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「いえ、規約どおりの支払い金額です。それと、森嶋さんの葬儀も終わったので、合計すると四千万円になります。もう、住民カード口座に入っていますから、確認するのであれば一階のカード確認機でお願いします」


「何ですって?どういうことですか?」


「森嶋さんについては、三人で折半になります。奥様にも一千万円が入金になっています。それと、今日は運転免許の住所書き換えをお願いしたいので来ていただきました。本来なら、特に役場に来ていただかなくてもいいのですが・・・」


「・・・免許は書き換えますが、でも、どうしてそんな大金が?」


「規約です。それがルールなのです。詳しく説明することは禁止されていますから。但し、定食屋の女将の場合は、遺書があったということです。そういう場合は遺書が最優先になります。森嶋さんは三人ということになりますから一千万円ずつです。めったにない事例なのです。他に何もないなら、これで終わります。免許をお願いします。一階の端の各種書き換えという窓口へ行って下さい。あっ、そうそう、新しい店員さんが入ったそうですね?署長の知り合いということで・・・」


「えぇ・・・そうでかすが・・・あのぅ、これを本当に貰ってもいいのですか?後で、多額の税金がかかってくるとかは?」


「一切ありません。心配はいりませんよ・・・ハハハ」


と、助役は部屋を出ていった。



何が起こったのか?体の振るえが止まらない。僕は頬をつねってみた。現実だ・・・夢じゃない。



急いで一階の住民カード確認機で見てみると、確かに四千万円が入っていた。


四千万円・・・信じられない金額だ。手の振るえが止まらない。



森嶋さん・・・三人・・・ということは職人の山内さんにも一千万円?ということか?



このことを皆は隠していたというのか?



しかし、そんなことが街の規約?そんなことを考えながら免許の書き換えの窓口に行った。


手続きの間に、ふと、街の会報誌というものが目に入った。


手に取り見てみると・・・


先月のお亡くなりになられた方という項目に目がとまった。

椿町三丁目 中井光  藤村葬儀社

百合町一丁目 岡部保 野田葬儀社

菊町一丁目 田中イト 村田葬儀社

藤町三丁目 伊藤誠  金井葬儀社

百合町二丁目 今野雄一 大久保葬儀社

・・・・・・

・・・・・・

何と五十人以上の葬儀があったのだ。


その中には永井さんの名前もあった。


そして、葬儀は街指定の各葬儀社にて滞りなく終わりました。


と、記載されていた。



僕は驚いた。どうして一万人程度の人口なのに、こんなにも葬儀会社が多いのだろう?


五十人以上が死ぬ・・・葬儀社が三十はある。多すぎるのではないか?


また、一つの疑問が頭に浮かんだ。


免許の書き換えも終わり、役場の外へ出ようとした時に声をかけられた。


「山田さん・・・何かの用事ですか?」夏木さんだ。


「仕事は?」


「今日は休みです。昨夜の雨で地盤が緩いということで休みになりました。今日は免許の書き換えに来たのです」


「同じですね・・・」


「それで、お店に寄ってもいいですか?今日は何もすることがないので・・・」


「僕もこれから行くところです。一緒にどうですか?」


「いや、一緒はまずい・・・後で行きます」


「まずい?何が?」


「それは今度・・・」と、役場の中に入って行った。


誰かに尾行でもされているのだろうか?



警備課長の言葉を思い出した。夏木さんとは付き合うなと・・・



店に戻りランチの準備にとりかかった。


誰も何があったのかということは聞かない。


「美幸、カードが・・・」


「四千万円・・・でしょ?・・・」


「うん・・・」


「そういうことなのよ。私も増えたしね」


「そういうことなのかい?言っていたことは?」


「そうよ。素晴らしい街よ」


「信じられないというよりも・・・」と、いいかけた時にランチ客が入ってきた。


店の中は忙しくなった。順子も一生懸命に仕事を覚えようとしている。


すると、今度は夏木さんが入ってきた。僕に目くばせをするとカウンターに座った。


「カツ丼お願いします」


美幸が対応している。


「山田さん・・・ちょっといいかな?」と、厨房を見ながら夏木さんが呼んだ。


すると、美幸が「すいません。今手が離せないのです。一段落したなら呼びますから・・・主人に何か用事でしょうか?」


「いや、後でいい・・・」


客が何人も入れ替わり入っては出る。今日は、かなり忙しいランチになった。


夏木さんは、しばらく待っていたが、客足が減らないので店を出ていった。










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「少しは聞いていますが・・・教えて下さい。結婚には興味もあるし子供も好きだから」


