■勝汰章の著作刊行本

 「笑顔になるための246のことば」

  悲しみを乗り越える時に・・・

夫婦/恋愛/会社、仕事/子供/家族/友情、信頼/お金/病気、事故/生と死/挫折/セックス/男と女/今/

2030年までの運勢鑑定付

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■勝汰 章 HP http://katsuta.yu-yake.com/

 

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「街の裏山にある大きな電力施設よ。街の電力はそこでまかなっているのよ」

 

「聞いたことはあるけど?視察してみるか?」


翌日、二人で電力施設に行った。無人の施設であった。


「大きいな。ここから電力が・・・」と、言いかけると。


「抱いて・・・お願い・・・ずっと、好きだった。茂さんが一番好きよ」


こういうことをするために順子は僕を誘ったと思った。


美幸との関係も冷めていたので、僕は順子にしがみついていた。


久しぶりの順子の香り。周りには誰もいないということで獣になったようであった。



「やっぱり、茂さんが一番。これからも会ってほしい。茂さんの立場は分かっているから、結婚してほしいなんて言わない。ただ、会ってくれるだけでいいの?」


僕は静かに頷いていた。以前よりも度胸がついたのかもしれない?


美幸のおなかも大きくなり、働くことは止めたほうがいいと言ったのだが、美幸は無視して働いていた。


新しく入った女も仕事を完全に覚えてくれて店の戦力となっていた。


女将が殺すということはないのか?女将の行動を注視していたのだが、何事も起こらない。



当分は何もないような気がしていた。




しかし、年末の旅行のことは何ひとつ聞かされないでいた。


今年も残すところ十日となっていた。


「茂さん、来年は父親よね?」と、女将が言う。


「はい、何か信じられない気持ちです」


「頑張らないとね・・・美幸のためにも」


「はい、家族のために。それと、女将・・・年末はどうするのですか?」


「年末?何もないわよ。いつも、静かに家で新年になるのを待つのよ」


「そうですか?どこかに行くとかはないのですか?」


「ないわよ。どうしてそう思うの?」


「いや・・・何となく」


「それならいいけど。どこかに行きたいの?」


「新婚旅行以外に、どこにも行っていないし・・・長期の休暇だから・・・」


「長期・・・それもいいかもしれないわね。でも、今年は無理よ。美幸のことがあるから、あんなおなかでどこに行くのよ。無理でしょう?」


「そうですよね。無理ですよね。変なことを言ってすいません」


「じゃあ、来年は特別に長期休暇をとることにしましょうか?あなたの叔父さんや叔母さんにも会いたいでしょう?この街に来てもらって、ここからどこかに行きましょう」


「えっ、いいんですか?喜びますよ。しばらく会っていないし、結婚したことも知らない。皆でどこかに行けるなんて最高です。来年になったなら行き先を考えてもいいですか?」


「勿論よ。私も茂さんの親戚に会いたいし・・・美幸も同じだと思うわよ。とりあえず、私と茂さんだけの秘密にしておきましょうね」


女将は笑顔で話してくれた。僕は、その笑顔をどこかで見たようにも思ったが、叔父と叔母に会えるという嬉しい気持ちでかき消されていたのだ。


順子の家も完成したが村越が死んだということで母親だけが暮らしている。


母親は順子に似て美人だ。何げに女将と比較してみたが、順子の母親のほうが上物だ。


署長の紹介で役場の中の福祉の仕事をしているという。主にお年寄りの年金の担当だ。


年末が近づき僕の仕事も多くなっていた。主に、葬式なのだが・・・


僕たちの赤ちゃんは順調に育っている。しかし、美幸は仕事を止めない。止めないというよりも無理しているような気がしていた。


「もう、仕事を止めようよ。無理したなら流産するかもしれない?」


「大丈夫よ。平気・・・つわりもないし、臨月になるまで働くわ。心配しないで・・・」


「美幸がいうなら・・・」


そして、悪い予感が的中したのだ。仕事中にころんで流産してしまったのだ。


病院に運ばれたのだが、美幸は大丈夫だという。しかし、子供は死んだ。


後、三ヶ月であった。ころんだというのは女将から聞いたのだが、何か疑問が残る気もした。


僕は議員の仕事で不在であり、店員の女は買出し、女将は何かの用事で外出していたという。


生まれていない赤ちゃんも一人の人間として街からお金が出る。


五千万円ということであった。ということは、この街の流産が多いということは、もしかしたなら計画的に流産しているのかもしれない?そうであれば、この街の女は、完全に狂っているとしか思えない。しかし、美幸はお金に困っているということはない。


おそらく、ころんで流産したと思うしかなかった。


そこまでお金に執着しているとは思いたくなかった。


美幸は、数日落ち込んでいたが、今は、前の美幸に戻っていた。


大晦日の夜になった。街は静かに新年を迎える。


新年になっても葬式は多い。事故や病気。しかし、どうみても不思議な死もあった。


おそらく、誰かによる殺人なのだろう。警察は、全てを事故死や病気、心中として処理していた。


新年の挨拶が始まった。議員としての大事な仕事だ。


街の有力者の家を訪ねる。ある一軒の家で、不思議な噂を聞いた。

 









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