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 「笑顔になるための246のことば」

  悲しみを乗り越える時に・・・

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その時間に大変な事件が起きていたとは知らないままに家路についた。


「茂さん、新しい街長に会えるなら、そっちのほうがいいじゃない?前の街長に会っても仕方ないと思うよ。すぐに会えるようなことを助役さんも言っていたし・・・」


「そうだな。来週まで待ってみるか・・・」


家に着き、今日は、順子と順子のお母さんと外で食事をしようと思い捜したのだが、どうやら外出しているらしい。携帯電話にもかけてみたのだが反応はない。


「お母さんがいないわ。どこに行ったのかしら?」


「おかしいな。普通なら家にいる時間だけど・・・もしかして、署長さんと?」


「それなら携帯に出ると思うわ。何か嫌な予感が・・・」


「おいおい、お母さんに何かあったってことなのかい?そんなことはないだろう?」


「でも、誰かに殺されて・・・」


「そんなことを考えるなよ。絶対にないから・・・」


僕は署長に電話をした。警察にはいないようだ。何かの用事で外出していると告げられた。携帯にも出ない。



順子の言うように何か胸騒ぎがしていた。



一時間たっても、二人に連絡はつかない。お母さんにとって、こんなことは初めてだ。


順子は、苛立っている。とにかく、捜してみることにした。


お母さんは街に来て日も浅いから知り合いもいない。唯一、署長だけである。

警察へ再度電話しても署長からの連絡はないということだ。


警察も署長と連絡が取れないということで大騒ぎになっていた。


警官も総動員で署長を捜すことになり、街は大変なことになっていた。


携帯電話の呼び出しはあるのだが、反応はない。


警察が住民登録カードナンバーで居場所を調べてみたが、お母さんのカードは家に置いたままであった。持ち歩いていないのだ。


署長のカードも警察署内に置いたままである。


カードを持っていたなら居場所は特定出来るのだが・・・


とうとう、夜になった。何の進展もない。


順子は不安で何も手につかないままである。



僕の携帯が鳴った。署長からだ。



「山田君・・・終わったよ。順子のお母さんも一緒にいる。皆に迷惑をかけたと思う。これから署に戻る。順子と二人で来てくれないか?」

僕たちは急いで警察署へ向かった。



そこには、順子のお母さんもいた。


「お母さん、心配したのよ。どこにいたの?」



「ごめんね。詳しいことは署長さんから聞いてね」


「何があったのですか?終わったという意味は?」僕が尋ねた。


「これから新しい街になる。今までは、あの女に振り回されていた。それが今日で終わった。皆も知っている女だ。俺は、その女にいいように利用されていたのだろう。俺が利用していたと思っていたが、それは大きな間違いだった。もっと早く気づくべきだったな」


「女?誰ですか?」


「女将だよ。幸福屋の・・・あの女だ」


「えっ、どういうことですか?女将が何をしていたのですか?」


「女将が街長だったんだよ。この街は俺の権限で街長になる女を決めていた。俺が十年前に署長になったからのことだ。今までの街長は何も出来ない能無しばかりだった。財政も逼迫し財政再建団体へ落ちるところまできていた。それで、俺は考えた。街のシステムを完全に変えるということだ。中東のある国の保険会社と契約して住民全員に保険に入ってもらう。掛け金は街が負担するが、保険金の支払いは街が受け取り、その一部を住民に還元する。人が死なないと街は金にならない。だから、殺人でも何でもいいから人を殺していかないといけないというシステムだ。このシステムは予想していたよりも順調だった。街の財政も黒字になり住民は喜ぶが、この街のシステムは絶対に口外してはならない」


「やはりそうでしたか?でも、女将が街長になってから何があったのですか?」


「あの女は、俺の言うとおりにしていたふりをしていた。それで、街の公金を横領していたのだ。俺もバカだったよ。付き合っていることをいいことに隠れて横領していたんだ。さらに、月に何度かは他の町に行き男と遊び、金を渡していた。他の町から人が引っ越してくるようにしむけるということを指示していたんだが、それが裏目になってしまった。莫大な金を何人もの男に貢いでいた」


「そうでしたか。それで初めて分かりました。今まで街長が誰で何をしていたのかということが・・・その街長というのは女将だったということですね。君が誰なのかが分かったよ・・・ということです」


「あぁ、街の住民を増やすことが第一だった。それで、女の色香で他の町から老人を越してこさせていた。それが街長の本当の仕事なんだよ。若い奴ら・・・特に、人生に疲れたり、自殺しようとしている奴らは自然とこの街に寄ってくるが、年寄りは勧誘しないと来ない。女将には大事な仕事を任せていたが、若い男と遊びほうけてしまった。俺の唯一のミスだ。だから、女将には・・・」


「殺したのですか?」












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外で何かの仕事をしていることは分かるのだが、何なのかは不明なままであった。


女将と署長が別れたということが店の営業にも関係していた。


署長の紹介の客も減り、宴会の回数も減った。


女将と美幸が喧嘩することも多くなった。


僕は、美幸が不倫していることは何とも思わない。逆に署長が順子との不倫を容認してくれたことで僕は勇気百倍という気持ちになっていた。


人目もはばからずに順子と出歩くことも多くなり、順子も母親が署長の女ということで権力をふりかざすことも多くなっていた。


僕と順子には怖いものは何もない。


ある日、女の店員が事故死したという知らせがあった。


自転車で走っていて、坂道でスピードを出しすぎて衝突死したという。


おそらく、女将か美幸が自転車のブレーキに細工したのだろう。


この事故も単純な交通事故として処理された。


その後、幸福屋には新しい店員が来ることはなかった。署長の力がないと人を募集しても来ることはないのだ。だから、署長と知り合いになることが金持ちになるための手段なのだ。