「うん、税金が異常なくらいに安くなるし、結婚祝いとして一人に百五十万円だよ。それと、色々とメリットがあるらしい?全部は知らないけど、最近結婚したばかりだからね」


「凄いですね。何となく聞いていたことと同じです。それにしても凄い」


「で、君の相手は?」


「彼氏のことですか?いますけど・・・それは・・・話したくない・・・」


「どうして?」僕の悪い詮索癖が出てしまった。


「言わないといけませんか?」


「聞きたいな?」


「妻子がいるのです。前の会社の上司です。離婚してくれると言っていますが、どこまで本当なのかは分かりません。離婚調停中だとは聞いています。もし、離婚出来たなら一緒に暮らそうと言ってくれています。会社も辞めていいと言っていますからこの街ならいいかと・・・」


「妻子か・・・難しいよね。でも、何とかならないの?」


「署長さんが・・・」


「相談したの?」


「何とかしてくれるって・・・来月中には・・・」


「えっ、そんなに早く?」


「はい、お願いしてみたのです。簡単だよって言ってくれました。その言葉を信用しているのです。署長さんなら何でも出来ると思っています。早く一緒に暮らしたいのです。一人は嫌です」


「早く結婚出来るといいね。僕も応援するよ・・・しかし、さすがに署長さんだよ」


「あらっ、こんなことまで山田さんに話してしまって・・・すいません。何となく山田さんは話しやすい方なので・・・気を許してしまいました」


「ハハハ、そうかい。あっ、こんな時間だ。じゃあ、明日もね・・・」と、立ち上がった。



九時になろうとしている。こんな時間に車で走っていたなら警官に止められてしまうかもしれない。僕は急に不安になっていた。



表に出て車に乗り走り出した。運良く、警察と出会うことはなかったが、ルームミラーに映る車が一台。まるで、僕の車を尾行しているように感じた。しかし、家の前に着くと、その車は通り過ぎていった。何だ、ただ同じ方向だったのだと思った。



家には電気は点いていない、ということは女将も美幸も帰っていないということだ。


何か安心した気持ちになっていた。順子の部屋に一時間以上もいたということの罪悪感からだ。


その夜、女将は遅くに戻ってきた。美幸からは何の連絡もない。


「お母さん・・・美幸は帰らないかもしれません?」


「そうみたいね。友達と話が弾んでいるんじゃないかね?朝には帰ってくるわよ。それじゃぁ、先に休みます・・・おやすみ」と、部屋に入った。


女将は署長と会っていたはずだが、そんなに何日も会う必要はあるのだろうか?



順子を連れて来るのに三日も一緒にいたじゃないか?


愛人というものはそういう感覚になるのだろうか?


その夜、僕は一人のベッドで寝た。そして、順子のことを思い出していた。若く白い肌。


美幸も若くて綺麗な肌をしていると思うが、順子はさらに数倍上だと思う。



その順子の体を妻子持ちの男は弄んでいるかと思うと何か嫉妬心を覚えた。



翌朝、目が覚めると美幸が横で寝ていた。どうやら、早朝に帰ってきたらしい。


「ごめんね。遅くなっちゃって・・・」


「楽しかったかい?」


「うん、前と同じ仲間よ。女って何時間も話せるものなのよ。順子ちゃんは送っていったの?」


「うん・・・」


「いい女よね?気になるんじゃないの?」


「バカを言うなよ。彼氏がいるんだよ・・・」


「えっ、何で知っているのよ?」


「・・・少しだけ話したんだ。もう、そんな話は止めようよ」


「ウフフフ・・・これで終わりにするわ。さっ、今日もお店よ」



女将と三人で店に向かった。


店には順子も来ていた。


普通の一日の始まりだ。すると、電話が鳴り、女将が僕を呼ぶ。


役場の住民係に行くようにと・・・



何だろう?女将は「早く行って手続きしなさいよ」と、笑う。



役場に着き問いかけると二階の別室に行くように指示された。そこには、助役がいた。



「山田さん、ご苦労様です。早速、例の件ですが、定食屋の女主人の葬儀は終わりました。それで、山田さんが受け取る金額は・・・三千万円になります」


「えっ、えっ・・・三千万・・・嘘でしょう?そんな金額・・・」









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「お茶です・・・まだ、うまく煎れられないけど・・・どうですか?」


