署長さんのことだね。でも、どうして急に?」


「だから理由は教えてくれないのです。昼間にそっと、彼の携帯に

メールしてみたのですが、あて先不明で戻ってきました。昨夜も、友人にメールしたのですがメールが使えないのです。電話をかけてみたら大丈夫だったのですが、後から高額な請求が来るという電話がありました。この街は一体どうなっているのでしょうか?まるで、外部と遮断されているようで・・・」


「そうなんだよ。この街から他の町への電話は高いし、メールは街の中だけなら使える。それは後で分かったことなんだけど、それはそれとして、結婚出来ない理由を知りたいよね?」


「はい・・・叔父様にもう一度聞いてみたいのですが?」


「分かった、化粧道具を取りに行ってから警察に行ってみようか?」


「大丈夫ですか?」


「うん」


順子の部屋へ行き、そして警察へ着くと署長室へ向かいドアをノックした。



「珍しいな。山田君と順子ちゃんか?何の用事かな?」


「叔父様・・・どうして結婚してはいけないのですか?」


「そのことか・・・駄目なものは駄目だ。まだ、早い・・・」


「署長さん、早いということは何でしょうか?」


「早いということだ。あの男と女房を離婚させたのは俺だが、あの男には問題がある。順子の夫としての資格はない。そういうことだ」


「叔父様・・・教えて下さい。何も分からないままに・・・お願いしますから・・・」


「仕方ないな。実は、あの男は他にも女がいたんだ。その女と結婚しようとしていたと思う。俺の部下が調べて分かったことだが、そんなことなら離婚させるんじゃなかった。俺が女房に慰謝料を払ったのだからな。順子のことを思ってしたことが裏目になった。もっと、早く確認できていたなら・・・部下のミスだ」


「彼に女?本当ですか?」


「あぁ、間違いない。クラブのホステスだ。五年にもなるらしい。俺は、その男にこの街で働くことは言っていたのだが、そのクラブホステスとなら来てもいいと言う。それで、俺は、そのクラブホステスに会って、その女も街で働くようにした。金はかかったが、二人とも了承してくれた。この街で働くことが出来るならそれでいいのだ。この街のために働くなら・・・」


「叔父様・・・どうして彼も働くのですか?私の近くにいるということでしょう?そんなのは嫌です。そんな男と同じ街で暮らすなんて・・・」


「署長さん、順子さんの言うとおりですよ。何で働かせるんですか?」


「順子のためだ・・・いずれ分かる。少しの辛抱だよ。さっ、仕事があるから帰ってくれないか。それと、山田君、夏木という男には注意しなさい。君の友人としては立場が違う。分かったな?」


僕と夏木さんのことは警察では知られているのだ。夏木さんには何があるというのか?



「順子さん、仕方ないよ。署長が言うんだから、諦めるしかないと思うよ」


「えぇ、女がいたなんて許せない。ただの欲求のためだけに私と付き合っていたと思うと・・・」


「しかし、いずれ分かるということは何なのだろうね?」


「さっぱり分かりません。でも、叔父様の言うことに従うしかないと思います」



順子は諦めようと必死であったに違いない。帰りの車の中でも下を向いたままで無言だ。



僕は、そっと順子の手を握ってみた。順子も軽く握り返してくる。



人気のない裏道で車を停めた。周りを見渡して順子の口にキスをした。



順子の体は小さく震えていたが、しっかりと僕の腕をつかんでいた。



何の話もない。ただ、キスを続けていた・・・




とうとうこういう関係になってしまった。不思議と美幸を裏切る気持ちの後悔はなかった。



美幸とは強引な結婚であったし、夫婦として生活していくならば愛情が芽生えると思っていたが、順子が現れたことで美幸への愛情は薄れていたのかもしれない。




とうとう一線を越えてしまった。











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