僕は運がいいと思った。この運が続くことが一番なのだ。運というよりも実力があるのかもしれない。どちらにしても僕の立場は強固なものになっていた。



ある日、美幸から離婚してほしいとの申し出があった。


僕は、素直に従うと言った。ただ、離婚するということは美幸にとっては不利になる。


つまり、議員の僕の力を利用出来ないということだ。


しかし、街でも大きな藤村葬儀社の長男と結婚したなら、権力よりもお金には絶対に困らない。


そういう考えがあったのだと思う。美幸という女は金のためなら何でもするのだ。



それは女将の影響だと思う。


権力にしがみつくことが出来ないとなると金を持った男に従う。


それが、この街では日常茶飯事なのだ。


皆、口に出すことはないが、当たり前のこととして通用していた。


僕は、署長の命令で順子と結婚することにした。


死んだ村越の家とは縁が切れることによって順子の議員としての生命は終わるかと思われたのだが、署長の権限で街始まって以来の夫婦の議員の誕生となった。


順子の建てた家に住むことになり、順子の母親と三人だ。


二人は夫婦として、そして議員としての生活が始まった。


「茂さん、本当に嬉しいわ。夢のようよ。あなたが私の旦那様。絶対に無理だと思っていたから・・・」


「僕もだ。こんなに順調にいったら怖いぐらいだよ。でも、順子と結婚出来て最高だ」


「私もよ。でも、これから幸福屋はどうなるの?」


「女将が別の仕事を持っているらしいから困ることはないそうだよ。何の仕事なのかは知らないけど。まぁ、藤村と結婚したなら大丈夫だと思うよ。もう、済んだことだから僕たちには関係ないよ。それと、一つだけ気になることが解決していないんだ。街長は誰なんだい?俺たち新人議員には会ってくれないということかい?」


「私もそう思っているのよ。伯父様に尋ねたら、いつも、いずれ・・・としか言わないのよ。もしかしたなら、本当はいないんじゃない?」


「それはないよ。古参議員は会っているんだよ。ただ、年に数回らしいけど・・・」


「そうよね?誰なんだろう?」


「いずれと言われても早く知りたいよ。何とかならないか?」


「叔父様も駄目だし、他の議員も駄目。助役も駄目なの?」


「駄目だよ。役場の職員でも会っていないんだよ。つまり、いてもいなくてもいいということかもしれないが、署長が言うには国との交渉とか外部との付き合いがあるということだよ。だから、不在が多いんだって・・・それにしても街長選挙もないし、不思議だよ」


「明日、役場に行って確かめてみようよ?」


翌日、役場の街長の部屋へ行ってみた。誰でも入ることが出来るらしい。大きくて豪華な部屋だ。大きな応接セットが真ん中にある。ただ、不思議なことに書類らしきものはない。



人がいるという感じはしないのだ。



「何か変だよ」


「家具屋の販売するためのセットのようだね」


「順子もそう思うかい?」


「うん、変だよ。誰かが何かをしている形跡がないわ」


「確かに・・・」と、突然ドアが開き助役が顔を出した。


「何か用事ですか?」


「街長の部屋を見ようと思ってね。不在のようですが?」


「それが何か?」当たり前のように言う。


「会えないのですか?議員でも・・・」


「いずれ・・・会うことがありますが、今の街長は代わる予定です。新しい街長と会ったほうがいいと思いますよ」


「代わる?選挙もなくて?どういうことですか?」


「すぐに・・・分かります。それと、来週には会えるはずです」と、言い残して部屋を出ていった。



どういうことだ。新しい街長・・・?



結局、今の街長とは会うことは出来ないのだ。どういうシステムで選ばれるのだろうか?


選挙もないし・・・


疑問の残るままに役場を後にした。












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僕が議員ということで、話してくれたのだ。


「署長さんとは仲がいいそうですね?」


「えぇ、公私ともにお世話になっています」


「噂なんだが、署長の奥さんが家出したそうだが?」


「家出?何も聞いていませんが・・・本当ですか?」


「年末から誰も見ていないということだ。息子は、二月に葬儀社を設立するということは聞いたが。奥さんの姿がないということだ」


「病気か何か?」


「違うと思う。病気だとも聞いていない。何かあったんじゃないのか?それと、署長の女・・・幸福屋の女将だが、最近は二人でいるところを見ていない。前は、二人で俺の家で飲んだものだよ。署長に別の女が出来たという噂があるが?」


「そういえば、女将から署長のことを聞くことは少なくなったような気がします。別の女が出来たということもあるかもしれませんが?」


「可能性はある。とすると、女将の立場は弱くなる。あんたも関係してくるはずだ。それにしても、奥さんは?・・・」


「調べてみましょうか?新年の挨拶で警察に行きますから・・・」


「分かったなら教えてくれるな?」


僕は、警察署へ向かった。



署長は部屋にいるということだ。


「おめでとうございます。今年も宜しくお願いします」


「山田君か・・・宜しくな。美幸の流産は残念だったな。また、作ればいい」


「はい、そうします。それと、署長の奥様と息子さんにも挨拶したいのですが、在宅されていますか?」


「息子はいるが、女房は不在だ。挨拶なんかしなくていい」


「でも、一度ぐらいは・・・」


「俺から話しておくから心配するな。それよりも、順子と会っているか?」


「はい、議員同士としての付き合いは・・・」


「議員?おいおい、俺は何でも知っているぞ。お前たちのことは・・・」


「えっ、何ですか?」


「関係があるということだよ。知らないふりをしていたが、もう、話してもいいかと思ってな。それで、美幸は知っているんだろう?」


「・・多分・・・そうだと思います・・・」


「ハハハ・・・それなら離婚したらいい。美幸にも男がいるんだよ。知らないのか?」


「えっ・・・男・・・誰ですか?」


「藤村葬儀社の長男だ。美幸の友人の兄だよ」


「そんなこと・・・署長は何で僕に話してくれたのですか?」


「俺も、女将との付き合いは終わった。そうなると山田君は他人のようなものだ。だったら、教えてやってもいいと思った」


「僕との付き合いもなくなるということですか?それは困りますよ。署長さんとの付き合いがなくなったなら、何も出来なくなります。どうか、付き合って下さい。お願いします」