「美味しいよ。問題ないよ・・・こんなに美味しいお茶は久しぶりだよ」


僕の言葉で緊張していた気持ちが無くなったようであった。


彼女は大きな声で笑っていた。



「叔父様が、この部屋は日当たりもいいし、前に住んでいた人も綺麗好きだったからって?」


そうかもしれないが、事故死したことは隠している。確かに言えないことだろう。


「そうなんだ?一人暮らしは初めてなの?」


「はい、親元でしたから、何か大人になったように思えます。山田さんと奥様は一目ぼれと聞いていますが、羨ましい・・・」


「えっ?」


「女将さんから聞きました。署長さんも山田さんはこの街を背負っていく人だから仲良くするようにと言われました。本当に良い方に会いました」


「そんなことはないですよ。ただの若造です。こちらこそ宜しく、さぁ、帰らないと八時になってしまう。また、明日ね・・・」


「・・・もう少しいて下さい。駄目ですか?」


「街のルールを破ることは出来ないよ。知っていると思うけど?」


「女将さんから色々と聞きましたが、私は署長の知り合いということなので心配はないと・・・山田さんも特別待遇じゃないのですか?」


「特別?そんなことはないと思いますよ。普通の住民ですから・・・」


「それは違います。絶対に特別です。叔父様が言っていました」と、強い口調で答えた。


それに顔つきも変わっていた。さっきの愛くるしい目ではない。


権力を持つ女帝のような顔つきになっていた。



もしかしたなら順子は何でも知らされているのではないか?



それで、この街に来たのではないか?そういう気持ちになっていた。



「もう少しいて下さい」


「うん、少しだけ・・・」と、答えてしまっていた。


「よかったわ。ありがとう」


顔つきが元に戻っていた。この女は何者だ。普通じゃない?


「署長さんとお母さんは長い付き合いなの?」


「そうです。父が亡くなってからは家族のように付き合っていました。母も心から信頼している方です。私にもよくしてくれるし、本当に助かっています。まるで署長さんの子供のように接してくれました。三月に一回は私の家に来てくれてお小遣いも頂いたりしたのです」


「そうだよね。署長さんは人格者だと思うよ」僕は署長のことを褒めたたえた。


それに気をよくしたのかもしれないが、順子は調子に乗って話す。


「父が亡くなる前には転地療養がいいということで、この街で暮らしたこともあったのです。父は末期の癌だったのです。この街の施設に優先的に入れてもらい、最期は穏やかな顔で逝きました。残念でしたが私は最期には間に合いませんでしたが・・・」


「この街で?何ケ月ぐらいなの?」


「半年でした。街の住民にならないと施設には入れないということで、叔父様が手続きまでしてくれたのです」


「住民登録したのですね。それで、何か変わったことはなかったの?」


「変わったこと?どういう意味ですか?」


「いや・・・医療費とかが無料になるとか?亡くなった後に保険が入ったとか?」


「それは知りません。母が全部やっていたので・・・でも、父が亡くなった後は生活がとても楽になったのは感じていましたから保険金が入ったのかもしれません。そんな話はしたことがないので。それよりも、叔父様が大きな葬儀をしてくれたのです。親戚からは色々と言われたりしましたけど、母は叔父様を信頼していたので全て任せるということになったのです。葬儀もこの街だったのです。ですから、私は一度だけ来たことがあります。もう、五年になります・・・」


「そうだったんだ。それで、お母さんはこちらには来ないの?」


「母は仕事を持っていますから無理だと思いますが、もしかしたなら年末には越してくるかもしれません。叔父様が仕事を世話してくれるということを聞いたことがあります。もし、そうなったなら最高の幸せです。母と一緒に暮らせるし叔父様も喜んでくれると思います」


この親子は署長へ全幅の信頼を持っている。


「それは素晴らしいことだよ。この街なら何の不安もないし・・・」


「はい、私の給料も前の会社の三倍になりましたし、何があっても不安なく暮らせると思います。ただ、叔父様が言うには早く結婚したほうがいいと?でも、結婚したら何かいいことがあるって?何でしょうか?」


「聞いていないのかい?」









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「バカなことを言うなよ・・・そんな気はないよ。美幸が一番だよ・・・」


「一番ということはあの女は二番なの?」


「変な嫉妬はしないでくれよ。何とも思っていないし、仕事の仲間ということだよ」


「そうかしら?何となく分かるのよ」


「いい加減にしてくれよ。何とも思っていないんだから・・」


「・・・本当に私だけ?信じていいの?」


「当たり前だよ。嫉妬してくれたのは何か嬉しいけどね」


「女だもん・・・茂さんの目の動きが気になっていたのよ。仕方ないわよね。男は皆同じよね?」


「・・・もう・・・美幸・・・怒るぞ」


と、たわいもない会話であったが、このことは後に現実となり大変なことが起こったのだ。



その夜、店は暇であったので、白鳥順子の歓迎会を開くことになった。


「白鳥さん、自己紹介してよ?」と、女将が言う。


「今日はご苦労様でした。私は短大を卒業して大手の飲食チェーン店に入りました。そこで一応の接客等は学びました。今年で二十四才になります。大手の店では出来ないことをしたいと思っています。それは、まごころを込めて精一杯お客様と対応することです。大手では流れ作業的になってしまうことに疑問を持っていました。そこで、ここの署長さんに相談したのです」


しっかりとした態度と言葉使いであった。僕は、咄嗟に尋ねてみた。


「山田茂といいます。署長さんとは長い付き合いなのですか?」


「はい、叔父様は父の友人だったのです。ですから、お願いして・・・」


「そうなの・・・私は美幸・・・茂さんの・・・」


「はい、女将さんから聞いています。とってもお似合いのご夫婦だと思いました。とても羨ましいです。お二人の仕事態度にはお互いを気遣っているように感じました。とてもいい店で働けることに感謝しています」


「順子ちゃんは、若いのにしっかりとしているのよ。だから、無理を言って来てもらったのよ。家柄もよくて、こんな小さな街で働いてくれることは本当にありがたいのよ」


と、女将も白鳥に満足してといるようであった。



「これからは順子ちゃんでいいかしら?」と、美幸が言う。


「はい、宜しくお願いします。私のことは順子と呼んで下さい・・・」と、頭を下げた。


何と可愛い女だ。全ての仕草が僕のタイプなのだ。しかし、そんなことを顔に出そうものなら美幸に感づかれてしまうと思い、そ知らぬ態度に徹していた。


僕の作った料理を何度も美味しいと言ってくれた。


歓迎会も終わり、女将は署長と会う必要があるということで店を先に出た。


僕たちは、三人で談笑していた。すると、美幸の携帯が鳴り何やら話している。



「茂さん、ちょっと用事が出来て藤村のところに行かないといけないのよ・・・」


「葬儀社の?」


「そう・・・八時までには帰られると思うけど・・・もし、遅くなりそうだったら、署長さんにお願いしてみるわ。それなら、八時過ぎでも大丈夫だから・・・」


何の用事なのかは知らないが、どうせ女同士の井戸端会議だろうと思った。


「茂さん、順子ちゃんを送ってあげたら・・・」と、何故かニヤリと笑ったように思えた。


「えっ・・・」


「すいません。アパートまで飲道が分からないのです。荷物は叔父様が部屋に運んでくれていると思いますが・・・お願いできますか?」


「茂さん・・・送ってあげて・・・私はもう行かないと・・・じゃあ・・・」


店の中は二人きりになった。何か重苦しいというか無言のままに時間が過ぎていった。



外は雨になり、客は来ないと思う。僕は厨房に入り片付けをし始めた。本当は明日でもいいのだが何か間が持たない。それを見て順子も手伝ってくれた。


白く細い綺麗な指だ。後ろ姿のラインを見て、中身を想像してしまった。


「ご苦労さん・・・さっ、送っていこうか?」


「はい・・・」と、愛くるしい目で僕を見た。


住所を聞くと、どこかで聞いたことのある地名だ。


そうか、以前に死んだ森嶋さんが住んでいたアパートで同じ部屋だと分かった。


何という偶然だ。確かに、あの時の男たちが次は若い女だと言っていたのを思い出した。


七時半になっていた。店の車で行くことにした。



「運転がお上手なんですね?」


「いえ、そんなことはないですよ。この街は車が少ないから楽なのです」


そんな会話をしているとアパートの前に着いた。順子は僕に部屋までついてきて欲しいと言う。


一人で部屋に入るのが怖いということであった。確かに、今日が初めてなのだ。


ドアを開ける。電気をつける。部屋の中には色々な荷物が置いてあった。



「これから整理しないと・・・もっと、少なくしておけばよかったわ・・・」

と、独り言のように呟いた。


「山田さん、お茶でも飲んでいきませんか?」


「いや、帰らないと・・・女の子の部屋にいるのは・・・」


「嫌ですか?一人になるのが怖いんです。初めてのアパートだし・・・少しだけ一緒にいてくれませんか?落ち着くまででいいのです」


「うん、少しだけなら・・・」僕は、この部屋に住んでいた男を知っているが、そのことはふれないでおかないといけない。順子に恐怖心を与えてはいけないと思った。









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「違うよ。そう思っただけだよ。もし、僕が誰かに聞いたとしたなら?」