「ハハハ、心配するな。君との付き合いは順子がいる限り続く。何の問題もない。順子も議員になったし、俺の予定通りだ」


「予定・・・どういうことですか?」


「言わなくても分かるだろう?ハハハ・・・」


「順子の母親と?」


「そういうことだ。あの女はいい。女将なんかよりも数倍もいい女だ。しかし、女将にも困ったものだよ。俺が別れると言ったなら、とんでもないことを言い出した・・・ハハハ」


「何ですか?」


「まぁ、それはいずれ解決する。それよりも、美幸と離婚したいんだろう?流産した子供も君の子じゃないかもしれないぞ。もしかしたなら藤村の・・・」


「僕も疑っていました。避妊は完璧だと思っていたので・・・そうだったんですね。とんでもない女です。もしかしたなら、流産も計画的かもしれません。女将と署長が別れることでお金が入らなくなるということですよね?」


「少しはあるかもしれないが、女将には別にお金が入るルートがある。そんなに困ることはないだろう。俺も、女将にはよくしてやったと思うが、もう、飽きた。俺にもはむかうことが多くなったし、女は権力を持つと男以上にやっかいな生き物だ。俺に口答えし始めたなら終わりということだ。いい潮時だよ」


「もしかして・・・奥さんも?」


「想像に任せるよ、ハハハ・・・しばらくは新しい女と付き合うことにする。それが順子の母親ということだよ」


「順子と僕が付き合っているということは署長さんとも付き合いが続くということですね?それと、美幸と離婚して順子と結婚したなら署長さんとは・・・」


「最近は理解が早くなったな?君も街の有力者として十分な男になったということだよ」


「ありがとうございます」


僕は何故か安心していた。こんな男と付き合うことは人として最低だ。しかし、この街で生きていくには仕方のないことなのだと言い聞かせた。


奥さんは、殺されたのだろうか?邪魔な存在になっていたのだろうか?


そんなことはどうでもいい。僕が街の議員として地位と名誉とお金があればいいのだ。


それ以来、女将は何となく生気がないように思えた。











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「街の裏山にある大きな電力施設よ。街の電力はそこでまかなっているのよ」

 

「聞いたことはあるけど?視察してみるか?」


翌日、二人で電力施設に行った。無人の施設であった。


「大きいな。ここから電力が・・・」と、言いかけると。


「抱いて・・・お願い・・・ずっと、好きだった。茂さんが一番好きよ」


こういうことをするために順子は僕を誘ったと思った。


美幸との関係も冷めていたので、僕は順子にしがみついていた。


久しぶりの順子の香り。周りには誰もいないということで獣になったようであった。



「やっぱり、茂さんが一番。これからも会ってほしい。茂さんの立場は分かっているから、結婚してほしいなんて言わない。ただ、会ってくれるだけでいいの?」


僕は静かに頷いていた。以前よりも度胸がついたのかもしれない?


美幸のおなかも大きくなり、働くことは止めたほうがいいと言ったのだが、美幸は無視して働いていた。


新しく入った女も仕事を完全に覚えてくれて店の戦力となっていた。


女将が殺すということはないのか?女将の行動を注視していたのだが、何事も起こらない。



当分は何もないような気がしていた。




しかし、年末の旅行のことは何ひとつ聞かされないでいた。


今年も残すところ十日となっていた。


「茂さん、来年は父親よね?」と、女将が言う。


「はい、何か信じられない気持ちです」


「頑張らないとね・・・美幸のためにも」


「はい、家族のために。それと、女将・・・年末はどうするのですか?」


「年末?何もないわよ。いつも、静かに家で新年になるのを待つのよ」


「そうですか?どこかに行くとかはないのですか?」


「ないわよ。どうしてそう思うの?」


「いや・・・何となく」


「それならいいけど。どこかに行きたいの?」


「新婚旅行以外に、どこにも行っていないし・・・長期の休暇だから・・・」


「長期・・・それもいいかもしれないわね。でも、今年は無理よ。美幸のことがあるから、あんなおなかでどこに行くのよ。無理でしょう?」


「そうですよね。無理ですよね。変なことを言ってすいません」


「じゃあ、来年は特別に長期休暇をとることにしましょうか?あなたの叔父さんや叔母さんにも会いたいでしょう?この街に来てもらって、ここからどこかに行きましょう」


「えっ、いいんですか?喜びますよ。しばらく会っていないし、結婚したことも知らない。皆でどこかに行けるなんて最高です。来年になったなら行き先を考えてもいいですか?」


「勿論よ。私も茂さんの親戚に会いたいし・・・美幸も同じだと思うわよ。とりあえず、私と茂さんだけの秘密にしておきましょうね」


女将は笑顔で話してくれた。僕は、その笑顔をどこかで見たようにも思ったが、叔父と叔母に会えるという嬉しい気持ちでかき消されていたのだ。


順子の家も完成したが村越が死んだということで母親だけが暮らしている。


母親は順子に似て美人だ。何げに女将と比較してみたが、順子の母親のほうが上物だ。


署長の紹介で役場の中の福祉の仕事をしているという。主にお年寄りの年金の担当だ。


年末が近づき僕の仕事も多くなっていた。主に、葬式なのだが・・・


僕たちの赤ちゃんは順調に育っている。しかし、美幸は仕事を止めない。止めないというよりも無理しているような気がしていた。


「もう、仕事を止めようよ。無理したなら流産するかもしれない?」


「大丈夫よ。平気・・・つわりもないし、臨月になるまで働くわ。心配しないで・・・」


「美幸がいうなら・・・」


そして、悪い予感が的中したのだ。仕事中にころんで流産してしまったのだ。


病院に運ばれたのだが、美幸は大丈夫だという。しかし、子供は死んだ。


後、三ヶ月であった。ころんだというのは女将から聞いたのだが、何か疑問が残る気もした。


僕は議員の仕事で不在であり、店員の女は買出し、女将は何かの用事で外出していたという。


生まれていない赤ちゃんも一人の人間として街からお金が出る。


五千万円ということであった。ということは、この街の流産が多いということは、もしかしたなら計画的に流産しているのかもしれない?そうであれば、この街の女は、完全に狂っているとしか思えない。しかし、美幸はお金に困っているということはない。