「ルール違反よ」


「違反したなら?」


「街のどこかの施設で強制的に・・・」


「収容所みたいなところで何かさせられるとか?」


「当たりよ。詳しくは知らないけど、街の住民として生きていくことの勉強をさせられるって聞いたわ」


「おいおい、戦時中じゃないんだよ。そんなことがあるのかい?」


「あるわよ」


「どんなルール違反でも同じかい?」


「そう・・・」


「この前の左遷された警備課長もそういうところに?」


「お母さんが言っていたわ。もう、警官としては働けないし、人生が終わったようなものだって?」


「そんなに厳しいのかい?この街は、良いところと悪いところの差が激しいよ?」


「嫌なら出ていけばいいのよ。それだけのことよ。茂さんも嫌なんでしょう?」


「そんなことはないよ。美幸を愛しているし、この街を出るなんて考えられないよ」


「本当?嬉しい・・・私とずっと一緒よ・・・ずっと・・・」


美幸は僕の胸に顔をうずめた。



美幸の話で少しは分かったような気がしていた。




街が保険を掛ける、そして、誰かが死んだなら保険金が入る。そのお金は住民のために使う。


しかし、民間の保険が駄目ということには何かひっかかるものがあった。


「美幸、民間の保険は本当に駄目なのかい?」


「駄目よ。ルールだって言ったじゃないのよ。何度も同じことを聞かないでよ」


急に美幸は怒り出した。何か隠していることがあるようだ?




「ごめん。そんなに怒らないでよ。謝るから・・・」


「茂さんの悪いところよ。あんまり詮索しないほうがいいわ。私も以前は詮索していたけど今は何も詮索なんかしないわよ。普通に暮らしていればいいのよ」


「そうだね・・・そうするよ」


二人は、そのまま眠りに落ちた。



翌朝、店にいると女将が戻ってきた。



「美幸、大変だったそうね?で、他には何もなかったわよね?」


「うん、私よりも茂さんが・・・」


「茂さん、色々と経験できてよかったんじゃないの?ハハハ・・・少しは分かったわよね?」


「分かったというよりも不思議です。女将は署長さんから聞いているのでしょう?」


「全部知っているわよ。まぁ、大きな問題もなかったし、それよりも運が良かったのよ。あなたはラッキーな人よ。婿としては最高だと思ったわ。亡くなった人は可哀想だとは思うけど、皆のためよ。この街のためよ・・・」


また、意味不明な言葉を言う。



続けて「そうそう、お入りなさい。白鳥順子さんよ・・・今日から働いてもらうから」


「白鳥です。宜しくお願いします」と、若くて可愛い女が挨拶をした。


年のころなら二十三か四才だろうか?まるでアイドル歌手のような顔つきであった。


その日は、女将が白鳥を指導していた。ランチタイムが終わると二人して街役場に行き住民登録をすることになった。仕事中は思っていたよりもテキパキとこなし、過去に飲食店の経験があるようにも思えた。


僕の白鳥を見る目が女として見ていたことを美幸は感じたようだ。


確かに、僕のタイプであり、美幸との出会いがなかったなら白鳥順子をくどいていたかもしれない。今まで付き合った女とは何かが違うと思っていた。


二人が出かけてから美幸が僕に尋ねた。



「タイプなの?」


「何が?」


「あの女よ・・・」











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「警備課のものですが、ちょっと聞きたいことがあります?」と、警備課長であった。


「何でしょうか?」


「さっき、駅前で会っていた男とは知り合いですか?」


夏木さんのことだ。何かある?




「いえ、声をかけられたのです。初めて会った人ですが・・・」


「何の話をしていたのですか?」まるで尋問のようである。


「飛び込み事故のことです」


「何を話しましたか?」


「ただ、定食屋の女主人が飛び込んだようだと・・・それが何か?」


「それだけですか?」


「それだけです。他には何も話していませんが・・・」


「それならいいのですが・・・」


「あの男は何かあるのですか?」


「いえ、特にはありませんが、山田さんが付き合う男ではないかと?・・・あなたは、将来の街のために働く人ですから変な人とは付き合わないほうがいいでしょう。署長からも言われていますので・・・」


「そんなに変な人なのですか?」


「・・・そうです。あなたとは住むレベルが違います。今後は気をつけて下さい」


「そうは思えませんが?また、会うこともあるかもしれませんが、世間話でも駄目なのですか?」


「余計なことを言わなければいいということです」


「余計なこと?言っている意味が分かりませんが?」


「しつこい人だな・・・あんたが署長の知り合いじゃなかったなら・・・」


「だったら・・・どういうことになるのですか?逮捕されるのですか?」


「もう、いい加減にして下さいよ。とにかく、そういうことです。しっかりと守って下さい」


「気をつけます・・・」僕は警察に対して強い態度に出てしまった。




女将と署長の付き合いがあるということは何故か守られているという気持ちがあった。


それと、街議員の選挙にも出る。僕にも何がしかの権力が宿ってきたように思っていた。


「旦那さん・・・あんた強いね?」後ろから職人が声をかけてきた。


「強い?何故?」


「あぁ、強いよ。俺もあんたと一緒に何かをやってもいいかな?警察もあんたには何も出来ないな。ここの女将がいる限りは安泰だよ。俺も仲間に入れてくれよ。いいだろう?」


「何の仲間?」


「仲間というよりも友人ということでいいさ・・・なぁ、いいだろう?」


「それはいいけど・・・メリットでもあるの?」


「沢山あるさ・・・今日から友人ということでいいかい?山内真二という名前を覚えておいて欲しい・・・」


「山内真二さんね・・・分かったよ。覚えておくよ」


「俺は、藤町三丁目に住んでいる。何かあったなら尋ねてくればいい」


山内は二階に戻り最後の片付けをして帰っていった。




夜の七時になっていた。もうすぐ美幸が帰ってくる時間だ。


僕は、この山内という男と、夏木という男からの情報が欲しかったのだ。


山内は何年も住んでいる、しかし、夏木は最近越してきたばかりだが何かを知っていて隠していると思う。この二人からの情報があれば街の不思議なことも理解できるのではないかと思った。



その夜、美幸は、かなり酔っ払って帰ってきた。



「何か食べたの?」

「うん、冷凍もん・・・」


「そう・・・少し酔っ払っちゃったよ・・・皆が飲ますから・・・」


「皆楽しい人だね?」


「そうでしょう・・・いい人ばかりよ。風呂にでも入って寝るわよ」


「そうそう・・・最新式のジャグジーだってさ?」


「出来たのね・・・一緒に入る?」


「いいのかい?」


「いいわよ・・・今日はそんな気分よ・・・だからね?」酔っているせいであろうか?気持ちが大きくなっていると思った。


このままなら、美幸から何かを聞きだすことは出来るかもしれない・・・?


三人以上は入れそうなジャグジー風呂である。美幸は中ではしゃいでいた。



「美幸、今日、電車に飛び込み自殺があったんだよ。駅の傍にいたんだよ。昼に食べた定食屋の女主人ということなんだけどね?」


と、そのいきさつを話した。美幸は酒のせいで湯船の中でうつろに聞いている。



「茂への遺書なの?そんな運のいいことはないわよ・・・やったぁ・・・やったね」


「そんなに嬉しいのか?人が死んだことが・・・」


「アハハハ・・・何にも知らないのねぇ・・・こっちに来てよキスしてあげるから・・・」


「どういうことだよ?人が死んだら何があるのかい?ちゃんと教えてくれよ」


「キスしてくれたら教えてあげてもいいかもよ?早くぅ・・・」


「分かったよ・・・」僕は美幸を抱きしめてキスをした。



長いキスであった。美幸は酔っているせいか求めてきた。




「茂さん・・・愛しているぅ?愛しているならお願い・・・早くぅ・・・」


美幸の色っぽい態度に負けてしまっていた。男と女の行為は続く・・・


一戦終えて・・・僕はさっきの疑問を尋ねた。






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家が見えてきた。美幸は八時前には帰るということなので一旦家に帰ってから、次に何をしようかと考えることにした。


家に着くと職人が部屋を片付けていた。改造は終わったようだ。以前よりも大きな部屋だ。



「ご苦労様です」


「あぁ、旦那さん、もう少しで終わりますよ。素晴らしい部屋になったでしょう?」


「綺麗ですね。こんなに変わるものなんですか?」


「えぇ、普通の家よりも材料にお金をかけていますから、ここまでの部屋になるのです。家が一軒建つぐらいのお金ですよ。いゃ・・・お金持ちは羨ましいですな」


「そんなにかかっているのですか?信じられません」


「知らないのですか?」


「知りません・・・」


「二千万円はかかっていますよ。材木や壁紙は相当高価なものですし、新婚さんということもあって壁には完全な防音をしています・・・ハハハ。それと、奥の部屋には風呂もありますし・・・その風呂も最新のジャグジーシステムです。このあたりじゃ最高の部屋になっていますがね・・・」


「二千万円?そんなに・・・」


「お宅にとったなら安いもんじゃないですか?こんなに運のいい家もない・・・」


「運?運とは何ですか?前にも運と言っていましたよね?」


「・・・まぁ、それはいいですよ。余計なことは言わないし尋ねないというのがルールですよ」


と、ニヤリと笑った。また、あの笑い顔だ。何か冷たく感じる笑いのような気がする。



「一つぐらいのルールでも教えて暮れませんか?」


「一つ?・・・まぁ、あんたも関係者になったのだから教えてやってもいいか?」


「関係者?」


「まだ分かっていないんだな。女将さんも奥さんも教えてくれていないということか?一年以上暮らしていたなら大概の人は分かってしまうし、分からない人にとっては困ることにもなる。知らなくても困るし知っても困る奴もいる・・・どっちにしても楽しい街だよ。じゃあ、一つだけ教えてやろうか・・・旦那さんは、誰よりも運がいいということだ。これは間違いない。幸福屋の女将と出会い、娘と結婚した。この街で暮らすなら上流階級へ入ったということだ。俺たちは、最初から運がなかった。この街では出会う人によって生活が大きく変わるということだよ」