おそらく、ころんで流産したと思うしかなかった。


そこまでお金に執着しているとは思いたくなかった。


美幸は、数日落ち込んでいたが、今は、前の美幸に戻っていた。


大晦日の夜になった。街は静かに新年を迎える。


新年になっても葬式は多い。事故や病気。しかし、どうみても不思議な死もあった。


おそらく、誰かによる殺人なのだろう。警察は、全てを事故死や病気、心中として処理していた。


新年の挨拶が始まった。議員としての大事な仕事だ。


街の有力者の家を訪ねる。ある一軒の家で、不思議な噂を聞いた。

 









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僕は街の病院へ向かった。そこには、目を閉じた村越が横たわっている。


「順子、何があったんだ?」


「分かりません・・・崖から落ちたようです。この街にはガードレールというものがありませんから、スピードの出し過ぎで曲がれなかったということらしいの・・・」


「で、医者は何と?」


「・・・難しいと・・・」


村越は、人工呼吸器をつけられていた。医者が言うには、人工呼吸器を外したなら終わりだという。村越の親と順子は最悪の決断をすることになった。


村越は静かに息をひきとった。安らかな顔であった。



順子は泣き崩れたが、僕は、その泣き顔が、元彼を殺した時の様相に似ていると思った。



もしかして・・・順子が?そんなバカなことはないと信じたいのだが・・・


葬儀は盛大に行われた。議員ということで大勢の人が参加した。


順子は未亡人となったのだ。結婚して半年もたっていない。


議員の夫が死ぬと、その女房が議員となることが街のルールだ。


順子は新しい議員として街のために働くことになった。


僕には知らないことがあった。議員が死ぬと、その家族、特に奥さんには、とんでもない金額の香典が入るということを・・・


議員の死は、五億円が奥さんと子供に、五千万円ずつが親族全員に入る。


つまり、順子には五億円。親には五千万円ずつが入るのだ。


このことは、他の議員から聞いた。僕は順子に対して疑念を持った。


「順子、大変だったね。村越が死ぬなんて?」


「運命よ。仕方ないわ。それよりも、茂さんと同じ仕事が出来ることが嬉しい」


「そうかい?それと、事故の本当の原因は何なの?」


「原因?運転ミスよ。叔父様が言っていたわ」


「これからも村越の家にいるのかい?」


「そうしないと議員ではいられなくなるから・・・」


「そうか・・・まさか、順子が何かの細工をしたということはないよな?」


「細工?殺したというの・・・そんなことは・・・ないわよ。運転ミスよ。信じてくれないの?」



順子は愛くるしい目で僕を見た。その目は、何とも言えないぐらいに輝いていた。




僕は確信した。間違いなく順子が何らかの方法で殺害したと・・・



事前に議員の死亡で入ってくる金額を知っていたのだろうか?


その後、順子は議員として僕と行動を共にすることが多くなっていた。


年末に近づき、街は冬支度になっていた。それにつれて死ぬ人の数も多くなり、僕の収入も増えていった。



ある日の夜の議員の会合でのことだ。


「茂さん、美幸さんの赤ちゃんはどう?」


「順調だよ。来年の春には父親だよ。信じられないけどね?」


「美幸さんはお店に出ているの?」


「毎日、働いているよ。何で?」


「うん、この街の人は流産が多いってこと知っていた?」


「そんなに多いのかい?」


「皆、働いているからね?だから、気をつけるように言ってよ」


「そうか、心配してくれて有難う。順子は結婚しないのかい?」


「養子として来てくれる人がいたなら・・・そんな話はあるわ。村越の親もそう願っているみたいよ。葬儀社を経営するにしても若い男の人が必要だって・・・」


「署長に紹介してもらったら?それなら間違いないだろう?」


「叔父様?それもいいかもね・・・知っていた?叔父様の奥様は・・・あっ、それはいいわ」


と、言葉が途切れた。この時点で、署長の奥さんが行方不明だとの噂を聞いていたのだ。


「奥様が何だい?」


「いいのよ・・・関係ないわ。それよりも、叔父様の長男が葬儀社を作るんだって。街一番の大きな葬儀社らしわ。お金があるから何でも出来るのね」


「順子は何でも知っているんだね。最近、署長とは会っていないし・・・」


「たまには会わないと色々な情報が入ってこないわよ。叔父様は街一番の権力者だからね」


「そうだよね。順子・・・街長に会ったことはあるかい?」


「ないわ。普通の人じゃ会えないらしいわよ。忙しいということもあるけど・・・」


「早く会いたいなぁ・・・そう、思わないかい?」


「・・・そうね・・・それよりも、明日、時間があれば視察に行かない?」


「どこに?」










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一ヵ月後、結婚式は行われ二人は夫婦となった。順子は店を辞めて村越の葬儀社を手伝うことになった。