「何となく分かりますが・・・署長さんということですか?」


「それもあるが署長だけではない・・・街長もかなりの権力を持っているということだ」


「会ったことはないですよ。誰なのですか?」


「俺も知らない。知らないから何か怖いという感覚にならないか?」


「えぇ、でも、それじゃあ僕の質問の答えになっていないですよ。一つでいいから確定的なことを教えて下さい・・・」


「・・・誰にも言うなよ?旦那さんと俺は仲間になったということだ。それも強い絆で・・」


「絆?何のことなのか分かりません。もっと、詳しく・・・」


「森嶋だよ・・・森嶋が死んだ。あんたの家の敷地で・・・それは迷惑か?」


「迷惑?迷惑と言えば迷惑です。気持ちが悪いし、お祓いでもしようかと思っています。それと、仲間というのは?」


「ハハハ・・・お祓いか・・・それはいい考えかもしれんな?俺も最初はそう思ったこともあった。だが、誰もそんなことはしない。何年も住むと感覚が麻痺してくるもんだ。人の死は・・・」



突然、玄関で誰かの声がする。職人は話すのを止めた。


「山田さん、警察ですが・・・」


警察?僕は玄関のドアを開けた。











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その遺書は、このような文章であった・・・



山田茂様へ


本当に申し訳ないことをしました。


せめてもの償いをさせて下さい。


全てを山田茂さんに託します。


ずっとお幸せに・・・沖田美津子




何なのだ?あんなことだけで自殺したというのか?


「山田さん?」と、突然、後ろから助役が声をかけてきた。


「助役さん・・・一体どういうことですか?」


「以前から精神的な病気を患っていたと聞いています。たまたま、そういう気持ちになったのかもしれませんね。残念なことですが仕方のないことです。電車に飛び込むということは決してやってはいけないことです。皆に迷惑をかけます。この件は街で処理しておきます」


「街で処理?」


「独り者なのです。家族もいないし街で処理します。それと・・・明日、幸福屋の女将が帰ってからでいいでしょう・・・」


「女将・・・何で不在なのを知っているのですか?」


「この街から外へ行く人は全て確認しています。女将は明日帰るのですよね?」


「・・・そうですが・・・」


「女将と何の関係があるのですか?」


「まぁ、そのことは女将から聞いてみたらいいと思います。それと、遺書に全てを山田さんにと書かれていますので、それは一両日中に連絡します。では・・・」



僕は呆然と立ち尽くしていた。警官や近所の人も帰ってしまっていた。


そして、駅員の笛の音とともに電車は何事もなかったかのように走り出して行く。



僕のことが原因で人が自殺した・・・そんなことがあってもいいのか?


何か悲しく寂しく、そして、腹がたっていた。人が一人死んだ。さっきまで元気でいた人が。


永井さん、森嶋さん、そして、この女主人。




僕の周りでこんなに短期間の間に三人もの人が死んでいく。




「山田さん・・・」と、突然、声をかけられた。



「夏木さんじゃないですか?」


「遠くから見ていたので何があったのかは知りませんが?飛び込みですか?」


「えぇ・・・そうです」


「知り合い?」


「知り合いというほどではありません。さっき、食事をした店の女主人でした」


「何があったのですか?」


「精神的に・・・ということらしいのですが?」


「なるほど。それでさっきの男の人は助役ですよね?」


「知っているんですか?」


「まあ・・・少し、それで何の話をしていたのですか?」



「夏木さんならお話してもいいと思います。僕に対しての遺書があったのです」


「遺書?どういうことですかね?」



僕は、この自殺にいたるまでのことを全て話した。




「珍しいことですね。山田さんに全てをという意味は何でしょうかね?」


「さぁ・・・何も分かりません。不思議でならないのです」


「それは不思議ですよ。一回しか会ったことのない人に全てを・・・全てというのは、財産ではないかと思うのです。保険金もあるかもしれませんよ。ハハハ・・・」


「まさか?そんなことはあり得ないことです。からかわないで下さい」


「いや、この街なら・・・」


「あるというのですか?まさか、そんな・・・」


「あったとしてもおかしくはないと思いますよ。常識が通用しない街のようです。何があったとしても・・・」


「そんな・・・しかし・・・」


「山田さん・・・誰かが僕たちを見ています。簡単な挨拶をして別れましょう。駅の横です。見ないで下さい。何か変な予感が・・・」



そして、二人は簡単な挨拶をしてその場から別々の方向に歩いていった。



僕が振り返ってみると確かに男が夏木さんを目で追っているように思った。


夏木さんという人はどういう人なのだろう?