たまに、順子と村越は店に食事に来た。


順子は、とても幸せで嬉しそうに寄り添っている。


当分は、順子の建てた家で母親と一緒に暮らすという。村越も了解してのことであった。


いつもと同じように、街は越してくる人、何らかの理由で亡くなる人。


そして、亡くなる人が出るたびに、新築の家が建つ。さらに、街には高級車も増えていった。


かくいう僕も、外国の高級車を所有している。議員になって初めて分かることがあった。


誰かが死ぬと議員には、葬式に出るための臨時手当が支給されるのだ。


その額は、一回につき百万円。月に五十人が死ぬと、僕には五千万円もの大金が入る。


これもルールなのだ。



女将の店には新しい女が入った。中年の女で何か暗い感じのする人だ。


何でも自殺未遂を何度もしていたということを聞いた。


間違いなく、この女も・・・


女将の考えていることも瞬時に理解できる僕になっていた。


完全に街に同化していたと思う。


議員としての特権と報酬は何ものにも代えられない。



ある日の夜のことであった。


女将と美幸が何か話している。かなり遅い時間だ。


僕は、喉が渇いたのでリビングでお茶を飲もうとしていた。


ドアが少し開いていて光が洩れている。


「まだ、早いわよ・・・」と、美幸の声。


僕は何だろうと思い、ドアの後ろに隠れた。


「一年になるのよ。もういいわよ。あんたは好きでもないのでしょう?」


「そうだけど・・あんまり早いと・・・この前と同じで、友達にからかわれるのよ」


「そうかい?あんたがいいというならいいけどね。少しまとまったものもあってもいいんじゃないの?それだけよ。あんたに任せるから・・・」


「お母さんは、いつもそうなのよ。でも、それもいいかもしれないね。子供も関係ないし・・・」


「そうだよ・・・そうしたなら、年末から新年には旅行したいのよ。行きたいところがあるのよ。お母さんと一緒じゃ駄目かい?」


「お母さんでもいいけど・・・お母さんは彼とのほうがいいんでしょう?」


「そうだけど、長い休みは無理なのよ。ああいう立場の人だからね」


「じゃあ、三人で行くのはどう?いいアイデアでしょ・・・」


「それはいいわね。そうしようかねぇ・・・美幸」


何の話なんだ。三人で旅行というのは間違いなく僕のことだろう。


しかし、子供は関係ないという意味は何だ。確かに、生まれる月は春だから関係ないのか?


僕は何も分からないままに二階へ戻った。


旅行か・・・久しぶりだ。女将と美幸は旅行の計画を立てていたんだと思った。


それなら、知らないふりをしておこう。何も知らないふりを・・・そして、僕を驚かせようとしているんだと・・・


美幸のおなかも大きくなり、父親としての実感が少しはあるように感じてきた。


夏になり、街でもお祭りの季節になった。


街のあちこちで祭りが開催され、街は活気な様相だ。


祭りに議員として出席すると、手当てとして五十万円が入る。それも嬉しい。


何があったとしても僕は動じない人となっていた。


人の死というものは何とも思わない。人が死ぬ・・・お金が入る。


ただ、それだけのことだ。役場で転入届の受付が混雑していると嬉しくなる。


死ぬ人も多いが、転入してくる人も多い。


不幸をかかえている人は、何故かこの街に引き寄せられる。


不幸な人は、明るく大きな町へは足が向かないのかもしれない。


決して転出する人はいないはずだ。皆、この街で死んでいくのだ。


一定の人口が街には必要だ。これ以上増えても減っても困る。


いつも一定の住民でいいのだ。


大きな街になる必要はない。しかし、衰退していく街でも困る。


順子の旦那の村越が事故に合ったという電話が突然あった。


車を運転していて何らかの原因で事故になったということだ。


街の病院へ搬送されたのであるが、危篤状態らしい。











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「殺しました。許せなかったのです。八時前に、街で彼と偶然に会ったのです。それで、本当のことを聞こうとして彼のアパートまで行きました。色々と話しをしていたのですが、突然、彼は、私の体を求めてきたのです。彼女は、仕事でいないということで・・・私は必死に抵抗したのですが、男の力にはかないません。それで、終わった後に・・・彼女は、深夜に帰ってきました。死体を見られたので、無我夢中で・・・」と、泣き崩れた。


「仕方ないわよ。強姦されたんだから、それぐらいは・・・」と、女将。

僕は、深夜のタクシーでのことを思い出していた。もしかしたなら、由美子ではないかと?


「署長さん、もしかしたなら、その女はホステスの由美子じゃないですか?」


「そうだよ。知っているのか?」


「昨夜、議員の宴会で、由美子という女に会いました。帰り道が同じということでアパートの前まで送っていったのです。その時に、タクシーの運転手がアパートの下に女がいると?」


「それが私です。帰ろうとしたらタクシーが来たので隠れたのです」


「順子ちゃん、どうして殺すなんて・・・殺すことはないだろう?」


「山田君、予定通りだよ。ただ、勝手に出頭しては困る。一応、順子は発見者ということで処理するしかない。この街には犯罪はない。無理心中として処理することが決まった。順子は何もしていないし、ただの発見者だ。いいか、順子・・・そういうことだからな」


「はい、叔父様・・・ごめんなさい」


「署長、予定通りということは何ですか?」


「分からないか?俺は、あの二人をこの街に来させた。いずれ、死んでもらうためにな。順子のことを弄んだ罰だ。少しだけ早くなったということだ。別に順子が手を出さなくても誰かが実行したらいいんだ。ということは、その現場近くに山田君もいたということか?それで、順子を見た?」


「僕は見ていません。タクシーの運転手が・・・」


「そのタクシーの運転手の名前は分かるか?」


「名前は分かりませんが、顔を見たなら・・・どういうことですか?」


「順子を見たと言ったんだな?それなら、そのタクシー運転手も警察にやって来ると思う。そいつにも金が入る。少しだけどな・・・それよりも、運転手を何とかしてもいいか?順子の取り分が少なくなってしまう。山田君、タクシー会社に行って運転手を見つけてくれ、後のことは荷とでもする。これがルールなんだ」


何ということだ。順子のためにここまでするというのか?しかも、運転手は殺されるかもしれない。お金なら運転手に渡してもいいではないか?とんでもないルールが存在していたのだ。


僕は、署長の言うとおりにタクシー会社へ行き運転手を特定した。



幸いなことに、その運転手は事件のことを知らないようだ。



後に、署長が言うには、独身だということだった。



後日、その運転手は住民登録から抹消されていた。それも、死亡ということで・・・




順子には、六千万円のお金が入ってきた。


人を殺したということの後悔よりも、六千万円という大金で順子は普段よりも明るくなっていた。母親と暮らす家を建てるということも聞いた。


こんなにも人は変わるのか?あの時の順子とは別人のようであった。


街のルールって何なのだ。こんな考えられないルールで人は変わってしまう。


殺人という非人道的な行為はかき消されてしまっていた。


普段と同じ生活が続いていた。順子の母親も越してきて親子で暮らしている。

家も、もうすぐ完成するという。この事件以来、僕と順子の関係はなくなっていた。



順子にはお金という武器がある。


ある日の店での会話だ。



「美幸さん、赤ちゃんは順調?」と、順子が聞く。


「順調よ・・・もう、安定期だから・・・」


「いいわね・・・羨ましい。私も赤ちゃんがほしい・・・」


「結婚はしないの?署長さんにお願いしたら?」


「そうよね。母親も来るし結婚もいいかもね?家も大きくなるし・・・」


「そうよ。茂さん、誰かいない?」


「誰かって?」


「順子ちゃんの相手よ。知り合いでいないの?」


「いないこともないけど・・・」


「誰よ?」


「ほら、僕と同じに当選した議員の村越さんだよ。彼は独身だよ。この前、飲んでいた時に結婚相手を探しているということを聞いたよ。署長さんとも知り合いだけど、伴侶は自分の力で探したいと言っていたけど・・・順子ちゃんならお似合いだと思うけど?」


順子は、僕の顔を薄笑いを浮かべて見た。


「議員さん?紹介してよ。山田さんの紹介ならいいと思うわ。どんな人?」


僕は、村越のプロフィールを順子に教えた。


見合いの日も決まり、その後、二人は付き合うことになった。


村越の家は葬儀社だ。街でも有名な家だと聞いた。


村越は、順子に一目ぼれしてしまったようだ。









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「あんたは会ったことがなかったのかい?いい人だよ。街にとっては必要な人だ」 


「だから、どんな人なんですか?どんな男なんですか?」


「男?いずれ会う時がある。今は、これ以上のことは言えない。ルールだよ」

「ルールですか・・・」僕は、ルールという言葉に対して気後れしていた。

自然とルールという言葉に対しては・・・保身のためなのかもしれないと思った。



その夜は、深夜まで飲んでいた。この街唯一のスナックだ。



ホステスが数人いる。その中でも一番の美人が由美子という若いホステスだ。


最近、街に来たということを聞いた。かなりの美人で議員たちは由美子と一緒に歌を唄っていた。


「山田さんは、若いのに議員さんなのよね?」由美子が尋ねた。


「一年生議員ですよ」


「でも、凄いわ。街の権力者なのよね?ウフフ」


「そんなことは・・・」と、言いかけると、由美子は僕の手の上に手を置いた。


「たいしたものよ。街では噂になっているのよ。幸福屋の人でしょう?」


「そうだけど、何で知っているの?」


「皆、知っているわよ。新婚さんよね。それと、奥さんのおなかの中には赤ちゃんが・・・」


「そこまで知っているのかい?そうだけど・・・ところで由美子さんは、どこから来たの?」


「秘密よ・・・それと、順子さんていう店員さんもいるでしょう?可愛い子よね?」


「それも知っているのかい?驚いたよ。何でも知っているんだな?」


「ちょっとね。今度、お店に行ってもいいかしら?煮込み料理が美味しいって聞いたから・・・あなたが作るんでしょう?」


「それは嬉しいよ。いつでもいいから食べに来てよ。ごちそうするよ」


「嬉しい・・・さっ、飲んで・・・議員さんには八時の時間制限はないし、私たちも議員さんと飲むと時間は関係なくなるのよ・・・さっ、飲んで・・・」

と、由美子は酒を勧めた。本当に綺麗な女だ。愛想のいい僕のタイプの女だった。




深夜の二時になっていた、ここでお開きということで皆は特別タクシーを呼び家路に着く。



議員には特権があり、特別タクシーというものがあった。どんな時間であってもタクシーを利用することができるのである。


僕は、偶然にも由美子と方向が同じだということで相乗りして帰ることになった。


「一緒ね・・・奥さんに知られたなら怖い?」


「別に怖くはないよ。君と何かあったわけじゃないしね」


「何かあったらいいなぁ・・・ウフフ」と、僕の肩にもたれてきた。


「おいおい、タクシーの中だよ。酔っているのかい?」


「少しね・・・運転手さん、そこを右・・・」


タクシーは小さなアパートの前で停まった。由美子はふらふらしながらタクシーを降りた。


「議員さん、いい女だね?」と、運転手が言う。


「そうだね」


「あの女は、いつも酔って帰るんだよ。アパートの二階の端の部屋だよ。男と一緒に暮らしているようだが・・・」


「男?旦那かい?」


「それは知らないな。いつも、あの女が階段を上るとその足音で男がドアを開けるんだよ。中年の男だよ。最近、一緒に越してきたらしいがね?他の町で何かやったんじゃないのかね?意味ありのカップルだと思う」


「そうか・・・まぁ、俺には関係ないよ」


「ヘヘヘ、俺も・・・それはそうと、さっきのアパートの下の隅に女の姿があったけど、見なかったかい?こんな時間に外にいるなんておかしい。若そうな女のように見えたが?」