何かを知っているような気もするが、この街に来て三日しかたっていないのだから僕よりも詳しいことはないと思う。



それにしても、今日は色々と不思議なことがある日だと思った。



この街では、人の一言で自殺してしまうこともあるのか?



署長を知っているということだけで・・・署長とは何者なのか?









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パトカーは、どうやら警察署に向かっている。見覚えのある道並だ。


署に着くと僕は取調室らしき部屋に強引に押し込まれた。


刑事らしき男からの取調べが始まった。



「あんたは、何故この街に来たんだ?何かの調査かね?」


「何度も言っているじゃないですか?住民だと・・・」


「今調べているから、あんたの嘘もバレル・・・何でこの街に来た?」


すると、ドアが開き男が小声で囁いている。



「・・・署長の?」と、一人の刑事が大きな声を出した。


「あんたは幸福屋の人か?」


「そうだよ・・・だから・・・何度も言ったじゃないか・・・」



刑事は僕の手錠を急いで外した。すると、他の刑事がまたドアを開けた。


「今、定食屋からも電話があって、山田さんの住民カードがあるということです。カードはこちらで引き取りに行きますから、しばらく待っていて下さい。コーヒーでいいですか?」


「何でもいいです・・・」次第に僕は怒りがこみ上げてきた。


「本当にご迷惑を・・・監視員はそれなりの処分をします。それと、山田さんを連行した警官も処分しておきます。それで、このことは・・・お願いします」


「どうでもいいことです。早く帰りたいのですが?」


「カードを持ってきたなら、ご自宅までお送りします・・・」


と、また、ドアが開き今度は警備課長が顔を出した。



「山田さん・・・すいません。うちの署員が・・・」


「いいえ、カードを置き忘れた僕が悪いのです。こちらこそ・・・」


「そうですか。まぁ、それだけこの街では不審者に対して徹底して職質をしているということです。ですから、安心・安全な街だということで了承してもらえますか?」


「分かりました。でも、何かの調査ということを何度も聞かれたのですが、調査ということは何ですか?不審者なら調査ということはないと?」


「言葉のアヤですよ・・・ハハハ・・・警官の口癖だと思っていて下さい・・・」



僕のカードは届いた。それで家まで送ってくれるというので、まだ他に用事があるということで、さっきの公園までお願いした。


公園に着くと誰もいない。おそらく僕の事件で皆帰ってしまったのかもしれない。


ベンチに腰掛けて色々と考えてみた。安心・安全・・・しかし、その裏に何かが隠されている。



そして、また、歩き始めた。


歩いていて気になったのは年寄りの数が異常に少ないということだ。


こんな天気のいい日には散歩していてもおかしくはない。それなのに、年寄りとは一人たりとも会っていない。この街の年寄りは一体どこに行ってしまったのだろうか?


今までの経験だと、どこに行っても六十才過ぎの人に会ったことがないのだ。


何か変だ?すると、老人クラブという会館が見えてきた。もしかしたなら、この街の年寄りは、こういう会館に集まっているのではないか?


会館の敷地に入り窓から中を見てみた。


年寄りが何人もいる。何やら歌を唄っているのか?いや、歌ではない・・・


般若心経らしきものだった・・・般若心経らしきものを唱えているのだ。皆が一心不乱だ。



僕は、その光景に見入ってしまった。十分もしたであろうか?



ふいに、肩を叩かれた。振り向くと・・・



「何をしているのですか?」女が声をかけた。


「いえ、何をしているのだろうかと思って・・・」


「誰かを探していたのではないですか?」


「誰か?いいえ違います。先週、この街に越してきたので散歩していたのです。そしたら・・・」


「そうですか?でも、ここは立ち入り禁止です。一般の方は遠慮して下さい。お年寄りにとっては気が散りますから、いいですね・・・」


仕方なく外に出た。しかし、年寄りがいた。こういうところで集まっているということか?


何かの宗教団体のようだった。皆の目は真剣そのものであり、何かに必死にすがろうとしていたようにも感じた。


僕の足も棒のようになっていた。そろそろ、帰ろう。


また、駅前に出た。すると、人垣が出来ていた。駅で何かがあったようだ。


警察官も数人いた。僕は直感で何かの人身事故が起きたのではないかと?


一人の警官に尋ねてみようと近づくとさっきの警備課長であった。


「あぁ、山田さん・・・いいところに来てくれました。電話しようかと・・・」


「何かの事故?僕に何か?」


「えぇ・・・定食屋の女主人が電車に飛び込んだのです。迷惑なことですよ」


「えっ、それが僕と何の関係が?」


「山田さんへの遺書がホームのベンチに置いてあったのです。これですが・・・」


「何?」そこには慌てて書いた文字があった。









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