「見間違いじゃないのかい?ルール違反だよ。そんなことはないだろう」


「そうか・・・見間違いだな」


僕も酔っていたので何も見ていないし、そんなことよりも早く帰って眠りだい気持ちが強かった。


翌朝、美幸にたたき起こされた。



「茂さん、大変よ。順子ちゃんが・・・署長さんからなのよ。順子ちゃんが・・・」


「どうしたんだい?」


「警察に出頭したって?」


「何で?」


「殺したらしいのよ。二人も・・・」


「まさか?」


「お母さんと一緒に行ってよ。署長さんが言うから・・・」


警察に行くと、順子は取調室にいた。



「困るんだよ・・・順子ちゃん。出頭しては・・・」と、署長が言う。


「でも、殺したから・・・」


「署長さん、何があったのですか?」と、僕が尋ねた。


「いゃ・・・順子が、例の元の彼とホステスを殺したんだよ」


「えっ、そんな・・・嘘だろう?」















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「いずれな・・・山田君も同じ仲間・・・もう、逃げることは出来ない。この街から出ることは出来ない。一生、ここで楽に暮らしていくということだ な・・・お金には不自由しないしな・・・」 


「・・・分かります。ここで暮らしていくしかないと思います。女将は前からこのことを知っていたのですか?旦那さんがいた時から?」


「そうよ。署長さんとは長い付き合いなのよ。署長さんが昔住んでいた町に来た時に知り合ったのよ。それから・・・ねぇ、署長・・・」


「そうだ。俺と女将はそういう仲なんだ。旦那を殺すためにこの街に来た。女将と旦那とは何年も前から冷え切った関係だった。それと、暴力もあった。それで、女将は殺すことを決めたんだ。どうせ殺すなら、この街が一番だ。運がいいというか悪いというか、旦那が買出しの途中で交通事故死した。隣の町の山中だったが、住民カードのおかげで俺が一番先に発見し、死体をこの街に運んできた。殺す手間が省けたということだ。全てはうまくいった」


「旦那が死んでやっと楽になりました。署長のおかげです」


「そうか・・ハハハ・・・山田君も気をつけろよ。バカなことをしていると美幸に殺されるかもしれないぞ。順子と怪しいというじゃないか?」


「何もないですよ。それと、いずれ分かるということは、もしかしたなら、この街に来る人で殺す人を選んでいるということではないですか?」


「どういう意味だ?」


「順子さんの元彼とクラブホステス・・・」


「ハハハハハ・・・」と、大笑いをしたが、署長は何も言うことはなかった。

「茂さん、余計な詮索よ。もう、詮索は止めなさいよ。あなたも街の議員なんだし・・・」


と、女将はニコリと微笑んだ。



帰りの車の中で、女将は嬉しそうであった。


つまり、公安の調査がなくなったということだろう。女将も安泰という言葉を言ったということは、この街での女将の立場というものは強力なものかもしれない。


ということは、美幸も同じだ。それと、一つ気になることは順子との関係だ。

どこまで知られているのだろうか?このままなら僕の立場も危ないかもしれない。


最初に街にきた時と全く違う自分が存在していることを感じていた。


お金のため・・・地位のため・・・何のためなのか?


もしかしたなら、この街に染まってしまったのかもしれない。皆、こういうことを経験して無言になっていくのだろうか?誰にも言えないことで・・・



それから数日して、順子が僕に言う。



「冷たくない?時間を作ってくれるというけど、いつも忙しいみたいだし?」


「ごめんよ。議員としての仕事もあるし、必ず、時間は作るから・・・」


「信じていいの?それと、夏木さんのことはどうなったの?」


「・・・うん、街を出て行ったみたいだよ。公安もそう言っていたし・・・」


「それならいいけど・・・何か隠していない?」


「何も隠していないよ。街は怪しいし、とにかく調べているんだよ。だから、誰にも言えない。順子も黙っていてくれるよね?」


「うん・・・分かったわ」


僕は、順子の存在が重荷になってきていた。署長の言葉を忘れられなかったのだ。




順子とは終わりにしたほうがいいようだ。自然消滅・・・それとも、順子を結婚させることもいいかもしれない。署長なら、誰かいい人を紹介してくれるに違いないと考えるようになった。


美幸のおなかも日々大きくなっていたし、ここでヘタに順子とのことがバレたら困る。


その後、順子との関係はないままに毎日が過ぎていった。


ある日、順子が僕に相談があるというので、誰にも気づかれないように部屋に行った。


順子はいきなり僕に抱きついてきた。僕は抵抗することもなく関係を持った。


美幸が妊娠してから関係はなく、男としての欲望は溜まったままであった。


「相談って何?」


「母が来ることになったのよ?」


「順子の?」


「うん、叔父様が話したらしいのよ。母も乗り気だし、私と暮らせるということで了承したらしいのよ。どう思う?不思議な街だから母に何かあったらと思うと不安で・・・」


「大丈夫だよ。一緒に暮らせるなんていいじゃないか?」


「茂さんは変わったわ。街のことを調べると言ったけど何もしていないじゃないの?何があったの?叔父様や女将さんと何かがあったんじゃないの?」


「何もないよ。ただ、街のことは調べることは難しいと思っているんだ。何かがあるとしても、僕たちにとっては何も悪いことはないじゃないかい?そう思うと、無理して調査しなくてもいいかなと思っているんだよ」


「無理して私と付き合うこともないと?」


「そんなことはないよ。順子は別だよ・・・」


「美幸さんのおなかも大きくなってきたし、私とは別れたいと思っているのよね?」


「バカな・・・」僕は、順子の言葉を全否定することは出来なかった。


「信じていいのよね?」


「時間をくれよ。必ず・・・」と、言いかけた時に携帯が鳴った。



同僚の議員からで、今夜は飲み会をしたいということだ。



「今夜は飲み会だよ。店のことはお願いする。女将にも言っておくから・・・」


「茂さん・・・寂しいのよ。何で分かってくれないの・・・」


僕は、優しく順子を抱きしめた。もう、終わりにしたほうがいい。


このままなら、僕の地位はなくなってしまうかもしれない。それよりも署長の怒りを買うことにもなりかねない。そうしたなら全ては終わる。



その夜、飲み会で議員たちは上機嫌であった。一人の古参議員が僕に言った。



「山田さん、聞きましたよ。公安のこと・・・うまくいきましたね」


「えぇ、何とか。これで何もないでしょう」


「ヘヘヘ・・・あんたのおかげだよ。俺たちも安泰だ。街長も喜んでいたし・・・」


「街長?会ったのですか?」


「会ったよ。喜んでいた。これで、あんたの株は上がったな」


「どんな人なのですか?」














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店は何事もなかったかのようにいつものランチが始まった。


急展開したのは、その日の夕方のことであった。


夜の準備をしている時であった。突然。電話が鳴り、女将が何か話している。

何度も頷き・・・そして、僕を呼んだ。



「茂さん、大事な話があるのよ。ちょっと私と一緒に来てくれる?」


「何ですか?」


「車の中で話すわ」と、美幸と順子を残して店を出た。


「困ったことになったのよ。夏木という男の友人という人が警察に来ているらしいの。それで、茂さんに話してほしいのよ。知り合いでしょ?」


「どういうことですか?夏木さんは、以前の町に帰ったんじゃないのですか?」


「どうも違うのよ。どこにいるのかは分からないから、その人に説明してよ」


「それはおかしいですね?電話したら帰ったという・・・」


「あの電話は茂さんだったのね?知らない人のアパートから・・・どうしてなの?」


僕が電話をかけたことも知られていた。


「えぇ、ちょっと・・・」


「今だから言うけど、あの電話は街の交換台なのよ。その電話番号は事前に分かっていたから、その電話への通話先は街になっていたのよ。いまさら言っても仕方ないけど・・・」


「えっ?何でそこまでしたのですか?」


「あの男は注意人物だから・・・」


「本庁の特殊公安の人でしょ?」


「やっぱり知っていたのね」


「特殊公安なら困ることがあるんでしょうか?」


「まぁ、いいわ、とにかく署長に会ってから、その男に会うから・・・」


警察署に着き、署長室に向かう。



「山田君、君にお願いがある。君は夏木と知り合いだということだな。それと、例の電話番号も知っている。それで、夏木がこの街を出て、どこかに行ったということを説明してほしい。納得するかどうかは分からないが、夏木のことは君が詳しいだろう?」


「どうしてですか?帰ったと言っていたじゃないですか?おかしいですよ」


「いや、帰ったと思っていたんだ。俺の勘違いだ。どこかに行ったらしい」


「本当のことを言って下さい。死んでいるのでしょう?」


「・・・殺された・・・」


「誰に?」


「調査中だ。誰なのかは分からない」


「それはないでしょう?誰かにお金が?知っていますよね?」


「俺の女房だ。奴は俺の家まで来て、女房にしつこく聞いた。女房は不安になって夏木を殺してしまった。そういうことだ。女房が殺人をしたとなると俺にも関係してくる。とにかく、夏木が街を出て行ったことを話してくれ・・・」


僕は、署著のために説明することにした。



その男は別室で待機していた。


僕を見ると、公安の職員だと言う。


夏木さんとのことを一通り説明すると、色々と質問してきたのだが、僕が電話番号を知っているということと、特殊公安の職員だと聞いたことを言うと納得したようであった。


「山田さん、分かりました。夏木のことはこちらで調査してみますが、夏木から連絡があったなら教えてくれますね?しかし、夏木はどこに行ったのか?」


「突然ですよ。僕は何も聞いていません。何かを調査しているとは聞いていましたが、この街の調査なんですか?」


「そうです。署長の信頼している山田さんだから話していいと思いますが、この街には不思議なことが多いのです。署長にも言ってありますが、どこかの組織が入り込んでいるということです。何の目的なのかは分かりません。しかし、何かが起きているのです。全容を解明するための潜入捜査なのです。警察も協力してくれていますから早い時期に解決すると思っています。それと、先週に、何人かの男がこの街を出て行っています。夏木は、そのことを報告してから行方不明になったのです。その何人かは組織の人間ではないかと睨んでいます。この街で、その男たちは何かをしていたと思うのです。夏木は、それを追いかけて街を出たのかもしれません。このことは内密にお願いします。署長さんにもお世話になりました。これからは街も安全になると思います。ちよっと、署長さんにお話がありますから・・・」と、部屋を出て行った。



何だ?全く検討違いではないか?夏木さんは殺されているのに・・・



特殊公安は何をしているのだ。全く違う・・・


その後、署長室に呼ばれた。


「山田君に借りが出来たな・・・ハハハ・・・」


「どういうことなんですか?」


「公安の調査が入るということは知っていた。だから、何人かの不審者を一掃したように見せかけて殺して街を出たように細工したんだよ。公安としては、どこかの組織が街で何かを・・・例えば・・・テロのようなものだ。その準備をしていると思っていたのだろう・・・全く検討違いだ・・・ハハハ。山田君、君は素晴らしいよ。これで君も俺たちと同じ仲間だということだ。なぁ、女将・・・」


「そうですわ。茂さんも、これで街の議員として立派にやっていけますわ。署長さんも、これで安泰ですし私も安泰です。公安が分からないということは誰も分からないということですわ・・・」


「そういうことだ。この街のルールというものは誰にも知られることはない。住民は助け合って暮らしている。こんなに素晴らしい街はない・・・ハハハ・・・なぁ、山田君」


「そういうことだったんですね。全てが分かったような気がします。この街は殺人街だということですね?住民は知っていても誰にも話さない・・・そればかりか、いつ、自分が殺されるかも分からない。しかし、自分が死んでも家族は楽に暮らしていける。だから、自己破産した人や自殺を考えるような人が引っ越してくるのですか?」


「やっと、理解したようだな。だが、それだけではない。それは表面に過ぎない。もっと、面白いこともある。いずれ分かるが・・・ハハハ」


「まだ何かあるのですか?」












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